
今日の板書はこれ!
■ 標本平均の分布
母平均 \(\color{#8E44AD}{m}\)、母標準偏差 \(\color{#F39800}{\sigma}\) の母集団から大きさ \(n\) の無作為標本を抽出するとき、\(n\) が十分大きければ、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に次の正規分布に従う。
\(N\left(\color{#8E44AD}{m},\ \frac{\color{#F39800}{\sigma}^2}{n}\right)\)
■ 標準化
次のようにおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従う。
\(Z=\frac{\overline{X}-\color{#8E44AD}{m}}{\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}}\)
母平均50、母標準偏差20の母集団から、大きさ100の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 \(\overline{X}\) が54より大きい値をとる確率を求めよ。
▼ 解答
母平均 \(\color{#8E44AD}{m}=50\)、母標準偏差 \(\color{#F39800}{\sigma}=20\)、標本の大きさ \(n=100\) であるから、
\(\sigma(\overline{X})=\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}=\frac{20}{\sqrt{100}}=\color{#F39800}{2}\)
100は十分大きいから、\(\overline{X}\) は近似的に正規分布 \(N(\color{#8E44AD}{50},\ \color{#F39800}{2}^2)\) に従う。
よって、\(Z=\frac{\overline{X}-\color{#8E44AD}{50}}{\color{#F39800}{2}}\) とおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従う。
\(\overline{X}=54\) のとき \(Z=\frac{54-50}{2}=\color{#EE4656}{2}\) であるから、
\(\begin{aligned}P(\overline{X}>54)&=P(Z>\color{#EE4656}{2})=0.5-p(2)\\[8pt]&=0.5-0.4772\color{#EE4656}{=0.0228}\end{aligned}\)

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勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!
標本平均が54より大きくなる確率は?
母平均50、母標準偏差20の母集団から、大きさ100の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 \(\overline{X}\) が54より大きい値をとる確率を求めよ。

標本平均が54より大きくなる確率って、どうやって求めるんですか?
標本平均の分布とは?

そのためには、標本平均がどんな分布に従うかを知る必要があるよ。実は、標本の大きさ \(n\) が十分大きいとき、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に正規分布に従うんだ!
正規分布は、平均と標準偏差が決まれば形が1つに決まります。
標本平均 \(\overline{X}\) の平均(期待値)と標準偏差は、前回の記事で求めたとおりです。
\(E(\overline{X})=\color{#8E44AD}{m}\) \(\sigma(\overline{X})=\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}\)
したがって、\(n\) が十分大きいとき、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に次の正規分布に従います。
\(N\left(\color{#8E44AD}{m},\ \frac{\color{#F39800}{\sigma}^2}{n}\right)\)

平均が m で、分散が σ²/n の正規分布なんですね!

そのとおり!ここまで分かれば、あとは正規分布のときと同じように、標準化して正規分布表を使えば確率が求められるよ!
母集団から大きさ \(n\) の標本を何度も取り出し、そのたびに標本平均 \(\overline{X}\) を計算して、値の分布を調べてみます。

図の母集団は左右対称ではありませんが、\(n\) を大きくしていくと、標本平均 \(\overline{X}\) の分布はだんだん左右対称の山の形に近づいていきます。
これは、いくつもの値の平均をとると、大きい値と小さい値が打ち消し合い、母平均 \(\color{#8E44AD}{m}\) に近い値が出やすくなるからです。
このように、母集団がどんな分布であっても、\(n\) が十分大きければ標本平均は近似的に正規分布に従います。
この性質を中心極限定理といいます。
また、図で \(n\) が大きいほど山の幅が細くなっているのは、標準偏差 \(\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}\) が小さくなるからです。
標準化して確率を求めよう
母平均50、母標準偏差20の母集団から、大きさ100の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 \(\overline{X}\) が54より大きい値をとる確率を求めよ。
標本平均が従う分布を求める
母平均は \(\color{#8E44AD}{m}=50\)、母標準偏差は \(\color{#F39800}{\sigma}=20\)、標本の大きさは \(n=100\) です。
標本平均の標準偏差は、 \(\sigma(\overline{X})=\frac{20}{\sqrt{100}}=\color{#F39800}{2}\) となります。
100は十分大きいので、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に正規分布 \(N(\color{#8E44AD}{50},\ \color{#F39800}{2}^2)\) に従います。

標準化する
正規分布表を使うために、平均50を引いて、標準偏差2で割ります。
\(Z=\frac{\overline{X}-\color{#8E44AD}{50}}{\color{#F39800}{2}}\)
とおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従います。
\(\overline{X}=54\) のとき、 \(Z=\frac{54-50}{2}=\color{#EE4656}{2}\) なので、\(P(\overline{X}>54)=P(Z>2)\) です。

正規分布表で確率を求める
正規分布表で \(u=2.00\) の値を読むと、\(p(2)=0.4772\) です。
\(\begin{array}{c|ccc} u & 0 & 1 & 2 \\ \hline 1.9 & 0.4713 & 0.4719 & 0.4726 \\ 2.0 & \color{#EE4656}{0.4772} & 0.4778 & 0.4783 \\ 2.1 & 0.4821 & 0.4826 & 0.4830 \end{array}\)
\(p(2)\) は \(0\leq Z\leq 2\) の確率で、山の右半分全体の確率は0.5なので、
\(P(Z>2)=0.5-p(2)=0.5-0.4772\color{#EE4656}{=0.0228}\)
となります。

標本平均の分布が分かれば、あとは正規分布の確率の求め方と同じですね!

そうだね!「平均」と「標準偏差」を σ/√n にするところだけ気をつけよう!
練習問題
母平均100、母標準偏差50の母集団から、大きさ400の無作為標本を抽出するとき、その標本平均 \(\overline{X}\) が96以上104以下の値をとる確率を求めよ。
答えを見る
母平均 \(\color{#8E44AD}{m}=100\)、母標準偏差 \(\color{#F39800}{\sigma}=50\)、標本の大きさ \(n=400\) であるから、
\(\sigma(\overline{X})=\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}=\frac{50}{\sqrt{400}}=\color{#F39800}{2.5}\)
400は十分大きいから、\(\overline{X}\) は近似的に正規分布 \(N(\color{#8E44AD}{100},\ \color{#F39800}{2.5}^2)\) に従う。
よって、\(Z=\frac{\overline{X}-\color{#8E44AD}{100}}{\color{#F39800}{2.5}}\) とおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従う。
\(\overline{X}=96\) のとき \(Z=\frac{96-100}{2.5}=\color{#EE4656}{-1.6}\)
\(\overline{X}=104\) のとき \(Z=\frac{104-100}{2.5}=\color{#EE4656}{1.6}\)
したがって、
\(\begin{aligned}P(96\leq\overline{X}\leq 104)&=P(\color{#EE4656}{-1.6}\leq Z\leq\color{#EE4656}{1.6})\\[8pt]&=2p(1.6)=2\times 0.4452\\[8pt]&\color{#EE4656}{=0.8904}\end{aligned}\)
まとめ:標本平均の分布

さて、今回のまとめだよ!
■ 標本平均の分布
母平均 \(\color{#8E44AD}{m}\)、母標準偏差 \(\color{#F39800}{\sigma}\) の母集団から大きさ \(n\) の無作為標本を抽出するとき、\(n\) が十分大きければ、標本平均 \(\overline{X}\) は近似的に次の正規分布に従う。
\(N\left(\color{#8E44AD}{m},\ \frac{\color{#F39800}{\sigma}^2}{n}\right)\)
■ 標準化
次のようにおくと、\(Z\) は近似的に標準正規分布 \(N(0,\ 1)\) に従う。
\(Z=\frac{\overline{X}-\color{#8E44AD}{m}}{\frac{\color{#F39800}{\sigma}}{\sqrt{n}}}\)

また一つ賢くなった!

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!







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