
今日の板書はこれ!
累乗や累乗根の大小は、次の2つの方針で比べます。
[1] 底をそろえて、指数の大小を比べる
[2] 指数をそろえて、底の大小を比べる
指数関数 \(y=a^x\) は、\(a>1\) のとき単調増加、\(0<a<1\) のとき単調減少でした。よって、
\(a>1\) のとき \(p<q \iff a^p<a^q\)(指数が大きいほど値も大きい)
\(0<a<1\) のとき \(p<q \iff a^p>a^q\)(指数が大きいほど値は小さい)
要は、底が1より小さいと大小関係が逆転します。
次の3つの数の大小を、不等号を用いて表せ。
\(\sqrt{2}\),\(\sqrt[3]{4}\),\(\sqrt[5]{8}\)
▼ 解答
\(\sqrt{2}=2^{\frac{1}{2}}\)
\(\sqrt[3]{4}=4^{\frac{1}{3}}=2^{\frac{2}{3}}\)
\(\sqrt[5]{8}=8^{\frac{1}{5}}=2^{\frac{3}{5}}\)
底を2にそろえると、指数は \(\frac{1}{2}<\frac{3}{5}<\frac{2}{3}\)
底 \(2>1\) より \(2^{\frac{1}{2}}<2^{\frac{3}{5}}<2^{\frac{2}{3}}\)
よって \(\sqrt{2}<\sqrt[5]{8}<\sqrt[3]{4}\)

もっと詳しくお願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
累乗根の大小を比べてみよう

例えば \(\sqrt{2}\)、\(\sqrt[3]{4}\)、\(\sqrt[5]{8}\) の3つ。どれが一番大きいか、ぱっと見でわかるかな?
次の3つの数の大小を、不等号を用いて表しましょう。
\(\sqrt{2}\),\(\sqrt[3]{4}\),\(\sqrt[5]{8}\)

根号の種類がバラバラで、そのままだと比べられません…。

そうだね。こういうときは、あるルールで形をそろえると比べられるんだ。ポイントになる知識を、順番に見ていこう。
解くために必要な2つの知識
① 累乗根は分数の指数で書ける

まずは根号を、指数の形に書き直すのがカギだよ。
\(\sqrt[n]{a}\) は \(a^{\frac{1}{n}}\) と、分数の指数で表せます(有理数の指数の復習はこちら)。
この形に直すと、根号の種類がちがう数でも同じ土俵で比べられるようになります。
さらに 底をそろえる のがポイントです。
例えば \(4=2^2\)、\(8=2^3\) なので、\(\sqrt[3]{4}=4^{\frac{1}{3}}=2^{\frac{2}{3}}\)、\(\sqrt[5]{8}=8^{\frac{1}{5}}=2^{\frac{3}{5}}\) のように、すべて 底2 の累乗にそろえられます。
② 指数関数の単調性で大小が決まる

底をそろえたら、あとは指数関数の性質を使うだけだよ。
指数関数のグラフで見たように、\(y=a^x\) は \(a>1\) のとき 単調増加、\(0<a<1\) のとき 単調減少 でした。

これを大小比較に言いかえると、次のようになります。
\(a>1\) のときは \(p<q \iff a^p<a^q\)。
つまり 指数が大きいほど値も大きく なります。
\(0<a<1\) のときは \(p<q \iff a^p>a^q\)。
つまり 指数が大きいほど値は小さく なります。
要は、底が1より小さいと、指数と値の大小関係が逆転する ということです。
ここを間違えやすいので注意しましょう。
実際に解いてみよう

じゃあ、この2つの知識を使って例題を解いていくよ。
次の3つの数の大小を、不等号を用いて表しましょう。
\(\sqrt{2}\),\(\sqrt[3]{4}\),\(\sqrt[5]{8}\)
まず、それぞれを 分数の指数 に直します。
\(\sqrt{2}=2^{\frac{1}{2}}\)、\(\sqrt[3]{4}=4^{\frac{1}{3}}=2^{\frac{2}{3}}\)、\(\sqrt[5]{8}=8^{\frac{1}{5}}=2^{\frac{3}{5}}\) です。
次に、底が2にそろったので 指数どうしを比べます。
\(\frac{1}{2}\)、\(\frac{2}{3}\)、\(\frac{3}{5}\) を通分すると \(\frac{15}{30}\)、\(\frac{20}{30}\)、\(\frac{18}{30}\) なので、\(\frac{1}{2}<\frac{3}{5}<\frac{2}{3}\) となります。
最後に、底 \(2>1\) は単調増加だから、指数の大小がそのまま値の大小 になります。
よって \(2^{\frac{1}{2}}<2^{\frac{3}{5}}<2^{\frac{2}{3}}\) となり、答えは \(\sqrt{2}<\sqrt[5]{8}<\sqrt[3]{4}\) です。

根号を指数に直すだけで、スッキリ比べられるんですね!
練習問題

同じやり方で解けるか、練習してみよう。
次の3つの数の大小を、不等号を用いて表しましょう。
\(\sqrt[3]{4}\),\(\sqrt[4]{8}\),\(\sqrt[5]{8}\)
ヒントを見る
底を2にそろえよう。\(4=2^2\)、\(8=2^3\) を使うと、すべて2の累乗の形にできるよ。
答えを見る
\(\sqrt[3]{4}=4^{\frac{1}{3}}=2^{\frac{2}{3}}\)
\(\sqrt[4]{8}=8^{\frac{1}{4}}=2^{\frac{3}{4}}\)
\(\sqrt[5]{8}=8^{\frac{1}{5}}=2^{\frac{3}{5}}\)
指数を通分すると \(\frac{2}{3}=\frac{40}{60}\)、\(\frac{3}{4}=\frac{45}{60}\)、\(\frac{3}{5}=\frac{36}{60}\)。
よって \(\frac{3}{5}<\frac{2}{3}<\frac{3}{4}\)。
底 \(2>1\) より \(2^{\frac{3}{5}}<2^{\frac{2}{3}}<2^{\frac{3}{4}}\)。
したがって \(\sqrt[5]{8}<\sqrt[3]{4}<\sqrt[4]{8}\)
次の3つの数の大小を、不等号を用いて表しましょう。
\(1\),\(0.2^3\),\(0.2^{-1}\)
ヒントを見る
底を \(0.2\) にそろえよう。\(1=0.2^0\) だよ。底が1より小さいので、大小が逆転することに注意!
答えを見る
\(1=0.2^0\) なので、指数は \(-1\)、\(0\)、\(3\) の3つ。
指数の大小は \(-1<0<3\)。
底 \(0.2\) は \(0<0.2<1\) だから単調減少で、指数が大きいほど値は小さくなる(大小が逆転)。
よって \(0.2^3<0.2^0<0.2^{-1}\)。
したがって \(0.2^3<1<0.2^{-1}\)
まとめ:累乗と累乗根の大小比較

さて、今回のまとめだよ!
① 累乗根は 分数の指数 に直し、底をそろえる。
② 底 \(a>1\) なら、指数の大小がそのまま値の大小 になる。
③ 底 \(0<a<1\) なら、大小が逆転する(指数が大きいほど値は小さい)。

底が1より小さいと逆転する、忘れないようにします!





コメント