高校教員の『さん』です!
この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。
教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる!
その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。
生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。
まずは、教科書の説明をみてみよう!
まずは教科書の説明!
例題:曲線 \(y=\log{x}\) について、次のような接線の方程式を求めよ。
(1) 傾きが\(e\)である
(2) 原点を通る
\(y=\log{x}\) を微分すると \(\displaystyle y’=\frac{1}{x}\)
ここで、接点の座標を\((a, \:\log{a})\)とすると、接線の方程式は \(\displaystyle y-\log{a}=\frac{1}{a}(x-a)\)
すなわち \(\displaystyle y=\frac{1}{a}x+\log{a}-1 \tag{①}\)
(1) 接線①の傾きが\(e\)であるから
\(\displaystyle\frac{1}{a}=e\) すなわち \(\displaystyle a=\frac{1}{e}\)
①に代入すると \(y=ex-1-1\) 整理して \(y=ex-2\)
(2) 接線①が原点 \((0, \:0)\)を通るから \(\displaystyle0=\frac{1}{a}\cdot 0+\log{a}-1\)
よって \(\log{a}\)=1 したがって \(a=e\)
①に代入すると \(\displaystyle y=\frac{1}{e}x\)
簡単に説明するよ!
接点 \((a,\:f(a))\) 、傾き \(f'(a)\) の接線の方程式は \(y=f'(a)(x-a)+f(a)\) だよ。
接線は、接点と傾きが分かれば求めることができるよ。
接点が分からない接線の問題は、とにかくまず接点を文字でおくことが大事だよ。
詳しく説明するよ!
接点が問題文に書かれていないときの、接点の求め方を説明していくよ。
今回扱う例題はこれ
例題:曲線 \(y=\log{x}\) について、次のような接線の方程式を求めよ。
(1) 傾きが\(e\)である
(2) 原点を通る
接点を文字でおき、接線の方程式を作る
この例題では、接点の情報が書かれていないね。
こんなときは
「とにかくまず接点を文字でおく」
これを反射的にできるようにしよう。
接点を \((a,\;f(a))\) と設定すると、接線の方程式は
$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$
と作れるようになる。
次は、傾き\(f'(a)\)を考えよう。
例題で与えられてる関数は \(y=\log{x}\) だから、微分して
$$y’=\frac{1}{x}$$
接点 \((a,\;f(a)\) での傾きは \(\frac{1}{a}\) と分かるから、接線は
$$y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{a}$$
とすることができる。

「ここまでは、何も考えずにできるようになろう!!」
条件から接点を求める
次は問題文の条件から自分で置いた接点の \(x\) 座標 \(a\) を求めていくよ。
(1)の条件「傾きが \(e\)」から接点を考えていこう。
さっき求めた傾きは \(\displaystyle\frac{1}{a}\) だったね。
$$\displaystyle\frac{1}{a}=e$$
これを計算して
$$\displaystyle a=\frac{1}{e}$$
あとはこれを接線の方程式
$$y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{a}$$
に代入すればいいから
「(1) 傾きが \(e\)」ときの接線は
$$\displaystyle y=e\left(x-\frac{1}{e}\right)+\log{\frac{1}{e}}$$
を計算して
$$\displaystyle y=ex-2$$
次は(2)の条件「原点を通る」から接点を考えていこう。
接線が原点 \((0,\:0)\) を通るから、接線の方程式
$$y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{\frac{1}{e}}$$
に代入して
$$0=\frac{1}{a}(0-a)+\log{\frac{1}{e}}$$
これを計算すると
$$\log{\frac{1}{e}}=1$$
となるから
$$a=e$$
あとはこれを接線の方程式
$$y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{a}$$
に代入すればいいから
「(2) 原点を通る」ときの接線は
$$y=\frac{1}{e}(x-e)+\log{e}$$
を計算して
$$\displaystyle y=\frac{1}{e}x$$
\(y=\log{x}\) 上の接点を \((a,\;f(a))\) とおく
\(\displaystyle y’=\frac{1}{x}\) より、接線の方程式は \(\displaystyle y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{a}\)
よって \(\displaystyle y=\frac{1}{a}(x-a)+\log{a}\)
(1)
傾きが \(e\) なので、 \(\displaystyle\frac{1}{a}=e\) より \(\displaystyle a=\frac{1}{e}\)
よって接線の方程式は \(\displaystyle y=e\left(x-\frac{1}{e}\right)+\log{\frac{1}{e}}=ex-2\)
(2)
\((0,\:0)\) を通るから \(\displaystyle 0=\frac{1}{a}(0-a)+\log{\frac{1}{e}}\)
よって \(\displaystyle \log{\frac{1}{e}}=1\) となるから \(a=e\)
従って接線の方程式は \(\displaystyle y=\frac{1}{e}x\)

「接点が分からない接線の問題は、とにかくまず接点を文字でおくことが大事だよ」
まとめ
今回のポイントを整理すると、次のようになるよ
- 接点 (\((a, f(a))\) での接線の方程式を \(y = f'(a)(x – a) + f(a)\) の形で表すことができる。
- 接点が与えられていない場合は、「まず接点を文字でおく」ことが大事。
- 問題文にある条件(傾きや通る点)から、接点の \(x\) 座標 \(a\) を求める。
- 接点の座標が求まったら、接線の方程式に代入して、具体的な式を得る。
- 計算ミスを防ぐために、各ステップを順番に確実に進めることが大切。
この流れをしっかり押さえて、どんな接線の問題にも対応できるようにしておこう!

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!
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