【数学Ⅰ】2次方程式・不等式02:2次方程式の実数解の個数(判別式)

2次方程式と2次不等式
さん
さん

今日の板書はこれ!

2次方程式の実数解の個数(判別式)

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、解の公式より \(x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) です。

実数解の 個数 だけを知りたいなら、解そのものを求めなくても \(\color{red}{b^2-4ac}\) の 符号 だけで判別できます。

この \(\color{red}{b^2-4ac}\) を 判別式 \(D\) とおくと、

・\(D=b^2-4ac>0\) ⟺ 異なる2つの実数解

・\(D=b^2-4ac=0\) ⟺ ただ1つの実数解(重解)

・\(D=b^2-4ac<0\) ⟺ 実数解をもたない

※ \(b=2b'\) のとき(=\(b\) が偶数のとき)は、\(\frac{D}{4}=b'^2-ac\) を使うと計算が楽になります。

例題1

次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+7x+9=0\) (2) \(4x^2-12x+9=0\)


▼ 解答

(1) 判別式 \(D=7^2-4\cdot 1\cdot 9 = 49-36 = \color{red}{13}>0\)

よって、実数解は 2個

(2) \(b=-12\) が偶数なので \(b'=-6\) として \(\frac{D}{4}=(-6)^2-4\cdot 9 = 36-36 = \color{red}{0}\)

よって、実数解は 1個(重解)

例題2

2次方程式 \(x^2-x+m=0\) が異なる2つの実数解をもつとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。


▼ 解答

「異なる2つの実数解」⟺ \(D>0\)

\(D=(-1)^2-4\cdot 1\cdot m = 1-4m\)

\(D>0\) より \(1-4m>0\)、すなわち \(\color{red}{m<\frac{1}{4}}\)

生徒
生徒

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判別式 \(D\) とは?

さん
さん

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) を解の公式で解くと \(x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\) でしたね。

生徒
生徒

はい!ルートの中身が大事って習いました。

さん
さん

そうそう。実数解の 個数 だけを知りたいときは、ルートの中身 \(b^2-4ac\) の 符号 だけ見れば判別できるんです。

この \(b^2-4ac\) を 判別式 と呼び、文字 \(D\) で表します。

\(D\) は英語の Discriminant(判別するもの)の頭文字です。

「解の公式の中の √ の中身」と覚えておけば、いつでも思い出せます。

判別式の符号で実数解の個数が変わる理由

さん
さん

ルートの中身 \(D\) の符号で、解の個数が次のように変わります。

① \(D>0\) のとき:\(\sqrt{D}\) は実数で、\(\pm\sqrt{D}\) は異なる2つの値です。

したがって \(x=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\) も 異なる2つの実数解 になります。

② \(D=0\) のとき:\(\sqrt{0}=0\) なので \(\pm\) の差が消えてしまいます。

\(x=\frac{-b}{2a}\) という ただ1つの解 になります。

これを 重解 といいます。

③ \(D<0\) のとき:負の数のルートは実数で計算できません。

よって 実数解は存在しません

生徒
生徒

数学Ⅱで習う「虚数」はまだ使えないので、いまは「実数解なし」と判定すればいいんですね。

さん
さん

その通り!\(D\) の符号 1 つで「2 個・1 個・0 個」が一発で分かる、とても便利な道具です。

省エネ版:\(b\) が偶数のときは \(\frac{D}{4}\) を使う

さん
さん

\(b\) が偶数のとき、つまり \(b=2b'\) と書けるときは、計算を少し楽にできます。

\(D=(2b')^2-4ac = 4b'^2-4ac = 4(b'^2-ac)\) と変形できるので、両辺を 4 で割って \(\frac{D}{4}=b'^2-ac\) を使えます。

\(D\) と \(\frac{D}{4}\) は 符号が同じ なので、判別の結論はそのまま使えます。

生徒
生徒

例題1の (2) で \(\frac{D}{4}\) を使うと、\(144-144\) ではなく \(36-36\) で済むから楽でしたね!

さん
さん

そう!数字が小さくなって計算ミスも減るので、\(b\) が偶数のときは積極的に \(\frac{D}{4}\) を使いましょう。

例題で確認

さん
さん

板書で出した例題を、改めて 1 問ずつ丁寧に解いていきましょう。

例題1

次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+7x+9=0\) (2) \(4x^2-12x+9=0\)

さん
さん

(1) は \(a=1,\ b=7,\ c=9\) なので、そのまま \(D=b^2-4ac\) に代入します。

\(D=7^2-4\cdot 1\cdot 9 = 49-36 = 13\)

\(D>0\) なので、実数解は 2 個 です。

さん
さん

(2) は \(a=4,\ b=-12,\ c=9\) です。\(b\) が偶数なので \(b'=-6\) と置いて \(\frac{D}{4}\) を使います。

\(\frac{D}{4}=(-6)^2-4\cdot 9 = 36-36 = 0\)

\(D=0\) なので、実数解は 1 個(重解)です。

例題2

2次方程式 \(x^2-x+m=0\) が異なる2つの実数解をもつとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。

生徒
生徒

「\(m\) を含む」と急に難しく見えますが、判別式の符号で考えればいいんですよね?

さん
さん

そのとおり!「異なる2解」⟺「\(D>0\)」と 判別式の不等式 に翻訳すれば、あとは \(m\) の不等式を解くだけです。

\(a=1,\ b=-1,\ c=m\) より、\(D=(-1)^2-4\cdot 1\cdot m = 1-4m\)

\(D>0\) より \(1-4m>0\)、すなわち \(m<\frac{1}{4}\) が答えです。

さん
さん

ポイントは「解の個数の条件を \(D\) の符号の条件に翻訳する」こと。これは次の単元(2次関数とx軸の位置関係・2次不等式)でも何度も出てくる超重要パターンです。

練習問題

さん
さん

最後に、判別式の使い方を練習してみましょう。\(b\) が偶数のものは \(\frac{D}{4}\) を使うのがオススメです。

例題(練習1)

次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) \(x^2+3x-5=0\)
(2) \(3x^2-5x+4=0\)
(3) \(3x^2+2\sqrt{3}\,x+1=0\)

例題(練習2)

2次方程式 \(x^2-4x+m=0\) が実数解をもたないとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。

▼ 解答

(練習1)

(1) \(D=3^2-4\cdot 1\cdot(-5)=9+20=29>0\) より 実数解 2 個

(2) \(D=(-5)^2-4\cdot 3\cdot 4=25-48=-23<0\) より 実数解 0 個(実数解をもたない)

(3) \(b=2\sqrt{3}\) が \(2b'\) の形(\(b'=\sqrt{3}\))なので \(\frac{D}{4}=(\sqrt{3})^2-3\cdot 1 = 3-3 = 0\) より 実数解 1 個(重解)


(練習2)

「実数解をもたない」⟺ \(D<0\)

\(b=-4\) が偶数なので \(b'=-2\) として \(\frac{D}{4}=(-2)^2-1\cdot m = 4-m\)

\(\frac{D}{4}<0\) より \(4-m<0\)、すなわち \(\color{red}{m>4}\)

まとめ:2次方程式の実数解の個数(判別式)

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

2次方程式の実数解の個数(判別式)

2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の 判別式 は \(\color{red}{D=b^2-4ac}\)。

・\(D>0\) ⟺ 異なる2つの実数解

・\(D=0\) ⟺ ただ1つの実数解(重解)

・\(D<0\) ⟺ 実数解をもたない

\(b\) が偶数のときは \(\frac{D}{4}=b'^2-ac\)(\(b=2b'\))を使うと計算が楽。

文字定数を含む式の条件は、判別式の符号 \(D>0,\ D=0,\ D<0\) に翻訳して \(m\) などの範囲を求める。

生徒
生徒

「解を求めずに個数が分かる」って便利すぎ…!

さん
さん

次回は 2次関数とx軸の位置関係。実は今回の判別式が、グラフがx軸と何点で交わるかを判定する道具にもなるんです。お楽しみに!

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