【数学Ⅱ】三角関数12:三角関数の合成

三角関数
さん
さん

今日の板書はこれ!

三角関数の合成

\(a\sin\theta+b\cos\theta\) を、加法定理の逆を使って \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形にまとめることを「合成」という。

【合成の公式】

\(a\sin\theta+b\cos\theta\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}\left(\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\sin\theta+\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\cos\theta\right)\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}(\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha)\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}\,\sin(\theta+\alpha)\)

ただし \(\cos\alpha=\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\)、 \(\sin\alpha=\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\)

αは、座標平面上に点 \((a,b)\) をとったとき、OPが x軸の正の向きとなす角。

例題1

次の式を \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形に表せ。ただし \(r>0,\ -\pi<\alpha<\pi\) とする。
(1) \(\sin\theta+\cos\theta\)
(2) \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\)


▼ 解答

(1) 点 \((1,1)\) より \(r=\sqrt{2}\)、\(\alpha=\frac{\pi}{4}\)

よって \(\sin\theta+\cos\theta=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)\)

(2) 点 \((\sqrt{3},-1)\) より \(r=2\)、\(\alpha=-\frac{\pi}{6}\)

よって \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta=2\sin\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

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sinθ+cosθ を1つの三角関数にまとめてみよう

さん
さん

例えば \(\sin\theta+\cos\theta\) みたいに、\(\sin\) と \(\cos\) が混ざった式があるよね。これを \(\sqrt{2}\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)\) みたいに「\(\sin\) だけの1つの式」にまとめられるんだ。

例題1

次の式を \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形に表せ。ただし \(r>0,\ -\pi<\alpha<\pi\) とする。
(1) \(\sin\theta+\cos\theta\)
(2) \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\)

生徒
生徒

えっ、混ざってる式を1つにまとめられるんですか?むずかしそう…。

さん
さん

それが、やり方はとてもシンプルなんだ。まずは手順から見ていこう。

合成のやり方|点 (a,b) をとるだけ

さん
さん

合成は、次の 3ステップ だけでできるよ。

まず、\(a\sin\theta+b\cos\theta\) の係数を見て、点 \((a,b)\) を座標平面にとります(\(\sin\theta\) の係数 \(a\) が横、\(\cos\theta\) の係数 \(b\) が縦)。

次に、原点Oからその点までの距離 が \(r=\sqrt{a^2+b^2}\) です。

最後に、その点が x軸の正の向きとなす角 が \(\alpha\) です。

合成の図形的な意味(点P(a,b)、距離r=√(a²+b²)、x軸となす角αの直角三角形)

この \(r\) と \(\alpha\) を使えば、\(a\sin\theta+b\cos\theta=r\sin(\theta+\alpha)\) と合成できます。

さん
さん

点をとって、距離と角を読むだけ。これだけで解けるよ!

実際に合成してみよう

さん
さん

じゃあ、さっきの看板の2問を実際に解いてみよう。

例題1

次の式を \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形に表せ。ただし \(r>0,\ -\pi<\alpha<\pi\) とする。
(1) \(\sin\theta+\cos\theta\)
(2) \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\)

まず(1)の \(\sin\theta+\cos\theta\) は、\(a=1,\ b=1\) です。

例題の点の取り方(点(1,1)と点(√3,−1)を座標平面にとった図)

点 \((1,1)\) をとると、原点からの距離は \(r=\sqrt{1^2+1^2}=\sqrt{2}\)

点 \((1,1)\) がx軸となす角は \(\alpha=\frac{\pi}{4}\) です(\(\cos\alpha=\frac{1}{\sqrt{2}},\ \sin\alpha=\frac{1}{\sqrt{2}}\))。

よって \(\sin\theta+\cos\theta=\sqrt{2}\sin\left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)\) となります。

次に(2)の \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta\) は、\(a=\sqrt{3},\ b=-1\) です。

点 \((\sqrt{3},-1)\) をとると、\(r=\sqrt{(\sqrt{3})^2+(-1)^2}=\sqrt{4}=2\)

点 \((\sqrt{3},-1)\) は第4象限にあり、x軸となす角は \(\alpha=-\frac{\pi}{6}\) です(\(\cos\alpha=\frac{\sqrt{3}}{2},\ \sin\alpha=-\frac{1}{2}\))。

よって \(\sqrt{3}\sin\theta-\cos\theta=2\sin\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\) となります。

生徒
生徒

点をとるだけで、\(r\) と \(\alpha\) が見えてくるんですね!

【原理】なぜ点をとるだけで合成できるの?

生徒
生徒

でも、どうして点をとるだけでいいんですか?

さん
さん

ここからは「なぜそうなるの?」という 原理 の話。解けるだけでOKな人は、ここはとばして練習に進んで大丈夫だよ。仕組みを知りたい人は読んでみてね。

原理① 加法定理を「逆向き」に使う

さん
さん

スタートは、サインの加法定理だよ。

\(\sin(\theta+\alpha)=\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha\)

合成では、この公式を 右辺から左辺へ「逆向き」に読みます

\(\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha\) の形さえ作れれば、それを \(\sin(\theta+\alpha)\) という1つの式にまとめられるからです。

原理② √(a²+b²) でくくって cosα・sinα を作る

さん
さん

でも \(a\sin\theta+b\cos\theta\) のままだと、係数が \(\cos\alpha\) や \(\sin\alpha\) になっていないよね。そこで \(\sqrt{a^2+b^2}\) でくくるんだ。

まず、\(\sqrt{a^2+b^2}\) でくくると、\(\sin\theta\) の係数は \(\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\)、\(\cos\theta\) の係数は \(\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\) になります。

この2つは2乗して足すと \(\frac{a^2+b^2}{a^2+b^2}=1\)。

三角関数の \(\sin^2\alpha+\cos^2\alpha=1\) と同じ形なので、\(\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}=\cos\alpha,\ \frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}=\sin\alpha\) とおける角 \(\alpha\) が必ずあります。

あとは①の 加法定理の逆 を使うと、次のように一気に変形できます。

\(a\sin\theta+b\cos\theta\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}\left(\frac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\sin\theta+\frac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\cos\theta\right)\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}(\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha)\)

\(=\sqrt{a^2+b^2}\,\sin(\theta+\alpha)\)

原理③ なぜ a が横で、b が縦なの?

さん
さん

じつは 「a が横・b が縦」は丸暗記しなくていいんだ。加法定理の対応を見れば自然に分かるよ。

\(a\sin\theta+b\cos\theta\) と \(\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha\) を見くらべます。

\(\sin\theta\) の係数どうしを比べると \(a\) は \(\cos\alpha\) の位置、\(\cos\theta\) の係数どうしを比べると \(b\) は \(\sin\alpha\) の位置 に対応しています。

ここで、\(\cos\alpha\) は点の x座標(横)、\(\sin\alpha\) は点の y座標(縦) を表します。

だから \(a\)(\(\cos\alpha\) の位置)は横、\(b\)(\(\sin\alpha\) の位置)は縦。

「サインの係数はコサインの場所だから横、コサインの係数はサインの場所だから縦」 と考えれば、点 \((a,b)\) が自然に出てきて、丸暗記しなくてすみます。

生徒
生徒

なるほど!加法定理とつなげれば、覚えることが減るんですね。

練習問題

練習1

次の式を \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形に表せ。ただし \(r>0,\ -\pi<\alpha<\pi\) とする。

\(\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta\)

ヒントを見る

\(a=1,\ b=\sqrt{3}\) だから、点 \((1,\sqrt{3})\) をとって \(r\) と \(\alpha\) を求めよう。

答えを見る

点 \((1,\sqrt{3})\) をとる。
\(r=\sqrt{1^2+(\sqrt{3})^2}=\sqrt{4}=2\)
\(\cos\alpha=\frac{1}{2},\ \sin\alpha=\frac{\sqrt{3}}{2}\) より \(\alpha=\frac{\pi}{3}\)
よって \(\sin\theta+\sqrt{3}\cos\theta=2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right)\)

練習2

次の式を \(r\sin(\theta+\alpha)\) の形に表せ。ただし \(r>0,\ -\pi<\alpha<\pi\) とする。

\(\sin\theta-\cos\theta\)

ヒントを見る

\(a=1,\ b=-1\) だから、点 \((1,-1)\) をとろう。

答えを見る

点 \((1,-1)\) をとる。
\(r=\sqrt{1^2+(-1)^2}=\sqrt{2}\)
\(\cos\alpha=\frac{1}{\sqrt{2}},\ \sin\alpha=-\frac{1}{\sqrt{2}}\) より \(\alpha=-\frac{\pi}{4}\)
よって \(\sin\theta-\cos\theta=\sqrt{2}\sin\left(\theta-\frac{\pi}{4}\right)\)

まとめ:三角関数の合成

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

三角関数の合成

合成の公式

\(a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\,\sin(\theta+\alpha)\)

・\(\sqrt{a^2+b^2}\) … 点 \((a,b)\) と原点との距離 \(r\)

・\(\alpha\) … 点 \((a,b)\) がx軸の正の向きとなす角

・\(\sin\theta\) の係数 \(a\) は横(x座標)、\(\cos\theta\) の係数 \(b\) は縦(y座標)。

座標平面に点 \((a,b)\) をとれば、\(r\) と \(\alpha\) は図から一発で読み取れる。

生徒
生徒

点をとって考えればいいんだ!また一つ賢くなった!

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