
今日の板書はこれ!
◉ 導関数 \(f'(x)\) の符号を調べると、関数の増減がわかる!
① ある区間で常に \(f'(x)>0\) … その区間で 単調に増加
② ある区間で常に \(f'(x)<0\) … その区間で 単調に減少
③ ある区間で常に \(f'(x)=0\) … その区間で 定数
◉ 増加から減少に変わる点が極大、減少から増加に変わる点が極小。まとめて極値という。微分可能な関数では、極値をとる ⇒ \(f'(a)=0\)(逆は成り立たない)
関数 \(y=x^3-3x^2+3\) の増減を調べ、極値を求めよ。また、そのグラフをかけ。
▼ 解答
\(y’=3x^2-6x=3x(x-2)\)
\(y’=0\) とすると \(x=0,\ 2\)
増減表は次のようになる。
| \(x\) | \(\cdots\) | \(0\) | \(\cdots\) | \(2\) | \(\cdots\) |
| \(y’\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) |
| \(y\) | ↗ | 極大 \(3\) | ↘ | 極小 \(-1\) | ↗ |
よって \(x=0\) で極大値 \(3\)、\(x=2\) で極小値 \(-1\)
グラフは極大点 \((0,\ 3)\)、極小点 \((2,\ -1)\) を \(1\) つずつもつ曲線になる。

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関数の「増減」は導関数で分かる

前回までで「微分(導関数 \(f'(x)\))」を求められるようになったね。今日はその \(f'(x)\) を使って、グラフがどんな形になるかを読み取る方法を学ぶよ。

導関数から、グラフの形が分かるんですか?

そう。カギは「接線の傾き」。導関数 \(f'(a)\) は、点 \(x=a\) での接線の傾きを表していたよね。
接線の傾きが正(右上がりの接線)なら、その近くでグラフも右上がり、つまり \(x\) が増えると \(y\) も増えます。
逆に接線の傾きが負なら、グラフは右下がり、\(x\) が増えると \(y\) は減ります。

この関係を区間全体でまとめると、次のようになります。
ある区間で常に…
① \(f'(x)>0\) ならば、その区間で \(f(x)\) は 単調に増加(右上がり)
② \(f'(x)<0\) ならば、その区間で \(f(x)\) は 単調に減少(右下がり)
③ \(f'(x)=0\) ならば、その区間で \(f(x)\) は 定数(水平)

「単調に増加」って、ずっと増え続けるってことですか?

その通り。\(x\) が増えれば \(y\) も必ず増える、というのが単調に増加。減る一方なら単調に減少だよ。
極値(極大・極小)とは?

増加していたグラフが、あるところで増加から減少に切り替わることがあるよね。そのてっぺんの点を極大というんだ。
関数 \(f(x)\) が \(x=a\) を境に増加から減少に変わるとき、\(f(x)\) は \(x=a\) で極大になり、その値 \(f(a)\) を極大値といいます。
反対に、\(x=a\) を境に減少から増加に変わるとき、\(f(x)\) は \(x=a\) で極小になり、その値 \(f(a)\) を極小値といいます。

極大値と極小値をまとめて 極値(きょくち) と呼びます。
極値では接線が水平になる

増加から減少に変わる瞬間、\(f'(x)\) の符号は正から負へ、減少から増加なら負から正へと変わる。ということは…その境目では \(f'(x)\) はちょうど…?

あっ、\(0\) になる!

正解!だから微分可能な関数では、極値をとるなら必ず \(f'(a)=0\)。接線が水平になるんだ。
「\(f'(a)=0\) なら極値」は間違い

じゃあ \(f'(a)=0\) の \(x\) を見つければ、それが極値ですね!

気をつけて。それは逆で、いつも正しいとは限らないんだ。
たとえば \(y=x^3\) は \(y’=3x^2\) なので \(x=0\) で \(y’=0\) になります。
でも \(y’=3x^2\) は \(x=0\) の前後でずっと \(0\) 以上(符号が変わらない)なので、グラフは増加し続け、\(x=0\) は極値ではありません。


だから \(f'(a)=0\) は極値の候補にすぎない。本当に極値かどうかは、\(f'(x)\) の符号が変わるかを確かめる必要がある。そのための道具が、次の増減表だよ。
増減表の作り方(3ステップ)

では、増減と極値をもれなく調べる万能ツール「増減表」の作り方を、例題でマスターしよう!
関数 \(y=x^3-3x^2+3\) の増減を調べ、極値を求めよ。また、そのグラフをかけ。
ステップ1:\(y’\) を求め、\(y’=0\) を解く
まず微分して \(y’\) を求めます。
微分は因数分解までがワンセットです。
\(y’=3x^2-6x=3x(x-2)\)
\(y’=0\) とすると \(3x(x-2)=0\) より \(x=0,\ 2\)。

この \(x=0\) と \(x=2\) を境目にして、\(y’\) の符号(=増減)が変わる可能性があるんだ。
ステップ2:\(x,\ y’,\ y\) の3段の表をかく
上から \(x\)(いちばん上)→ \(y’\)(まん中)→ \(y\)(いちばん下) の3段の表を作ります。

\(x\) の行には、\(y’=0\) になる \(x\) の値(今回は \(0\) と \(2\))を書き、その間や外側は \(\cdots\) で表します。
そして \(y’=0\) の列の \(y’\) には \(0\) を書き込みます。
ステップ3:\(y’\) の符号を調べて書き込む
各区間で \(y’=3x(x-2)\) が正か負かを調べます。
カンタンなのは、区間内の適当な \(x\) を代入する方法です。
\(x=-1\):\(y’=3\cdot(-1)(-1-2)=9>0\) → 正(増加)
\(x=1\):\(y’=3\cdot1(1-2)=-3<0\) → 負(減少)
\(x=3\):\(y’=3\cdot3(3-2)=9>0\) → 正(増加)


\(y’\) は下に凸の放物線だから、\(2\) つの解 \(x=0,2\) の外側で正・間で負。代入しなくても符号は読めるよ。

符号が分かったら、\(y’\) が正の区間は ↗(増加)、負の区間は ↘(減少) を \(y\) の行に書きます。

さらに、\(y’=0\) となる \(x=0,\ 2\) を元の関数 \(y=x^3-3x^2+3\) に代入して、その点の \(y\) の値(=極値)を求め、\(y\) の行に書き込みます。
\(x=0\) のとき \(y=0^3-3\cdot0^2+3=3\)
\(x=2\) のとき \(y=2^3-3\cdot2^2+3=8-12+3=-1\)
これで増減表の完成です。

表から、\(y’\) の符号が正→負に変わる \(x=0\) で極大値 \(3\)、負→正に変わる \(x=2\) で極小値 \(-1\) と分かります。

表を作るだけで、極大も極小も一目で分かりますね!
グラフのかき方

増減表ができれば、グラフはもう完成したも同然。表の↗↘の通りに線をつなぐだけだよ。
かくときの目印は次の3つです。
・極大点 \((0,\ 3)\)(山のてっぺん)
・極小点 \((2,\ -1)\)(谷のそこ)
・\(y\) 切片:\(x=0\) のとき \(y=3\)(今回は極大点と同じ)

これらの点をとって、増減表の通りに「増加 → 極大 → 減少 → 極小 → 増加」の形でなめらかにつなげば、\(3\) 次関数のグラフの完成です。


\(3\) 次関数のグラフは、この例のように山(極大)と谷(極小)が1つずつあるのが基本の形。増減表さえ作れれば、どんな \(3\) 次関数でもかけるようになるよ。
練習問題

それじゃあ、自分で増減表を作ってグラフをかく練習をしてみよう!
関数 \(y=x^3-3x\) の増減を調べ、極値を求めよ。
答えを見る
\(y’=3x^2-3=3(x+1)(x-1)\)
\(y’=0\) とすると \(x=-1,\ 1\)。増減表は次の通り。
| \(x\) | \(\cdots\) | \(-1\) | \(\cdots\) | \(1\) | \(\cdots\) |
| \(y’\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) |
| \(y\) | ↗ | 極大 \(2\) | ↘ | 極小 \(-2\) | ↗ |
よって \(x=-1\) で極大値 \(2\)、\(x=1\) で極小値 \(-2\)。
関数 \(y=x^3-6x^2+9x\) の増減を調べ、極値を求めよ。
答えを見る
\(y’=3x^2-12x+9=3(x-1)(x-3)\)
\(y’=0\) とすると \(x=1,\ 3\)。増減表は次の通り。
| \(x\) | \(\cdots\) | \(1\) | \(\cdots\) | \(3\) | \(\cdots\) |
| \(y’\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) |
| \(y\) | ↗ | 極大 \(4\) | ↘ | 極小 \(0\) | ↗ |
よって \(x=1\) で極大値 \(4\)、\(x=3\) で極小値 \(0\)。
関数 \(y=-x^3+3x\) の増減を調べ、極値を求めよ。
答えを見る
\(y’=-3x^2+3=-3(x+1)(x-1)\)
\(y’=0\) とすると \(x=-1,\ 1\)。\(x^3\) の係数が負なので、増加・減少が逆になることに注意。増減表は次の通り。
| \(x\) | \(\cdots\) | \(-1\) | \(\cdots\) | \(1\) | \(\cdots\) |
| \(y’\) | \(-\) | \(0\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) |
| \(y\) | ↘ | 極小 \(-2\) | ↗ | 極大 \(2\) | ↘ |
よって \(x=1\) で極大値 \(2\)、\(x=-1\) で極小値 \(-2\)。
まとめ:増減表の作成とグラフの図示

さて、今回のまとめだよ!
◉ \(f'(x)>0\) → 増加 / \(f'(x)<0\) → 減少 / \(f'(x)=0\) → 定数
◉ 増加→減少で極大、減少→増加で極小(あわせて極値)。極値 ⇒ \(f'(a)=0\)(逆は不成立)
◉ 増減表の作り方… ①\(y’=0\)を解く → ②\(x,\ y’,\ y\)の3段の表をかく → ③\(y’\)の符号を調べ、\(y\)の増減(↗↘)と極値を書き込む
◉ グラフは増減表の↗↘の通りに、極大・極小の点をつないでかく。

また一つ賢くなった!






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