
今日の板書はこれ!
指数不等式は、次の2つの方法で解きます。
[1] 両辺の底をそろえて、指数部分の大小を比べる。底が1より小さいときは不等号の向きが逆転する。
[2] \(a^x=X\ (X>0)\) と置き換えて、簡単な不等式に帰着させる。
\(a>1\) のとき:\(a^x>a^p \Leftrightarrow x>p\)
\(0<a<1\) のとき:\(a^x>a^p \Leftrightarrow x<p\)(向きが逆転)
\(2^x \geq 8\) を解け。
▼ 解答
\(8=2^3\) だから \(2^x \geq 2^3\)
底 \(2>1\) より、指数の大小はそのまま。
よって \(x \geq 3\)
\(\left(\frac{1}{3}\right)^{x+1} < \left(\frac{1}{9}\right)^{x}\) を解け。
▼ 解答
\(\frac{1}{9}=\left(\frac{1}{3}\right)^2\) だから
\(\left(\frac{1}{3}\right)^{x+1} < \left(\frac{1}{3}\right)^{2x}\)
底 \(\frac{1}{3}\) は1より小さいので向きが逆転して \(x+1 > 2x\)
\(-x > -1\) より \(x < 1\)
\(4^x – 7\cdot 2^x – 8 > 0\) を解け。
▼ 解答
\(4^x=(2^x)^2\) だから \((2^x)^2 – 7\cdot 2^x – 8 > 0\)
\(2^x=X\ (X>0)\) とおくと \(X^2 – 7X – 8 > 0\)
\((X+1)(X-8) > 0\) より \(X<-1,\ X>8\)
\(X>0\) だから \(X>8\)、すなわち \(2^x>8=2^3\)
底 \(2>1\) より \(x>3\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
指数不等式を解いてみよう

たとえば \(2^x \geq 8\) のような不等式、どうやって解くと思う?
\(2^x \geq 8\) を解け。

指数に \(x\) が入ってると、急に難しく見えます…。

大丈夫。ポイントになる知識を、順番に見ていこう。
指数不等式の解き方に必要な2つの知識
① 底をそろえて指数を比べる(向きの逆転に注意)
指数不等式は、まず両辺の底をそろえるのが基本です。
底がそろえば、あとは指数部分の大小を比べるだけになります。
ただし向きに注意が必要です。
底 \(a\) が \(a>1\) のときは \(a^x\) が増加するので、\(a^x>a^p\) と \(x>p\) は同じ向きになります。
いっぽう \(0<a<1\) のときは \(a^x\) が減少するので、\(a^x>a^p\) のとき \(x<p\) と不等号の向きが逆転します。

指数関数は、底が1より大きいか小さいかで増え方が逆になるんだ。

底の大小と指数関数の増加・減少の関係は、(累乗と累乗根の大小比較の記事)でくわしく説明しています。
② 置き換えて2次不等式にする

\(4^x\) や \(9^x\) が出てきたら、置き換えのサインだよ。
\(4^x=(2^x)^2\) のように、\(a^{2x}\) は \((a^x)^2\) と書けます。
そこで \(a^x=X\) とおくと、指数不等式が \(X\) の2次不等式に変わります。
このとき \(X=a^x>0\) なので、\(X>0\) という範囲の条件を必ず確認します。
2次不等式を解いて出た \(X\) の範囲から、\(X>0\) を満たすものだけを残すのがポイントです。
置き換えて2次の式にする考え方は、(指数方程式の解き方の記事)と同じです。
実際に解いてみよう

じゃあ、さっきの知識を使って解いていくよ。
\(2^x \geq 8\) を解け。
まず 両辺の底を2にそろえます。
\(8=2^3\) なので \(2^x \geq 2^3\) となります。
底 \(2>1\) なので指数の大小はそのままです。
したがって \(x \geq 3\) となります。

底をそろえるだけでいいんですね!
\(\left(\frac{1}{3}\right)^{x+1} < \left(\frac{1}{9}\right)^{x}\) を解け。
\(\frac{1}{9}=\left(\frac{1}{3}\right)^2\) なので、右辺は \(\left(\frac{1}{3}\right)^{2x}\) と書けます。
よって \(\left(\frac{1}{3}\right)^{x+1} < \left(\frac{1}{3}\right)^{2x}\) です。
底 \(\frac{1}{3}\) は1より小さいので、不等号の向きが逆転します。
したがって \(x+1 > 2x\) となります。
これを解くと \(-x > -1\)、すなわち \(x < 1\) です。

底が1より小さいときの向きの逆転、これがいちばんの注意点だよ。
\(4^x – 7\cdot 2^x – 8 > 0\) を解け。
\(4^x=(2^x)^2\) なので \((2^x)^2 – 7\cdot 2^x – 8 > 0\) となります。
ここで \(2^x=X\) とおくと、\(X^2 – 7X – 8 > 0\) という2次不等式になります。
左辺を因数分解すると \((X+1)(X-8) > 0\) なので、\(X<-1\) または \(X>8\) です。
ここで \(X=2^x>0\) だから、\(X>8\) だけが残ります。
つまり \(2^x>8=2^3\) です。
底 \(2>1\) なので \(x>3\) となります。

置き換えたら、範囲の確認を忘れちゃいけないんですね。
練習問題
次の不等式を解け。
(1) \(3^x < 81\)
(2) \(\left(\frac{1}{2}\right)^{x} \geq \frac{1}{32}\)
(3) \(2^{3x-4} > \left(\frac{1}{4}\right)^{x}\)
ヒントを見る
(1) \(81=3^4\)。
(2) \(\frac{1}{32}=\left(\frac{1}{2}\right)^5\)。底が1より小さいので向きに注意。
(3) \(\frac{1}{4}=2^{-2}\) を使って両辺を底2にそろえる。
答えを見る
(1) \(3^x<3^4\)、底 \(3>1\) より \(x<4\)。
(2) \(\left(\frac{1}{2}\right)^{x} \geq \left(\frac{1}{2}\right)^{5}\)、底が1より小さく逆転して \(x \leq 5\)。
(3) \(2^{3x-4} > 2^{-2x}\)、底 \(2>1\) より \(3x-4>-2x\)、\(5x>4\)、\(x>\frac{4}{5}\)。
次の不等式を解け。
(1) \(9^x + 3^x – 12 > 0\)
(2) \(4^x – 2\cdot 2^x – 8 \leq 0\)
ヒントを見る
(1) \(9^x=(3^x)^2\)。\(3^x=X\ (X>0)\) とおく。
(2) \(4^x=(2^x)^2\)。\(2^x=X\ (X>0)\) とおく。範囲の確認を忘れずに。
答えを見る
(1) \((3^x)^2+3^x-12>0\)、\(3^x=X\) とおくと \(X^2+X-12>0\)。
\((X+4)(X-3)>0\) より \(X<-4,\ X>3\)。
\(X>0\) だから \(X>3\)、\(3^x>3^1\)、よって \(x>1\)。
(2) \((2^x)^2-2\cdot2^x-8\leq0\)、\(2^x=X\) とおくと \(X^2-2X-8\leq0\)。
\((X-4)(X+2)\leq0\) より \(-2\leq X\leq4\)。
\(X>0\) だから \(0<X\leq4\)、\(2^x\leq2^2\)、よって \(x\leq2\)。
まとめ:指数不等式の解き方

さて、今回のまとめだよ!
① 底をそろえる型
両辺の底をそろえ、指数部分の大小を比べる。底が1より小さいと不等号の向きが逆転する。
② 置き換える型
\(a^x=X\ (X>0)\) とおいて2次不等式にする。\(X>0\) の範囲を必ず確認してから \(x\) に戻す。

また一つ賢くなった!




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