
今日の板書はこれ!
確率変数 試行の結果によって値が定まる変数
確率分布 確率変数 \(X\) のとりうる値 \(x_k\) と、\(X=x_k\) となる確率 \(p_k\) の対応関係
\(\begin{array}{c|cccc|c} X & x_1 & x_2 & \cdots & x_n & \text{計} \\ \hline P & p_1 & p_2 & \cdots & p_n & 1 \end{array}\)
\(p_k\geq 0\) \((k=1,\ 2,\ \cdots,\ n)\)
確率の総和は1 \(\color{#E9548E}{p_1+p_2+\cdots+p_n=1}\)
2個のさいころを同時に投げて、出る目の和を \(X\) とするとき、\(X\) の確率分布を求めよ。また、確率 \(P(7\leq X\leq 9)\) を求めよ。
▼ 解答
\(X\) の確率分布は次の表のようになる。
\(\begin{array}{c|ccccccccccc|c} X & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 & 11 & 12 & \text{計} \\ \hline P & \frac{1}{36} & \frac{2}{36} & \frac{3}{36} & \frac{4}{36} & \frac{5}{36} & \color{#45A3DA}{\frac{6}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{5}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{4}{36}} & \frac{3}{36} & \frac{2}{36} & \frac{1}{36} & 1 \end{array}\)
よって
\(P(7\leq X\leq 9)\)
\(=\color{#45A3DA}{\frac{6}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{5}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{4}{36}}\)
\(=\frac{15}{36}\)
\(=\frac{5}{12}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
確率変数と確率分布とは?

今回から数学Bの「確率分布」に入るよ!数学Aで学んだ確率を、「値」と「その値になる確率」の組で整理していくんだ。

「確率変数」って、ふつうの変数とどう違うんですか?

ふつうの変数は自分で値を決めるけど、確率変数は試行をしてみるまで値が決まらないんだ。さいころで考えてみよう!
確率変数:結果によって値が決まる変数
たとえば、1個のさいころを投げて出る目を \(X\) とします。
投げる前は \(X\) がいくつになるか分かりませんが、投げると \(X\) は 1, 2, 3, 4, 5, 6 のどれか1つに決まります。
このように、試行の結果によって値が定まる変数を 確率変数 といいます。
さらに、\(X\) がそれぞれの値をとる確率も決まっています。
さいころの目はどれも同じ確からしさで出るので、
\(P(X=k)=\frac{1}{6}\) \((k=1,\ 2,\ \cdots,\ 6)\)
となります。
ここで \(P(X=k)\) は、「\(X=k\) となる確率」を表す記号です。
確率分布:値と確率の対応を表にする
確率変数 \(X\) のとりうる値と、その値をとる確率との対応関係を 確率分布 といいます。
確率分布は、ふつう次のような表で表します。
\(\begin{array}{c|cccccc|c} X & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & \text{計} \\ \hline P & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & \frac{1}{6} & 1 \end{array}\)
一般に、\(X\) のとりうる値を \(x_1,\ x_2,\ \cdots,\ x_n\)、それぞれの値をとる確率を \(p_1,\ p_2,\ \cdots,\ p_n\) とすると、確率分布の表は次のようになります。
\(\begin{array}{c|cccc|c} X & x_1 & x_2 & \cdots & x_n & \text{計} \\ \hline P & p_1 & p_2 & \cdots & p_n & 1 \end{array}\)
確率分布の2つの性質

確率分布の表には、いつでも成り立つ性質が2つあるよ!
1つ目は、確率は 0 以上であることです。
\(p_k\geq 0\) \((k=1,\ 2,\ \cdots,\ n)\)
2つ目は、確率をすべて足すと 1 になることです。
\(\color{#E9548E}{p_1+p_2+\cdots+p_n=1}\)
\(X\) は、とりうる値のどれか1つに必ず決まります。
そのため、すべての確率を足したものは「必ず起こる事象」の確率になり、確率の総和は1 となります。
表の右端の「計」の欄が 1 になっているのは、このためです。

さいころの表でも、\(\frac{1}{6}\) を6個足すと 1 になっているね!表を作ったら、計が 1 になるかを必ず確かめよう。
例題1:2個のさいころの目の和
2個のさいころを同時に投げて、出る目の和を \(X\) とするとき、\(X\) の確率分布を求めよ。また、確率 \(P(7\leq X\leq 9)\) を求めよ。
X のとりうる値を調べよう

まずは、X がどんな値をとるのかを調べよう!
2個のさいころの目はそれぞれ 1 から 6 なので、和 \(X\) は最小で \(1+1=2\)、最大で \(6+6=12\) です。
つまり、\(X\) のとりうる値は 2, 3, 4, …, 12 の11個です。
それぞれの値になる確率を求めよう
2個のさいころの目の出方は、全部で \(6\times 6=36\) 通りあり、どれも同じ確からしさで起こります。
目の和を表にまとめると、次のようになります(縦が1個目の目、横が2個目の目です)。
\(\begin{array}{c|cccccc} + & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ \hline 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 \\ 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 \\ 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 \\ 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 \\ 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 & 11 \\ 6 & 7 & 8 & 9 & 10 & 11 & 12 \end{array}\)
たとえば、和が 7 になるのは、表の中の 7 を数えて 6 通りです。
なので、
\(P(X=7)=\frac{6}{36}\)
となります。
ほかの値についても同じように数えると、\(X\) の確率分布は次の表のようになります。
\(\begin{array}{c|ccccccccccc|c} X & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 10 & 11 & 12 & \text{計} \\ \hline P & \frac{1}{36} & \frac{2}{36} & \frac{3}{36} & \frac{4}{36} & \frac{5}{36} & \color{#45A3DA}{\frac{6}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{5}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{4}{36}} & \frac{3}{36} & \frac{2}{36} & \frac{1}{36} & 1 \end{array}\)
分子をすべて足すと \(1+2+3+4+5+6+5+4+3+2+1=36\) なので、計は \(\frac{36}{36}=1\) になっています。
確率を約分せずに分母を 36 にそろえておくと、計が 1 になるかを確かめやすくなります。
P(7≦X≦9) を求めよう
\(P(7\leq X\leq 9)\) は、「\(X\) が 7 以上 9 以下となる確率」です。
\(X\) は整数の値しかとらないので、\(7\leq X\leq 9\) となるのは \(X=7,\ 8,\ 9\) のときです。
そこで、表の \(X=7,\ 8,\ 9\) の確率を足します。
\(P(7\leq X\leq 9)\)
\(=\color{#45A3DA}{\frac{6}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{5}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{4}{36}}\)
\(=\frac{15}{36}\)
\(=\frac{5}{12}\)

確率分布の表ができていれば、範囲の確率は表の値を足すだけなんですね!

そうなんだ。「とりうる値」と「その確率」の表を作ることが、確率分布のスタートだよ!
練習問題

例題と同じように、とりうる値を調べてから表を作ろう!計が 1 になるかも確かめてね。
2個のさいころを同時に投げて、出る目の差の絶対値を \(Y\) とするとき、\(Y\) の確率分布を求めよ。また、確率 \(P(1\leq Y\leq 3)\) を求めよ。
答えを見る
目の出方は全部で \(6\times 6=36\) 通りある。
目の差の絶対値を表にまとめると、次のようになる(縦が1個目の目、横が2個目の目)。
\(\begin{array}{c|cccccc} \text{差} & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 6 \\ \hline 1 & 0 & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 \\ 2 & 1 & 0 & 1 & 2 & 3 & 4 \\ 3 & 2 & 1 & 0 & 1 & 2 & 3 \\ 4 & 3 & 2 & 1 & 0 & 1 & 2 \\ 5 & 4 & 3 & 2 & 1 & 0 & 1 \\ 6 & 5 & 4 & 3 & 2 & 1 & 0 \end{array}\)
\(Y\) のとりうる値は 0, 1, 2, 3, 4, 5 であり、\(Y\) の確率分布は次の表のようになる。
\(\begin{array}{c|cccccc|c} Y & 0 & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & \text{計} \\ \hline P & \frac{6}{36} & \color{#45A3DA}{\frac{10}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{8}{36}} & \color{#45A3DA}{\frac{6}{36}} & \frac{4}{36} & \frac{2}{36} & 1 \end{array}\)
よって
\(P(1\leq Y\leq 3)\)
\(=\color{#45A3DA}{\frac{10}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{8}{36}}+\color{#45A3DA}{\frac{6}{36}}\)
\(=\frac{24}{36}\)
\(=\frac{2}{3}\)
白玉2個、黒玉3個の入った袋から、3個の玉を同時に取り出すとき、出る白玉の個数を \(X\) とする。\(X\) の確率分布を求めよ。また、確率 \(P(X\geq 1)\) を求めよ。
答えを見る
玉の取り出し方は全部で \({}_5\mathrm{C}_3=10\) 通りある。
白玉は2個しかないので、\(X\) のとりうる値は 0, 1, 2 である。
\(X=0\) のとき、黒玉を3個取り出すので
\(P(X=0)=\frac{{}_3\mathrm{C}_3}{10}=\frac{1}{10}\)
\(X=1\) のとき、白玉1個と黒玉2個を取り出すので
\(P(X=1)=\frac{{}_2\mathrm{C}_1\times{}_3\mathrm{C}_2}{10}=\frac{6}{10}\)
\(X=2\) のとき、白玉2個と黒玉1個を取り出すので
\(P(X=2)=\frac{{}_2\mathrm{C}_2\times{}_3\mathrm{C}_1}{10}=\frac{3}{10}\)
よって、\(X\) の確率分布は次の表のようになる。
\(\begin{array}{c|ccc|c} X & 0 & 1 & 2 & \text{計} \\ \hline P & \frac{1}{10} & \color{#45A3DA}{\frac{6}{10}} & \color{#45A3DA}{\frac{3}{10}} & 1 \end{array}\)
また
\(P(X\geq 1)=P(X=1)+P(X=2)\)
\(=\color{#45A3DA}{\frac{6}{10}}+\color{#45A3DA}{\frac{3}{10}}\)
\(=\frac{9}{10}\)
まとめ:確率変数と確率分布

さて、今回のまとめだよ!
確率変数 試行の結果によって値が定まる変数
確率分布 確率変数 \(X\) のとりうる値 \(x_k\) と、\(X=x_k\) となる確率 \(p_k\) の対応関係
\(\begin{array}{c|cccc|c} X & x_1 & x_2 & \cdots & x_n & \text{計} \\ \hline P & p_1 & p_2 & \cdots & p_n & 1 \end{array}\)
\(p_k\geq 0\) \((k=1,\ 2,\ \cdots,\ n)\)
確率の総和は1 \(\color{#E9548E}{p_1+p_2+\cdots+p_n=1}\)
確率 \(P(a\leq X\leq b)\) は、\(a\leq X\leq b\) を満たす値の確率をすべて足して求める。

また一つ賢くなった!




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