【数学Ⅰ】三角比04:単位円を用いた三角比の定義

数学準備室
さん
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今日の板書はこれ!

単位円を用いた\(\sin,\cos\)の定義

長さ\(1\)、\(x\) 軸方向からの回転角 \(\theta\) の線分と単位円の交点 \(P\) の座標が \((\cos{\theta}, \sin{\theta})\)

単位円を用いた\(\tan\)の定義

\(x\) 軸方向からの回転角 \(\theta\) の直線と直線 \(x=1\) との交点 \(P\) の\(y\) 座標が \(\tan{\theta}\)

三角比の覚え方
\(\sin\), \(\cos\) の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\sin{\theta}\) は \(y\) 座標、\(\cos{\theta}\)は \(x\) 座標 )
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{2}=0.5\)  or  \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    →  大きさは \(\frac{1}{\sqrt{2}}\) 。符号は単位円で考える。
\(\tan\)の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\tan{\theta}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標)
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{\sqrt{3}}≒0.6\) or \(\sqrt{3}≒1.7\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    → 大きさは \(1\) 。符号は単位円で考える。
生徒
生徒

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私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」

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噛み砕き方がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!

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単位円を用いた三角比の定義

さん
さん

単位円を使って三角比の定義し直そう!

生徒
生徒

そもそも単位円ってなんだっけ?

単位円とは、半径が1の円のことです。

数Ⅰでは、上半分の単位円しか使いません。

復習ですが、直角三角形を使った三角比の定義はこんな感じでしたね。

さすがに覚えられましたか?

\(\cos{\theta}\)

\(\displaystyle\color{red}{\cos{\theta}}=\frac{\color{deepskyblue}{底辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{deepskyblue}{x}}{\color{hotpink}{r}}\)

\(\cos{\theta}\)

\(\displaystyle\color{red}{\cos{\theta}}=\frac{\color{deepskyblue}{底辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{deepskyblue}{x}}{\color{hotpink}{r}}\)

\(\tan{\theta}\)

\(\displaystyle\color{red}{\tan{\theta}}=\frac{\color{lime}{対辺}}{\color{deepskyblue}{底辺}}=\frac{\color{lime}{y}}{\color{deepskyblue}{x}}\)

単位円を使って三角比を定義し直すと、0°から90°までだった三角比が、180°まで考えられるようになるんです!

単位円を使った \(\sin\) の定義

まずは、\(\sin\) を単位円を使って定義していきます。

次の単位円を見てください。

単位円上に点P \((x, y)\) を作り、点Pを頂点にもつ、直角三角形を作りました。

単位円は「半径が1の円」ですから、この直角三角形の斜辺は1になります。

そして、\(\displaystyle\color{red}{\sin{\theta}}=\frac{\color{lime}{対辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{lime}{y}}{\color{hotpink}{r}}\) でしたから、

\(\displaystyle\color{red}{\sin{\theta}}=\frac{\color{lime}{対辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{lime}{y}}{\color{hotpink}{1}}=\color{lime}{y}\)

よって、\(\color{red}{\sin{\theta}}=\color{lime}{y}\) となります。

つまり、単位円での\(\sin{\theta}\) は、点Pの \(y\) 座標 ってことです。

どうですか?

とってもシンプルに定義できて気持ちいいですよね。

さん
さん

\(\sin{\theta}\) は\(y\) 座標」って10回唱えよう!

生徒
生徒

\(\sin{\theta}\) は\(y\) 座標、\(\sin{\theta}\) は\(y\) 座標、\(\sin{\theta}\) は\(y\) 座標、・・・

単位円を使った \(\cos\) の定義

次に、\(\cos\) を単位円を使って定義していきます。

直角三角形での \(\cos\) の定義は \(\displaystyle\color{red}{\cos{\theta}}=\frac{\color{deepskyblue}{底辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{deepskyblue}{x}}{\color{hotpink}{r}}\)

単位円での直角三角形の斜辺は1ですから、

\(\displaystyle\color{red}{\cos{\theta}}=\frac{\color{deepskyblue}{底辺}}{\color{hotpink}{斜辺}}=\frac{\color{deepskyblue}{x}}{\color{hotpink}{1}}=\color{deepskyblue}{x}\)

よって、\(\color{red}{\cos{\theta}}=\color{deepskyblue}{x}\) となります。

つまり、単位円での\(\cos{\theta}\) は、点Pの \(x\) 座標 ってことです。

さん
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\(\cos{\theta}\) は\(x\) 座標」って10回唱えよう!

生徒
生徒

\(\cos{\theta}\) は\(x\) 座標、\(\cos{\theta}\) は\(x\) 座標、\(\cos{\theta}\) は\(x\) 座標、・・・

単位円を使った \(\tan\) の定義

最後に\(\tan\) を単位円を使って定義していきます。

\(\sin\), \(\cos\) 「分母が1」になるような直角三角形で考えていました。

\(\displaystyle\color{red}{\tan{\theta}}=\frac{\color{lime}{対辺}}{\color{deepskyblue}{底辺}}=\frac{\color{lime}{y}}{\color{deepskyblue}{x}}\) ですから、「分母は \(x\) 」です。

\(\tan\) でも「分母が1」になるように考えたいので、 \(x\) が1になるような直角三角形で考えます。

それが、下の図の直角三角形です。

直線 \(x=1\) 上に点Pを作りました。

この直角三角形では、底辺が単位円の半径1になるため、

\(\displaystyle\color{red}{\tan{\theta}}=\frac{\color{lime}{対辺}}{\color{deepskyblue}{底辺}}=\frac{\color{lime}{y}}{\color{deepskyblue}{1}}=\color{lime}{y}\)

よって、\(\color{red}{\tan{\theta}}=\color{lime}{y}\)

つまり、直線 \(x=1\) との交点 \(P\) の\(y\) 座標が \(\tan{\theta}\)になります。

さん
さん

\(\tan{\theta}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標」って10回唱えよう!

生徒
生徒

\(\tan{\theta}\) は\(x=1\)の\(y\) 座標、\(\tan{\theta}\) は\(x=1\)の\(y\) 座標、\(\tan{\theta}\) は\(x=1\)の\(y\) 座標、・・・

単位円を使った定義で150°の三角比を考えてみよう!

さん
さん

10回ずつ唱えたから覚えられた?

生徒
生徒

んー、もう忘れた。

\(\sin{\theta}\) は\(y\) 座標」、「\(\cos{\theta}\) は\(x\) 座標」、「\(\tan{\theta}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標」でした。

練習として、150°の三角比 \(\sin{150°}\) \(\cos{150°}\) \(\tan{150°}\)を求めましょう。

下の単位円で、それぞれがどこの値なのかを確認してください。

\(\sin{150°}\) は\(y\) 座標」、「\(\cos{150°}\) は\(y\) 座標」、「\(\tan{150°}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標です。

さん
さん

この図の見方がわからない人は、もう一回上に戻って確認してみよう!

2つの直角三角形はどちらも「 \(30°,60°,90°\) 」の直角三角形です。

ですので、辺の比は「 \(1:2:\sqrt{3}\) 」ですから、

\(\displaystyle\sin{150°}=\frac{1}{2}\)

\(\displaystyle\cos{150°}=-\frac{\sqrt{3}}{2}\)

\(\displaystyle\tan{150°}=-\frac{1}{\sqrt{3}}\)

生徒
生徒

できたー!これで、単位円での定義完璧。

三角比の表

さん
さん

次の表を完成させれるかな?

0°から90°までだった三角比が、180°まで考えられるようになりました。

主要な三角比の値を自分で求められるようになりましょう!

θ30°45°60°90°120°135°150°180°
\(\sin{\theta}\)
\(\cos{\theta}\)
\(\tan{\theta}\)
生徒
生徒

んー。頑張ってみる•••。

※ \(\tan{90°}\) は 直線 \(x=1\) との交点が存在せず、値をとらないため「/」を入れてあります。

三角比の表の暗記法

さん
さん

さっき作った三角比の表を、一瞬で考えられるようになろう!

毎回、単位円の直角三角形から辺の比を使って三角比を求めるのは、とても時間がかかります。

しかし、私は記憶力が乏しく、この表を全て暗記するのは難しい。

正しく暗記できずに、「テストで全滅」ってこともありえます。

そこで、全てを暗記するのではなく、「一部のみを暗記し、一部を考える」、ハイブリッドな覚え方をしています。

覚えていることはこれだけ。

30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)

  • \(\sin\), \(\cos\) \(\frac{1}{2}=0.5\) or \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\)
     
  • \(\tan\)\(\frac{1}{\sqrt{3}}≒0.6\) or \(\sqrt{3}≒1.7\)

45°関連(45°, 135°)

  • \(\sin\), \(\cos\) \(\frac{1}{\sqrt{2}}\)
     
  • \(\tan\)\(1\)

あとは、単位円で考える。

この暗記法を使って、もう1度150°の三角比を考えてみます。

まずは、単位円(1周)と150°を書きます。

その後、この単位円を見ながら

\(\sin\) は \(y\) 座標だから、符号は「+」で、30°関連の大きさは、\(\frac{1}{2}=0.5\)  or  \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\) だから、どっちかっていうと \(\frac{1}{2}\) だよな。

→ \(\displaystyle\sin{150°}=\frac{1}{2}\)

\(\cos\)は \(x\) 座標だから、符号は「ー」で、30°関連の大きさは、\(\frac{1}{2}=0.5\)  or  \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\) だから、どっちかっていうと \(\frac{\sqrt{3}}{2}\) だよな。

→ \(\displaystyle\sin{\theta}=-\frac{\sqrt{3}}{2}\)

\(\tan\) は \(x=1\)の\(y\) 座標だから、符号は「ー」で、30°関連の大きさは、\(\frac{1}{\sqrt{3}}≒0.6\) or \(\sqrt{3}≒1.7\) だから、どっちかっていうと \(\frac{1}{\sqrt{3}}\) だよな。

→ \(\displaystyle\tan{\theta}=-\frac{1}{\sqrt{3}}\)

こんな感じで、暗記する部分と、考える部分に分けて、すぐに分かるようにしています。

慣れれば、頭の中の単位円で考えるので、実際に単位円も書く必要はありません。

ぜひ参考にして欲しいと思います。

生徒
生徒

この考え方でもう一回三角比の表作ってみよっかな。一緒にやらない?

もっと詳しい三角比の覚え方
\(\sin\), \(\cos\) の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\sin{\theta}\) は \(y\) 座標、\(\cos{\theta}\)は \(x\) 座標 )
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{2}=0.5\)  or  \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    →  大きさは \(\frac{1}{\sqrt{2}}\) 。符号は単位円で考える。
\(\tan\)の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\tan{\theta}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標)
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{\sqrt{3}}≒0.6\) or \(\sqrt{3}≒1.7\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    → 大きさは \(1\) 。符号は単位円で考える。

まとめ:単位円を用いた三角比の定義

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

三角比を単位円を使って定義し直しました。

とってもシンプルに定義することができましたね。

単位円を用いた\(\sin,\cos\)の定義

長さ\(1\)、\(x\) 軸方向からの回転角 \(\theta\) の線分と単位円の交点 \(P\) の座標が \((\cos{\theta}, \sin{\theta})\)

単位円を用いた\(\tan\)の定義

\(x\) 軸方向からの回転角 \(\theta\) の直線と直線 \(x=1\) との交点 \(P\) の\(y\) 座標が \(\tan{\theta}\)

三角比の覚え方
\(\sin\), \(\cos\) の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\sin{\theta}\) は \(y\) 座標、\(\cos{\theta}\)は \(x\) 座標 )
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{2}=0.5\)  or  \(\frac{\sqrt{3}}{2}≒0.9\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    →  大きさは \(\frac{1}{\sqrt{2}}\) 。符号は単位円で考える。
\(\tan\)の値
  • 90°関連(0°, 90°, 180°)の三角比 
    → 単位円で考える。(\(\tan{\theta}\) は \(x=1\)の\(y\) 座標)
     
  • 30°関連(30°, 60°, 120°, 150°)の三角比
    → 大きさは \(\frac{1}{\sqrt{3}}≒0.6\) or \(\sqrt{3}≒1.7\) 。符号は単位円で考える。
     
  • 45°関連(45°, 135°)の三角比
    → 大きさは \(1\) 。符号は単位円で考える。
生徒
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また一つ賢くなった!

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