高校教員の『さん』です!
この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。
教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる!
その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。
生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。
まずは、教科書の説明をみてみよう!
まずは教科書の説明!
曲線が \(x,\:y\) の方程式で表されるとき、 \(y\) を \(x\) の関数と考え、その方程式の両辺を \(x\) で微分することで導関数 \(y’\) を求めることができる。
例題:楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) 上の点 \((2,\:1)\) における接線の方程式を求めよ。
\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) の両辺を \(x\) で微分すると \(\displaystyle\frac{2x}{8}+\frac{2yy’}{2}=0\)
よって、 \(\displaystyle y\neq-\frac{x}{4y}\) であるから、点 \((2,\:1)\) における接線の傾きは \(\displaystyle-\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}\)
したがって、求める接線の方程式は \(\displaystyle y -1=-\frac{1}{2}(x-2)\) すなわち \(\displaystyle y=-\frac{1}{2}x+2\)
簡単に説明するよ!
関数 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式は 、 \(y=f'(a)(x-a)+f(a)\) で求められるよ。
関数が \(y=f(x)\) ではなく \(F(x,\:y)=0\) の場合でも同じように求めることができるよ。
ただし、 \(F(x,\:y)=0\) から接線の傾きを求めるには合成関数の微分が必要になるよ。
合成関数の微分は\(\displaystyle \frac{dy}{du} \cdot \frac{du}{dx}\)を使うんだったね。
詳しく説明するよ!
関数 \(F(x,\:y)=0\) で表される方程式の接線を考えるよ。
関数 \(F(x,\:y)=0\) は例えば \(x^2+y^2-1=0\) とか \(y^3+y^2+xy+x^3−3=0\) とかのことだよ。
関数 \(y=f(x)\) のことを陽関数、関数 \(F(x,\:y)=0\) のことを陰関数って呼ぶんだ。
次の例題で説明していくね。
例題:楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) 上の点 \((2,\:1)\) における接線の方程式を求めよ。
陽関数 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式は 、 \(y=f'(a)(x-a)+f(a)\) で求めることができたね。
陰関数 \(F(x,\:y)=0\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式も基本は同じ。
ただ、傾きを求めるために陰関数 \(F(x,\:y)=0\) を微分するのに少し工夫が必要なんだ。
傾きを求めるために、\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) から \(y’\) を求めていくよ。
\(y’\) は \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) のことだったね。
\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) の両辺を \(x\) で微分すると
$$\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot \frac{d(y^2)}{dx}=0$$
\({y^2}\) は直接 \(x\) で微分することはできないから、\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}\) を合成関数の微分を使って計算するんだったね。
\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}\) は一旦 \(y\) で微分して、辻褄が合うように \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) を掛けて求めるよ。
$$\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}=\frac{d(y^2)}{dy}\cdot\frac{dy}{dx}=2yy’$$
だから、
$$\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot 2yy’=0$$
ここまでできたら、あとは \(y’=\) にするだけ。
$$y’=-\frac{x}{4y}$$
陰関数はこうやって傾きを求めていくよ。
あとは、点 \((2,\:1)\) における接線の傾きを求めると、接線の方程式が求められる。
傾きは \(\displaystyle-\frac{x}{4y}\) に\(x=2,\:y=1\) を代入すると
$$-\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}$$
最後に接線の方程式を求めると
$$y=-\frac{1}{2}(x-2)+1=-\frac{1}{2}x+2$$
両辺を \(x\) で微分すると \(\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot 2yy’=0\)
よって \(y\neq0\) のとき \(\displaystyle y’=-\frac{x}{4y}\) であるから、接線の傾きは \(\displaystyle -\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}\)
したがって接線の方程式は \(\displaystyle y=-\frac{1}{2}(x-2)+1=-\frac{1}{2}x+2\)
まとめ
今回の記事では、陰関数の微分 を使って曲線の接線を求める方法を学んだよ。
ポイントの整理
- 陰関数 \(F(x, y) = 0\)の微分には 合成関数の微分 を使う
- \(y^2\) や \(xy\) のような項を微分するときは、\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx} = 2yy’\) のように \(y’\) を含む形 にする
- 接線の方程式は、求めた \(y’\)(接線の傾き)を使って \(y = mx + b\) の形に整理する
この考え方が身につけば、楕円や放物線などの 陰関数の微分 もスムーズに解けるようになるよ!

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!
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