微分法の応用03:「曲線の方程式と接線」

数学準備室

高校教員の『さん』です!

この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。

教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる

その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。

生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。

まずは、教科書の説明をみてみよう!

まずは教科書の説明!

曲線が \(x,\:y\) の方程式で表されるとき、 \(y\) を \(x\) の関数と考え、その方程式の両辺を \(x\) で微分することで導関数 \(y’\) を求めることができる。

例題:楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) 上の点 \((2,\:1)\) における接線の方程式を求めよ。

\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) の両辺を \(x\) で微分すると \(\displaystyle\frac{2x}{8}+\frac{2yy’}{2}=0\)

よって、 \(\displaystyle y\neq-\frac{x}{4y}\) であるから、点 \((2,\:1)\) における接線の傾きは \(\displaystyle-\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}\)

したがって、求める接線の方程式は \(\displaystyle y -1=-\frac{1}{2}(x-2)\) すなわち \(\displaystyle y=-\frac{1}{2}x+2\)

簡単に説明するよ!

関数 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式は 、 \(y=f'(a)(x-a)+f(a)\) で求められるよ。

関数が \(y=f(x)\) ではなく \(F(x,\:y)=0\) の場合でも同じように求めることができるよ。

ただし、 \(F(x,\:y)=0\) から接線の傾きを求めるには合成関数の微分が必要になるよ。

合成関数の微分は\(\displaystyle \frac{dy}{du} \cdot \frac{du}{dx}\)を使うんだったね。

詳しく説明するよ!

関数 \(F(x,\:y)=0\) で表される方程式の接線を考えるよ。

関数 \(F(x,\:y)=0\) は例えば \(x^2+y^2-1=0\) とか \(y^3+y^2+xy+x^3−3=0\) とかのことだよ。

関数 \(y=f(x)\) のことを陽関数、関数 \(F(x,\:y)=0\) のことを陰関数って呼ぶんだ。

次の例題で説明していくね。

例題:楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) 上の点 \((2,\:1)\) における接線の方程式を求めよ。

陽関数 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式は 、 \(y=f'(a)(x-a)+f(a)\) で求めることができたね。

陰関数 \(F(x,\:y)=0\) 上の点 \((a,\:f(a))\) を通る接線の方程式も基本は同じ。

ただ、傾きを求めるために陰関数 \(F(x,\:y)=0\) を微分するのに少し工夫が必要なんだ。

傾きを求めるために、\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) から \(y’\) を求めていくよ。

\(y’\) は \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) のことだったね。

\(\displaystyle\frac{x^2}{8}+\frac{y^2}{2}=1\) の両辺を \(x\) で微分すると

$$\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot \frac{d(y^2)}{dx}=0$$

\({y^2}\) は直接 \(x\) で微分することはできないから、\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}\) を合成関数の微分を使って計算するんだったね。

\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}\) は一旦 \(y\) で微分して、辻褄が合うように \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) を掛けて求めるよ。

$$\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx}=\frac{d(y^2)}{dy}\cdot\frac{dy}{dx}=2yy’$$

だから、

$$\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot 2yy’=0$$

ここまでできたら、あとは \(y’=\) にするだけ。

$$y’=-\frac{x}{4y}$$

陰関数はこうやって傾きを求めていくよ。

あとは、点 \((2,\:1)\) における接線の傾きを求めると、接線の方程式が求められる。

傾きは \(\displaystyle-\frac{x}{4y}\) に\(x=2,\:y=1\) を代入すると

$$-\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}$$

最後に接線の方程式を求めると

$$y=-\frac{1}{2}(x-2)+1=-\frac{1}{2}x+2$$

両辺を \(x\) で微分すると \(\displaystyle \frac{2x}{8}+\frac{1}{2} \cdot 2yy’=0\)

よって \(y\neq0\) のとき \(\displaystyle y’=-\frac{x}{4y}\) であるから、接線の傾きは \(\displaystyle -\frac{2}{4\cdot1}=-\frac{1}{2}\)

したがって接線の方程式は \(\displaystyle y=-\frac{1}{2}(x-2)+1=-\frac{1}{2}x+2\)

まとめ

今回の記事では、陰関数の微分 を使って曲線の接線を求める方法を学んだよ。

ポイントの整理

  • 陰関数 \(F(x, y) = 0\)の微分には 合成関数の微分 を使う
  • \(y^2\) や \(xy\) のような項を微分するときは、\(\displaystyle \frac{d(y^2)}{dx} = 2yy’\) のように \(y’\) を含む形 にする
  • 接線の方程式は、求めた \(y’\)(接線の傾き)を使って \(y = mx + b\) の形に整理する

この考え方が身につけば、楕円や放物線などの 陰関数の微分 もスムーズに解けるようになるよ!

さん
さん

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!

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