【数学Ⅱ】積分12:(x+a)ⁿ の積分

(x+a)ⁿ の積分 積分
さん
さん

今日の板書はこれ!

(x+a)ⁿ の積分

\(n\) が正の整数のとき、次が成り立つ。

\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx\)

\(=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\:\:(C\) は積分定数)

例題1

放物線 \(y=x^2\) 上の点 \((1,\ 1)\) における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。


▼ 解答

\(y’=2x\) より、接線 \(\ell\) の傾きは

\(2\cdot 1=2\)

よって、接線 \(\ell\) の方程式は

\(y=2(x-1)+1\)

\(y=2x-1\)

\(0\leq x\leq 1\) で放物線が接線の上にあるので、

\(\color{#E9548E}{S}=\int_0^1\{\color{#EE4656}{x^2}-(\color{#45A3DA}{2x-1})\}\,dx\)

\(=\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)

\(=\int_0^1 (\color{#3CB371}{x-1})^2\,dx\)

\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x-1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)

\(=-\frac{1}{3}(0-1)^3\)

\(=\frac{1}{3}\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

(x+a)ⁿ の積分とは?

さん
さん

今回は、\((x+a)^n\) の形の関数を、展開しないでそのまま積分する方法を学ぶよ。

生徒
生徒

展開してから積分するのではダメなんですか?

さん
さん

もちろん展開してもできるよ。でも、かたまりのまま積分すると、計算がぐっと楽になることが多いんだ。

さん
さん

もとになるのは \(\int x^n\,dx\) の公式だよ。忘れていたら、こちらで復習してね。

∫xⁿ dx の公式と見比べよう

\((x+a)^n\) の積分は、すでに知っている \(\int x^n\,dx\) の公式と見比べると分かりやすくなります。

見比べよう

\(\int x^n\,dx=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}x^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)

↓ \(x\) をかたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) に置きかえる

\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)

(\(C\) は積分定数)

さん
さん

\(\int x^n\,dx\) は「指数を1つ上げて、その数で割る」だったね。\((x+a)^n\) でも、かたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) をばらさずに、そのまま同じことをすればいいんだ。

生徒
生徒

本当にそれで合っているんですか?

さん
さん

じゃあ、\(\int_0^1 (x+1)^2\,dx\) を、展開した場合と公式を使った場合の2通りで計算して、比べてみよう!

確かめよう①:展開して計算する

\((x+1)^2\) を展開してから積分します。

\(\int_0^1 (x+1)^2\,dx\)

\(=\int_0^1 (x^2+2x+1)\,dx\)

\(=\left[\frac{1}{3}x^3+x^2+x\right]_0^1\)

\(=\frac{1}{3}+1+1\)

\(=\frac{7}{3}\)

確かめよう②:公式を使って計算する

今度は、かたまり \(\color{#3CB371}{x+1}\) をばらさずに、公式を使って積分します。

\(\int_0^1 (\color{#3CB371}{x+1})^2\,dx\)

\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x+1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)

\(=\frac{1}{3}\cdot 2^3-\frac{1}{3}\cdot 1^3\)

\(=\frac{8}{3}-\frac{1}{3}\)

\(=\frac{7}{3}\)

どちらで計算しても、同じ \(\frac{7}{3}\) になりました。

さん
さん

公式を使えば展開しなくていいから、計算がぐっと楽になるね! \(x\) の代わりにかたまり \(\color{#3CB371}{x+1}\) が入っても、「指数を1つ上げて、その数で割る」はそのまま使えるんだ。

生徒
生徒

展開しなくても同じ答えになるなら、公式を使ったほうが楽ですね!

さん
さん

ただし、使えるのは \(x\) の係数が 1 の \((x+a)^n\) の形だけ。\((2x+1)^2\) のように \(x\) の係数が 1 でないときは、このままでは使えないので注意してね。

例題1:放物線と接線と y 軸で囲まれた部分の面積

例題1

放物線 \(y=x^2\) 上の点 \((1,\ 1)\) における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。

さん
さん

前回の「接線と面積」と同じ流れで解いていこう。今回は、最後の積分で今日の公式が活躍するよ!

接線の方程式を求めよう

\(y’=2x\) より、接線 \(\ell\) の傾きは \(2\cdot 1=2\) です。

よって、接線 \(\ell\) の方程式は \(y=2(x-1)+1\) より \(y=2x-1\) となります。

どちらが上かを確かめよう

囲まれた部分は、\(y\) 軸(\(x=0\))から接点(\(x=1\))までの範囲です。

\(0\leq x\leq 1\) では、放物線が接線の上にあります。

放物線と接線は、接点以外では交わらないので、放物線がずっと上にあります。

解いてみよう

\(\color{#E9548E}{S}=\int_0^1\{\color{#EE4656}{x^2}-(\color{#45A3DA}{2x-1})\}\,dx\)

\(=\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)

さん
さん

ここがポイント! \(x^2-2x+1\) は \((x-1)^2\) と因数分解できるね。放物線と接線の差は、接点の \(x\) 座標を \(a\) とすると \((x-a)^2\) の形になるんだ。

\(=\int_0^1 (\color{#3CB371}{x-1})^2\,dx\)

\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x-1})^{\color{#F39800}{3}}\right]_0^1\)

\(=\frac{1}{3}(1-1)^3-\frac{1}{3}(0-1)^3\)

\(=0-\frac{1}{3}\cdot(-1)\)

\(=\frac{1}{3}\)

さん
さん

上端の \(x=1\) を代入すると、かたまり \(\color{#3CB371}{x-1}\) が 0 になって、項がまるごと消えるよね。これがかたまりのまま積分するいちばんのメリットだよ。

展開して計算した場合と比べてみよう

展開したまま積分すると、次のようになります。

\(\int_0^1 (x^2-2x+1)\,dx\)

\(=\left[\frac{1}{3}x^3-x^2+x\right]_0^1\)

\(=\frac{1}{3}-1+1\)

\(=\frac{1}{3}\)

答えは同じですが、展開すると項が3つになり、代入する数も増えます。

接点の \(x\) 座標が負の数や分数になると、展開した式に代入する計算は大変になりますが、かたまりのまま積分すれば、接点を代入した項は 0 になって消えます。

生徒
生徒

代入したら 0 になって消えるの、気持ちいいですね!

練習問題

さん
さん

まず接線を求めて、引き算した式がかたまりの2乗になることを確かめよう!

練習1

放物線 \(y=x^2-x+2\) 上の \(x\) 座標が \(-2\) である点における接線を \(\ell\) とする。放物線 \(y=x^2-x+2\) と接線 \(\ell\) および \(y\) 軸で囲まれた部分の面積 \(S\) を求めよ。

答えを見る

\(x=-2\) のとき \(y=(-2)^2-(-2)+2=8\) より、接点は \((-2,\ 8)\)

\(y’=2x-1\) より、接線の傾きは \(2\cdot(-2)-1=-5\)

よって、接線 \(\ell\) の方程式は \(y=-5(x+2)+8\) より \(y=-5x-2\)

\(-2\leq x\leq 0\) で放物線が接線の上にあるので、

\(\color{#E9548E}{S}=\int_{-2}^0\{(\color{#EE4656}{x^2-x+2})-(\color{#45A3DA}{-5x-2})\}\,dx\)

\(=\int_{-2}^0 (x^2+4x+4)\,dx\)

\(=\int_{-2}^0 (\color{#3CB371}{x+2})^2\,dx\)

\(=\left[\color{#F39800}{\frac{1}{3}}(\color{#3CB371}{x+2})^{\color{#F39800}{3}}\right]_{-2}^0\)

\(=\frac{1}{3}\cdot 2^3-\frac{1}{3}\cdot 0^3\)

\(=\frac{8}{3}\)

まとめ:(x+a)ⁿ の積分

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

(x+a)ⁿ の積分

\(n\) が正の整数のとき、次が成り立つ。

\(\int (\color{#3CB371}{x+a})^n\,dx\)

\(=\color{#F39800}{\frac{1}{n+1}}(\color{#3CB371}{x+a})^{\color{#F39800}{n+1}}+C\)

(\(C\) は積分定数)

  • \(\int x^n\,dx\) の \(x\) を、かたまり \(\color{#3CB371}{x+a}\) に置きかえた形である。
  • \(x\) の係数が 1 の形 \((x+a)^n\) にだけ使える。
  • 放物線と接線で囲まれた部分の面積では、(上の関数)−(下の関数)が \((\color{#3CB371}{x-a})^2\) の形(\(a\) は接点の \(x\) 座標)になる。展開せずに、かたまりのまま積分する。
  • 接点の \(x\) 座標を代入すると \(\color{#3CB371}{x-a}=0\) となり、その項が消えるので計算が楽になる。
生徒
生徒

また一つ賢くなった!

↑前の記事↑

↑単元のまとめ↑

コメント