
今日の板書はこれ!
■ 信頼区間
母集団の情報がある確率で収まると考えられる範囲を信頼区間という。
■ 母平均の推定
母平均 \(m\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\(\left[\overline{X}-1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\ \overline{X}+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\right]\)
\(\overline{X}\):標本平均 \(n\):標本の大きさ \(\sigma\):母標準偏差
■ 注意
信頼度95%とは、同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が \(m\) を含むという意味である。
\(n\) が大きいとき、\(\sigma\) の代わりに標本標準偏差 \(\color{#F39800}{s}\) を用いてよい。
大量に生産されたある製品の中から、400個を無作為抽出して重さを量ったところ、平均値98.8g、標準偏差2.0gであった。この製品の重さの平均値を、信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
▼ 解答
標本の大きさは \(n=400\)、標本平均は \(\overline{X}=\color{#3CB371}{98.8}\)、標本標準偏差は \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{2.0}\) である。
400は十分大きいから、母標準偏差の代わりに \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{2.0}\) を用いると、
\(1.96\times\frac{\color{#F39800}{2.0}}{\sqrt{400}}=1.96\times 0.1=0.196\)
よって、母平均 \(m\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\([\color{#3CB371}{98.8}-0.196,\ \color{#3CB371}{98.8}+0.196]\)
すなわち \([98.604,\ 98.996]\) であるから、小数第2位を四捨五入して
\([98.6,\ 99.0]\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!
製品の重さの平均値を信頼度95%で推定すると?
大量に生産されたある製品の中から、400個を無作為抽出して重さを量ったところ、平均値98.8g、標準偏差2.0gであった。この製品の重さの平均値を、信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。

400個の平均値は98.8gなんですよね。製品全体の平均値も98.8gと答えちゃだめなんですか?
信頼区間とは?

標本平均は、選んだ400個によって少しずつ変わるから、全体の平均とぴったり同じとは限らないんだ。だから「この範囲に入っていそう」という幅をつけて推定するよ!
このように、抽出した標本の平均から母集団の平均(母平均 \(m\))を推定することを考えます。
母集団の情報がある確率で収まると考えられる範囲を信頼区間といい、その確率を信頼度といいます。
信頼度95%の信頼区間は、標本平均 \(\overline{X}\) を中心にして、左右に同じ幅 \(a\) をとった範囲になります。

まずは例題1の数字で、信頼区間がどのように決まるかを見てみましょう。
標本平均は \(\overline{X}=\color{#3CB371}{98.8}\)、標本の大きさは \(n=400\)、標準偏差は \(\color{#F39800}{2.0}\) なので、幅 \(a\) は次のように求めます。
\(a=1.96\times\frac{\color{#F39800}{2.0}}{\sqrt{400}}=0.196\)
よって、信頼区間は \([\color{#3CB371}{98.8}-0.196,\ \color{#3CB371}{98.8}+0.196]\) となります。
これを文字の式にまとめると、母平均 \(m\) に対する信頼度95%の信頼区間は次のようになります。
\(\left[\overline{X}-1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\ \overline{X}+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\right]\)
ここで、\(\overline{X}\) は標本平均、\(n\) は標本の大きさ、\(\sigma\) は母標準偏差です。

でも、例題1では母標準偏差は分かっていませんよね?

いいところに気づいたね!\(n\) が大きいときは、母標準偏差 \(\sigma\) の代わりに標本標準偏差 \(s\) を使ってよいんだ。
例題1で使った標準偏差 \(\color{#F39800}{2.0}\) は、400個の標本から求めた標本標準偏差 \(\color{#F39800}{s}\) です。
\(n\) が大きいとき、標本標準偏差は母標準偏差に近い値になるので、\(\sigma\) の代わりに使えます。
信頼度95%の意味
信頼度95%というのは、「求めた区間に \(m\) が95%の確率で入っている」という意味ではありません。
標本を取り直して、同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が母平均 \(m\) を含むという意味です。


1.96という数字はどこから出てくるんですか?

標準正規分布で、0を中心に95%の確率になる範囲が −1.96 から 1.96 なんだ。くわしくは下を開いてみてね!
信頼度95%の信頼区間を \(\overline{X}-a\leq m\leq \overline{X}+a\) とおき、誤差の幅 \(a\) を求めます。
式で表すと、 \(P(\overline{X}-a\leq m\leq \overline{X}+a)=0.95\) となる \(a\) を求めればよいことになります。
ここで、\(\overline{X}-a\leq m\) と \(m\leq \overline{X}+a\) を \(\overline{X}\) について解くと、\(m-a\leq \overline{X}\leq m+a\) となるので、次の式が成り立ちます。
\(\begin{aligned}&P(\overline{X}-a\leq m\leq \overline{X}+a)\\[8pt]&=P(m-a\leq \overline{X}\leq m+a)\end{aligned}\)
標本の大きさ \(n\) が大きいとき、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に正規分布 \(N\left(m,\ \frac{\sigma^2}{n}\right)\) に従うのでした。
そこで、 \(Z=\frac{\overline{X}-m}{\frac{\sigma}{\sqrt{n}}}\) とおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従います。
\(m-a\leq \overline{X}\leq m+a\) の各辺から \(m\) を引いて \(\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\) で割ると、\(Z\) の範囲に書きかえられます。
\(\begin{aligned}P(m-a\leq \overline{X}\leq m+a)&=P\left(-\tfrac{a\sqrt{n}}{\sigma}\leq Z\leq \tfrac{a\sqrt{n}}{\sigma}\right)\\[8pt]&=2P\left(0\leq Z\leq \tfrac{a\sqrt{n}}{\sigma}\right)=0.95\end{aligned}\)
よって、 \(P\left(0\leq Z\leq \frac{a\sqrt{n}}{\sigma}\right)=0.475\) です。
正規分布表で0.4750となる \(u\) を探すと、\(u=1.96\) です。
\(\begin{array}{c|ccc} u & 5 & 6 & 7 \\ \hline 1.8 & 0.4678 & 0.4686 & 0.4693 \\ 1.9 & 0.4744 & \color{#EE4656}{0.4750} & 0.4756 \\ 2.0 & 0.4798 & 0.4803 & 0.4808 \end{array}\)
したがって、 \(\frac{a\sqrt{n}}{\sigma}=1.96\) より、 \(a=\color{#EE4656}{1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}}\) となります。
これで、信頼度95%の信頼区間が \(\left[\overline{X}-1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\ \overline{X}+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\right]\) になることが分かりました。
信頼区間を求めよう
大量に生産されたある製品の中から、400個を無作為抽出して重さを量ったところ、平均値98.8g、標準偏差2.0gであった。この製品の重さの平均値を、信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
標本の値を確認する
標本の大きさは \(n=400\)、標本平均は \(\overline{X}=\color{#3CB371}{98.8}\)、標本標準偏差は \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{2.0}\) です。
400は十分大きいので、母標準偏差の代わりに \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{2.0}\) を使います。
誤差の幅を求める
\(1.96\times\frac{\color{#F39800}{2.0}}{\sqrt{400}}=1.96\times\frac{2.0}{20}=0.196\)
信頼区間を求める
標本平均 \(\color{#3CB371}{98.8}\) から左右に0.196の幅をとると、信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{98.8}-0.196,\ \color{#3CB371}{98.8}+0.196]\\[8pt]&=[98.604,\ 98.996]\end{aligned}\)
となります。小数第2位を四捨五入すると、 \([98.6,\ 99.0]\) です。
つまり、この製品の重さの平均値は、信頼度95%で98.6g以上99.0g以下と推定できます。

平均値を1つの数ではなく、幅で答えるんですね!

そうだね!公式の \(\overline{X}\)、\(\sigma\)(または \(s\))、\(n\) に何が入るかを確認してから代入しよう!
練習問題
大量に生産されたある製品の中から、100個を無作為抽出して長さを測ったところ、平均値103.4cm、標準偏差1.5cmであった。この製品の長さの平均値を、信頼度95%で推定せよ。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
答えを見る
標本の大きさは \(n=100\)、標本平均は \(\overline{X}=\color{#3CB371}{103.4}\)、標本標準偏差は \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{1.5}\) である。
100は十分大きいから、母標準偏差の代わりに \(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{1.5}\) を用いると、
\(1.96\times\frac{\color{#F39800}{1.5}}{\sqrt{100}}=1.96\times 0.15=0.294\)
よって、信頼度95%の信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{103.4}-0.294,\ \color{#3CB371}{103.4}+0.294]\\[8pt]&=[103.106,\ 103.694]\end{aligned}\)
小数第2位を四捨五入して \([103.1,\ 103.7]\)
標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従う確率変数 \(Z\) について、\(P(|Z|\leq 2.58)\approx 0.99\) が成り立つ。よって、信頼度95%のときと同様に考えることにより、母平均 \(m\) に対する信頼度99%の信頼区間は
\(\left[\overline{X}-2.58\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\ \overline{X}+2.58\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\right]\)
となる。このことを利用して、練習1の製品の長さの平均値を、信頼度99%で推定せよ。ただし、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めよ。
答えを見る
練習1と同じく、\(n=100\)、\(\overline{X}=\color{#3CB371}{103.4}\)、\(\color{#F39800}{s}=\color{#F39800}{1.5}\) であるから、
\(2.58\times\frac{\color{#F39800}{1.5}}{\sqrt{100}}=2.58\times 0.15=0.387\)
よって、信頼度99%の信頼区間は
\(\begin{aligned}&[\color{#3CB371}{103.4}-0.387,\ \color{#3CB371}{103.4}+0.387]\\[8pt]&=[103.013,\ 103.787]\end{aligned}\)
小数第2位を四捨五入して \([103.0,\ 103.8]\)
まとめ:母平均の推定

さて、今回のまとめだよ!
■ 信頼区間
母集団の情報がある確率で収まると考えられる範囲を信頼区間という。
■ 母平均の推定
母平均 \(m\) に対する信頼度95%の信頼区間は
\(\left[\overline{X}-1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}},\ \overline{X}+1.96\times\frac{\sigma}{\sqrt{n}}\right]\)
\(\overline{X}\):標本平均 \(n\):標本の大きさ \(\sigma\):母標準偏差
■ 注意
信頼度95%とは、同じ手順で区間を何度も作ると、そのうち95%の区間が \(m\) を含むという意味である。
\(n\) が大きいとき、\(\sigma\) の代わりに標本標準偏差 \(\color{#F39800}{s}\) を用いてよい。

また一つ賢くなった!

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!






コメント