
今日の板書はこれ!
2つの角の 和(+)・差(−) の三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す公式。
① \(\sin(\alpha\pm\beta)=\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\pm\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)(シンコスコスシン)
② \(\cos(\alpha\pm\beta)=\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\mp\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)(コスコスシンシン)
③ \(\tan(\alpha\pm\beta)=\frac{\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\pm\color{#8a2be2}{\tan\beta}}{1\mp\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\,\color{#8a2be2}{\tan\beta}}\)(タンプラタン/イチマイナスタンタン)
sin75°の値を求めよ。
▼ 解答
\(75^\circ=45^\circ+30^\circ\) と分け、①の公式を使う。
\(\sin75^\circ=\sin(45^\circ+30^\circ)\)
\(\phantom{\sin75^\circ}=\sin45^\circ\cos30^\circ+\cos45^\circ\sin30^\circ\)
\(=\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{1}{2}=\color{#ff0000}{\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
加法定理とは?

三角関数07では「加法定理」を学ぶよ。これは \(\sin(45^\circ+30^\circ)\) のように、2つの角の和や差の三角関数を、それぞれの角の三角関数で表す公式なんだ。

え、\(\sin(45^\circ+30^\circ)\) って \(\sin45^\circ+\sin30^\circ\) じゃダメなんですか?

それが一番やりがちなミス!実は \(\color{#ff69b4}{\sin}(\alpha+\beta)\color{#ff0000}{\neq}\color{#ff69b4}{\sin}\alpha+\color{#ff69b4}{\sin}\beta\) なんだ。だからこそ、正しく展開するための公式=加法定理が必要になるんだよ。
加法定理を使うと、これまで求められなかった \(75^\circ\) や \(15^\circ\) といった「半端な角」の三角関数の値が、\(45^\circ\) や \(30^\circ\) など知っている角の組み合わせで求められるようになります。
三角関数の世界がぐっと広がる、とても大事な公式です。
加法定理の6つの公式

まずは公式を並べてみよう。和(+)と差(−)で本当は6つあるけど、±と∓を使えば3本にまとまるよ。
① \(\sin(\alpha\pm\beta)=\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\pm\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)
② \(\cos(\alpha\pm\beta)=\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\mp\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)
③ \(\tan(\alpha\pm\beta)=\frac{\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\pm\color{#8a2be2}{\tan\beta}}{1\mp\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\,\color{#8a2be2}{\tan\beta}}\)

符号の ∓ ってなんですか?

∓ は「上の符号と逆にする」という意味だよ。たとえば \(\cos(\alpha+\beta)\) なら ∓ は − になって \(\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta\)、\(\cos(\alpha-\beta)\) なら ∓ は + になるんだ。
左辺が 和(+) のときと 差(−) のときで符号がセットで切り替わる、と覚えておきましょう。
加法定理の覚え方|語呂合わせでスッキリ

公式が多くて覚えにくいよね。そこで語呂合わせの出番!声に出して唱えると一気に定着するよ。
sin は「シンコスコスシン」
\(\sin\) の展開は \(\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\pm\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)。
読み方はそのまま「シン・コス・コス・シン」です。
符号は左辺が和なら+、差なら−で、そのまま引き継ぎます。
cos は「コスコスシンシン」
\(\cos\) は \(\color{#00bfff}{\cos\alpha}\,\color{#00bfff}{\cos\beta}\mp\color{#ff69b4}{\sin\alpha}\,\color{#ff69b4}{\sin\beta}\)。
「コス・コス・シン・シン」と唱えます。
注意点は符号が逆になること(和なら−、差なら+)。
ここが一番のひっかけポイントです。
tan は「タンプラタン/イチマイナスタンタン」
\(\tan\) は分数の形 \(\frac{\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\pm\color{#8a2be2}{\tan\beta}}{1\mp\color{#8a2be2}{\tan\alpha}\,\color{#8a2be2}{\tan\beta}}\)。
分子は「タンプラタン(足す)」、分母は「イチマイナスタンタン(1−タンタン)」。
分母の符号も分子と逆になります。

語呂で唱えたら、もう忘れなさそう!
例題:sin75°の値を求めよう
sin75°の値を求めよ。
考え方|知っている角に分ける

\(75^\circ\) はそのままでは値が分からないけど、\(75^\circ=45^\circ+30^\circ\) と分ければ、どちらも知っている角だね。
ポイントは、求めたい角を 知っている角(30°・45°・60°)の和や差 に分けることです。
計算してみよう
\(\sin\) の加法定理①にあてはめます。
\(\sin75^\circ=\sin(45^\circ+30^\circ)\)
\(\phantom{\sin75^\circ}=\sin45^\circ\cos30^\circ+\cos45^\circ\sin30^\circ\)
\(\phantom{\sin75^\circ}=\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{1}{2}=\color{#ff0000}{\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}}\)

\(\sin75^\circ=\frac{\sqrt{6}+\sqrt{2}}{4}\) になった!半端な角でも値が出せるんですね。
tanの加法定理|tan75°を求めよう
tan75°の値を求めよ。

同じく \(75^\circ=45^\circ+30^\circ\) と分けて、今度は③の \(\tan\) の公式を使うよ。
\(\tan75^\circ=\tan(45^\circ+30^\circ)=\frac{\tan45^\circ+\tan30^\circ}{1-\tan45^\circ\tan30^\circ}\)
\(\phantom{\tan75^\circ}=\frac{1+\frac{1}{\sqrt{3}}}{1-1\cdot\frac{1}{\sqrt{3}}}=\frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{3}-1}=\color{#ff0000}{2+\sqrt{3}}\)

分母・分子に \(\sqrt{3}\) を掛けて整理し、最後に分母を有理化すると \(2+\sqrt{3}\) になるよ。
練習問題で確認しよう

それじゃ、今度は \(\cos\) の加法定理で練習だ!
cos75°の値を求めよ。
答えを見る
\(\cos75^\circ=\cos(45^\circ+30^\circ)\)
\(\phantom{\cos75^\circ}=\cos45^\circ\cos30^\circ-\sin45^\circ\sin30^\circ\)
\(\phantom{\cos75^\circ}=\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}-\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot\frac{1}{2}=\color{#ff0000}{\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}}\)
まとめ:加法定理

さて、今回のまとめだよ!
① \(\sin(\alpha\pm\beta)=\sin\alpha\cos\beta\pm\cos\alpha\sin\beta\)(シンコスコスシン)
② \(\cos(\alpha\pm\beta)=\cos\alpha\cos\beta\mp\sin\alpha\sin\beta\)(コスコスシンシン・符号は逆)
③ \(\tan(\alpha\pm\beta)=\frac{\tan\alpha\pm\tan\beta}{1\mp\tan\alpha\tan\beta}\)
\(75^\circ=45^\circ+30^\circ\) のように、知っている角の和・差に分けるのがコツ。

また一つ賢くなった!




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