こんにちは、高校教員の『さん』です。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?
私のクラスにも、同じ悩みを抱えて苦しんでいた生徒がたくさんいました。
• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」
• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」
こうした悩みを、このブログを通じて解決し、勉強の効率を一気に上げていきましょう!
例えば、今まで1時間かかっていた勉強が30分で終わるようになれば、余った時間を復習や他の科目に使えます。その結果、テストの点数が上がり、自信にもつながっていきます。
では、なぜ教科書は読みにくいのでしょうか?
それは、「正確さ」と「簡潔さ」を最優先に作られているからです。
どんな人が読んでも、同じ意味にしか取られないようにするため、説明が端的で抽象的になりがちです。
そのため、教科書の内容を理解するには、「自分で噛み砕いて考える力」が必要です。
このブログでは、私が生徒と関わる中で気づいたことや、よく寄せられる質問、つまずきやすいポイントをもとに、教科書の内容をわかりやすく解説していきます。
「噛み砕き方」がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!
まずは、教科書の説明を見てみましょう。
まずは教科書の説明
関数 \(f(x)\) の導関数 \(f'(x)\) は、 \(y=f(x)\) のグラフの接線の傾きを表す。また、その符号を調べることで \(f(x)\) の値の増減を調べることができる。
関数 \(y=f(x)\) のグラフを \(C\) とする。 \(f^{\prime\prime}(x)\) は \(f'(x)\) の導関数であるから、 \(f^{\prime\prime}(x)\) の符号を調べっることで \(f'(x)\) の値の増減を調べることができる。また、 \(f'(x)\) の値の増減は、接線の傾きの増減を表す。
よって、次のことが言える。
[1] \(f^{\prime\prime}(x)>0\) である区間では、曲線 \(C\) の接線の傾きが増加する。
[2] \(f^{\prime\prime}(x)<0\) である区間では、曲線 \(C\) の接線の傾きが減少する。
ある区間で、 \(x\) の値が増加すると曲線 \(y=f(x)\) の接線の傾きが増加するとき、曲線はこの区間で 下に凸 であるという。
また、接線の傾きが減少するとき、曲線はこの区間で 上に凸 であるという。
曲線 \(y=f(x)\) の凹凸について、次のことが成り立つ。
関数 \(f(x)\) が第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) をもつとき
- \(f^{\prime\prime}(x)>0\) である区間では、曲線 \(y=f(x)\) は 下に凸 である。
- \(f^{\prime\prime}(x)<0\) である区間では、曲線 \(y=f(x)\) は 上に凸 である。
また、曲線の凹凸が入れ替わる境目の点を 変曲点 という。
簡単に説明するよ
曲線の凹凸(下に凸か上に凸か)が知りたかったら、
- \(y^{\prime\prime}\) を求める
- 方程式 \(y^{\prime\prime}=0\) を作り、解を求める
- 解の間の+ーを調べる
です。
変曲点とは \(y^{\prime\prime}\) の符号が変わる点 のことです。
詳しく説明するよ
今までに、1次関数や2次関数、3次関数のグラフは書けるようになってきました。
これからは、それ以外の関数のグラフも書けるようになっていきましょう。
とりあえず、3次関数のグラフの復習をしていきましょうか。
3次関数のグラフは、増減表を書くことによって求めることができました。
関数 \(y=x^3-3x^2+4\) のグラフをかけ
\(y’=3x^2-6x=3x(x-2)\)
\(y’=0\) とすると \(x=0,\:2\)
増減表は
増減表より
① \(x>0\) では増加
② \(0<x<2\) では減少
③ \(2<x\) では増加
だから、グラフは

ではないですよね。
正しくは

です。
この形が正しいと、習いましたね。
でもよく考えてみてください。ここが大事なところです。
増減表
からは、どっちのグラフが正しいかは分かりません。
ある区間でのグラフの「増減」は分かっても、実は「どうやって増加するのか」、「どうやって減少するのか」までは分からないんです。
では、なぜ、2枚目のグラフが正しいとしてきたか。
それは、「3次関数の概形を習い、知識として知っているから」です。
これからは、1次関数や2次関数、3次関数以外の関数のグラフを考えていくわけですから、そのすべてのグラフの概形を覚えることはできません。
つまり、他の方法で「どうやって増加するのか」、「どうやって減少するのか」を調べる必要があるのです。
\(y^{\prime\prime}\) を求める
「どうやって増加するのか」、「どうやって減少するのか」を調べるための道具が「\(y^{\prime\prime}\)」です。
\(y’\) から「\(y\) の増減」が分かったのでした。
つまり「\(y’>0\) ならば \(y\) が増加」「\(y'<0\) ならば \(y\) が減少」
このことから、関数が上がっていくのか、下がっていくのかを判断することができたのです。
これと同じことが、「\(y^{\prime\prime}\)」でも言えます。
つまり「\(y^{\prime\prime}>0\) ならば \(y’\) が増加」「\(y^{\prime\prime}<0\) ならば \(y’\) が減少」
ここまではいいですかね。
では 「\(y’\) が増加」「\(y’\) が減少」とは、どういうことか。
\(y’\) は グラフの接線の傾き でしたね。
「\(y’\) (接線の傾き)が増加」するグラフはこんな感じ。

接線の傾きが増加しているグラフは「下に凸」になってるのが分かりますね。
それに対して
「\(y’\) (接線の傾き)が減少」するグラフはこんな感じ

接線の傾きが減少しているグラフは「上に凸」になってるのが分かりますね。
まとめると
- \(y^{\prime\prime}>0\) のとき、グラフは「下に凸」
- \(y^{\prime\prime}<0\) のとき、グラフは「下に凸」
となるわけです。
ということで、「どうやって増加するのか」、「どうやって減少するのか」を調べるためには「\(y^{\prime\prime}\)」が必要になります。
\(y=x^3-3x^2+4\) より\(y’=3x^2-6x=3x(x-2)\)
よって \(y^{\prime\prime}=6x-6=6(x-1)\)
方程式 \(y^{\prime\prime}=0\) を作り、解を求める
さっき求めた \(y^{\prime\prime}=6x-6=6(x-1)\) を使って、\(y^{\prime\prime}=0\) という方程式を作り解を求めます。
この解がグラフの凹凸が変わるかもしれないタイミングになります。

必ずグラフの凹凸が変わるわけではないから気をつけようね。
\(y^{\prime\prime}=0\) とすると \(x=1\)
解の間の+ーを調べる
最後に、\(y^{\prime\prime}=0\) となる \(x=1\)の前後での \(y^{\prime\prime}\) の\(\color{red}{+}\) \(\color{blue}{-}\) を調べ、増減表を書きましょう。
増減表は
この増減表をもとにグラフを見てみると

ちゃんと、\(x<1\) のときは「上に凸」、\(x>1\) のときは「下に凸」になってるのが分かりますね。
変曲点とは
変曲点は \(y^{\prime\prime}\) の符号が変わる点 のことです。
今回の関数では \(x=1\) が変曲点ですね。
注意して欲しいのが、極値の時と同じで、\(y’=0\)となる \(x\) の値が変曲点になるとは限らない ということです。
\(y’=3x^2-6x=3x(x-2)\)
\(y^{\prime\prime}=6x-6=6(x-1)\)
\(y’=0\) とすると \(x=0,\:2\)
\(y^{\prime\prime}=0\) とすると \(x=1\)
増減表より

\(y’\) と\(y^{\prime\prime}\) の \(\color{red}{+}\) \(\color{blue}{-}\) は説明では別々の増減表に書きましたが、一般的には1つにまとめます。

「\(\text{下に凸に}\nearrow\)」とかは教科書では1つの矢印で書かれているけど、ブログでは表現方法が分からなかった。ごめんね・・・
まとめ
数Ⅲの分野でグラフをかくときは、\(y^{\prime\prime}\) の \(\color{red}{+}\) \(\color{blue}{-}\) まで考えましょう。
\(y^{\prime\prime}>0\) は「下に凸」\(y^{\prime\prime}<0\) は「上に凸」 です。
変曲点は \(y^{\prime\prime}\) の \(\color{red}{+}\) \(\color{blue}{-}\) が変わる場所です。
次回から本格的にグラフを書いていきましょうね。

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!
コメント