微分法の応用13:「第2次導関数と極値」

数学Ⅲ
さん
さん

こんにちは、高校教員の『さん』です。今日は、「第2次導関数から極値を求める方法」について詳しく説明していくよ。

生徒
生徒

今回もよろしくお願いします!!

人より勉強に時間がかかると感じていませんか?

私のクラスにも、同じ悩みを抱えて苦しんでいた生徒がたくさんいました。

• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」

• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」

教科書の内容を理解するには、自分で噛み砕いて考える力が必要です。

このブログでは、よく寄せられる質問、つまずきやすいポイントをもとに、教科書の内容をわかりやすく解説していきます。

噛み砕き方がわかれば、文章はぐっと読みやすくなります!

まずは、教科書の説明を見てみましょう。

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まずは教科書の説明

さん
さん

教科書ではこんなふうに説明されてるよ!

関数 \(f(x)\) の極値を判定するのに、第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) を利用する方法がある。

\(f^{\prime\prime}(x)\) が連続関数であるとき、次のことが成り立つ。

  1. \(f'(a)=0\) かつ \(f^{\prime\prime}(a)>0\) ならば、\(f(a)\) は極小値である。
  2. \(f'(a)=0\) かつ \(f^{\prime\prime}(a)<0\) ならば、\(f(a)\) は極大値である。

【1の証明】 \(f^{\prime\prime}(a)>0\) のとき、\(a\) に十分近い \(x\) では \(f^{\prime\prime}(x)>0\) となり、\(f(x)’\) は増加する。

ここで、\(f'(a)=0\) であるから

\(x < a\) では \(f'(x) < 0\)

\(x > a\) では \(f'(x) > 0\)

よって、このとき \(f(a)\) は極小値である。

2についても、同様に証明することができる。

例題

関数 \(f(x)=-x^3+3x\) の極値を、第2次導関数を利用して求めよ。

\(f'(x) = -3x^2 + 3\)、\(f^{\prime\prime}(x)=-6x\)

\(f'(x) =0\) とすると \(x = -1, 1\)

\(f^{\prime\prime}(-1)=6>0\)、 \(f^{\prime\prime}(1)=-6<0\) であるから

極小値は \(f(-1)=-2\)、極大値は \(f(1)=2\)

簡単に説明するよ

第2次導関数から極値を求める方法は

\(f'(x)=0\) になる \(x\) を求めて 、\(f^{\prime\prime}(x)\) に代入し、その値が \(+\) なら極小値、 \(-\) なら極大値

です。

生徒
生徒

メモメモ•••

詳しく説明するよ

第2次導関数から極値を求める方法を説明していきます。

生徒
生徒

極値って増減表を書けば分かるんだよね?

さん
さん

今回は増減表を書かずに求めていくよ。

そもそも極値とは「関数の増減が変わる場所」のことでした。

また、関数が増加するときは \(f'(x)\) は \(+\) であり、関数が減少するときは \(f'(x)\) は \(-\) でした。

そこで、\(f'(x)\) の \(+\) \(-\) が変わる可能性のある、\(f'(x)\) が \(0\) になる場所を考えます。

さん
さん

次の例題を使って説明していくよ!

例題

関数 \(f(x)=-x^3+3x\) の極値を、第2次導関数を利用して求めよ。

関数 \(f(x)=-x^3+3x\) の増減は \(f'(x)=-3x^2+3\) が \(0\) になる場所で変わる可能性があります。

\( \begin{aligned} \displaystyle f'(x) &= -3x^2+3 \\ \text{} \\ &= -3(x^2-1) \\ \text{} \\ &= -3(x+1)(x-1) \\ \text{} \\ \end{aligned} \)

\(f'(x)=0\) とすると \(x = -1, 1\)

しかし、その場所が「極大」なのか「極小」なのか、それとも「極値をとらない」のかはまだ分かりません。

グラフは次の4通りが存在します。

極小

極大

極値をらない

極値をとらない

生徒
生徒

\(f'(x)=0\) でも極値をとるとは限らないんだね。

さん
さん

ここで「第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) 」の出番ってわけ!

「第1次導関数 \(f^{\prime}(x)\) の\(+\) \(-\) 」では関数の「増減を判断」することができました。

そして、「第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) の\(+\) \(-\) 」では関数の「凹凸を判断」することができます。

凹凸の判断
  • 第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) が \(+\) のとき、「下に凸
  • 第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) が \(-\) のとき、「上に凸

これを使うことで、さっきの4通りから「極大極小」を判断することができるようになります。

もう一度さっきの図を確認しましょう。

「下に凸」(\(f^{\prime\prime}(a)>0\))であれば「極小」、「上に凸」であれば(\(f^{\prime\prime}(a)<0\))であれば「極大」となっています。

\(f^{\prime\prime}(x)>0\)
→ 下に凸
→  極小

\(f^{\prime\prime}(x)<0\)
→ 上に凸
→ 極大

極値をとらない

極値をとらない

第2次導関数から極値を求める方法
  • \(f'(a)=0\) かつ \(f^{\prime\prime}(a)>0\) ならば、\(f(x)\) は \(x=a\) で極小である。
  • \(f'(a)=0\) かつ \(f^{\prime\prime}(a)<0\) ならば、\(f(x)\) は \(x=a\) で極大である。

\(f^{\prime\prime}(x)=-6x\)

\(f^{\prime\prime}(-1)=6>0\)、 \(f^{\prime\prime}(1)=-6<0\) であるから

極小値は \(f(-1)=-2\)、極大値は \(f(1)=2\)

生徒
生徒

\(f'(a)=0\) だけでは、極値かどうかは分からなかったけど、\(f^{\prime\prime}(x)\) の\(+\) \(-\) と組み合わせることで判断できるんだね。

さん
さん

その通り!これが、「第2次導関数から極値を求める方法」だよ!


例題

関数 \(f(x)=-x^3+3x\) の極値を、第2次導関数を利用して求めよ。

解答
\( \begin{aligned} \displaystyle f'(x) &= -3x^2+3 \\ \text{} \\ &= -3(x^2-1) \\ \text{} \\ &= -3(x+1)(x-1) \\ \text{} \\ \end{aligned} \)

\(f^{\prime\prime}(x)=-6x\)

\(f'(x)=0\) とすると \(x = -1, 1\)

\(f^{\prime\prime}(-1)=6>0\)、 \(f^{\prime\prime}(1)=-6<0\) であるから

極小値は \(f(-1)=-2\)、極大値は \(f(1)=2\)

まとめ

今回の内容をしっかり整理しておこう!

生徒
生徒

第2次導関数を使えば、わざわざ増減表を書く必要がないから簡単だね!

  • 関数の極値を求めるには、\(f'(x)=0\) となる点を探すところからスタート。
  • でも、\(f'(x)=0\) になるだけでは、その点が極大値か極小値か、または極値を持たないかまでは分からない。
  • そこで登場するのが 第2次導関数 \(f^{\prime\prime}(x)\) 。
    • \(f^{\prime\prime}(x)>0\) → \(x=a\) で 極小
    • \(f^{\prime\prime}(x)<0\) → \(x=a\) で 極大
  • 「\(f'(x)=0\) + 第2次導関数の符号判定」で、極値の種類をスピーディーに判断できる。
さん
さん

最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!

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