【数学A】場合の数11:補集合の利用

場合の数
さん
さん

今日の板書はこれ!


補集合の利用

直接的に求めることが面倒な場合の数は、総数から起こらない場合(補集合)を引く

  • \((少なくとも1つはA)=(全体)-(すべてAでない)\)
  • \((Aでない)=(全体)-(Aである)\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

人より勉強に時間がかかると感じていませんか?

私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」

• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」

教科書や参考書の内容を理解するには、自分なりに噛み砕いて考える力が必要です。

でも大丈夫!

このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

補集合の利用

さん
さん

次の例題を考えよう!

例題

大人6人、子ども4人の中から、5人を選ぶとき、子どもが少なくとも1人は含まれるように選ぶのは何通りあるか。

直接的に求める

さん
さん

「子どもが少なくとも1人は含む場合」ってなにがあるかな?

生徒
生徒

んーっと…。

まずは、補集合を利用せずに直接的に求めていきます。

選ぶ5人のうち、子どもが少なくとも1人は含む組合せは、次の4通りです。

(ⅰ)「大人4人と子ども1人」
(ⅱ)「大人3人と子ども2人」
(ⅲ)「大人2人と子ども3人」
(ⅳ)「大人1人と子ども4人」


まず、(ⅰ)「大人4人と子ども1人」を選ぶ場合の数を考えます。

大人6人の中から4人を選ぶ組合せは \(_6C_4\) 通り

その選び方それぞれに対して、

子ども4人の中から1人を選ぶ組合せは \(_4C_1\) 通り

よって、\(_6C_4× _4C_1 = 60\) 通り


次に、(ⅱ)「大人3人と子ども2人」を選ぶ場合の数を考えます。

大人6人の中から3人を選ぶ組合せは \(_6C_3\) 通り

その選び方それぞれに対して、

子ども4人の中から2人を選ぶ組合せは \(_4C_2\) 通り

よって、\(_6C_3× _4C_2 = 120\) 通り


次に、(ⅲ)「大人2人と子ども3人」を選ぶ場合の数を考えます。

大人6人の中から2人を選ぶ組合せは \(_6C_2\) 通り

その選び方それぞれに対して、

子ども4人の中から3人を選ぶ組合せは \(_4C_3\) 通り

よって、\(_6C_2× _4C_3 = 60\) 通り


最後に、(ⅳ)「大人1人と子ども4人」を選ぶ場合の数を考えます。

大人6人の中から1人を選ぶ組合せは \(_6C_1\) 通り

その選び方それぞれに対して、

子ども4人の中から4人を選ぶ組合せは \(_4C_4\) 通り

よって、\(_6C_1× _4C_4 = 6\) 通り


よって、(ⅰ)~(ⅳ)より \(60+120+60+6=246\) 通り

生徒
生徒

なんだか、めんどくさいね。

さん
さん

こんなときは、補集合を利用すると簡単に求めることができるんだ!

補集合を利用して求める

5人を選ぶ組合せは、先ほどの(ⅰ)~(ⅳ)に(ⅴ)を加えた次の5通りです。

(ⅰ)「大人4人と子ども1人」
(ⅱ)「大人3人と子ども2人」
(ⅲ)「大人2人と子ども3人」
(ⅳ)「大人1人と子ども4人」
(ⅴ)「大人5人と子ども0人」

求めたいのは(ⅰ)~(ⅳ)の合計ですが、その補集合 (ⅴ)「大人5人と子ども0人」を、すべての選び方から引くことで求めていきます。

\( \begin{aligned} \text{(子どもが少なくとも1人)}&=(ⅰ)+(ⅱ)+(ⅲ)+(ⅳ)\\ \\ &=\color{red}{(全体)-(子どもを選ばない)}\\ \\ &=\color{red}{(全体)-(ⅴ)}\\ \\ \end{aligned} \)

10人から5人を選ぶ組合せの総数は \(_{10}C_5\) 通り

子どもを選ばない組合せ(大人5人と子ども0人)の総数は \(_6C_5\) 通り

よって、\(_{10}C_5-_6C_5=246\) 通り

生徒
生徒

おー!!簡単に求めることができた!!

さん
さん

「総数から起こらない場合を引く」って考え方は、計算を楽にしてくれるんだ!

まとめ:補集合の利用

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!


補集合の利用

直接的に求めることが面倒な場合の数は、総数から起こらない場合(補集合)を引く

  • \((少なくとも1つはA)=(全体)-(すべてAでない)\)
  • \((Aでない)=(全体)-(Aである)\)

生徒
生徒

ありがとうございました!!

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