【高校数学A】「場合の数」まとめページ|定義・公式を分かりやすく完全解説

場合の数

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

人より勉強に時間がかかると感じていませんか?

私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

• 「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」

• 「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」

教科書や参考書の内容を理解するには、自分なりに噛み砕いて考える力が必要です。

でも大丈夫!

このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

場合の数

場合の数01:集合の要素の個数

2つの集合の和集合の要素の個数

\(n(A \cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B)\)

(\(n(A\cap B)=\phi\)のときは \(n(A \cup B)=n(A)+n(B)\)

補集合の要素の個数

\(n(\overline{A})=n(U)-n(A)\)

3つの集合の和集合の要素の個数

↓横にスライドしてね↓

\( \begin{aligned} \displaystyle \color{red}{n(A \cup B \cup C)=n(A)+n(B)+n(C)-n(A\cap B)-n(B\cap C)-n(C\cap A)+n(A\cap B\cap C)} \\ \\ \end{aligned} \)

場合の数02:場合の数の数え方

場合の数の数え方
  1. 起こりうる全ての場合の数を「漏れなく・重複なく」数え上げること。
  2. 和の法則積の法則を使い効率よく数えること。
和の法則

2つの事柄A,Bがあり、Aがm通り、Bがn通りとし、A,Bが同時に起こらないとする。

このとき、AまたはBのどちらかが起こる場合の数m+n 通り

積の法則

事柄Aがm通り起こり、そのいずれの場合に対しても、事象Bがn通り起こるとする。

このとき、AとBがともに起こる場合の数m×n 通り

例題

\(\color{deepskyblue}{大}\color{hotpink}{小}\)2個のサイコロを同時に投げる。
(1) 目の和が5の倍数になる場合は何通りあるか。
(2) \(\color{deepskyblue}{大きいサイコロ}\)の目が3以上で、\(\color{hotpink}{小さいサイコロ}\)の目が偶数になる場合の数は何通りあるか。

例題

\(\color{deepskyblue}{大}\color{hotpink}{小}\)2個のサイコロを同時に投げる。
(1) 目の和が5の倍数になる場合は何通りあるか。
(2) \(\color{deepskyblue}{大きいサイコロ}\)の目が3以上で、\(\color{hotpink}{小さいサイコロ}\)の目が偶数になる場合の数は何通りあるか。

解答

(1)

事象A「目の和が5」は (大, 小) = (1, 4), (2, 3), (3, 2), (4, 1) の4通り

事象B「目の和が10」は (大, 小) = (4, 6), (5, 5), (6, 4) の3通り

よって、 \(4+3\) で 7通り。

(2)

事象A「大きいサイコロの目が3以上」は 3, 4, 5, 6 の4通り

事象B「小さいサイコロの目が偶数」は 2, 4, 6 の3通り

よって、 \(4×3\) で 12通り

場合の数03:整数の約数とその個数

約数の個数

ある自然数が\(\color{deepskyblue}{〇^a}×\color{hotpink}{△^b}×\color{lime}{◻︎^c}\)と素因数分解できるとき、その約数の個数は

\(\color{deepskyblue}{(a+1)}×\color{hotpink}{(b+1)}×\color{lime}{(c+1)}\)

約数の総和

ある自然数が\(\color{deepskyblue}{〇^a}×\color{hotpink}{△^b}×\color{lime}{◻︎^c}\)と素因数分解できるとき、その約数の総和は

\( \begin{aligned} \color{deepskyblue}{(〇^0+〇^1+\cdots+〇^a)}\color{hotpink}{(△^0+△^1+\cdots+△^b)}\color{lime}{(◻︎^0+◻︎^1+\cdots+◻︎^c)} \end{aligned} \)

場合の数04:順列

順列

異なる \(n\) 個のものの中から \(r\) 個を取り出し 1列に並べる順列の総和は

\( \begin{aligned} \color{red}{_nP_r=n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1)}=\color{lime}{\frac{n!}{(n-r)!}}\:(r≦n)\\ \\ \end{aligned} \)
\( \begin{aligned} 特に\:_nP_n=\color{red}{n(n-1)(n-2)\cdots 3×2×1}=\color{red}{n!}\\ \\ \end{aligned} \)

ただし、\(_nP_0=1, \: 0!=1\) と定める。

場合の数05:隣接する順列

隣接する順列

隣接するものは、1組にまとめて全体を並べた後、組の中を並べる。

例題

大人 \(4\)人と子ども \(3\)人が \(1\)列に並ぶとき、子どもが \(3\)人続く並び方は何通りあるか。

解答

大人 \(4\)人と子ども \(3\)人 \(1\)組の並べ方は \(5!=120\)

子ども \(3\)人の並べ方は \(3!=6\)

よって、 \(120×6=720\) 通り

場合の数06:数字の順列

数字の順列のポイント
  • 最高位に\(0\)がくると桁数が減る
  • 条件の強い位から順に処理していく
例題

6個の数字 0, 1, 2, 3, 4, 5 のうち異なる4個を並べて、4桁の整数をつくるとき、次のような整数は何個つくれるか。

(1) 4桁の整数

解答

千の位の数字は0以外の5通りがある

残りの位は、5個の数字から3個を選んで並べる順列である

よって \(5×_5P_3=5×5×4×3=300\) 通り

(2) 2桁の奇数

解答

一の位は、1, 3, 5 の3通りがある

また、十の位は0と一の位を除く4通りである

よって \(3×4=12\) 通り

場合の数07:円順列

円順列

異なる\(n\)個のものの円順列の総数は \((n-1)!\)

円順列は次の2つの考え方で、普通の順列と考えることだできる。
1.「1人を固定する」
2.「1人の目線になって考える」

場合の数08:重複順列

重複順列

異なる\(n\)個のものから重複を許して\(r\)個取って並べる順列の総数は \(n^r\)

場合の数09:組合せ

組合せ

異なる\(n\)個のものから異なる\(r\)個を取る組合せの総数は

\( \begin{aligned} \displaystyle _nC_r&=\frac{_nP_r}{r!}\\ \\ &=\frac{n(n-1)(n-2)\cdots (n-r+1)}{r(r-1)\cdots 3\cdot 2\cdot 1}\\ \\ &=\frac{n!}{r!(n-r)!}\\ \\ \end{aligned} \)

また、\(_n C _r=_n C _{n-r}\)

場合の数10:図形の個数

図形の個数

直線異なる2点1本定まる。
異なるn個の点のうち2点を結んでできる直線の本数は\(_nC_2\) 本

三角形同じ直線上にない3点1個定まる。
どの3点も同一直線上にないn個の点を結んでできる三角形の個数は\(_nC_3\) 個

場合の数11:補集合の利用

補集合の利用

直接的に求めることが面倒な場合の数は、総数から起こらない場合(補集合)を引く

  • \((少なくとも1つはA)=(全体)-(すべてAでない)\)
  • \((Aでない)=(全体)-(Aである)\)

場合の数12:区別のない組合せ

区別のない組合せ

区別のある組分けた後、区別を無視すると何通りになるかを求める。

場合の数13:同じものを含む順列

同じものを含む順列

同じものがそれぞれ\(p\)個、\(q\)個ずつ、全部で\(n\)個ある。
この\(n\)個のものをすべて並べる順列の総数は\(\displaystyle _nC_p=\frac{n!}{p!q!}\)

場合の数14:最短経路の総数

最短経路の総数

進む方向「↑や→」の同じものを含む順列と考える。

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