
今日の板書はこれ!
2次関数のグラフとx軸の共有点の個数は、ax²+bx+c=0 の実数解の個数に等しい!
したがって、判別式 \(D=b^2-4ac\) の符号で 共有点の個数 が決まる:
・\(\color{red}{D>0}\) のとき … 異なる2点で交わる(実数解2個)
・\(\color{red}{D=0}\) のとき … 1点で接する(重解 \(x=-\frac{b}{2a}\))
・\(\color{red}{D<0}\) のとき … 共有点なし(実数解なし)
2次関数 \(y=x^2-4x+5\) とx軸の交点の個数を求めよ。
▼ 解答
\(x^2-4x+5=0\) の判別式を \(D\) とする。
\(\frac{D}{4}=(-2)^2-1\cdot 5=4-5=\color{red}{-1<0}\)
よって共有点の個数は \(\color{red}{0}\) 個。
2次関数 \(y=-x^2+4x+m\) のグラフとx軸の共有点の個数を求めよ。
▼ 解答
\(-x^2+4x+m=0\) の判別式を \(D\) とする。
\(\frac{D}{4}=2^2-(-1)\cdot m=m+4\)
・\(\frac{D}{4}=m+4>0\)、つまり \(\color{red}{m>-4}\) のとき 2個
・\(\frac{D}{4}=m+4=0\)、つまり \(\color{red}{m=-4}\) のとき 1個
・\(\frac{D}{4}=m+4<0\)、つまり \(\color{red}{m<-4}\) のとき 0個

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
「グラフとx軸の共有点」って何のこと?

「2次関数のグラフとx軸の共有点」って、要は 放物線が x軸とどこで交わるか を考える話なんだ。

普通に放物線を描いて、x軸との交点を読み取ればいいんじゃないですか?

そうしてもいいんだけど、実は 判別式 D の符号 だけで、グラフを描かずに交点の個数が分かる方法があるんだよ。

え、グラフ描かなくていいんですか!?

うん、その仕組みを今日マスターしよう。
共有点 = 連立方程式の実数解
まず大前提として、グラフどうしの「共有点」は、2つの式を連立した方程式の実数解と同じ意味。
これは図形と方程式の世界の翻訳ルールなんだ。

だから「2次関数 \(y=ax^2+bx+c\) のグラフとx軸の共有点」の x座標は、こんな連立方程式の解と一致する:
\(\begin{cases} y=ax^2+bx+c \\ y=0 \end{cases}\)
上の式に y=0 を代入すれば、\(ax^2+bx+c=0\) という見慣れた 2次方程式 になる。

あれ?じゃあ、共有点のx座標を求めることって、2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) を解くことと同じなんだ!

そう!だから 共有点の個数 = 2次方程式の実数解の個数 なんだ。
判別式 D で場合分けする

前の記事でやったように、2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の実数解の個数は、判別式 \(D=b^2-4ac\) の符号で決まる。
つまり、グラフとx軸の共有点の個数も D の符号 でそのまま決まるってこと。
3つのパターン
教科書の表でおなじみの場合分けはこうだね:
・\(\color{red}{D>0}\) … 異なる2つの実数解 → グラフは 異なる2点でx軸と交わる
・\(\color{red}{D=0}\) … 重解 \(x=-\frac{b}{2a}\) → グラフは 1点でx軸に接する
・\(\color{red}{D<0}\) … 実数解なし → グラフは x軸と共有点を持たない

図でイメージすると、放物線が下に行くほど x軸とぶつかる回数が増える、っていう感じだね。

D=0 のときは「接する」って表現でしたよね!

そう。x軸と1点でくっつく、特別な状態。接点のx座標はそのまま重解 \(x=-\frac{b}{2a}\) になるよ。
「判別式は2次方程式のもの」という前提

一つ注意。判別式 D は「2次方程式の解の個数」を判別する式であって、関数そのものに対するものじゃない。
だから記述では、必ず「\(ax^2+bx+c=0\) の判別式を D とする」と 方程式に書き換えてから D を持ち出すのが正しい書き方だよ。

「2次関数の判別式」って書いたら減点ですか?

うん、厳密にはアウト。関数を扱ってる流れの中でも、判別式を使うときは『=0』の方程式の話に切り替えると覚えておこう。
例題1:定数のみの2次関数
2次関数 \(y=x^2-4x+5\) とx軸の交点の個数を求めよ。
考え方

係数が全部分かっている、いちばん基本のパターンだね。
やることは 1つだけ。
\(x^2-4x+5=0\) の判別式 D を計算して、符号を見る。
解いてみよう
\(x^2-4x+5=0\) の判別式を \(D\) とすると、係数は \(a=1\)、\(b=-4\)、\(c=5\)。
b が偶数なので \(\frac{D}{4}\) を使うとラク。
\(b'=-2\) として、
\(\frac{D}{4}=(b')^2-ac=(-2)^2-1\cdot 5=4-5=\color{red}{-1}\)
つまり \(\frac{D}{4}<0\)、すなわち \(D<0\)。

D が負だから、実数解は無い。→ 共有点の個数は 0個 が答えだよ。

放物線がx軸の上に浮いてるイメージですね!

そう、頂点を計算すれば \(y=(x-2)^2+1\) で、最小値は1。つまりグラフ全体がx軸より上にあって、共有点を持たないってこと。
例題2:文字を含む2次関数(場合分け)
2次関数 \(y=-x^2+4x+m\) のグラフとx軸の共有点の個数を求めよ。
考え方

係数の中に文字 \(m\) が入っているから、共有点の個数は \(m\) の値によって変わる。
つまり D の符号を場合分けする 必要があるね。

場合分け…苦手なやつだ…

大丈夫、流れは例題1と同じ。違うのは「D が文字式になる」だけだよ。
解いてみよう
\(-x^2+4x+m=0\) の判別式を \(D\) とする。
係数は \(a=-1\)、\(b=4\)、\(c=m\)。
b=4 は偶数だから \(\frac{D}{4}\) で計算する。
\(b'=2\) として、
\(\frac{D}{4}=(b')^2-ac=2^2-(-1)\cdot m=4+m=\color{red}{m+4}\)

ここから \(m+4\) の符号 で場合分けするよ。
[1] \(m+4 > 0\)、つまり m > -4 のとき
\(\frac{D}{4}>0\) なので \(D>0\)。→ \(\color{red}{共有点は2個}\)
[2] \(m+4 = 0\)、つまり m = -4 のとき
\(\frac{D}{4}=0\) なので \(D=0\)。→ \(\color{red}{共有点は1個}\)(接する)
[3] \(m+4 < 0\)、つまり m < -4 のとき
\(\frac{D}{4}<0\) なので \(D<0\)。→ \(\color{red}{共有点は0個}\)

整理すると:m > -4 で2個、m = -4 で1個、m < -4 で0個、だね。

境目の m=-4 を見落とさなければ、ちゃんと書けますね!

そう。3つの場合の境界値(D=0 となる m) をまず先に出すのがコツだよ。
まとめ:2次関数とx軸の位置関係

さて、今回のまとめだよ!
2次関数のグラフとx軸の共有点の個数 = ax²+bx+c=0 の実数解の個数
判別式 \(D=b^2-4ac\) で場合分け:
・\(\color{red}{D>0}\) … 異なる2点で交わる
・\(\color{red}{D=0}\) … 接する(共有点1個)
・\(\color{red}{D<0}\) … 共有点なし
「共有点が無い」と主張するには、\(D<0\) を示せばOK!

「共有点の個数」って、結局は「2次方程式の実数解の個数」と同じものを別角度から見てるだけなんですね!

そう。図形の問題を数式の問題に翻訳するって大事な視点だよ。次は「2次不等式の解法」だ。グラフとx軸の位置関係が、不等式を解くときにそのまま使えるんだ。お楽しみに!




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