
今日の板書はこれ!
いままで指数は「同じ数を何回かけるか」を表していましたが、これを0や負の整数にまで広げます。
\(a\neq0\)、\(n\) を正の整数とするとき、次のように決めます。
\(a^0=1\) \(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\)
こう決めると、次の指数法則が \(m,n\) が整数のときにも成り立ちます。
\(a^m a^n=a^{m+n}\) \(\frac{a^m}{a^n}=a^{m-n}\) \((a^m)^n=a^{mn}\)
\((ab)^n=a^n b^n\) \(\left(\frac{a}{b}\right)^n=\frac{a^n}{b^n}\)
次の式を計算せよ。\(a^4\times a^{-5}\)
▼ 解答
\(a^4\times a^{-5}=a^{4+(-5)}=a^{-1}\)
よって \(a^4\times a^{-5}=\frac{1}{a}\)
次の式を計算せよ。\(\frac{a^3}{a^{-4}}\)
▼ 解答
\(\frac{a^3}{a^{-4}}=a^{3-(-4)}=a^{7}\)
よって \(\frac{a^3}{a^{-4}}=a^{7}\)
次の式を計算せよ。\((a^{-1}b^3)^{-2}\)
▼ 解答
\((a^{-1}b^3)^{-2}=(a^{-1})^{-2}\times(b^3)^{-2}\)
\(\phantom{(a^{-1}b^3)^{-2}}=a^{-1\times(-2)}\times b^{3\times(-2)}=a^{2}b^{-6}\)
よって \((a^{-1}b^3)^{-2}=\frac{a^{2}}{b^{6}}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
0乗や負の指数って、どんな数?

たとえば \(3^0\) や \(2^{-1}\) は、いくつになると思う?
次の値を求めよ。 (1) \(3^0\) (2) \(2^{-1}\)

えっ、0回かけるとか、マイナス1回かけるって、どういうことですか…?

そうだよね。「同じ数を何回かける」という今までの意味だと、0回や\(-1\)回は説明できない。だから、意味の方を少し広げてあげるんだ。
指数を0や負の整数に広げる考え方
① 指数を1へらすと「÷(底)」になる

まず、指数を1ずつ小さくすると、値がどう変わるかを見てみよう。
\(2\) の累乗を、指数の大きい方から並べてみます。
| 式 | 値 | 変化 |
|---|---|---|
| \(2^3\) | \(8\) | — |
| \(2^2\) | \(4\) | \(\div2\) |
| \(2^1\) | \(2\) | \(\div2\) |
| \(2^0\) | \(1\) | \(\div2\) |
| \(2^{-1}\) | \(\frac{1}{2}\) | \(\div2\) |
| \(2^{-2}\) | \(\frac{1}{4}\) | \(\div2\) |
指数が1へるごとに、値は底(ここでは2)で割った数になっています。
この流れをそのまま下へのばすと、\(2^0=1\)、\(2^{-1}=\frac{1}{2}\) と決めるのが自然だと分かります。
② 0乗は1、負の指数は「逆数」

この考え方を一般の \(a\) でまとめると、こうなるよ。
\(a\neq0\)、\(n\) を正の整数とするとき、\(a^0=1\)、そして \(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\) と決めます。
つまり、0乗はすべて1、負の指数は、その分だけの逆数という意味になります。

なるほど!\(2^{-1}\) は \(2\) の逆数だから \(\frac{1}{2}\) なんですね。
③ 指数法則は、指数が整数でも成り立つ
こう決めておくと、これまで習った次の指数法則が、指数が0や負の整数のときにもそのまま使えます(\(m,n\) は整数)。
\(a^m a^n=a^{m+n}\) \(\frac{a^m}{a^n}=a^{m-n}\) \((a^m)^n=a^{mn}\)
\((ab)^n=a^n b^n\) \(\left(\frac{a}{b}\right)^n=\frac{a^n}{b^n}\)

ここで1つ注意。\(a^3\) を「\(a\) を3個かけたもの」とだけ覚えていると、\(a^{-5}\) のような負の指数で手がとまってしまう。
たとえば \(a^3\times a^2\) は \((aaa)\times(aa)=a^5\)、\((a^2)^3\) は \((aa)(aa)(aa)=a^6\) というように、指数法則は「かけ算の個数」から確かめられます。
でも負の指数までふくめると、指数どうしの足し算・引き算として計算した方が速く、まちがえません。
実際に計算してみよう

それじゃあ、さっきの問題から順番に計算していこう。
次の値を求めよ。 (1) \(3^0\) (2) \(2^{-1}\)
(1) 0乗はすべて1なので、\(3^0=1\) です。
(2) 負の指数は逆数なので、\(2^{-1}=\frac{1}{2^1}=\) \(\frac{1}{2}\) となります。

意味が分かると、あっさり出ますね!

その調子。次は文字の入った計算だよ。板書の例題を、指数法則を使ってていねいに解くね。
次の式を計算せよ。 (1) \(a^4\times a^{-5}\) (2) \(\frac{a^3}{a^{-4}}\) (3) \((a^{-1}b^3)^{-2}\)
(1) かけ算なので、指数どうしを足します。
\(a^4\times a^{-5}=a^{4+(-5)}=a^{-1}\)。
最後に負の指数を逆数に直して、\(\frac{1}{a}\) です。
(2) わり算なので、指数どうしを引きます。
\(\frac{a^3}{a^{-4}}=a^{3-(-4)}=\) \(a^{7}\)。
引くのがマイナスなので、符号に注意しましょう。
(3) 累乗の累乗は、指数どうしをかけます。
まず \((a^{-1}b^3)^{-2}=(a^{-1})^{-2}\times(b^3)^{-2}\) と分け、\(=a^{-1\times(-2)}\times b^{3\times(-2)}=a^{2}b^{-6}\)。
負の指数を逆数に直して、\(\frac{a^{2}}{b^{6}}\) となります。

「かけ算は足す・わり算は引く・累乗はかける」で全部いけますね!
練習問題

自分の手でやってみよう。答えは折りたたみの中だよ。
次の値を求めよ。
(1) \(4^0\) (2) \((-5)^0\) (3) \(3^{-1}\) (4) \(10^{-2}\) (5) \((-2)^{-3}\)
答えを見る
(1) 0乗は1なので \(4^0=1\)
(2) 同じく \((-5)^0=1\)
(3) \(3^{-1}=\frac{1}{3}\)
(4) \(10^{-2}=\frac{1}{10^2}=\frac{1}{100}\)
(5) \((-2)^{-3}=\frac{1}{(-2)^3}=\frac{1}{-8}=-\frac{1}{8}\)
次の式を計算せよ。
(1) \(a^5 a^{-2}\) (2) \(\frac{a^{-3}}{a^2}\) (3) \((a^{-4})^{-1}\) (4) \((a^{-2}b)^3\) (5) \(\left(\frac{a}{b^3}\right)^{-2}\)
答えを見る
(1) \(a^5 a^{-2}=a^{5+(-2)}=a^{3}\)
(2) \(\frac{a^{-3}}{a^2}=a^{-3-2}=a^{-5}=\frac{1}{a^5}\)
(3) \((a^{-4})^{-1}=a^{-4\times(-1)}=a^{4}\)
(4) \((a^{-2}b)^3=a^{-6}b^3=\frac{b^3}{a^6}\)
(5) \(\left(\frac{a}{b^3}\right)^{-2}=\frac{a^{-2}}{b^{-6}}=\frac{b^6}{a^2}\)
まとめ:指数の拡張と指数法則

さて、今回のまとめだよ!
\(a\neq0\)、\(n\) を正の整数とするとき、\(a^0=1\)、\(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\) と決める。
すると指数法則 \(a^m a^n=a^{m+n}\)、\(\frac{a^m}{a^n}=a^{m-n}\)、\((a^m)^n=a^{mn}\) が、指数が整数でも成り立つ。
負の指数が出てきたら、最後に \(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\) で分数に直せばよい。

また一つ賢くなった!




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