こんにちは、高校教員の『さん』です。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?
私のクラスにも、同じ悩みを抱えて苦しんでいた生徒がたくさんいました。
• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」
• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」
こうした悩みを、このブログを通じて解決し、勉強の効率を一気に上げていきましょう!
例えば、今まで1時間かかっていた勉強が30分で終わるようになれば、余った時間を復習や他の科目に使えます。その結果、テストの点数が上がり、自信にもつながっていきます。
では、なぜ教科書は読みにくいのでしょうか?
それは、「正確さ」と「簡潔さ」を最優先に作られているからです。
どんな人が読んでも、同じ意味にしか取られないようにするため、説明が端的で抽象的になりがちです。
そのため、教科書の内容を理解するには、「自分で噛み砕いて考える力」が必要です。
このブログでは、私が生徒と関わる中で気づいたことや、よく寄せられる質問、つまずきやすいポイントをもとに、教科書の内容をわかりやすく解説していきます。
「噛み砕き方」がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!
まずは、教科書の説明を見てみましょう。
まずは教科書の説明
次の関数の最大値、最小値を求めよ。
\(y=(1+\sin x)\cos x (0≦x≦2\pi)\)
\(0<x<2\pi\) において、\(y’=0\) となる \(x\) の値は
\(2\sin x -1=0\) または \(\sin x + 1=0\)
より \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6},\:\frac{5}{6}\pi,\:\frac{3}{2}\pi\)
\(y\) の増減表は次のようになる。
よって、yは
\(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) で最大値 \(\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{4}\)、\(\displaystyle x=\frac{5}{6}\pi\) で最小値 \(\displaystyle -\frac{3\sqrt{3}}{4}\)
簡単に説明するよ
関数の最大値・最小値を求める方法は、
- 関数を微分する
- ( 微分した式 )\(=0\) になる \(x\) の値を求める
- 増減表をかく
- 最大値・最小値を求める
です。
詳しく説明するよ
関数の最大値・最小値の求め方を例題を使って詳しく説明していきます。
次の関数の最大値、最小値を求めよ。
\(y=(1+\sin x)\cos x (0≦x≦2\pi)\)
関数の最大値・最小値は、「グラフを考える」と分かります。
グラフを考えるために、\(y=(1+\sin x)\cos x\) の増減表を作っていきます。
増減表を書くときは、定義域を一番最初に確認しましょう。
1.(分母)\(\neq0\)
2.\(\sqrt{0\text{以上}}\)
3.\(\log{(\text{正})}\)
4. \(\tan\theta\)(\(\theta\neq\frac{\pi}{2}\))
今回は上のポイントには該当しないので、問題文に書いてある \(0≦x≦2\pi\) が定義域です。

定義域の確認はいっつも忘れちゃうんだよな・・・

そうだよね。日頃から定義域を確認する癖をつけておこう!
関数を微分する
グラフの増減を把握するために \(y=(1+\sin x)\cos x \) を微分していきます。
\((1+\sin x)\times\cos x\) 掛け算の積分は「積の微分公式」を使って求めるのでしたね。
\(\:\{\color{hotpink}{f(x)\:}\color{deepskyblue}{g(x)}\}’=\color{hotpink}{f'(x)}\color{deepskyblue}{g(x)}+\color{hotpink}{f(x)}\color{deepskyblue}{g'(x)}\)
このあとは、( 微分した式 )\(=0\) の立式を見越して、因数分解していくのですが、
\(\sin\) も \(\cos\) も混在しているときは、「関数を統一する」ことを考えるとうまく因数分解できますよ。
三角形の相互関係式 \(\color{red}{\sin^{\:2}+\cos^{\:\,2}=1}\) を用いて \(\sin\) のみの式にしていきます。
( 微分した式 )\(=0\) になる \(x\) の値を求める
( 微分した式 )\(=0\) になる \(x\) の値を求めていきます。
\(y’=0\) とすると \(\displaystyle\sin x = \frac{1}{2},\:-1\)
ここで終わったらダメですよ。
( 微分した式 )\(=0\) になる \(\sin x \) の値が求まったので、\(\sin x \) から \(x\) の値を求めていきます。
定義域は \(0≦x≦2\pi\) でしたね。
\(0≦x≦2\pi\) より \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6},\:\frac{5}{6}\pi,\:\frac{3}{2}\pi\)
増減表をかく
増減表をかくための準備はあとちょっと。
\(y’= \color{blue}{-}(2\sin x – 1)\color{red}{(\sin x + 1)}\) の \(\color{blue}{-}\) \(\color{red}{+}\) を考えます。
常に \(\color{red}{+}\) になる部分は考えない
\(\color{red}{(\sin x + 1)}\) は常に \(\color{red}{+}\) なので、\((2\sin x – 1)\)の \(\color{blue}{-}\) \(\color{red}{+}\) だけを考えればよかったのでしたね。
三角関数の\(\color{blue}{-}\) \(\color{red}{+}\) は 単位円 を使って考えましょう。

グラフから、\((2\sin x – 1)\)の \(\color{blue}{-}\) \(\color{red}{+}\) は
- \(\displaystyle0<x<\frac{\pi}{6}\) のとき \(\color{blue}{-}\)
- \(\displaystyle\frac{\pi}{6}<x<\frac{5}{6}\pi\) のとき \(\color{red}{+}\)
- \(\displaystyle\frac{5}{6}\pi<x<2\pi\) のとき \(\color{blue}{-}\)
なので
\(y’= \color{blue}{-}(2\sin x – 1)\color{red}{(\sin x + 1)}\) の \(\color{blue}{-}\) \(\color{red}{+}\) は
- \(\displaystyle0<x<\frac{\pi}{6}\) のとき \(\color{red}{+}\)
- \(\displaystyle\frac{\pi}{6}<x<\frac{5}{6}\pi\) のとき \(\color{blue}{-}\)
- \(\displaystyle\frac{5}{6}\pi<x<2\pi\) のとき \(\color{red}{+}\)
\(y=(1+\sin x)\cos x\)に\(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) を代入して \(\displaystyle y=\frac{3\sqrt{3}}{4}\)、\(\displaystyle x=\frac{5}{6}\pi\) を代入して \(\displaystyle -\frac{3\sqrt{3}}{4}\)
これで準備は揃いました。
最大値・最小値を求める
増減表がかけたら、関数のグラフをイメージして最大値と最小値求めましょう。
\(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) で最大値 \(\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{4}\)、\(\displaystyle x=\frac{5}{6}\pi\) で最小値 \(\displaystyle -\frac{3\sqrt{3}}{4}\)
\(y’=0\) とすると \(\displaystyle\sin x = \frac{1}{2},\:-1\)
\(0≦x≦2\pi\) より \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6},\:\frac{5}{6}\pi,\:\frac{3}{2}\pi\)
増減表より \(\displaystyle x=\frac{\pi}{6}\) で最大値 \(\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{4}\)、\(\displaystyle x=\frac{5}{6}\pi\) で最小値 \(\displaystyle -\frac{3\sqrt{3}}{4}\)
まとめ
関数の最大値・最小値は グラフから考えよう って意識が大事。
これは数Ⅰでも数Ⅱでも一緒ですね。
複雑な関数のグラフを考えるためには、増減表が必要で、増減表が書けたら、グラフをイメージして、最大値・最小値を答えられます。
増減表を書くのが不安な人はこちら → 微分法の応用06:「関数の増減と極値」

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!
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