高校教員の『さん』です!
この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。
教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる!
その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。
生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。
まずは、教科書の説明をみてみよう!
まずは教科書の説明!
関数 \(y=f(x)\) が \(x=a\) で微分可能であるとき、微分係数 \(f'(a)\) は曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における接線の傾きに等しい。
よって次のことが成り立つ。
曲線\(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における接線の方程式は
\(y-f(a)=f'(a)(x-a)\)
曲線上の点Aを通り、Aにおけるこの曲線の接線と垂直な直線を、点Aにおけるこの曲線の 法線 という。
曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における法線の傾きは \(f'(a) \neq 0\)のとき、 \(\displaystyle -\frac{1}{f'(a)}\) である。
また、 \(f'(a)=0\) のときは、法線は\(x\)軸に垂直な直線である。
よって次のことが成り立つ。
曲線\(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における法線の方程式は
\(f'(a) \neq 0\)のとき \(\displaystyle y-f(a)=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)\)
\(f'(a) \neq 0\)のとき \(x=a\)
簡単に説明するよ!
点 \((a,\:f(a))\) を通る、傾き \(m\) の直線の方程式は
$$y-f(a)=m(x-a)$$
点 \((a,\:f(a))\) 上の接線の傾きは \(f'(a)\) なので、接線の方程式は
$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$
点 \((a,\:f(a))\) 上の法線の傾きは \(-\frac{1}{f'(a)}\) なので、接線の方程式は
$$\displaystyle y-f(a)=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)$$
「法線が縦にまっすぐになるときは、\(x=a\)になるよ」
詳しく説明するよ!
接線の方程式
接線の方程式を作っていくよ。
まずは直線の方程式の復習から。
例題:点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\)を通る傾き \(\color{blue}{3}\) の直線の方程式を求めよ。
これは、 \(y = \color{blue}{3}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(y = 3x-2\) ってすぐに求めることができるよね!
じゃあ次の例題。
例題:\(y=x^2\) 上の点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\) を通る接線の方程式を求めよ。
さっきの例題は、直線の通る点と傾きが分かっていたけど、
今回の問題は、直線の通る点は分かるけど、傾きは分からない。
だから、傾きを求める必要があるんだ。
接線の傾きは、「関数を微分することで求めることができた」のは覚えているかな?
\(y=x^2\) の接線の傾きは、\(y’=2x\) この式を使って求めることができるんだった。
点 \((2,\:4)\) 上の接線の傾きは \(2x\) に \(2\) を代入した \(\color{blue}{4}\) って求められるんだ。
ということで、\((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\)を通る、傾き \(\color{blue}{4}\) の直線の方程式が、求めたい接線なので、
\(y = \color{blue}{4}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(y = 4x-4\) って求めることができる!
一般化すると、\(y=f(x)\) 上の点 \((\color{red}{a},\:\color{red}{f(a)})\) を通る、接線の方程式は
$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$
法線の方程式
法線っていうのは、接線と直交する直線のことなんだ。
例題:\(y=x^2\) 上の点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\) を通る法線の方程式を求めよ。
この例題の接線の傾きは、\(\color{blue}{4}\) だったね。
じゃあ、法線の傾きはどうなるかというと、
2つの直線が直交する条件「(傾き)×(傾き) \(=-1\) 」を使って、
$$\color{blue}{\text{(接線の傾き)}}×\color{green}{\text{(接線の傾き)}} = -1$$
になればいいから、
$$\color{green}{\text{(法線の傾き)}} = -\frac{1}{\color{blue}{\text{(接線の傾き)}}}$$
なので、求めたい法線の傾きは
$$\color{green}{\text{(法線の傾き)}}= -\frac{1}{\color{blue}{4}}$$
よって法線の方程式は
\(\displaystyle y = \color{green}{-\frac{1}{4}}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(\displaystyle y = -\frac{1}{4}x+\frac{9}{4}\) って求めることができる!
一般化すると、\(y=f(x)\) 上の点 \((\color{red}{a},\:\color{red}{f(a)})\) を通る法線の方程式は
$$y-\frac{1}{f'(a)}(x-a)+f(a)$$
「接線と法線の方程式って、一見ややこしそうに見えるけど、実は直線の方程式 \(y = m(x-a) + b\) を使えばスッキリ整理できるんだ!傾きをどうやって求めるかを押さえれば、接線も法線も簡単に導けるよ。一緒にじっくり確認していこう!」
最後に例題
例題
(1) \(\displaystyle y=\frac{4}{x}\) 上の点 \((-1,\:-4)\) における接線の方程式を求めよ。
(2) \(y=\sin \theta\) 上の点 \(\displaystyle\left(\frac{\pi}{6},\:\frac{1}{2}\right)\) における法線の方程式を求めよ。
(1) \(\displaystyle y’=-\frac{4}{x^2}\) より 接線の傾きは \(\displaystyle -\frac{4}{(-1)^2}=-4\)
よって求める接線の方程式は \(y = -4(x +1)-4\) より \(y = -4x – 8\)
(2) \(y’=\cos \theta\) より 法線の傾きは \(\displaystyle -\frac{1}{\cos\frac{\pi}{6}}=-\frac{2}{\sqrt{3}} \)
よって求める法線の方程式は \(\displaystyle y = -\frac{2}{\sqrt{3}}\left( x – \frac{\pi}{6} \right)+\frac{1}{2}\) より \(\displaystyle y = -\frac{2}{\sqrt{3}}\left( x – \frac{\pi}{6} \right) + \frac{1}{2}\)
まとめ
今回のポイントを整理すると、次のようになるよ!
- 接線の方程式の基本形
点 \((a, f(a))\) を通り、接線の傾き \(f'(a)\)を用いると、接線の方程式は次のように表せる。
\(y = f'(a)(x-a) + f(a)\) - 法線の方程式の基本形
接線と直交する直線(法線)の傾きは \(\displaystyle -\frac{1}{f'(a)}\) となる。
したがって、法線の方程式は次のようになる。
\(\displaystyle y – f(a) = -\frac{1}{f'(a)}(x-a)\)
ただし、 \(f'(a) = 0\) の場合、法線は \(x=a\) となることに注意! - 接線の求め方の流れ
- 関数 \(f(x)\) を微分して、傾きを求める。
- 傾きと点を使って、接線の方程式を求める。
- 法線の求め方の流れ
- 接線の傾きを求める(微分)。
- 直交条件 \(m_1 \cdot m_2 = -1\) から法線の傾きを求める。
- 傾きと点を使って、法線の方程式を求める。
「最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!」
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