【数学Ⅱ】三角関数08:2直線のなす角

三角関数
さん
さん

今日の板書はこれ!

2直線のなす角と正接の加法定理

2直線のなす角は、各直線が x軸となす角の差 として、tan の加法定理で求められる。

例題1

2直線 \(y=\frac{1}{2}x+1,\ y=3x-1\) のなす鋭角 \(\theta\) を求めよ。


▼ 解答

2直線が x軸の正の向きとなす角をそれぞれ \(\alpha,\ \beta\) とすると

\(\color{#8a2be2}{\tan\alpha}=\frac{1}{2},\quad \color{#8a2be2}{\tan\beta}=3\)

\(0<\alpha<\beta\) より、なす角は \(\theta=\beta-\alpha\)

\(\color{#8a2be2}{\tan\theta}=\tan(\beta-\alpha)=\frac{\tan\beta-\tan\alpha}{1+\tan\beta\tan\alpha}\)

\(\phantom{\tan\theta}=\frac{3-\frac{1}{2}}{1+3\cdot\frac{1}{2}}=1\)

\(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) より \(\color{#ff0000}{\theta=\frac{\pi}{4}}\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。

2直線のなす角を求めてみよう

さん
さん

例えば、こんな2直線が交わっているとするよ。このときできる角 \(\theta\) は何度になるだろう?

例題1

2直線 \(y=\frac{1}{2}x+1,\ y=3x-1\) のなす鋭角 \(\theta\) を求めよ。

生徒
生徒

2直線が作る角…これ、どうやって求めるんですか?分度器も使えないし、式から角度なんて出せるんですか?

さん
さん

実はね、それぞれの直線の傾きさえ分かれば、計算で角度が出せるんだ。グラフにするとこんな感じだよ。

さん
さん

ポイントになる知識を、順番に見ていこう。

解くために必要な3つの知識

① 傾きは「x軸となす角の tan」

さん
さん

まず押さえたいのが、直線の傾き=その直線が x軸となす角の tan という関係だよ。

傾き \(m\) の直線が x軸の正の向きとなす角を \(\theta\) とすると、\(\color{#8a2be2}{\tan\theta=m}\) が成り立ちます。

つまり 傾きをそのまま tan として読めるのです。

今回の問題なら、直線①の傾きが \(\frac{1}{2}\) なので \(\tan\alpha=\frac{1}{2}\)、直線②の傾きが \(3\) なので \(\tan\beta=3\)、というように角の tan が分かります。

② 2直線のなす角は「角の差」

さん
さん

次に、求めたい角 \(\theta\) は、2つの直線が x軸となす角の で表せるんだ。

直線①が x軸となす角を \(\alpha\)、直線②が x軸となす角を \(\beta\) とすると、図から 2直線のなす角は \(\color{#ff0000}{\theta=\beta-\alpha}\) と表せます。

大きい角から小さい角を引くイメージです。

③ tan の加法定理(減法)

さん
さん

最後に、前回学んだ tan の加法定理の出番だよ。

\(\theta=\beta-\alpha\) の tan は、\(\color{#8a2be2}{\tan(\beta-\alpha)=\frac{\tan\beta-\tan\alpha}{1+\tan\beta\tan\alpha}}\) で計算できます。

①で求めた \(\tan\alpha,\ \tan\beta\)(=傾き)を代入するだけです。

注意:切片は関係ない

さん
さん

ひとつ注意。直線の 切片(+1 や −1)は、なす角には関係ないよ。

角度を決めるのは 傾きだけです。

切片が変わっても直線は上下に平行移動するだけで向き(傾き)は変わりません。

だから問題の \(+1\) や \(-1\) は、なす角の計算では 無視してよいのです。

実際に解いてみよう

さん
さん

それじゃあ、3つの知識を使って最初の問題を解くよ。

例題1

2直線 \(y=\frac{1}{2}x+1,\ y=3x-1\) のなす鋭角 \(\theta\) を求めよ。

2直線が x軸の正の向きとなす角を \(\alpha,\ \beta\) とすると、傾きより \(\color{#8a2be2}{\tan\alpha=\frac{1}{2}},\ \color{#8a2be2}{\tan\beta=3}\)。

図より \(0<\alpha<\beta\) なので、なす角は \(\theta=\beta-\alpha\)。

tan の加法定理(減法)に代入します。

\(\color{#8a2be2}{\tan\theta}=\tan(\beta-\alpha)=\frac{\tan\beta-\tan\alpha}{1+\tan\beta\tan\alpha}\)

\(\phantom{\tan\theta}=\frac{3-\frac{1}{2}}{1+3\cdot\frac{1}{2}}=\frac{\frac{5}{2}}{\frac{5}{2}}=1\)

\(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) の範囲で \(\tan\theta=1\) となるのは、\(\color{#ff0000}{\theta=\frac{\pi}{4}}\)。

生徒
生徒

傾きを代入するだけで角度が出た!分度器いらずですね!

練習問題

さん
さん

それじゃあ、同じ手順で自分でも解いてみよう。傾きが負のときは少し注意が必要だよ。

練習1 2直線 \(y=-2x,\ y=3x\) のなす角 \(\theta\) を求めよ。

ただし \(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) とする。

ヒントを見る

傾きが負の直線は、x軸となす角が 鈍角になります。\(y=-2x\) の角を \(\alpha\)(\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\))、\(y=3x\) の角を \(\beta\) として、\(\tan(\alpha-\beta)\) を計算してみましょう。

答えを見る

直線 \(y=3x\) の角を \(\beta\)、\(y=-2x\) の角を \(\alpha\) とすると \(\tan\beta=3,\ \tan\alpha=-2\)。
傾きが負の \(y=-2x\) は \(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\) なので、なす角は \(\theta=\alpha-\beta\)。
\(\tan\theta=\tan(\alpha-\beta)=\frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}\)
\(\phantom{\tan\theta}=\frac{-2-3}{1+(-2)\cdot3}=\frac{-5}{-5}=1\)
\(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) より \(\color{#ff0000}{\theta=\frac{\pi}{4}}\)

練習2 2直線 \(y=2x-1,\ y=\frac{1}{3}x+1\) のなす角 \(\theta\) を求めよ。

ただし \(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) とする。

ヒントを見る

今度は両方とも傾きが正です。切片の \(-1,\ +1\) は角度に関係ないので無視してOK。傾きの大きい \(y=2x-1\) の角を \(\alpha\)、\(y=\frac{1}{3}x+1\) の角を \(\beta\) として \(\tan(\alpha-\beta)\) を計算しましょう。

答えを見る

傾きより \(\tan\alpha=2,\ \tan\beta=\frac{1}{3}\)(切片は無視)。
ともに鋭角で \(\alpha>\beta\) だから、なす角は \(\theta=\alpha-\beta\)。
\(\tan\theta=\tan(\alpha-\beta)=\frac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}\)
\(\phantom{\tan\theta}=\frac{2-\frac{1}{3}}{1+2\cdot\frac{1}{3}}=\frac{\frac{5}{3}}{\frac{5}{3}}=1\)
\(0<\theta<\frac{\pi}{2}\) より \(\color{#ff0000}{\theta=\frac{\pi}{4}}\)

まとめ:2直線のなす角

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

2直線のなす角の求め方

① 各直線が x軸となす角を \(\alpha,\ \beta\) とおく(傾き=tan)。

② なす角は \(\theta=\beta-\alpha\)(大きい角-小さい角)。

tan の加法定理で \(\tan\theta=\frac{\tan\beta-\tan\alpha}{1+\tan\beta\tan\alpha}\) を計算。

切片は無関係。傾きが負の直線は x軸となす角が 鈍角になる点に注意。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!傾きから角度が出せるなんて面白い!

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