微分法の応用14:「不等式の証明」

数学Ⅲ
さん
さん

こんにちは、高校教員の『さん』です。今日は、「不等式を関数の増減を用い証明する方法」について詳しく説明していくよ。

生徒
生徒

今回もよろしくお願いします!!

人より勉強に時間がかかると感じていませんか?

私のクラスにも、同じ悩みを抱えて苦しんでいた生徒がたくさんいました。

• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」

• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」

教科書の内容を理解するには、自分で噛み砕いて考える力が必要です。

このブログでは、よく寄せられる質問、つまずきやすいポイントをもとに、教科書の内容をわかりやすく解説していきます。

噛み砕き方がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!

まずは、教科書の説明を見てみましょう。

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まずは教科書の説明

さん
さん

教科書ではこんなふうに説明されてるよ!

例題

\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。

\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)

\(x>0\) のとき、\(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)

であるから、\(f(x)\) は \(x>0\) で増加する。

よって、\(x=0\) のとき \(f(x)>f(0)=0\)

したがって、\(x>0\) のとき\(e^x>1+x\)

簡単に説明するよ

不等式「\(f(x) > g(x)\)」を関数の増減を用いて証明する方法は

関数「\(F(x)=f(x)-g(x)\)」が \(x\) 軸より上側にあること、増減表を用いてを示す

です。

生徒
生徒

メモメモ•••

詳しく説明するよ

不等式を、「関数の増減」を用いて証明する方法について説明していきます。

生徒
生徒

不等式の証明ってそもそもどうやってやるんだっけ?

さん
さん

ざっと復習していこーか!

不等式 \(A>B\) の証明

\(A-B>0\)を示すのが基本!

「A から B を引いても \(0\) より大きかった」ら「A が B より大きい」って言えるよねってことです。

そして、「0 より大きい」ことを証明する方法としては、

「\(( )^2≧0\) を利用する方法」「相加平均と相乗平均の関係の利用する方法」などがありました。

今回は、「関数の増減を利用する方法」を説明していきます。

さん
さん

次の例題を使って説明していくよ!

例題

\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。

不等式「 \(e^x>1+x\) 」の証明の目標は、「 \(e^x-(1+x)\)\(>\)\(0\) 」を示すことでした。

生徒
生徒

「\(( )^2\)」や「相加相乗」は使えなさそうだね

そこで、左辺と右辺をそれぞれ関数として図的に考えていきます。

左辺を \(y=e^x-(1+x)\)

右辺を \(y=0\) (\(x\)軸)

と考えます。

そして、

常に「左辺 \(y=e^x-(1+x)\)」「右辺 \(y=0\) (\(x\)軸) 」より上側

にあると言うことで、「 \(e^x-(1+x)>0\) 」を示していきます。

さん
さん

左辺 \(y=e^x-(1+x)\) のグラフを考えるために、増減表を作っていこう!

\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)

\( \begin{array}{c|cc} x & 0 & \cdots \\ \hline f(x)’ & & & \\ \hline y & & \end{array} \)

上の増減表を完成させるために、「\(x>0\) のときの\(f'(x)\) の符号」 と 「\(f(0)\) の値」を考えていきます。

\(x>0\) のとき \(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)

また、\(f(0)\) \(=e^0-1+0=\) \(0\)

これで増減表の完成です。

\( \begin{array}{c|cc} x & 0 & \cdots \\ \hline f(x)’ & & + & \\ \hline y & 0 & \nearrow \end{array} \)

増減表から、\(x>0\) の範囲での最小値が \(0\) より大きいことが読み取れます。

これで、 \(x>0\) の範囲で、「常に「左辺 \(y=e^x-(1+x)\)」「右辺 \(y=0\) (\(x\)軸)」より上側」 であることが示せました。

ちなみに \(f(x)=e^x-(1+x)\) のグラフはこんな感じです。

増減表さえ作成できれば、グラフを図示する必要はありません。

増減表より \(x>0\) のとき \(f(x)>0\)

よって、 \(x>0\) のとき \(e^x>1+x\)

生徒
生徒

教科書の説明は増減表で考えてないけどいいの?

さん
さん

本質的には同じことだから全然OK!


例題

\(x>0\) のとき、不等式 \(e^x>1+x\) が成り立つことを証明せよ。

解答

\(f(x)=e^x-(1+x)\) とすると \(f'(x)=e^x-1\)

\(x>0\) のとき \(e^x>1\) より \(f'(x)>0\)

また、\(f(0)\) \(=e^0-1+0=\) \(0\)

\( \begin{array}{c|cc} x & 0 & \cdots \\ \hline f(x)’ & & + & \\ \hline y & 0 & \nearrow \end{array} \)


増減表より \(x>0\) のとき \(f(x)>0\)

よって、 \(x>0\) のとき \(e^x>1+x\)

まとめ

今回の内容をしっかり整理しておこう!

生徒
生徒

思ったより難しくなくて理解できた!

  • 不等式の証明は、(左辺)−(右辺)が正(>0)であることを示すのが基本
  • 「\(( )^2\)」や「相加相乗」の利用も有名だけど、今回は「関数の増減」を使った証明方法を学んだ。
  •  ポイントは、差をとった関数 \(F(x) = f(x) – g(x)\)を作り、その 増減 を調べること!
  • 増減表を使えば、グラフを描かなくても証明が成立する
さん
さん

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!

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