【数学Ⅱ】指数関数と対数関数15:対数不等式

指数関数と対数関数
さん
さん

今日の板書はこれ!

対数不等式の解き方

⚡ 底が1より小さいとき、logをはずすと不等号の向きが逆になることに注意!

真数条件(真数 \(>0\))と底の条件(底 \(>0\)、底 \(\neq 1\))を確認する

② 異なる底の対数が混ざるときは、底の変換公式で底をそろえる

その後、次の〔1〕か〔2〕で解く。

〔1〕両辺を1つの対数にまとめて外す:

・\(a>1\) のとき \(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)(向きそのまま)

・\(0<a<1\) のとき \(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X < Y\)(向きが逆

〔2〕\(\log_a x = X\) と置換して、簡単な不等式に帰着する

例題1

\(\log_2 x \leq 3\)


▼ 解答

真数条件より \(x>0\) …①

\(3=\log_2 8\) だから \(\log_2 x \leq \log_2 8\)。底 \(2>1\) より \(x \leq 8\)

①と合わせて \(0<x \leq 8\)

例題2

\(2\log_3(2-x) < \log_3(x+4)\)


▼ 解答

真数条件より \(2-x>0\)、\(x+4>0\)。よって \(-4<x<2\) …①

\(\log_3(2-x)^2 < \log_3(x+4)\)。底 \(3>1\) より \((2-x)^2 < x+4\)

\(x(x-5)<0\) より \(0<x<5\)。①と合わせて \(0<x<2\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

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「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

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対数不等式の考え方

さん
さん

前回は「対数方程式」、つまり \(\log_a X = \log_a Y\) なら \(X=Y\) というルールで解いたね。今回はその等号が不等号になった「対数不等式」だよ。

生徒
生徒

\(=\) が \(>\) や \(<\) になるだけなら、同じように解けそう!

さん
さん

基本の流れはほとんど同じ。でも1つだけ、絶対に外せない超重要ポイントがあるんだ。まずは共通の土台から確認しよう。

その1:真数条件を「最初に」確認する

対数 \(\log_a x\) が意味を持つのは、真数が正、つまり \(x>0\) のときだけです。

これは真数条件と呼ばれ、対数不等式でも最初に書き出すのが鉄則です。

この根拠は対数の定義そのものにあります。

くわしくは対数の定義の記事を見てね。

さん
さん

大事なのは、不等式を解いて出た答えと、この真数条件の共通範囲を最後にとること。ここを忘れると、答えに「あり得ない \(x\)」が混ざってしまうよ。

その2:底が1より大きいか小さいかで向きが変わる

さん
さん

さあ、ここが今回いちばん大事なところ!

対数関数 \(y=\log_a x\) は、底によってグラフの形が変わります。

\(a>1\) のときは増加関数(右上がり)、\(0<a<1\) のときは減少関数(右下がり)でしたね(対数関数のグラフ)。

だから両辺を \(\log_a X\) と \(\log_a Y\) の形にそろえて log を外すとき、次のように分かれます。

・\(a>1\)(増加)なら大小はそのまま:\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)

・\(0<a<1\)(減少)なら大小が逆転:\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X \color{red}{<} Y\)

生徒
生徒

減少関数は「入力が大きいほど値が小さくなる」から、値の大小をくらべると入力の大小は逆になるんだね!

さん
さん

その通り!底が1より小さいと、logを外すとき不等号の向きが逆になる。グラフが右上がりか右下がりか、で判断できるよ。

その3:数を「対数の形」に直すコツ

右辺が \(3\) のような「ただの数」のときは、その数を同じ底の対数に直すと両辺を比べられます。

たとえば \(\log_2 2 = 1\) なので、\(3 = 3\log_2 2 = \log_2 2^3 = \log_2 8\) と変形できます。

さん
さん

「底の何乗になるか」を考えて、数を \(\log_2 8\) のように対数へ直すのがコツ。係数を対数の中に入れる変形は対数の性質の記事が根拠だよ。

例題1:log₂x ≦ 3

例題1

\(\log_2 x \leq 3\)

真数条件を確認

まず真数条件です。

真数は \(x\) なので \(x>0\) …①

底をそろえて解く

右辺の \(3\) を底 \(2\) の対数に直すと \(3=\log_2 8\)(\(2^3=8\) だから)。

よって \(\log_2 x \leq \log_2 8\) となります。

底 \(2\) は \(1\) より大きいので、不等号の向きはそのまま:\(x \leq 8\)。

①の \(x>0\) と合わせて、共通範囲は \(0<x \leq 8\) です。

生徒
生徒

真数条件の \(x>0\) があるから、\(0\) 以下は入らないんだね!

例題2:2log₃(2−x) < log₃(x+4)

例題2

\(2\log_3(2-x) < \log_3(x+4)\)

真数条件を確認

真数はどちらも正でなければなりません。

\(2-x>0\) かつ \(x+4>0\)、つまり \(x<2\) かつ \(x>-4\)。

まとめて \(-4<x<2\) …①

係数2を対数の中に入れる

左辺の係数 \(2\) は、\(p\log_a M = \log_a M^p\) を使って中に入れます:\(2\log_3(2-x) = \log_3(2-x)^2\)。

すると \(\log_3(2-x)^2 < \log_3(x+4)\) となります。

底をそろえて解く

底 \(3\) は \(1\) より大きいので、向きはそのまま:\((2-x)^2 < x+4\)。

展開して整理すると \(4-4x+x^2 < x+4\)、すなわち \(x^2-5x<0\)、\(x(x-5)<0\)。

よって \(0<x<5\)。

①の \(-4<x<2\) と合わせて、共通範囲は \(0<x<2\) です。

生徒
生徒

係数の \(2\) を先に中に入れてから比べるのがポイントだね!

練習問題

さん
さん

最後に練習だよ。真数条件を最初に、そして底の大小で向きに注意してね。答えは「答えを見る」で確認できるよ。

練習1

次の不等式を解け。

(1) \(\log_3 x < 2\)

(2) \(\log_{1/2} x \leq 2\)

答えを見る

(1) 真数条件 \(x>0\)。\(\log_3 x < \log_3 9\)、底 \(3>1\) より \(x<9\)。よって \(0<x<9\)

(2) 真数条件 \(x>0\)。\(\log_{1/2} x \leq \log_{1/2}\frac{1}{4}\)、底 \(\frac{1}{2}<1\) より向きが逆で \(x \geq \frac{1}{4}\)。よって \(x \geq \frac{1}{4}\)

練習2

次の不等式を解け。

(1) \(\log_2(2-x) \geq \log_2 x\)

(2) \(\log_{1/3}(3-2x) \geq \log_{1/3} x\)

答えを見る

(1) 真数条件 \(2-x>0\)、\(x>0\) より \(0<x<2\)。底 \(2>1\) より \(2-x \geq x\)、\(x \leq 1\)。よって \(0<x \leq 1\)

(2) 真数条件 \(3-2x>0\)、\(x>0\) より \(0<x<\frac{3}{2}\)。底 \(\frac{1}{3}<1\) より向きが逆で \(3-2x \leq x\)、\(x \geq 1\)。よって \(1 \leq x < \frac{3}{2}\)

練習3

次の不等式を解け。

\(\log_5(3x+10) \geq 2\log_5 x\)

答えを見る

真数条件 \(x>0\)(このとき \(3x+10>0\) も成立)。\(2\log_5 x = \log_5 x^2\) だから \(\log_5(3x+10) \geq \log_5 x^2\)

底 \(5>1\) より \(3x+10 \geq x^2\)、\(x^2-3x-10 \leq 0\)、\((x-5)(x+2) \leq 0\) で \(-2 \leq x \leq 5\)。真数条件と合わせて \(0<x \leq 5\)

まとめ:対数不等式

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

対数不等式の解き方

⚡ 底が1より小さいとき、logをはずすと不等号の向きが逆になる(最重要)

① 真数条件(真数 \(>0\))と底の条件を最初に確認する

② 底の変換公式で底をそろえる

・\(a>1\):\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)

・\(0<a<1\):\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X < Y\)

最後に、真数条件と解いた不等式の共通範囲をとる

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

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