
今日の板書はこれ!
絶対値のはずし方:中身が \(\color{deepskyblue}{0}\) 以上ならそのまま、負ならば \(\color{red}{-}\) をつけてはずす。
関数 \(y=|x^2-2x|\) のグラフをかけ。
▼ 解答
\(\color{deepskyblue}{x^2-2x \geq 0}\) すなわち \(x \leq 0,\ 2 \leq x\) のとき
\(y = x^2-2x = (x-1)^2 – 1\)
\(\color{red}{x^2-2x < 0}\) すなわち \(0 < x < 2\) のとき
\(y = -(x^2-2x) = -(x-1)^2 + 1\)
意味:\(f(x)\) に絶対値をつけることは、\(f(x)\) の負の部分が正になることを意味する。図形的には \(x\) 軸より下の部分を上側に折り返す ことに対応する。

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
「全体に絶対値がついた関数」って?

今日のテーマは、関数の式 全体 に絶対値がついた \(y=|f(x)|\) のグラフだよ。

一見、絶対値の中身がゴチャゴチャしてて難しそうに見えるよね。

うーん…\(y=|x+2|\) や \(y=|x^2-2x|\) みたいなやつだよね?絶対値があるから、いつも通りグラフがかけない…。

そう、そこでつまずく生徒は本当に多いんだ。

でも安心してね。実は たった2つのこと を知っていれば、どんな \(y=|f(x)|\) でもグラフがかけるようになるよ。
知っておきたい2つのこと
1つ目は 絶対値の定義、つまり「中身が0以上ならそのまま、負ならばマイナスをつけてはずす」というルールです。
これは中学で習った絶対値と全く同じ意味です。
2つ目は 「x軸より下を上に折り返す」 という図形的なイメージです。
実は \(y=|f(x)|\) のグラフは、もとの \(y=f(x)\) のグラフの「x軸より下にある部分」だけを、ぱたんと上にひっくり返したものなんです。

まず1つ目の「絶対値の定義」をしっかり確認しよう。これがすべての出発点だよ。
絶対値の定義をもう一度確認しよう

絶対値 \(|A|\) は、中身 \(A\) の符号によってはずし方が変わるんだ。
絶対値 \(|A|\) は、次のように場合分けして定義されます。
\(A \geq 0\) のとき \(|A| = \color{deepskyblue}{A}\)(そのまま)
\(A < 0\) のとき \(|A| = \color{red}{-A}\)(マイナスをつけて符号反転)

あ、つまり中身 \(A\) が「プラスかゼロ」か「マイナス」かで、はずし方を変えるってこと?

その通り!この場合分けが、絶対値関数のグラフを描くときのカギになるよ。
たとえば、\(|3| = 3\)(中身がプラスなのでそのまま)ですが、\(|-3| = -(-3) = 3\)(中身がマイナスなのでマイナスをつけて符号を反転)になります。
「絶対値は中身の正負によって2通りのはずし方がある」——これだけ覚えておきましょう。
y=|f(x)| は「x軸より下を上に折り返す」だけ

次に2つ目のポイント、図形的なイメージだよ。
\(y=|f(x)|\) の右辺 \(|f(x)|\) は、絶対値の定義から次のように場合分けできます。
\(f(x) \geq 0\) のとき \(|f(x)| = \color{deepskyblue}{f(x)}\)
\(f(x) < 0\) のとき \(|f(x)| = \color{red}{-f(x)}\)
つまり、\(y=|f(x)|\) のグラフは、もとの \(y=f(x)\) のグラフを2つの領域に分けて考えることになります。
\(f(x) \geq 0\) の部分(つまり x軸より上 にあるグラフ)は、そのまま使えます。
一方、\(f(x) < 0\) の部分(つまり x軸より下 にあるグラフ)は、\(-f(x)\) になります。

\(-f(x)\) って、もとのグラフを上下ひっくり返したものだよね?

そう!それが「x軸に関する対称移動」だね。
言い換えると、もとの \(y=f(x)\) のうち x軸より下にある部分だけ をx軸に関して対称移動して、上側に折り返すと \(y=|f(x)|\) のグラフが完成します。
x軸より上の部分はそのままなので、絶対値関数のグラフは 必ずx軸より上側 にしか存在しません。
\(|A| \geq 0\) なのだから当然ですよね。
例題1:y=|x²-2x| のグラフを描いてみよう
関数 \(y=|x^2-2x|\) のグラフをかけ。

それでは、実際に手順に沿ってグラフを描いてみよう。
ステップ1:絶対値の中身の符号を場合分けする
絶対値の中身は \(x^2-2x\) です。
これが \(\color{deepskyblue}{0\ \text{以上}}\) になる範囲と、\(\color{red}{0\ \text{未満}}\) になる範囲を調べます。
\(x^2-2x = x(x-2)\) なので、\(x(x-2) \geq 0\) を解くと \(\color{deepskyblue}{x \leq 0\ \text{または}\ 2 \leq x}\)、\(x(x-2) < 0\) を解くと \(\color{red}{0 < x < 2}\) となります。

あ、2次不等式 \(x(x-2) \geq 0\) とかは、前回までに勉強したやつだね!

うん、ここまでの知識を総動員する感じだね。
ステップ2:場合分けして式を書き直す
絶対値の定義より、それぞれの範囲で \(y\) は次のようになります。
\(\color{deepskyblue}{x \leq 0,\ 2 \leq x}\) のとき
\(y = x^2-2x = (x-1)^2 – 1\)
\(\color{red}{0 < x < 2}\) のとき
\(y = -(x^2-2x) = -(x-1)^2 + 1\)
1つ目は下に凸の放物線(頂点 \((1,\ -1)\))の一部、2つ目は上に凸の放物線(頂点 \((1,\ 1)\))の一部です。
ステップ3:それぞれの範囲でグラフを描く

関数 \(y=|x^2-2x|\) のグラフ。もとの放物線 \(y=x^2-2x\) の \(x\) 軸より下の部分(点線部)を、\(x\) 軸に関して折り返した形になる。
\(\color{deepskyblue}{x \leq 0,\ 2 \leq x}\) の範囲では、もとの放物線 \(y=x^2-2x\) の x軸より上の部分 をそのまま描きます。
\(\color{red}{0 < x < 2}\) の範囲では、\(y=-(x^2-2x)\) のグラフ、つまり もとの放物線をx軸で折り返した部分 を描きます。

「折り返したらどんな形になるか」を意識するのがコツだよ。
別解:折り返しのイメージで一発で描く
実は、もっと素早くグラフを描く方法があります。
まず、絶対値を 無視した もとの関数 \(y=x^2-2x\) のグラフを軽くイメージで描きます。
これは頂点 \((1,\ -1)\) の下に凸の放物線で、\(x\) 軸とは \(x=0,\ 2\) で交わります。
次に、このグラフの x軸より下の部分(\(0 < x < 2\) の範囲のお椀型の谷)を、ぱたんと x軸の上に折り返します。
すると、頂点 \((1,\ 1)\) の上に凸の山が現れます。

これで完成!x軸より上の部分はそのまま、下の部分は折り返した山型——ハートを横にしたような形のグラフが \(y=|x^2-2x|\) のグラフです。

場合分けして書き直さなくても、もとのグラフがイメージできれば一発で描けるってこと?

そう!ただし「折り返しの境目(\(x\) 軸との交点)」をしっかり押さえないと、形がいびつになるから注意してね。
練習問題:いろいろな関数で試してみよう

考え方を身につけたら、実際にいろんな関数で練習してみよう。
まずは1次関数の絶対値、次に2次関数の絶対値、そして因数分解しやすい2次式の絶対値、と少しずつステップアップしていく問題です。
次の関数のグラフをかけ。
(1) \(y=|x+2|\) (2) \(y=|x^2-1|\) (3) \(y=|x^2-2x-3|\)
考え方
どれも手順は同じです。
① まず絶対値を無視したもとのグラフ \(y=f(x)\) をかく。
② そのうち x軸より下の部分 を x軸で折り返す。
③ もとのグラフのx軸より上の部分と、折り返した部分をつなぎ合わせる。
(1) は \(y=x+2\) のグラフ(直線)のうち、\(x=-2\) より左の部分(負の部分)をx軸で折り返します。
V字型のグラフになります。
(2) は \(y=x^2-1\) のグラフのうち、\(-1 < x < 1\) の部分(負の部分)をx軸で折り返します。
U字を山型に置き換えた形になります。
(3) は \(y=x^2-2x-3=(x+1)(x-3)\) のグラフのうち、\(-1 < x < 3\) の部分をx軸で折り返します。
x軸との交点 \(-1\) と \(3\) で「折れ」が発生します。

共通して大事なのは「もとのグラフが x軸とどこで交わるか」をまず探すこと。そこが折り返しの境目になるよ。

なるほど!絶対値があると難しく見えるけど、もとのグラフを思い浮かべれば普通の関数とほとんど同じだね。

そういうこと。「絶対値=難しい」じゃなくて「絶対値=折り返し」だと思えば、怖くないよ。
まとめ:全体に絶対値がついた関数のグラフ

さて、今回のまとめだよ!
絶対値の定義:中身が \(0\) 以上ならそのまま、負ならば \(-\) をつけてはずす。
場合分け
・\(f(x) \geq 0\) のとき \(y = f(x)\)
・\(f(x) < 0\) のとき \(y = -f(x)\)
図形的な意味:\(y=f(x)\) のグラフの「\(x\) 軸より下の部分」を、\(x\) 軸に関して対称移動して上側に折り返したものが \(y=|f(x)|\) のグラフ。

また一つ賢くなった!





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