【数学Ⅰ】2次方程式・不等式07:すべての実数に対して成り立つ2次不等式

2次方程式と2次不等式
さん
さん

今日の板書はこれ!

⑫すべての実数に対して成り立つ2次不等式(絶対不等式)

2次不等式の解が すべての実数 になる、または 解なし になる条件を、グラフで考える。

2次関数 \(y=ax^2+bx+c\) のグラフが \(x\) 軸とどう交わるかは、判別式 \(D=b^2-4ac\) で決まる。

「グラフが \(x\) 軸とまったく交わらない」 \(\Leftrightarrow\) 「実数解をもたない」 \(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{D<0}\)

\(a\neq 0\) のとき、グラフの開き方(\(a\) の符号)と組み合わせて:

・ 常に \(ax^2+bx+c>0\)(解がすべての実数)\(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{a>0}\) かつ \(\color{red}{D<0}\)

・ 常に \(ax^2+bx+c<0\)(解なし)\(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{a<0}\) かつ \(\color{red}{D<0}\)

例題1

2次不等式 \(x^2+2mx+m+2>0\) の解が すべての実数 であるとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。


▼ 解答

\(f(x)=x^2+2mx+m+2\) とおく。

\(y=f(x)\) は 下に凸 なので、すべての実数で \(f(x)>0\) となる条件は 頂点が \(x\) 軸より上、つまり \(D<0\) である。

判別式 \(\frac{D}{4}=m^2-(m+2)=m^2-m-2\)

\(D<0\) より \(m^2-m-2<0\)、すなわち \((m-2)(m+1)<0\)

よって \(\color{red}{-1<m<2}\)

生徒
生徒

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すべての実数に対して成り立つ2次不等式って何?

さん
さん

今日のテーマは 「絶対不等式」 って呼ばれるやつだよ。例えば 2次不等式 \(x^2+2mx+m+2>0\) の解が「すべての実数」になるためには、\(m\) がどんな値ならいいのかを考える問題。

生徒
生徒

「すべての実数」が解ってどういう意味ですか?普通は \(x<1\) とか \(2<x<5\) みたいに範囲が出ますよね?

さん
さん

そうそう、普通は不等式を解くと「\(x\) のとり得る範囲」が出るよね。でも今回は どんな \(x\) を入れても不等式が成り立つ 状態を考える。つまり、グラフが 絶対に \(x\) 軸より上 にあれば、どんな \(x\) を入れても \(y>0\) になるよね。

生徒
生徒

あー!グラフ全体が \(x\) 軸の上にあれば、確かに常に正ですね。

2次不等式はグラフで図形的に考えよう

さん
さん

2次不等式が出てきたら、まずは 2次関数のグラフを思い浮かべるのがコツ。「\(>0\) になる \(x\) の範囲」って、グラフが \(x\) 軸より上にある \(x\) の範囲のことだからね。

グラフでイメージしよう

「解が すべての実数」というのは、グラフがどの \(x\) でも \(x\) 軸より上にある(または下にある)状態のこと。

図にすると、こんなイメージになるよ。

さん
さん

左側は 常に \(f(x)>0\)(グラフが \(x\) 軸より上)、右側は 常に \(f(x)<0\)(グラフが \(x\) 軸より下)の状態だね。どちらも グラフが \(x\) 軸と1点も交わらない のがポイント。

「交わらない」って判別式で言えるよね?

生徒
生徒

「\(x\) 軸と交わらない」ってことは…実数解をもたないってことですよね?

さん
さん

その通り!「2次方程式の実数解の個数」のところで習った 判別式 \(D=b^2-4ac\) を使えば、

「\(x\) 軸と交わらない」 \(\Leftrightarrow\) 「2次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) が実数解をもたない」 \(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{D<0}\) と言える。

生徒
生徒

判別式のところで習った \(D<0\) のときグラフが \(x\) 軸と交わらない、ってやつが効いてくるんですね!

条件を整理:a の符号と判別式 D のセット

さん
さん

ここで重要なのが「\(a\) の符号」と「判別式 \(D\)」を セットで考える こと。グラフの形(下に凸 or 上に凸)と、頂点の位置(\(x\) 軸の上 or 下)の両方が決まらないと、グラフが \(x\) 軸より「常に上」か「常に下」かが決まらないからね。

[1] 下に凸(a>0)のとき

下に凸の放物線が \(x\) 軸と交わらないと、グラフは 必ず \(x\) 軸より上 にある(頂点が一番下なので、頂点が \(x\) 軸より上なら全体が上)。

だから、「常に \(ax^2+bx+c>0\)(解がすべての実数)」 \(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{a>0}\) かつ \(\color{red}{D<0}\) となる。

[2] 上に凸(a<0)のとき

上に凸の放物線が \(x\) 軸と交わらないと、グラフは 必ず \(x\) 軸より下 にある(頂点が一番上なので、頂点が \(x\) 軸より下なら全体が下)。

だから、「常に \(ax^2+bx+c<0\)(解なし、つまり \(>0\) の解はゼロ個)」 \(\Leftrightarrow\) \(\color{red}{a<0}\) かつ \(\color{red}{D<0}\) となる。

生徒
生徒

共通してるのは \(D<0\) で、あとは \(a\) の符号と不等号の向きが セットで揃う ってことですね!

さん
さん

そう。「常に正」なら下に凸、「常に負」なら上に凸。不等号の向きに合わせて \(a\) の符号も決まるんだよ。

例題:解がすべての実数になる m の範囲

例題1

2次不等式 \(x^2+2mx+m+2>0\) の解が すべての実数 であるとき、定数 \(m\) の値の範囲を求めよ。

考え方:何の条件を満たせばいい?

さん
さん

まず左辺 \(x^2+2mx+m+2\) の \(x^2\) の係数 を見よう。係数は \(1\) で正なので、グラフは 下に凸 だね。

さん
さん

下に凸の放物線が「常に \(>0\)」になるのは、さっき整理したとおり 頂点が \(x\) 軸より上、つまり \(D<0\) のとき。今回は \(a\) の符号は元から正なので、残る条件は \(D<0\) だけだよ。

生徒
生徒

じゃあ判別式 \(D\) を計算して \(D<0\) を解けばいいんですね!

実際に解いてみよう

2次方程式 \(x^2+2mx+m+2=0\) の判別式を \(D\) とおく。

\(b=2m\) のように \(b\) が偶数 のときは \(\frac{D}{4}=\left(\frac{b}{2}\right)^2-ac\) を使うと計算がラクだよ。

\(\frac{D}{4}=m^2-1\cdot(m+2)=m^2-m-2\)

求める条件は \(D<0\)、つまり \(\frac{D}{4}<0\) なので、

\(m^2-m-2<0\)

左辺を因数分解すると \((m-2)(m+1)<0\)

よって \(\color{red}{-1<m<2}\)

さん
さん

図でいうと、下に凸の放物線がスッと \(x\) 軸より上に浮いている状態。\(m\) が \(-1\) と \(2\) のあいだのときだけ、グラフが \(x\) 軸と交わらず、どの \(x\) を入れても \(y>0\) になるんだ。

生徒
生徒

「\(a\) の符号は元から決まってる → あとは \(D<0\) を解くだけ」って手順なら、絶対不等式の問題はわりとあっさり解けますね!

まとめ:すべての実数に対して成り立つ2次不等式

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

まとめ:すべての実数で成り立つ2次不等式(絶対不等式)

2次不等式 \(ax^2+bx+c>0\) や \(ax^2+bx+c<0\) の解が「すべての実数」あるいは「なし」となる条件は、グラフが \(x\) 軸とどう交わるか をイメージして判別式で考える。

・ 「常に \(>0\)」 \(\Leftrightarrow\) 下に凸(\(a>0\))かつ 頂点が \(x\) 軸より上(\(D<0\))

・ 「常に \(<0\)」 \(\Leftrightarrow\) 上に凸(\(a<0\))かつ 頂点が \(x\) 軸より下(\(D<0\))

共通するのは \(D<0\)(\(x\) 軸と交わらない)という条件。

「不等号の向き」と「\(a\) の符号」だけが セットで決まる と覚えるとミスが減る。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

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