数列の極限09:「無限級数の定義」

数学準備室

高校教員の『さん』です!

この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。

教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる

その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。

生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。

まずは、教科書の説明をみてみよう!

まずは教科書の説明

無限数列 \(\{a_1, a_2, a_3, \ldots, a_n, \ldots\}\)の各項を順に「+」の記号で結んだ式

$$a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots \tag{①}$$

を無限級数という。

この式を和の記号 \(\Sigma\) を用いて、

$$\displaystyle\sum_{n=1}^\infty a_n$$

と書き表すこともある。

無限級数①において、\(a_1\)​ をその初項、\(a_n\)​ を第 \(n\) 項という。

ここで、無限数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和を \(S_n\)​ で表す。

$$S_1 = a_1$$

$$ S_2 = a_1 + a_2$$

$$ S_3 = a_1 + a_2 + a_3$$

$$\vdots$$

$$S_n = a_1 + a_2 + \cdots + a_n$$

この \(S_n\)​ を無限級数①の第 \(n\) 項までの部分和という。

部分和 \(S_n\) を第 \(n\) 項として、新たに次の無限数列 \(\{S_n\}\) を作る。

$$S_1, \, S_2, \, S_3, \, \cdots, \, S_n, \, \cdots$$

この無限数列 \(\{S_n\}\) が収束してその極限値が \(S\) のとき、すなわち

$$\displaystyle\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \sum_{k=1}^\infty a_k = S$$

となるとき、無限級数①は \(S\) に収束する。

また無限級数①の和は \(S\) であるという。

この和 \(S\) も \(\displaystyle\sum_{n=1}^\infty a_n\) で書き表すことがある。

無限数列 \(\{S_n\}\) が発散するとき、無限級数①は発散するという。

簡単に説明するよ!

無限数列の項を全て足したもの無限級数っていうよ。

初項から第\(n\)項までを全て足したもの部分和っていうよ。

無限級数は、部分和の極限を計算すると求めることができるよ。

詳しく説明するよ!

無限級数をわかりやすく解説!

これから無限級数について学んでいくよ!

まず、「級数」っていうのは数列の各項を順に足していった式のことだよ。

たとえば、数列 \(\{1, 2, 3, 4, 5\}\)の級数は

$$1 + 2 + 3 + 4 + 5$$

という形になるよ。

次に無限級数について説明するね!

無限級数」っていうのは、無限数列の各項を順に足していった式のこと。

さっきの例では数列が \(1 \sim 5\) までしかなかったけど、無限級数では

$$1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + \cdots $$

って感じで無限に続く項を足していくんだよ。

これを一般的に書くと、

$$a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots $$

と表せる。

そして、この式は和の記号 \(\Sigma\) を使って

$$\displaystyle\sum_{n=1}^\infty a_n$$

と書き表すこともできるんだ。

次は部分和 \(S_n\)​の説明をするよ!

部分和\(S_n\) っていうのは、無限級数の初項から第 \(n\) 項までの和のこと。

たとえば、無限数\(\{1, 2, 3, \cdots , n, \cdots \}\)の部分和は

$$S_n = 1 + 2 + 3 + \cdots + n$$

みたいな感じだね。

さん
さん

「無限級数のイメージ、少しつかめたかな?具体例を考えると、もっと分かりやすくなるから次に進んでみよう!」

無限級数の求め方と具体例

無限級数\(\displaystyle a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots = \sum_{n=1}^\infty a_n\)は、部分和 \(S_n\) の極限 \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} S_n\) を計算することで求めることができるよ。

\(S_n\) っていうのは、「初項から第 \(n\) 項までの和(部分和)」のことだね!

無限級数 \(\displaystyle \sum_{n=1}^\infty a_n\)​ を求めるには、次の2つの手順を行うよ

手順1:無限数列 \(\{a_n\}\) の部分和 \(S_n\)​ を求める

手順2:部分和 \(S_n\)​ の極限 \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} S_n\)​ を考える

では具体例を見てみよう!

例題:数列 \(\displaystyle\left\{\left(\frac{1}{2}\right)^n\right\}\) の無限級数を求める

この無限級数は次のように表せるよ。

$$\displaystyle\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \frac{1}{8} + \cdots$$

手順1:部分和 \(S_n\) を求める

この数列は初項が \(\displaystyle\frac{1}{2}\)​、公比が \(\displaystyle\frac{1}{2}\)​ の等比数列だから、部分和 \(S_n\) は等比数列の和の公式で求められるね!

$$\displaystyle S_n = \frac{\frac{1}{2}(1 – (\frac{1}{2})^n)}{1 – \frac{1}{2}} = 1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n$$

手順2:部分和 \(S_n\)​ の極限を考える

次に、部分和 \(S_n\)​ の極限 \(\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n\)​ を考えるよ。

$$\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \left\{1 – \left(\frac{1}{2}\right)^n\right\}$$

ここで、\( \left(\frac{1}{2}\right)^n \to 0\) だから、

$$\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n = 1 – 0 = 1$$

これが\(\frac{1}{2} + \frac{1}{4} + \frac{1}{8} + \cdots\)って式の答え、つまり、数列 \(\left\{\left(\frac{1}{2}\right)^n\right\}\)の無限級数なんだ!!

さん
さん

「部分和を使うと無限級数がどんなふうに動いているのかがわかりやすいね!特に収束する場合の結果はすっきりしていて気持ちいいよね!」

まとめ

無限級数について、今回学んだポイントを振り返ろう!

  1. 無限級数とは
     
    無限数列の各項を順に足していったものを無限級数というよ。
    $$\displaystyle a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots = \sum_{n=1}^\infty a_n$$
  2. 部分和 \(S_n\)​ の重要性
     
    無限級数を求めるためには、まず部分和 \(S_n\) を計算し、その極限 \(\displaystyle\lim_{n \to \infty} S_n\)を考える。
     
  3. 具体例
     
    数列 \(\{\left(\frac{1}{2}\right)^n\}\) の無限級数では、部分和を計算して極限を求めることで、和が \(1\) に収束することがわかったね!
    $$\displaystyle\sum_{n=1}^\infty \left(\frac{1}{2}\right)^n = 1$$

今回の内容をしっかり復習して、次のステップに進んでいこう!

さん
さん

「最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!」

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