
今日の板書はこれ!
2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、解の公式より \(x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) です。
実数解の 個数 だけを知りたいなら、解そのものを求めなくても \(\color{red}{b^2-4ac}\) の 符号 だけで判別できます。
この \(\color{red}{b^2-4ac}\) を 判別式 \(D\) とおくと、
・\(D=b^2-4ac>0\) ⟺ 異なる2つの実数解
・\(D=b^2-4ac=0\) ⟺ ただ1つの実数解(重解)
・\(D=b^2-4ac<0\) ⟺ 実数解をもたない
※ \(b=2b'\) のとき(=\(b\) が偶数のとき)は、\(\frac{D}{4}=b'^2-ac\) を使うと計算が楽になります。
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+7x+9=0\) (2) \(4x^2-12x+9=0\)
▼ 解答
(1) 判別式 \(D=7^2-4\cdot 1\cdot 9 = 49-36 = \color{red}{13}>0\)
よって、実数解は 2個
(2) \(b=-12\) が偶数なので \(b'=-6\) として \(\frac{D}{4}=(-6)^2-4\cdot 9 = 36-36 = \color{red}{0}\)
よって、実数解は 1個(重解)
2次方程式 \(x^2-x+m=0\) が異なる2つの実数解をもつとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。
▼ 解答
「異なる2つの実数解」⟺ \(D>0\)
\(D=(-1)^2-4\cdot 1\cdot m = 1-4m\)
\(D>0\) より \(1-4m>0\)、すなわち \(\color{red}{m<\frac{1}{4}}\)

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現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
判別式 \(D\) とは?

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) を解の公式で解くと \(x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) でしたね。

はい!ルートの中身が大事って習いました。

そうそう。実数解の 個数 だけを知りたいときは、ルートの中身 \(b^2-4ac\) の 符号 だけ見れば判別できるんです。
この \(b^2-4ac\) を 判別式 と呼び、文字 \(D\) で表します。
\(D\) は英語の Discriminant(判別するもの)の頭文字です。
「解の公式の中の √ の中身」と覚えておけば、いつでも思い出せます。
判別式の符号で実数解の個数が変わる理由

ルートの中身 \(D\) の符号で、解の個数が次のように変わります。
① \(D>0\) のとき:\(\sqrt{D}\) は実数で、\(\pm\sqrt{D}\) は異なる2つの値です。
したがって \(x=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\) も 異なる2つの実数解 になります。
② \(D=0\) のとき:\(\sqrt{0}=0\) なので \(\pm\) の差が消えてしまいます。
\(x=\frac{-b}{2a}\) という ただ1つの解 になります。
これを 重解 といいます。
③ \(D<0\) のとき:負の数のルートは実数で計算できません。
よって 実数解は存在しません。

数学Ⅱで習う「虚数」はまだ使えないので、いまは「実数解なし」と判定すればいいんですね。

その通り!\(D\) の符号 1 つで「2 個・1 個・0 個」が一発で分かる、とても便利な道具です。
省エネ版:\(b\) が偶数のときは \(\frac{D}{4}\) を使う

\(b\) が偶数のとき、つまり \(b=2b'\) と書けるときは、計算を少し楽にできます。
\(D=(2b')^2-4ac = 4b'^2-4ac = 4(b'^2-ac)\) と変形できるので、両辺を 4 で割って \(\frac{D}{4}=b'^2-ac\) を使えます。
\(D\) と \(\frac{D}{4}\) は 符号が同じ なので、判別の結論はそのまま使えます。

例題1の (2) で \(\frac{D}{4}\) を使うと、\(144-144\) ではなく \(36-36\) で済むから楽でしたね!

そう!数字が小さくなって計算ミスも減るので、\(b\) が偶数のときは積極的に \(\frac{D}{4}\) を使いましょう。
例題で確認

板書で出した例題を、改めて 1 問ずつ丁寧に解いていきましょう。
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+7x+9=0\) (2) \(4x^2-12x+9=0\)

(1) は \(a=1,\ b=7,\ c=9\) なので、そのまま \(D=b^2-4ac\) に代入します。
\(D=7^2-4\cdot 1\cdot 9 = 49-36 = 13\)
\(D>0\) なので、実数解は 2 個 です。

(2) は \(a=4,\ b=-12,\ c=9\) です。\(b\) が偶数なので \(b'=-6\) と置いて \(\frac{D}{4}\) を使います。
\(\frac{D}{4}=(-6)^2-4\cdot 9 = 36-36 = 0\)
\(D=0\) なので、実数解は 1 個(重解)です。
2次方程式 \(x^2-x+m=0\) が異なる2つの実数解をもつとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。

「\(m\) を含む」と急に難しく見えますが、判別式の符号で考えればいいんですよね?

そのとおり!「異なる2解」⟺「\(D>0\)」と 判別式の不等式 に翻訳すれば、あとは \(m\) の不等式を解くだけです。
\(a=1,\ b=-1,\ c=m\) より、\(D=(-1)^2-4\cdot 1\cdot m = 1-4m\)
\(D>0\) より \(1-4m>0\)、すなわち \(m<\frac{1}{4}\) が答えです。

ポイントは「解の個数の条件を \(D\) の符号の条件に翻訳する」こと。これは次の単元(2次関数とx軸の位置関係・2次不等式)でも何度も出てくる超重要パターンです。
練習問題

最後に、判別式の使い方を練習してみましょう。\(b\) が偶数のものは \(\frac{D}{4}\) を使うのがオススメです。
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+3x-5=0\)
(2) \(3x^2-5x+4=0\)
(3) \(3x^2+2\sqrt{3}\,x+1=0\)
2次方程式 \(x^2-4x+m=0\) が実数解をもたないとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。
(練習1)
(1) \(D=3^2-4\cdot 1\cdot(-5)=9+20=29>0\) より 実数解 2 個
(2) \(D=(-5)^2-4\cdot 3\cdot 4=25-48=-23<0\) より 実数解 0 個(実数解をもたない)
(3) \(b=2\sqrt{3}\) が \(2b'\) の形(\(b'=\sqrt{3}\))なので \(\frac{D}{4}=(\sqrt{3})^2-3\cdot 1 = 3-3 = 0\) より 実数解 1 個(重解)
(練習2)
「実数解をもたない」⟺ \(D<0\)
\(b=-4\) が偶数なので \(b'=-2\) として \(\frac{D}{4}=(-2)^2-1\cdot m = 4-m\)
\(\frac{D}{4}<0\) より \(4-m<0\)、すなわち \(\color{red}{m>4}\)
まとめ:2次方程式の実数解の個数(判別式)

さて、今回のまとめだよ!
2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の 判別式 は \(\color{red}{D=b^2-4ac}\)。
・\(D>0\) ⟺ 異なる2つの実数解
・\(D=0\) ⟺ ただ1つの実数解(重解)
・\(D<0\) ⟺ 実数解をもたない
\(b\) が偶数のときは \(\frac{D}{4}=b'^2-ac\)(\(b=2b'\))を使うと計算が楽。
文字定数を含む式の条件は、判別式の符号 \(D>0,\ D=0,\ D<0\) に翻訳して \(m\) などの範囲を求める。

「解を求めずに個数が分かる」って便利すぎ…!

次回は 2次関数とx軸の位置関係。実は今回の判別式が、グラフがx軸と何点で交わるかを判定する道具にもなるんです。お楽しみに!





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