
今日の板書はこれ!
基本となる3つのグラフ \(y=\sin\theta\)・\(y=\cos\theta\)・\(y=\tan\theta\) の形・周期・対称性をまず覚えよう。
,| 関数 | 値域 | 周期 | 対称性 |
|---|---|---|---|
| \(y=\sin\theta\) | \(-1\leq y\leq 1\) | \(2\pi\) | 奇関数(原点対称) |
| \(y=\cos\theta\) | \(-1\leq y\leq 1\) | \(2\pi\) | 偶関数(\(y\)軸対称) |
| \(y=\tan\theta\) | すべての実数 | \(\pi\) | 奇関数(原点対称) |
一般のグラフは \(y=A\sin k(\theta-\alpha)\) の形に直すと、振幅 \(A\)・周期 \(\frac{2\pi}{k}\)・位相 \(\alpha\) が読み取れる。
,\(y=2\sin\left(2\theta-\frac{\pi}{3}\right)\) のグラフをかけ。また周期を求めよ。
▼ 解答
\(\theta\) の係数2をくくり出すと \(y=2\sin 2\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\)。
よって振幅 \(2\)、周期 \(\color{red}{\frac{2\pi}{2}=\pi}\)、位相 \(\frac{\pi}{6}\)。
\(y=\sin\theta\) を ①\(y\)軸方向に2倍 ②\(\theta\)軸方向に \(\frac{1}{2}\) 倍 ③\(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{6}\) 平行移動したもの。

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
三角関数の基本グラフ(sin・cos・tanの形)

まずは基本となる3つのグラフ、\(y=\sin\theta\)・\(y=\cos\theta\)・\(y=\tan\theta\) の形をしっかり覚えよう!

グラフって、ぜんぶ暗記するしかないんですか?

形のポイントをつかめば大丈夫。波の高さ(振幅)と、同じ形がくり返す間隔(周期)に注目するんだ。
y = sinθ のグラフ
\(y=\sin\theta\) のグラフは、原点 \(O\) を通り、なめらかに上下する波の形です。
値域は \(-1\leq y\leq 1\) で、\(\color{deepskyblue}{2\pi}\) ごとに同じ形をくり返します。
この「ひとまわりの幅」を周期といい、\(\sin\) の周期は \(2\pi\) です。

y = cosθ のグラフ
\(y=\cos\theta\) のグラフは、\(\sin\) のグラフを \(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{2}\) だけ左へずらした形です。
点 \((0,\ 1)\) から始まり、周期は同じく \(2\pi\)、値域も \(-1\leq y\leq 1\) です。

y = tanθ のグラフ(漸近線に注意)
\(y=\tan\theta\) のグラフは、\(\sin\) や \(\cos\) とちがって波の形ではありません。
\(\theta=\frac{\pi}{2}+n\pi\)(\(n\) は整数)では値が定まらず、グラフはこの縦の直線に限りなく近づきます。
この直線を漸近線といいます。
周期は \(\color{red}{\pi}\) で、値域はすべての実数です。

グラフの対称性(偶関数・奇関数)

先生、さっき sin は「奇関数」って書いてありました。偶関数・奇関数って何ですか?

グラフの「対称性」を表す言葉だよ。式で見分けられるんだ。
関数 \(f(x)\) について、\(f(-x)=f(x)\) が成り立つとき \(f(x)\) を偶関数といい、グラフは \(y\)軸対称になります。
いっぽう \(f(-x)=-f(x)\) が成り立つとき \(f(x)\) を奇関数といい、グラフは原点対称になります。
三角関数では、\(y=\sin\theta\) と \(y=\tan\theta\) は奇関数(原点対称)、\(y=\cos\theta\) は偶関数(\(y\)軸対称)です。

だから \(\sin(-\theta)=-\sin\theta\)、\(\cos(-\theta)=\cos\theta\)、\(\tan(-\theta)=-\tan\theta\) が成り立つんだ。前回の還元公式ともつながっているね。
係数つきグラフのかき方(振幅・周期・位相)

次は、係数のついた三角関数のグラフのかき方だよ。
\(y=A\sin k(\theta-\alpha)\) の形に変形すると、基本の \(y=\sin\theta\) を次のように変えたグラフだと分かります。
① \(y\)軸方向に \(A\) 倍する(これを振幅という)。
② \(\theta\)軸方向に \(\frac{1}{k}\) 倍する(周期が \(\frac{2\pi}{k}\) になる)。
③ \(\theta\)軸方向に \(\alpha\) だけ平行移動する(これを位相という)。

ポイントは2つ。\(\theta\) の係数 \(k\) を必ず \(\color{red}{1}\) にくくり出すことと、変換の順序に注意することだよ。

順序って、そんなに大事なんですか?

うん。平行移動と拡大は順番を変えるとずれ方まで変わってしまうからね。
例題:y=2sin(2θ−π/3) のグラフと周期
\(y=2\sin\left(2\theta-\frac{\pi}{3}\right)\) のグラフをかけ。また、その周期を求めよ。
考え方:基本形 y=A sin k(θ−α) に直す
まず \(\theta\) の係数2をくくり出します。
\(2\theta-\frac{\pi}{3}=2\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\) なので、\(y=2\sin 2\left(\theta-\frac{\pi}{6}\right)\) となります。
これで \(A=2,\ k=2,\ \alpha=\frac{\pi}{6}\) と読み取れます。
周期を求める
周期は \(\frac{2\pi}{k}=\frac{2\pi}{2}=\color{red}{\pi}\) です。
グラフをかく手順
\(y=\sin\theta\) を、①\(y\)軸方向に2倍(振幅2)、②\(\theta\)軸方向に \(\frac{1}{2}\) 倍(周期 \(\pi\))、③\(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{6}\) 平行移動すれば完成です。
かくときは、まず1周期の両端をおさえると正確です。
\(2\theta-\frac{\pi}{3}\) が \(0\) から \(2\pi\) まで動く範囲を考えると、\(\theta=\frac{\pi}{6}\) から \(\theta=\frac{7\pi}{6}\) までがちょうど1周期になります。


係数をくくり出して、振幅・周期・平行移動の順に読むんですね!
練習問題(18・19・20・22)

最後に練習問題で確認しよう。どれも「グラフをかけ。周期を求めよ」だから、周期の出し方を中心に答えを示すよ。
練習18
(1) \(y=2\cos\theta\):振幅2、周期 \(\color{red}{2\pi}\)。
\(\cos\) のグラフを \(y\)軸方向に2倍したもの。
(2) \(y=\frac{1}{2}\sin\theta\):振幅 \(\frac{1}{2}\)、周期 \(\color{red}{2\pi}\)。
(3) \(y=\frac{1}{2}\tan\theta\):周期 \(\color{red}{\pi}\)(\(\tan\) に振幅はなく、縦に \(\frac{1}{2}\) 倍)。
練習19
(1) \(y=\cos\left(\theta-\frac{\pi}{3}\right)\):周期 \(\color{red}{2\pi}\)、\(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{3}\) 平行移動。
(2) \(y=\sin\left(\theta+\frac{\pi}{2}\right)\):周期 \(\color{red}{2\pi}\)、\(\theta\)軸方向に \(-\frac{\pi}{2}\) 平行移動(じつは \(y=\cos\theta\) と同じグラフ)。
(3) \(y=\tan\left(\theta-\frac{\pi}{4}\right)\):周期 \(\color{red}{\pi}\)、\(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{4}\) 平行移動。
練習20
(1) \(y=\cos 2\theta\):周期 \(\frac{2\pi}{2}=\color{red}{\pi}\)。
(2) \(y=\sin\frac{\theta}{2}\):周期 \(\frac{2\pi}{1/2}=\color{red}{4\pi}\)。
(3) \(y=\tan 2\theta\):周期 \(\color{red}{\frac{\pi}{2}}\)。
練習22
(1) \(y=\sin 2\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right)\):\(k=2\) なので周期 \(\color{red}{\pi}\)、\(\theta\)軸方向に \(-\frac{\pi}{3}\) 平行移動。
(2) \(y=\cos\left(\frac{\theta}{2}-\frac{\pi}{4}\right)\):\(\frac{1}{2}\left(\theta-\frac{\pi}{2}\right)\) と変形でき、周期 \(\color{red}{4\pi}\)、\(\theta\)軸方向に \(\frac{\pi}{2}\) 平行移動。
まとめ:三角関数のグラフ

さて、今回のまとめだよ!
基本3グラフ:\(y=\sin\theta\)(周期 \(2\pi\)・原点対称)、\(y=\cos\theta\)(周期 \(2\pi\)・\(y\)軸対称)、\(y=\tan\theta\)(周期 \(\pi\)・漸近線あり)。
,対称性:\(f(-x)=f(x)\) なら偶関数(\(y\)軸対称)、\(f(-x)=-f(x)\) なら奇関数(原点対称)。
,一般形 \(y=A\sin k(\theta-\alpha)\):振幅 \(A\)、周期 \(\frac{2\pi}{k}\)、位相 \(\alpha\)。\(\theta\) の係数は必ず1にくくり出す。

また一つ賢くなった!




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