【数学Ⅰ】2次方程式・不等式04:2次不等式の解法

2次方程式と2次不等式
さん
さん

今日の板書はこれ!

2次不等式の解法

2次関数とx軸の位置関係として図形的にとらえることによって解ける。

例題1

次の不等式を解け:\(2x-6<0\)


▼ 解答

\(2x-6<0\)

\(\Leftrightarrow 2x<6\)

\(\Leftrightarrow \color{red}{x<3}\)

例題2

次の不等式を解け:\(x^2-6x+9 \geq 0\)


▼ 解答

\(x^2-6x+9 \geq 0\)

\(\Leftrightarrow (x-3)^2 \geq 0\)

よって、\(\color{red}{\text{すべての実数}}\)

例題3

次の不等式を解け:\(-x^2+4x+1 \leq 0\)


▼ 解答

\(-x^2+4x+1 \leq 0\)

\(\Leftrightarrow x^2-4x-1 \geq 0\)

\(x^2-4x-1=0\) とすると、\(x=2 \pm \sqrt{5}\)

よって、\(\color{red}{x \leq 2-\sqrt{5},\ 2+\sqrt{5} \leq x}\)

例題4

次の不等式を解け:\(x^2-6x+10>0\)


▼ 解答

\(x^2-6x+10>0\)

\(\Leftrightarrow (x-3)^2+1>0\)

よって、\(\color{red}{\text{すべての実数}}\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

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2次不等式の解法とは?

さん
さん

2次不等式は、2次関数のグラフが \(x\) 軸より上にあるか下にあるかを読み取る問題なんだ。

生徒
生徒

えっ、不等式なのにグラフで考えるんですか?

さん
さん

そう!前回の記事「2次関数と \(x\) 軸の位置関係」で、グラフと \(x\) 軸の交点(つまり \(y=0\) になる \(x\) )を求めたよね。あれを応用するんだ。

「不等号 > 」は y が正、「不等号 < 」は y が負

たとえば \(x^2-3x+2>0\) を解くというのは、「\(y=x^2-3x+2\) が正になる \(x\) の範囲を求めなさい」と同じことなんです。

グラフでいうと、放物線が \(x\) 軸よりも上にある \(x\) の範囲ということです。

逆に \(<0\) なら \(x\) 軸よりも下、\(\geq 0\) なら \(x\) 軸より上または接している、\(\leq 0\) なら \(x\) 軸より下または接している、です。

さん
さん

「不等号の向き」と「グラフの上下」を結びつければ、もう怖くないよ。

例題1:1次不等式から思い出してみよう

例題1

次の不等式を解け:\(2x-6<0\)

考え方

さん
さん

まずは 1次不等式のおさらい。「2次から急に難しくなった」と感じる人が多いから、まずは1次で同じ考え方を確認するよ。

「\(2x-6<0\) を解け」というのは、「\(y=2x-6\) が負になる \(x\) の範囲を求めなさい」ということ。

\(y=2x-6\) は右上がりの直線で、\(x\) 軸との交点は \(y=0\) になる \(x\)、つまり \(x=3\) です。

直線が \(x\) 軸よりも下にあるのは \(x=3\) より左側、つまり \(x<3\) のときですね。

解答

もちろん、移項して整理する形でも解けます。

\(2x-6<0\)

\(\Leftrightarrow 2x<6\)

\(\Leftrightarrow \color{red}{x<3}\)

生徒
生徒

1次のときは「移項するだけ」で解けたから、グラフは意識してませんでした!

さん
さん

2次になるとグラフの形がカーブするから、「どこからどこまでが \(x\) 軸より上か」を読み取らないと答えが出せないんだ。次の例題でそれを見ていこう。

例題2:x軸に接する場合(重解)

例題2

次の不等式を解け:\(x^2-6x+9 \geq 0\)

考え方

さん
さん

左辺を因数分解してみよう。\(x^2-6x+9 = (x-3)^2\) になるね。

\((x-3)^2\) は「2乗」だから、\(x\) にどんな実数を入れても \(0\) 以上です。

つまり \(y=(x-3)^2\) のグラフは、頂点 \((3,0)\) で \(x\) 軸に接していて、それ以外はすべて \(x\) 軸より上にあります。

「\(\geq 0\)」(0以上)を満たす \(x\) を求めるので、\(x\) 軸より上 + \(x\) 軸上の点、両方OKです。

グラフをよく見ると、\(x\) がどんな値でも条件を満たしていますね。

解答

\(x^2-6x+9 \geq 0\)

\(\Leftrightarrow (x-3)^2 \geq 0\)

\((x-3)^2\) は常に \(0\) 以上だから、解は \(\color{red}{\text{すべての実数}}\)。

不等号が変わったらどうなる?

さん
さん

同じ \(x^2-6x+9\) でも、不等号の種類で答えがガラッと変わるよ。表にまとめておこう。

不等号別の解の早見表

・\(x^2-6x+9 \geq 0\) … \(\color{red}{\text{すべての実数}}\)

・\(x^2-6x+9 > 0\) … \(\color{red}{x=3 \text{以外のすべての実数}}\)(接点だけが \(y=0\) なので「\(>0\)」には含まれない)

・\(x^2-6x+9 < 0\) … \(\color{red}{\text{解なし}}\)(\(y\) が負になることがない)

・\(x^2-6x+9 \leq 0\) … \(\color{red}{x=3}\)(接点だけが \(y=0\) で条件を満たす)

生徒
生徒

1問の中に4パターンが詰まってますね。「等号を含むか」と「以上 / より大」で答えが全然違う……

さん
さん

そう。接する形はトラップが多いから、必ずグラフを描いて確認するクセをつけよう。

例題3:2次の係数が負のとき

例題3

次の不等式を解け:\(-x^2+4x+1 \leq 0\)

考え方

さん
さん

まず、2次の係数が \(-1\) で負だね。このままだと「下に開く放物線」になって、考えるのが少しややこしい。

そういうときは、両辺に \(-1\) をかけて2次の係数を正に直します。

ただし、両辺に負の数をかけると、不等号の向きが反転することを忘れずに!

\(-x^2+4x+1 \leq 0\)

両辺に \(-1\) をかけて

\(x^2-4x-1 \color{red}{\geq} 0\) (不等号が反転)

これで「\(y=x^2-4x-1\) が \(0\) 以上になる \(x\) の範囲」を求める問題になりました。

解いてみよう

\(x^2-4x-1\) は整数の範囲で因数分解できません。

こういうときは 解の公式 を使って、\(x\) 軸との交点を求めます。

\(x^2-4x-1=0\) を解の公式で解くと

\(x=\frac{-(-4) \pm \sqrt{(-4)^2-4 \cdot 1 \cdot (-1)}}{2 \cdot 1} = \frac{4 \pm \sqrt{20}}{2} = 2 \pm \sqrt{5}\)

つまり \(y=x^2-4x-1\) のグラフは、\(x=2-\sqrt{5}\) と \(x=2+\sqrt{5}\) で \(x\) 軸と交わる「上に開く放物線」です。

「\(y \geq 0\)」を満たすのは、グラフが \(x\) 軸より上または \(x\) 軸上にある \(x\)。

これは交点の 外側 ですね。

解答

\(\color{red}{x \leq 2-\sqrt{5},\ 2+\sqrt{5} \leq x}\)

生徒
生徒

因数分解できないときも解の公式があれば、グラフの交点が分かるんですね!

さん
さん

そう。「2次不等式 → 解の公式」のコンボはよく使うから、解の公式は必ずスラスラ書けるようにしておこう。

例題4:x軸と交わらない場合(D < 0)

例題4

次の不等式を解け:\(x^2-6x+10 > 0\)

考え方

さん
さん

まず、\(x^2-6x+10\) を因数分解しようとしても、整数では分解できないね。試しに判別式 \(D\) を計算してみよう。

\(D=(-6)^2-4 \cdot 1 \cdot 10 = 36-40 = -4\)

\(D<0\) なので、\(x^2-6x+10=0\) は実数解を持ちません。

つまり \(y=x^2-6x+10\) のグラフは、\(x\) 軸と 交わらない 上に開く放物線です。

グラフが \(x\) 軸と一切交わらず、しかも「上に開く」なら、\(y\) は常に正です。

だから「\(y>0\)」はすべての \(x\) で成り立ちます。

平方完成で確かめる

さん
さん

「グラフが常に正」をもう少し納得したい人は、平方完成してみよう。

\(x^2-6x+10 = (x-3)^2 -9 +10 = (x-3)^2+1\)

\((x-3)^2\) は \(0\) 以上なので、それに \(1\) を足した \((x-3)^2+1\) は必ず \(1\) 以上、つまり常に正です。

だから \(x^2-6x+10>0\) はすべての実数で成り立ちます。

解答

\(x^2-6x+10 = (x-3)^2+1 > 0\) は常に成り立つので、解は \(\color{red}{\text{すべての実数}}\)。

生徒
生徒

因数分解できないときは「判別式」か「平方完成」で確認すればいいんですね。

さん
さん

そう。グラフが \(x\) 軸と交わるかどうかを最初に確認する習慣をつけよう。\(D\) の符号でグラフの形が3パターンに分かれるよ。

判別式 \(D\) によるグラフ分類(2次の係数が正の場合)

・\(D>0\):\(x\) 軸と 2点で交わる。交点の \(x\) 座標は解の公式で求める。

・\(D=0\):\(x\) 軸に 接する(重解)。例題2のパターン。

・\(D<0\):\(x\) 軸と 交わらない。例題4のパターン。\(y\) は常に正。

まとめ:2次不等式の解法

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

2次不等式の解法

2次関数とx軸の位置関係として図形的にとらえることによって解ける。

解き方の手順は次の通り。

① 2次の係数が負なら、両辺に \(-1\) をかけて正にする(不等号の向きが反転)。

② 因数分解できれば \(x\) 軸との交点の \(x\) 座標が分かる。できないときは解の公式を使う。

③ グラフを描いて、\(y\) が条件を満たす(正・負・0以上・0以下)\(x\) の範囲を答える。

④ 因数分解も解の公式も「実数解」を持たないとき(判別式 \(D<0\))はグラフが \(x\) 軸と交わらないので、平方完成や判別式で \(y\) の符号を判定する。

生徒
生徒

「グラフを描いて \(x\) 軸との位置関係を読む」ことが共通の考え方なんですね!

さん
さん

そう。式変形だけで解こうとすると場合分けでパニックになるけど、グラフを1枚描けば一目瞭然。これからは 必ずグラフを描く ようにしよう。

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