
今日の板書はこれ!
■ 条件の否定
条件 \(p\) に対して、「\(p\) でない」という条件を \(p\) の否定といい、\(\overline{p}\) で表す。
■ 否定と補集合
条件 \(p\) を満たすもの全体の集合を \(P\) とすると、\(\overline{p}\) を満たすもの全体の集合は補集合 \(\overline{P}\) である。
■ ド・モルガンの法則
「\(p\) かつ \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) または \(\overline{q}\)
「\(p\) または \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) かつ \(\overline{q}\)
■ 集合で表すと
\(\overline{P\cap Q}=\overline{P}\cup \overline{Q}\) \(\overline{P\cup Q}=\overline{P}\cap \overline{Q}\)
\(x\),\(y\) は実数とする。次の条件の否定を述べよ。
(1) \(x\) は有理数である
(2) \(x>0\)
(3) \(x=0\) かつ \(y=0\)
(4) \(x>0\) または \(y>0\)
(5) \(x\),\(y\) の少なくとも一方は有理数である
▼ 解答
(1) \(x\) は無理数である
(2) \(x\leq 0\)
(3) \(x\neq 0\) または \(y\neq 0\)
(4) \(x\leq 0\) かつ \(y\leq 0\)
(5) \(x\),\(y\) はともに無理数である

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!
「〜でない」をどう言いかえる?
\(x\),\(y\) は実数とする。次の条件の否定を述べよ。
(1) \(x\) は有理数である
(2) \(x>0\)
(3) \(x=0\) かつ \(y=0\)
(4) \(x>0\) または \(y>0\)
(5) \(x\),\(y\) の少なくとも一方は有理数である

「〜でない」を付けるだけじゃダメなんですか?

「でない」を付けるだけでも間違いではないけど、言いかえた形で答えられるようにしよう!特に「かつ」と「または」が出てきたら要注意だよ。
条件の否定とは?
条件 \(p\) に対して、「\(p\) でない」という条件を \(p\) の否定といい、\(\overline{p}\) と書いて「\(p\) バー」と読みます。
たとえば、実数 \(x\) についての条件「\(x\geq 3\)」の否定は「\(x\geq 3\) でない」です。
\(x\geq 3\) でない実数とは、3より小さい実数のことなので、言いかえると「\(x<3\)」になります。
条件「\(x\geq 3\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(x<3\)

境目の \(x=3\) は「\(x\geq 3\)」に入っているので、否定の側には入りません。
このように、否定をとると「=」を含むかどうかも入れかわることに注意しましょう。

「以上」の否定は「より小さい(未満)」、「より大きい」の否定は「以下」だよ。境目がどっちに入るかを必ず確認しよう!
集合で見ると
条件 \(p\) を満たすもの全体の集合を \(P\) とします。
\(\overline{p}\) を満たすものは \(P\) に入らないもの全部なので、その集合は全体集合 \(U\) における \(P\) の補集合 \(\overline{P}\) です。

つまり、条件の否定は、集合でいうと補集合にあたります。
「かつ」「または」の否定
次に、「かつ」や「または」でつながった条件の否定を考えます。
たとえば、実数 \(x\) についての条件「\(x>1\) かつ \(x<5\)」は、\(1<x<5\) のことです。
これが成り立たないのは、\(x\) が1以下のときか、5以上のときです。
「\(x>1\) かつ \(x<5\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(x\leq 1\) または \(x\geq 5\)

\(x>1\) と \(x<5\) をそれぞれ否定すると \(x\leq 1\),\(x\geq 5\) になり、それが「または」でつながっています。
反対に、「\(x<-2\) または \(x>2\)」の否定を考えてみましょう。
これが成り立たないのは、\(x\) が \(-2\) 以上で、しかも2以下のときです。
「\(x<-2\) または \(x>2\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(x\geq -2\) かつ \(x\leq 2\)
今度は、それぞれを否定した条件が「かつ」でつながっています。
まとめると、次のようになります。
これをド・モルガンの法則といいます。
「\(p\) かつ \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) または \(\overline{q}\)
「\(p\) または \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) かつ \(\overline{q}\)

否定すると、それぞれの条件を否定して、「かつ」と「または」を入れかえると覚えよう!
2つの条件 \(p\),\(q\) が成り立つかどうかの組み合わせは、次の4通りです。
① \(p\) が成り立つ かつ \(q\) が成り立つ
② \(p\) が成り立つ かつ \(q\) が成り立たない
③ \(p\) が成り立たない かつ \(q\) が成り立つ
④ \(p\) が成り立たない かつ \(q\) が成り立たない
「\(p\) かつ \(q\)」が成り立つのは①だけなので、その否定は②・③・④のどれかになることです。
②・③・④は、どれも「\(p\) と \(q\) の少なくとも一方が成り立たない」場合です。
これは「\(\overline{p}\) または \(\overline{q}\)」と同じ意味なので、「かつ」の否定は「または」になります。
同じように、「\(p\) または \(q\)」が成り立たないのは④だけで、これは「\(\overline{p}\) かつ \(\overline{q}\)」です。
集合で見ると
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合をそれぞれ \(P\),\(Q\) とすると、「かつ」は共通部分 \(\cap \)、「または」は和集合 \(\cup \) にあたります。
なので、ド・モルガンの法則は集合では次のように表せます。
\(\overline{P\cap Q}=\overline{P}\cup \overline{Q}\)

\(\overline{P\cup Q}=\overline{P}\cap \overline{Q}\)

色を塗った部分が、それぞれの否定を満たす範囲です。
最初の問題を解こう
\(x\),\(y\) は実数とする。次の条件の否定を述べよ。
(1) \(x\) は有理数である
(2) \(x>0\)
(3) \(x=0\) かつ \(y=0\)
(4) \(x>0\) または \(y>0\)
(5) \(x\),\(y\) の少なくとも一方は有理数である
(1) 実数は、有理数か無理数のどちらかです。
なので、「\(x\) は有理数である」の否定は「\(x\) は有理数でない」、つまり\(x\) は無理数であるとなります。
(2) \(x>0\) でない実数は、0以下の実数です。
よって、否定は \(x\leq 0\) です。
境目の \(x=0\) は \(x>0\) に入っていないので、否定の側に入ることに注意しましょう。
(3) ド・モルガンの法則より、それぞれの条件を否定して、「かつ」を「または」に入れかえます。
よって、否定は \(x\neq 0\) または \(y\neq 0\) です。
(4) 同じように、それぞれの条件を否定して、「または」を「かつ」に入れかえます。
よって、否定は \(x\leq 0\) かつ \(y\leq 0\) です。
(5) 「\(x\),\(y\) の少なくとも一方は有理数である」は、「\(x\) は有理数である または \(y\) は有理数である」と同じ意味です。
ド・モルガンの法則より、否定は「\(x\) は無理数である かつ \(y\) は無理数である」になります。
よって、否定は \(x\),\(y\) はともに無理数である です。
\(x\),\(y\) が有理数か無理数かの組み合わせは、次の4通りです。
① \(x\) が有理数、\(y\) が有理数
② \(x\) が有理数、\(y\) が無理数
③ \(x\) が無理数、\(y\) が有理数
④ \(x\) が無理数、\(y\) が無理数
「少なくとも一方は有理数」にあたるのは①・②・③です。
残りは④だけなので、否定は「\(x\),\(y\) はともに無理数である」になります。

「少なくとも一方」の否定は「ともに」になるんですね!

そうだね!「少なくとも一方」は「または」、「ともに」は「かつ」と同じ意味だと考えるとわかりやすいよ。
練習問題
\(n\) は自然数とする。次の条件の否定を述べよ。
(1) \(n\) は偶数である
(2) \(n\) は5より小さい
答えを見る
(1) 自然数は偶数か奇数のどちらかである。
よって \(n\) は奇数である
(2) 「\(n<5\)」の否定は「\(n\geq 5\)」である。
よって \(n\) は5以上である
\(x\),\(y\) は実数とする。次の条件の否定を述べよ。
(1) \(x\geq 0\) かつ \(y\geq 0\)
(2) \(x=0\) または \(y=0\)
(3) \(x\),\(y\) はともに有理数である
答えを見る
(1) それぞれを否定し、「かつ」を「または」に入れかえる。
よって \(x<0\) または \(y<0\)
(2) それぞれを否定し、「または」を「かつ」に入れかえる。
よって \(x\neq 0\) かつ \(y\neq 0\)
(3) 「\(x\) は有理数である かつ \(y\) は有理数である」の否定は「\(x\) は無理数である または \(y\) は無理数である」である。
よって \(x\),\(y\) の少なくとも一方は無理数である
まとめ:条件の否定

さて、今回のまとめだよ!
■ 条件の否定
条件 \(p\) に対して、「\(p\) でない」という条件を \(p\) の否定といい、\(\overline{p}\) で表す。
■ 否定と補集合
条件 \(p\) を満たすもの全体の集合を \(P\) とすると、\(\overline{p}\) を満たすもの全体の集合は補集合 \(\overline{P}\) である。
■ ド・モルガンの法則
「\(p\) かつ \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) または \(\overline{q}\)
「\(p\) または \(q\)」の否定 \(\Longleftrightarrow \) \(\overline{p}\) かつ \(\overline{q}\)
■ 集合で表すと
\(\overline{P\cap Q}=\overline{P}\cup \overline{Q}\) \(\overline{P\cup Q}=\overline{P}\cap \overline{Q}\)

また一つ賢くなった!

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!






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