導関数の応用01:「接線の方程式と法線の方程式」

数学準備室

高校教員の『さん』です!

この記事を見ると、「教科書の内容が分からない」から「教科書の言いたいことが分かる」ようになるよ。

教科書が読めるようになると、効率よく勉強が進められるようになって、問題集や参考書もスラスラ読めるようになる

その力が、テストや受験に役立つ自信に変わるんだ。

生徒と関わる中で、気づいたことや学んだこと、そして生徒から寄せられた質問や、よくつまずくポイントを踏まえて、教科書の内容を噛み砕いて説明していくよ。

まずは、教科書の説明をみてみよう!

まずは教科書の説明!

関数 \(y=f(x)\) が \(x=a\) で微分可能であるとき、微分係数 \(f'(a)\) は曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における接線の傾きに等しい。

よって次のことが成り立つ。

曲線\(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における接線の方程式

\(y-f(a)=f'(a)(x-a)\)

曲線上の点Aを通り、Aにおけるこの曲線の接線と垂直な直線を、点Aにおけるこの曲線の 法線 という。

曲線 \(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における法線の傾きは \(f'(a) \neq 0\)のとき、 \(\displaystyle -\frac{1}{f'(a)}\)  である。

また、 \(f'(a)=0\) のときは、法線は\(x\)軸に垂直な直線である。

よって次のことが成り立つ。

曲線\(y=f(x)\) 上の点 \((a,\:f(a))\) における法線の方程式

\(f'(a) \neq 0\)のとき \(\displaystyle y-f(a)=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)\)

\(f'(a) \neq 0\)のとき \(x=a\)

簡単に説明するよ!

点 \((a,\:f(a))\) を通る、傾き \(m\) の直線の方程式は

$$y-f(a)=m(x-a)$$

点 \((a,\:f(a))\) 上の接線の傾きは \(f'(a)\) なので、接線の方程式は

$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$

点 \((a,\:f(a))\) 上の法線の傾きは \(-\frac{1}{f'(a)}\) なので、接線の方程式は

$$\displaystyle y-f(a)=-\frac{1}{f'(a)}(x-a)$$

さん
さん

「法線が縦にまっすぐになるときは、\(x=a\)になるよ」

詳しく説明するよ!

接線の方程式

接線の方程式を作っていくよ。

まずは直線の方程式の復習から。

例題:点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\)を通る傾き \(\color{blue}{3}\) の直線の方程式を求めよ。

これは、 \(y = \color{blue}{3}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(y = 3x-2\) ってすぐに求めることができるよね!

じゃあ次の例題。

例題:\(y=x^2\) 上の点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\) を通る接線の方程式を求めよ。

さっきの例題は、直線の通る点傾きが分かっていたけど、

今回の問題は、直線の通る点は分かるけど、傾きは分からない。

だから、傾きを求める必要があるんだ。

接線の傾きは、「関数を微分することで求めることができた」のは覚えているかな?

\(y=x^2\) の接線の傾きは、\(y’=2x\) この式を使って求めることができるんだった。

点 \((2,\:4)\) 上の接線の傾きは \(2x\) に \(2\) を代入した \(\color{blue}{4}\) って求められるんだ。

ということで、\((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\)を通る、傾き \(\color{blue}{4}\) の直線の方程式が、求めたい接線なので、

\(y = \color{blue}{4}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(y = 4x-4\) って求めることができる!

一般化すると、\(y=f(x)\) 上の点 \((\color{red}{a},\:\color{red}{f(a)})\) を通る、接線の方程式は

$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$

法線の方程式

法線っていうのは、接線と直交する直線のことなんだ。

例題:\(y=x^2\) 上の点 \((\color{red}{2},\:\color{red}{4})\) を通る法線の方程式を求めよ。

この例題の接線の傾きは、\(\color{blue}{4}\) だったね。

じゃあ、法線の傾きはどうなるかというと、

2つの直線が直交する条件「(傾き)×(傾き) \(=-1\) 」を使って、

$$\color{blue}{\text{(接線の傾き)}}×\color{green}{\text{(接線の傾き)}} = -1$$

になればいいから、

$$\color{green}{\text{(法線の傾き)}} = -\frac{1}{\color{blue}{\text{(接線の傾き)}}}$$

なので、求めたい法線の傾きは

$$\color{green}{\text{(法線の傾き)}}= -\frac{1}{\color{blue}{4}}$$

よって法線の方程式は

\(\displaystyle y = \color{green}{-\frac{1}{4}}(x-\color{red}{2})+\color{red}{4}\) より、 \(\displaystyle y = -\frac{1}{4}x+\frac{9}{4}\) って求めることができる!

一般化すると、\(y=f(x)\) 上の点 \((\color{red}{a},\:\color{red}{f(a)})\) を通る法線の方程式は

$$y-\frac{1}{f'(a)}(x-a)+f(a)$$

さん
さん

「接線と法線の方程式って、一見ややこしそうに見えるけど、実は直線の方程式 \(y = m(x-a) + b\) を使えばスッキリ整理できるんだ!傾きをどうやって求めるかを押さえれば、接線も法線も簡単に導けるよ。一緒にじっくり確認していこう!」

最後に例題

例題
(1) \(\displaystyle y=\frac{4}{x}\) 上の点 \((-1,\:-4)\) における接線の方程式を求めよ。

(2) \(y=\sin \theta\) 上の点 \(\displaystyle\left(\frac{\pi}{6},\:\frac{1}{2}\right)\) における法線の方程式を求めよ。

(1) \(\displaystyle y’=-\frac{4}{x^2}\) より 接線の傾きは \(\displaystyle -\frac{4}{(-1)^2}=-4\)

よって求める接線の方程式は \(y = -4(x +1)-4\) より \(y = -4x – 8\)

(2) \(y’=\cos \theta\) より 法線の傾きは \(\displaystyle -\frac{1}{\cos\frac{\pi}{6}}=-\frac{2}{\sqrt{3}} \)

よって求める法線の方程式は \(\displaystyle y = -\frac{2}{\sqrt{3}}\left( x – \frac{\pi}{6} \right)+\frac{1}{2}\) より \(\displaystyle y = -\frac{2}{\sqrt{3}}\left( x – \frac{\pi}{6} \right) + \frac{1}{2}\)

まとめ

今回のポイントを整理すると、次のようになるよ!

  • 接線の方程式の基本形
    点 \((a, f(a))\) を通り、接線の傾き \(f'(a)\)を用いると、接線の方程式は次のように表せる。
    \(y = f'(a)(x-a) + f(a)\)
  • 法線の方程式の基本形
    接線と直交する直線(法線)の傾きは \(\displaystyle -\frac{1}{f'(a)}\)​ となる。
    したがって、法線の方程式は次のようになる。
    \(\displaystyle y – f(a) = -\frac{1}{f'(a)}(x-a)\)
    ただし、 \(f'(a) = 0\) の場合、法線は \(x=a\) となることに注意!
  • 接線の求め方の流れ
    1. 関数 \(f(x)\) を微分して、傾きを求める。
    2. 傾きと点を使って、接線の方程式を求める。
  • 法線の求め方の流れ
    1. 接線の傾きを求める(微分)。
    2. 直交条件 \(m_1 \cdot m_2 = -1\) から法線の傾きを求める。
    3. 傾きと点を使って、法線の方程式を求める。
さん
さん

「最初に戻って、教科書の説明を読んでみよう!スラスラ理解できるはずだよ!」

コメント

タイトルとURLをコピーしました