
今日の板書はこれ!
■ 母比率の推定
母比率 \(p\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\(\left[R-1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}},\ R+1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\right]\)
\(R\):標本比率 \(n\):標本の大きさ
■ 注意
\(n\) が大きいとき、大数の法則より \(p\) と \(R\) は近いので、\(p(1-p)\) を \(R(1-R)\) としてよい。
信頼度95%とは、同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が \(p\) を含むという意味である。
ある世論調査で、有権者から無作為抽出した400人についてA政党の支持者を調べたら144人いた。A政党の支持者の母比率 \(p\) を信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めよ。
▼ 解答
標本比率は \(R=\frac{144}{400}=\color{#3CB371}{0.36}\) であるから、
\(\sqrt{\frac{\color{#3CB371}{0.36}\times(1-\color{#3CB371}{0.36})}{400}}=\frac{0.6\times 0.8}{20}=\color{#F39800}{0.024}\)
\(1.96\times \color{#F39800}{0.024}=0.04704\)
よって、母比率 \(p\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{0.36}-0.04704,\ \color{#3CB371}{0.36}+0.04704]\\[8pt]&=[0.31296,\ 0.40704]\end{aligned}\)
小数第4位を四捨五入して
\([0.313,\ 0.407]\)

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勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!
A政党の支持者の割合を信頼度95%で推定すると?
ある世論調査で、有権者から無作為抽出した400人についてA政党の支持者を調べたら144人いた。A政党の支持者の母比率 \(p\) を信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めよ。

400人中144人が支持者なら、支持者の割合は36%で決まりじゃないんですか?
母比率の推定とは?

36%は、選ばれた400人の中の割合、つまり標本比率だよ。有権者全体の割合(母比率)とぴったり同じとは限らないから、前回の母平均の推定と同じように、幅をつけて推定するんだ!
母平均の推定では、標本平均 \(\overline{X}\) を中心に、左右に \(1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\) の幅をとりました。
母比率の推定では、標本比率 \(R\) を中心に、左右に \(1.96\) と標本比率の標準偏差をかけた幅をとります。
まずは例題1の数字で、幅を求めてみましょう。
標本比率は \(R=\frac{144}{400}=\color{#3CB371}{0.36}\)、標本の大きさは \(n=400\) です。
標本比率の標準偏差は、次のように求めます。
\(\sqrt{\frac{\color{#3CB371}{0.36}\times(1-\color{#3CB371}{0.36})}{400}}=\frac{0.6\times 0.8}{20}=\color{#F39800}{0.024}\)
よって、幅は \(1.96\times \color{#F39800}{0.024}=0.04704\) です。
これを文字の式にまとめると、母比率 \(p\) に対する信頼度95%の信頼区間は次のようになります。
\(\left[R-1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}},\ R+1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\right]\)
ここで、\(R\) は標本比率、\(n\) は標本の大きさです。

ルートの中が \(p(1-p)\) じゃなくて \(R(1-R)\) になっているのはなぜですか?

母比率 \(p\) は分からないから、代わりに標本比率 \(R\) を使うんだ。\(n\) が大きいと、\(R\) は \(p\) に近い値になるんだよ!
標本の大きさ \(n\) が大きくなるほど、標本比率 \(R\) は母比率 \(p\) に近づいていきます。
これを大数の法則といいます。
そのため、\(n\) が大きいときは、\(p(1-p)\) を \(R(1-R)\) としてよいのです。
信頼度95%の意味
母平均の推定と同じく、信頼度95%とは、標本を取り直して同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が母比率 \(p\) を含むという意味です。
「標本比率の分布」で学んだように、\(n\) が大きいとき、標本比率 \(R\) は近似的に正規分布 \(N\left(p,\ \frac{p(1-p)}{n}\right)\) に従います。
つまり、\(R\) は平均 \(p\)、標準偏差 \(\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}\) の正規分布に従うと考えられます。
そこで、 \(Z=\frac{R-p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}}\) とおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従います。
「母平均の推定」と同じく、\(P(-1.96\leq Z\leq 1.96)=0.95\) なので、次の式が成り立ちます。
\(\begin{aligned}&P\left(-1.96\leq \tfrac{R-p}{\sqrt{\tfrac{p(1-p)}{n}}}\leq 1.96\right)\\[8pt]&=P\left(R-1.96\sqrt{\tfrac{p(1-p)}{n}}\leq p\leq R+1.96\sqrt{\tfrac{p(1-p)}{n}}\right)=0.95\end{aligned}\)
これで、\(R\) を中心に左右へ \(1.96\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}\) の幅をとれば、信頼度95%の信頼区間になることが分かります。
ところが、幅の中に、これから推定したい母比率 \(p\) が入っているので、このままでは計算できません。
そこで、\(n\) が大きいときは \(R\) が \(p\) に近い値になること(大数の法則)を使い、\(p(1-p)\) を \(R(1-R)\) に置きかえます。
こうして、信頼区間は \(\left[R-1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}},\ R+1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\right]\) となります。
信頼区間を求めよう
ある世論調査で、有権者から無作為抽出した400人についてA政党の支持者を調べたら144人いた。A政党の支持者の母比率 \(p\) を信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めよ。
標本比率を求める
400人中144人が支持者なので、標本比率は \(R=\frac{144}{400}=\color{#3CB371}{0.36}\) です。
誤差の幅を求める
400は十分大きいので、\(p(1-p)\) の代わりに \(R(1-R)\) を使います。
\(\sqrt{\frac{\color{#3CB371}{0.36}\times(1-\color{#3CB371}{0.36})}{400}}=\frac{0.6\times 0.8}{20}=\color{#F39800}{0.024}\)
\(1.96\times \color{#F39800}{0.024}=0.04704\)
信頼区間を求める
標本比率 \(\color{#3CB371}{0.36}\) から左右に0.04704の幅をとると、信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{0.36}-0.04704,\ \color{#3CB371}{0.36}+0.04704]\\[8pt]&=[0.31296,\ 0.40704]\end{aligned}\)
となります。小数第4位を四捨五入すると、 \([0.313,\ 0.407]\) です。

つまり、A政党の支持者の割合は、信頼度95%で約31%から約41%と推定できます。

36%ぴったりではなく、だいたい31%から41%の間にあると考えるんですね!

そのとおり!公式の \(R\) と \(n\) に何が入るかを確認してから代入しよう!
練習問題
大量に生産されたある製品の中から無作為抽出した2400個について検査したところ96個が不良品であった。不良品の母比率 \(p\) を信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第4位を四捨五入して小数第3位まで求めよ。
答えを見る
標本比率は \(R=\frac{96}{2400}=\color{#3CB371}{0.04}\) である。
\(\sqrt{\frac{\color{#3CB371}{0.04}\times(1-\color{#3CB371}{0.04})}{2400}}=\sqrt{0.000016}=\color{#F39800}{0.004}\)
\(1.96\times \color{#F39800}{0.004}=0.00784\)
よって、信頼度95%の信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{0.04}-0.00784,\ \color{#3CB371}{0.04}+0.00784]\\[8pt]&=[0.03216,\ 0.04784]\end{aligned}\)
小数第4位を四捨五入して \([0.032,\ 0.048]\)
まとめ:母比率の推定

さて、今回のまとめだよ!
■ 母比率の推定
母比率 \(p\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\(\left[R-1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}},\ R+1.96\sqrt{\frac{R(1-R)}{n}}\right]\)
\(R\):標本比率 \(n\):標本の大きさ
■ 注意
\(n\) が大きいとき、大数の法則より \(p\) と \(R\) は近いので、\(p(1-p)\) を \(R(1-R)\) としてよい。
信頼度95%とは、同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が \(p\) を含むという意味である。

また一つ賢くなった!

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!





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