
こんにちは、高校教員の『さん』です。今日は、「不等式を関数の増減を用いて証明する方法」について詳しく説明していくよ。

今回もよろしくお願いします!!
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?
私のクラスにも、同じ悩みを抱えて苦しんでいた生徒がたくさんいました。
• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」
• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」
教科書の内容を理解するには、「自分で噛み砕いて考える力」が必要です。
このブログでは、よく寄せられる質問、つまずきやすいポイントをもとに、教科書の内容をわかりやすく解説していきます。
「噛み砕き方」がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!
まずは、教科書の説明を見てみましょう。
まずは教科書の説明

教科書ではこんなふうに説明されてるよ!
\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。
\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)
\(x>0\) のとき、\(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)
であるから、\(f(x)\) は \(x>0\) で増加する。
よって、\(x=0\) のとき \(f(x)>f(0)=0\)
したがって、\(x>0\) のとき\(e^x>1+x\)
簡単に説明するよ
不等式「\(f(x) > g(x)\)」を関数の増減を用いて証明する方法は
関数「\(F(x)=f(x)-g(x)\)」が \(x\) 軸より上側にあること、増減表を用いてを示す
です。

メモメモ•••
詳しく説明するよ
不等式を、「関数の増減」を用いて証明する方法について説明していきます。

不等式の証明ってそもそもどうやってやるんだっけ?

ざっと復習していこーか!
\(A-B>0\)を示すのが基本!
「A から B を引いても \(0\) より大きかった」ら「A が B より大きい」って言えるよねってことです。
そして、「0 より大きい」ことを証明する方法としては、
「\(( )^2≧0\) を利用する方法」や「相加平均と相乗平均の関係の利用する方法」などがありました。
今回は、「関数の増減を利用する方法」を説明していきます。

次の例題を使って説明していくよ!
\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。
不等式「 \(e^x>1+x\) 」の証明の目標は、「 \(e^x-(1+x)\)\(>\)\(0\) 」を示すことでした。

「\(( )^2\)」や「相加相乗」は使えなさそうだね
そこで、左辺と右辺をそれぞれ関数として図的に考えていきます。
左辺を \(y=e^x-(1+x)\)
右辺を \(y=0\) (\(x\)軸)
と考えます。
そして、
常に「左辺 \(y=e^x-(1+x)\)」が「右辺 \(y=0\) (\(x\)軸) 」より上側
にあると言うことで、「 \(e^x-(1+x)>0\) 」を示していきます。

左辺 \(y=e^x-(1+x)\) のグラフを考えるために、増減表を作っていこう!
\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)
上の増減表を完成させるために、「\(x>0\) のときの\(f'(x)\) の符号」 と 「\(f(0)\) の値」を考えていきます。
\(x>0\) のとき \(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)
また、\(f(0)\) \(=e^0-1+0=\) \(0\)
これで増減表の完成です。
増減表から、\(x>0\) の範囲での最小値が \(0\) より大きいことが読み取れます。
これで、 \(x>0\) の範囲で、「常に「左辺 \(y=e^x-(1+x)\)」が「右辺 \(y=0\) (\(x\)軸)」より上側」 であることが示せました。
ちなみに \(f(x)=e^x-(1+x)\) のグラフはこんな感じです。

増減表さえ作成できれば、グラフを図示する必要はありません。
増減表より \(x>0\) のとき \(f(x)>0\)
よって、 \(x>0\) のとき \(e^x>1+x\)

教科書の説明は増減表で考えてないけどいいの?

本質的には同じことだから全然OK!
\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。
\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)
\(x>0\) のとき \(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)
また、\(f(0)\) \(=e^0-1+0=\) \(0\)
増減表より \(x>0\) のとき \(f(x)>0\)
よって、 \(x>0\) のとき \(e^x>1+x\)
まとめ
今回の内容をしっかり整理しておこう!

思ったより難しくなくて理解できた!
- 不等式の証明は、(左辺)−(右辺)が正(>0)であることを示すのが基本
- 「\(( )^2\)」や「相加相乗」の利用も有名だけど、今回は「関数の増減」を使った証明方法を学んだ。
- ポイントは、差をとった関数 \(F(x) = f(x) – g(x)\)を作り、その 増減 を調べること!
- 増減表を使えば、グラフを描かなくても証明が成立する

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!
コメント