高校教員の『さん』です!
この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。
教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる!
その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。
生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。
まずは、教科書の説明をみてみよう!
まずは教科書の説明
無限等比数列 \(\{r^n\}\) について
- \(r > 1\) のとき \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = \infty\)
- \(r = 1\) のとき \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 1\)
- \(|r| < 1\) のとき \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 0\)
- \(r \text{ ≦ } -1\) のとき 数列 \(\{r^n\}\) は振動する。
また、数列 \(\{r^n\}\) が収束するための必要十分条件は\( – 1 < r \text{ ≦ } 1\)
簡単に説明するよ!
等比数列\(\{r,\:r^2, \:r^3, \:\cdots\}\)の極限は公比によって4つに分類できるよ。
- 公比が\(1\)より大きいときは、極限は\(\infty\)に。
- 公比が\(1\)のときは、極限は\(1\)に。
- 公比が\(1\)より小さくて\(-1\)より大きいときは、極限は\(0\)に。
- 公比が\(-1\)より小さいときは、極限は振動する。
公比が\(-1\)より大きくて\(1\)以下のときは、収束するよ。
詳しく説明するよ!
無限等比数列とは?
無限等比数列とは、その名の通り「項が無限に続く等比数列」のことだよ。
例えば、次のような数列が無限等比数列の例だね
- \(\{2, \:4, \:8, \:\cdots\}\)(公比 \(r = 2\))
- \(\displaystyle\left\{\frac{1}{2}, \:\frac{1}{4}, \:\frac{1}{8}, \:\cdots\right\}\)(公比 \(\displaystyle r = \frac{1}{2}\))
無限等比数列 \(\{r^n\}\) の場合、数列は次の形で表される
$$\{r^n\} = \{r, \:r^2, \:r^3, \:\dots\}$$
「この \(r\) が「公比」と呼ばれ、数列全体の性質を決めるんだ。」
無限等比数列\(\{r^n\}\)の例
無限等比数列\(\{r^n\}\)では、「公比 \(r\)」が極限に大きな影響を与えるよ。
たとえば
公比 \(r = 2\) の場合
- 数列は \(\{2, \:4, \:8, \:16, \:\cdots\}\) のようにどんどん大きくなる。
- この場合、数列の極限は \(\infty\) に発散するよ。
公比 \(\displaystyle r = \frac{1}{2}\) の場合
- 数列は \(\displaystyle\left\{\frac{1}{2}, \:\frac{1}{4}, \:\frac{1}{8}, \:\cdots\right\}\) のようにだんだん小さくなる。
- この場合、数列の極限は \(0\) に収束するよ。
「\(\{r^n\}\)の極限は次の4つに分類できるよ!”モヤモヤ”から”スッキリ”に!」
\(\{r^n\}\)の\(r\)による極限の分類
無限等比数列 \(\{r^n\}\) の極限は、公比 \(r\) の値によって次の4つのケースに分類できるよ。
それぞれ見ていこう!
1. 公比 \(r > 1\) の場合
- 公比が \(1\) より大きいとき、数列の値はどんどん大きくなって\(\infty\)に発散
- 具体例:\(r = 2\) の場合、数列は \(\{ 2, \:4, \:8, \:16, \:\cdots\}\)。
- 極限は次のようになる: \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = \infty\)
2.公比 \(r = 1\) の場合
- 公比が \(1\) のとき、すべての項が同じ値 \(1\) になるから、\(1\)に収束
- 具体例:数列は \(\{1, \:1, \:1, \:\cdots\}\)。
- 極限は次のようになる: \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 1\)
3. 公比 \(-1 < r < 1\) の場合
- 公比が \(-1\) より大きく \(1\) 未満のとき、数列の値はだんだん小さくなるから、\(0\)に収束
- 具体例:\(\displaystyle r = \frac{1}{2}\) の場合、数列は \(\displaystyle \left\{ \frac{1}{2}, \:\frac{1}{4}, \:\frac{1}{8}, \:\frac{1}{16}, \:\cdots\right\}\)。
- 極限は次のようになる: \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 0\)
4.公比 \(r \text{ ≦ } -1\) の場合
- 公比が \(-1\) 以下の場合、数列の値は振動し、極限を持たない
例えば、\(r = -2\) の場合、数列は \(\{-2, \:4, \:-8, \:16, \:\cdots\}\)。 - このように、項の符号が交互に変わり続けるため、極限は存在しない。
「収束するのは\(r = 1\) のときと、\(-1 < r < 1\) のとき。合わせて\( – 1 < r \text{ ≦ } 1\)のときに収束するよ。」
最後に例題
第\(n\)項が次の式で表される数列の極限を調べよ。
(1) 数列 \(\displaystyle\left(\sqrt{3}\right)^n\)
(2) 数列 \(\displaystyle\left(\frac{2}{3}\right)^n\)
(3)数列 \(\displaystyle\left(-\frac{4}{3}\right)^n\)
(1) 数列 \(\left(\sqrt{3}\right)^n\)
\(\infty\) に発散する
- \(\{\sqrt{3}, \:3, \:3\sqrt{3}, \:9, \:\cdots\}\)と続く数列。
- 公比 \(r = \sqrt{3}\) は \(1\) より大きい。
(2) 数列 \(\displaystyle\left(\frac{2}{3}\right)^n\)
\(0\) に収束する
- \(\displaystyle\left\{\frac{2}{3}, \:\frac{4}{9}, \:\frac{8}{27}, \:\frac{16}{81}, \:\cdots\right\}\)と続く数列。
- 公比 \(\displaystyle r = \frac{2}{3}\) は \(-1 < r < 1\) の範囲にある。
(3) 数列 \(\displaystyle\left(-\frac{4}{3}\right)^n\)
振動し、極限を持たない
- \(\displaystyle\left\{-\frac{4}{3}, \:\frac{16}{9}, \:-\frac{64}{27}, \:\frac{256}{81}, \:\cdots\right\}\)と続く数列。
- 公比 \(\displaystyle r = -\frac{4}{3}\) は \(r \text{ ≦ } -1\) の範囲にある。
まとめ
今回の記事では、無限等比数列 \(\{r^n\}\) の極限について学びました。
以下に要点を整理するよ!
1. 無限等比数列と極限の基本
- 無限等比数列とは、項が無限に続く形の数列 \(\{r^n\}\) のこと。
- 公比 \(r\) の値によって、数列の極限が変化する。
2. 公比による極限の分類
無限等比数列 \(\{r^n\}\) の極限は、次の4つのケースに分類される。
- \(r > 1\) のとき:\(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = \infty\)(数列は発散する)
- \(r = 1\) のとき:\(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 1\)(数列は \(1\) に収束する)
- \(-1 < r < 1\) のとき:\(\displaystyle\lim_{n \to \infty} r^n = 0\)(数列は \(0\) に収束する)
- \(r \text{ ≦ } -1\) のとき:数列は振動して収束しない
3. 例題から学ぶポイント
具体的な例を通して、公比の範囲が極限の結果にどのように影響するかを確認したよ。
- 数列 \(\left(\sqrt{3}\right)^n\)
公比 \(r = \sqrt{3}\) は \(r > 1\) の範囲にある。
この場合、数列の極限は\(\displaystyle\lim_{n \to \infty} \left(\sqrt{3}\right)^n = \infty\) - 数列 \(\displaystyle\left(\frac{2}{3}\right)^n\)
公比 \(\displaystyle r = \frac{2}{3}\) は \(-1 < r < 1\) の範囲にある。
この場合、数列の極限は\(\displaystyle\lim_{n \to \infty} \left(\frac{2}{3}\right)^n = 0\) - 数列 \(\displaystyle\left(-\frac{4}{3}\right)^n\)
公比 \(\displaystyle r = -\frac{4}{3}\) は \(r \text{ ≦ } -1\) の範囲にある。
この場合、数列は振動して極限を持たない。
無限等比数列の極限を考える際、公比 \(r\) の値がどの分類に当てはまるのかを確認することが重要だね。
この考え方が理解できれば、数列の極限をしっかりと押さえられるよ!
次回は、さらに具体的な計算問題を通して極限の考え方を深めていこう!
「最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!」
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