こんにちは!さんです。
高校で数学と情報を教えています。
プログラミング準備室では、共通テスト情報Ⅰに出てくる、プログラミングについて学べます。
第3回 算術演算 について解説していきます。

変数や代入はなんとなくわかったよ!次は何を学ぶの?

次は、「算術演算」について学んでいこう。
算術演算とは?
算術演算とは「数を計算するための操作」のことです。
プログラムの中で足し算や引き算をするために使います。
共通テスト用プログラム表記の例示では次のように書かれています。


算数の計算とほとんど一緒じゃん!

そうだね。ただし、プログラムで書くときには記号が少し違うよ。
算術演算の記号(演算子)
四則演算
加減乗除はプログラミングでは、次のような記号を使って計算します。
記号 | 意味 | 例 |
---|---|---|
+ | 足し算 | 5 + 3 → 8 |
– | 引き算 | 10 – 4 → 6 |
* | 掛け算 | 6 * 2 → 12 |
/ | 割り算 | 9 / 3 → 3 |

え!掛け算は「 × 」じゃなくて「 * 」?
割り算は「 ÷ 」じゃなくて「 / 」?」

そうだよ!キーボードには「 × 」や「 ÷ 」の記号がないから、それに代わる記号を使うんだ。
割り算の商と余り・べき乗
プログラムでは、割り算の結果 に気をつける必要があります。
例えば 9 を 2 で割った結果は、次のようになります。
(1) 表示する(9/2)
4.5

小数になるんだね。

そう!コンピュータは 9 / 2 を 「割り切れない場合は小数で出す」 というルールで計算するんだ。

じゃあ、整数の「商だけ」とか「余りだけ」とかを求めたいときはどうするの?

便利な記号があるから、紹介するね。
記号 | 意味 | 例 |
---|---|---|
÷ | 整数の商 | 9 ÷ 2 → 4 |
% | 整数の余り | 9 % 2 → 1 |
整数の割り算「9 割る 2」は「商が 4 で 余りが 1 」です。
しかし、プログラムは「 / 」を使うと小数 (4.5)になってしまいます。
整数の商や余りを求めたい場合は、次の方法を使います。
整数の「 商 」を求めたいときは「 ÷ 」を使います。
(1) 表示する(10 ÷ 3)
3
また、整数の「 余り 」を求めたいときは「 % 」を使います。
(1) 表示する(10 % 3)
1

おお、これは便利!

そう。とっても便利なの。でもそう思えるのって素敵だね。

褒められた!?

そんなに驚かなくても。もう一つ便利な記号を教えてあげる。
記号 | 意味 | 例 |
---|---|---|
** | べき乗 | 2 ** 4 → 16 |
「べき乗」を求めたいときには「 ** 」を使います。
べき乗とは、ある数を自分自身で何度も掛け合わせる操作のことです。
例えば、数学での \(2^4\) は、プログラムでは 2**4 と記述します。
(1) 表示する(2 ** 4)
16
演算の優先順位
数学と同じように、プログラムでも 計算の順番(優先順位) が決まっています。
次の計算を見てください。
(1) 表示する(2 + 3 * 4)
14

ほんとだ。3 * 4 が先に計算されてるね。

そう!数学と同じで、「 * 」や「 / 」のような掛け算・割り算が、「 + 」や「 – 」より先に計算されるルールになってるよ。
計算の順番を変えたいときは カッコ()を使う と、優先順位を指定できるようになります。
(1) 表示する((2 + 3) * 4)
20

なるほど!カッコをつけると、先に足し算ができるんだね!
練習問題
次のプログラムを実行したときに、表示されるものを答えなさい。
(1) 表示する(2 * (14 % 3))

あれ•••。どの記号にどんな意味があるのか忘れちゃった。

大丈夫。「 * 」が掛け算、「 % 」が割り算の余り、「 () 」で優先順位の指定だったね。
2
まとめ
今回は、「算術演算」について解説しました。
- 算術演算 とは、数値を計算することです。
- +(足し算), -(引き算), *(掛け算), /(割り算), ÷(商), %(余り), **(べき乗)を使います。
- 掛け算・割り算は足し算・引き算より優先されます。
- 計算の順番を変えたいときは カッコ () を使います。

次回は「比較演算と論理演算」について説明していくよ!次に進もう!
次に進む → 第4回 比較演算と論理演算
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