【数学Ⅱ】指数関数と対数関数10:対数の性質

指数関数と対数関数
さん
さん

今日の板書はこれ!

対数の性質(積・商・累乗の3つの法則)

条件:\(a>0,\ a\neq1,\ M>0,\ N>0,\ k\) は実数 とします。

【1】積の対数=対数の和 \(\log_a MN=\log_a M+\log_a N\)

【2】商の対数=対数の差 \(\log_a \frac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\)

【3】\(k\)乗の対数=対数の\(k\)倍 \(\log_a M^{k}=k\log_a M\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。

対数の計算をしてみよう

さん
さん

例えば、こんな式の値を求めてみよう。\(\log_{10}2\) も \(\log_{10}5\) も、単独ではきれいな値にならないよ。

例題1

次の式を計算せよ。\(\log_{10}2+\log_{10}5\)

生徒
生徒

片方ずつは求まらないのに、足すと計算できるんですか?

さん
さん

そう。カギになるのが対数の3つの性質だよ。まずはその道具を用意しよう。

対数の3つの性質(積・商・累乗)

対数の計算で使う道具は、次の3つだけです。

いずれも \(a>0,\ a\neq1,\ M>0,\ N>0\)(\(k\) は実数)のもとで成り立ちます。

① 積の対数:かけ算は対数の和になる

さん
さん

中身のかけ算は、対数の足し算に変わるよ。

真数どうしの積の対数は、それぞれの対数の和になります。

たとえば \(\log_2 (4\times8)=\log_2 4+\log_2 8\) のように、かけ算を足し算にほぐせます。

② 商の対数:わり算は対数の差になる

真数どうしの商(わり算)の対数は、それぞれの対数の差になります。

①の足し算とちょうど対(つい)の関係です。

たとえば \(\log_2 \frac{8}{2}=\log_2 8-\log_2 2\) のように、わり算を引き算にほぐせます(実際、\(\log_2 4=2\) と \(3-1=2\) で一致します)。

③ 累乗の対数:指数は対数の前に出せる

さん
さん

真数の指数は、対数の前に係数として出せるよ。逆に、前の係数を指数へ戻すこともできる。

真数の累乗の対数は、その指数 \(k\) を対数の前に係数として出せます。

たとえば \(\log_2 8^{2}=2\log_2 8\) のように、真数の指数 \(2\) を対数の前に出せます(実際、\(\log_2 64=6\) と \(2\times3=6\) で一致します)。

この向きは両方向に使えるので、\(4\log_3\sqrt{2}=\log_3(\sqrt{2})^{4}\) のように前の係数を真数の指数へ戻す使い方も大切です。

例題で対数の計算を練習しよう

さん
さん

さっきの3つの性質を、順番に当てはめていくよ。

例題1

次の式を計算せよ。\(\log_{10}2+\log_{10}5\)

まず積の対数=対数の和を逆向きに使い、2つの対数を1つにまとめます。

\(\log_{10}2+\log_{10}5=\log_{10}(2\times5)\)

\(\phantom{\log_{10}2+\log_{10}5}=\log_{10}10\)

\(\log_{10}10\) は「\(10\) を何乗すると \(10\) になるか」なので \(1\) です。

したがって \(\log_{10}2+\log_{10}5=1\) となります。

例題2

次の式を計算せよ。\(\log_2 24-\log_2 3\)

今度は商の対数=対数の差を逆向きに使い、引き算を1つの対数にまとめます。

\(\log_2 24-\log_2 3=\log_2 \frac{24}{3}\)

\(\phantom{\log_2 24-\log_2 3}=\log_2 8\)

\(8=2^3\) なので \(\log_2 8=3\) です。

したがって \(\log_2 24-\log_2 3=3\) となります。

例題3

次の式を計算せよ。\(4\log_3\sqrt{2}-\log_3 12\)

まず前の係数 \(4\) を、\(k\)乗の対数の性質を使って真数の指数へ戻します。

ここで \(\sqrt{2}=2^{\frac{1}{2}}\)を使うと、次のように真数が整数になります。

\(4\log_3\sqrt{2}=\log_3(\sqrt{2})^{4}=\log_3 2^{2}=\log_3 4\)

あとは商の対数=対数の差で1つにまとめます。

\(4\log_3\sqrt{2}-\log_3 12=\log_3 4-\log_3 12\)

\(\phantom{4\log_3\sqrt{2}-\log_3 12}=\log_3 \frac{4}{12}=\log_3 \frac{1}{3}\)

\(\frac{1}{3}=3^{-1}\) なので \(\log_3 \frac{1}{3}=-1\) です。

したがって \(4\log_3\sqrt{2}-\log_3 12=-1\) となります。

生徒
生徒

性質で1つの対数にまとめると、最後は「何乗すると真数になるか」を考えるだけなんですね!

なぜ対数の性質は成り立つの?(証明)

さん
さん

計算できればOKな人は、ここはとばして練習に進んで大丈夫だよ。仕組みを知りたい人だけ読んでね。

対数の性質は、すべて指数法則を対数で言いかえたものです。

証明には \(a^{p}=M\ \Longleftrightarrow\ p=\log_a M\)と、\(a^{p}\times a^{q}=a^{p+q}\) などの指数法則を使います。

① 積の対数の証明

\(\log_a M=p,\ \log_a N=q\) とおくと、対数の定義より \(M=a^{p},\ N=a^{q}\) です。

\(MN=a^{p}\times a^{q}=a^{p+q}\)

この式を対数の定義で読みかえると、\(a\) を \(p+q\) 乗すると \(MN\) になるので、次が成り立ちます。

\(\log_a MN=p+q=\log_a M+\log_a N\)

② 商・累乗の対数の証明

同じように \(M=a^{p},\ N=a^{q}\) とおくと、商は \(\frac{M}{N}=\frac{a^{p}}{a^{q}}=a^{p-q}\) なので、次が導けます。

\(\log_a \frac{M}{N}=p-q=\log_a M-\log_a N\)

累乗は \(M=a^{p}\) より \(M^{k}=(a^{p})^{k}=a^{pk}\) なので、指数が \(pk\) となり、次が導けます。

\(\log_a M^{k}=pk=k\log_a M\)

生徒
生徒

全部、指数法則の言いかえだったんですね。丸暗記しなくても定義から導けるのが安心です。

練習問題で対数の計算を身につけよう

さん
さん

3つの性質を使って、次の式を計算してみよう。答えは折りたたみの中だよ。

練習1

次の式を計算せよ。

\(\log_4 2+\log_4 8\)

ヒントを見る

積の対数=対数の和で、\(\log_4(2\times8)\) と1つにまとめます。

答えを見る

\(\log_4 2+\log_4 8=\log_4(2\times8)\)
\(\phantom{\log_4 2+\log_4 8}=\log_4 16\)
\(16=4^{2}\) なので、
答え:\(\log_4 2+\log_4 8=2\)

練習2

次の式を計算せよ。

\(\log_5 2-\log_5 50\)

ヒントを見る

商の対数=対数の差で、\(\log_5 \frac{2}{50}\) とまとめてから約分します。

答えを見る

\(\log_5 2-\log_5 50=\log_5 \frac{2}{50}\)
\(\phantom{\log_5 2-\log_5 50}=\log_5 \frac{1}{25}\)
\(\frac{1}{25}=5^{-2}\) なので、
答え:\(\log_5 2-\log_5 50=-2\)

練習3

次の式を計算せよ。

\(\log_3 4+\log_3 18-3\log_3 2\)

ヒントを見る

まず \(3\log_3 2=\log_3 2^{3}=\log_3 8\) と直してから、和と差でまとめます。

答えを見る

\(3\log_3 2=\log_3 2^{3}=\log_3 8\) だから、
\(\log_3 4+\log_3 18-3\log_3 2=\log_3 \frac{4\times18}{8}\)
\(\phantom{\log_3 4+\log_3 18-3\log_3 2}=\log_3 9\)
\(9=3^{2}\) なので、答え:\(2\)

練習4

次の式を計算せよ。

\(\log_3 \sqrt[3]{6}-\frac{1}{3}\log_3 2\)

ヒントを見る

\(\sqrt[3]{6}=6^{\frac{1}{3}}\) なので \(\log_3\sqrt[3]{6}=\frac{1}{3}\log_3 6\)。\(\frac{1}{3}\) でくくります。

答えを見る

\(\log_3 \sqrt[3]{6}=\frac{1}{3}\log_3 6\) だから、
\(\log_3 \sqrt[3]{6}-\frac{1}{3}\log_3 2=\frac{1}{3}(\log_3 6-\log_3 2)\)
\(\phantom{\log_3 \sqrt[3]{6}-\frac{1}{3}\log_3 2}=\frac{1}{3}\log_3 3\)
\(\log_3 3=1\) なので、答え:\(\frac{1}{3}\)

まとめ:対数の性質

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

対数の性質のまとめ

積・商・累乗の3つで、対数の計算はすべてこなせます。

【1】\(\log_a MN=\log_a M+\log_a N\)(かけ算 → 和)

【2】\(\log_a \frac{M}{N}=\log_a M-\log_a N\)(わり算 → 差)

【3】\(\log_a M^{k}=k\log_a M\)(累乗 → 前に出す)

どれも指数法則を対数で言いかえたものなので、迷ったら定義にもどって導けます。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

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