【数学A】確率02:確率を求める手順

確率
さん
さん

今日の板書はこれ!


事象Aの起こる確率を求める手順

[1] 全事象を何にするかを自分で決める。根元事象が同様に確からしいならば、全事象の取り方は自由である。

[2] 全事象の要素数(分母)を求め、同基準で事象Aの要素数(分子)を求める。


生徒
生徒

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現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

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確率を求める手順

さん
さん

次の例題を考えよう!

例題

7個の文字 \(a, a, a, b, b, c, c\) をすべて並べて文字列を作る。両端が \(c\) となる確率を求めよ。

手順1:全事象を決める

まず、「全事象(すべての起こりうる場合)」をどう取るかを決めましょう。

確率は 「同様に確からしい事象」 をもとに考える必要があります。

つまり、全事象の取り方は複数あっても構いません。

次のような取り方が考えられます。

  • 7個の文字列(同じ文字を区別)の並べ方。
  • 7個の文字列(同じ文字を区別しない)の並べ方。
  • 両端に並ぶ文字(同じ文字を区別)の並べ方。
  • \(c\) が並ぶ場所(同じ文字を区別しない)の組合せ。

それぞれの全事象の数は次の通りです。


「7個の文字列(同じ文字を区別)の並べ方」であれば \(7!\)通り。


「7個の文字列(同じ文字を区別しない)の並べ方」であれば \(\displaystyle\frac{7!}{3!2!2!}\)通り


「両端に並ぶ文字(同じ文字を区別)の並べ方」であれば \(_7P_2\)通り


「\(c\) が並ぶ場所(同じ文字を区別しない)の組合せ」であれば \(_7C_2\)通り


どの方法で考えても、「同様に確からしい事象」であれば正しい確率を求めることができます。

生徒
生徒

どの方法で解いてもいいんだ!!

さん
さん

そうだね!ただ、基本的には1つ目の「同じ文字を区別する並べ方」で考えることが多いよ。

では次のような取り方はどうでしょう?

「両端に並ぶ文字(同じ文字を区別しない)の並べ方」は、

左端にくる文字は \(a, b, c\) の3通、右端も \(a, b, c\) の3通りなので、\(3×3=9\)通り。

生徒
生徒

んー良さそうなきがするけど…。

さん
さん

残念!この事象の取り方はダメだよ!!

次の2つの並べ方は「起こりやすさ」が同じになっていません。

両端が\(a\)の方が、両端が\(b\)よりも多く出現しやすいのです。

つまり、「同様に確からしい」 という条件を満たしていません。

生徒
生徒

ほんとだ!無意識にやってしまいそう…。

さん
さん

この感覚がつかめればもう大丈夫!あとは「数え忘れ」と「数えすぎ」に注意すれば完璧!

手順2:同じ基準で事象Aを数える

次に、手順①で決めた全事象の基準同じ基準で、「両端が \(c\) となる」場合(事象A)を数えていきましょう。


全事象を「7個の文字列(同じ文字を区別)の並べ方」の \(7!\)通りとするなら、

「両端が \(c\) となる」のは、両端の並べ方が\(c_1, c_2\)の順列 \(2!\)通りであり、残りの並べ方が\(a_1, a_2, a_3, b_1, b_2\)の順列 \(5!\)通り。

したがって、確率は\(\displaystyle \frac{2!×5!}{7!}=\frac{2!×5!}{7×6×5!}=\frac{1}{21}\)


全事象を「7個の文字列(同じ文字を区別しない)の並べ方」の \(\displaystyle\frac{7!}{3!2!2!}\)通りとするなら、

「両端が \(c\) となる」のは、両端の並べ方が\(c, c\)を並べる \(1\)通りであり、残りの並べ方が\(a, a, a, b, b\)の同じものを含む順列 \(\displaystyle \frac{5!}{3!2!}\)通り。

したがって、確率は\(\displaystyle \frac{1×\frac{5!}{3!2!}}{\frac{7!}{3!2!2!}}=\frac{5!2!}{7!}=\frac{2!×5!}{7×6×5!}=\frac{1}{21}\)


全事象を「両端に並ぶ文字(同じ文字を区別)の並べ方」の \(_7P_2\)通りとするなら、

「両端が \(c\) となる」のは、両端の並べ方が\(c_1, c_2\)を入れる \(2!\)通り。

したがって、確率は\(\displaystyle \frac{2!}{_7P_2}=\frac{2}{7×6}=\frac{1}{21}\)


全事象を「\(c\) が並ぶ場所(同じ文字を区別しない)の組合せ」の \(_7C_2\)通りとするなら、

「両端が \(c\) となる」のは、両端の並べ方が\(c, c\)を並べる \(1\)通り。

したがって、確率は\(\displaystyle \frac{1}{_7C_2}=\frac{1}{\frac{7×6}{2×1}}=\frac{1}{21}\)


生徒
生徒

ほんとだ!!全部おんなじ答え!!

さん
さん

確率は[1] 同様に確からしい全事象を決める」、[2] 同基準で分母分子を数える」の手順で求めてね!!

まとめ:事象Aの起こる確率を求める手順

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!


事象Aの起こる確率を求める手順

[1] 全事象を何にするかを自分で決める。根元事象が同様に確からしいならば、全事象の取り方は自由である。

[2] 全事象の要素数(分母)を求め、同基準で事象Aの要素数(分子)を求める。


生徒
生徒

ありがとうございました!!

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