【数学Ⅰ】集合と命題05:命題の真偽と反例

命題の真偽と反例 集合と命題
さん
さん

今日の板書はこれ!

命題の真偽と反例

■ 命題
正しい(真)か正しくない(偽)かが明確に定まる文章や式を命題という。
例:「10000は100より大きい」は真の命題、「10000は1億より大きい」は偽の命題、「10000は大きい数である」は命題ではない。

■ 条件
変数によって真偽が変わる文章や式を条件という。
例:「\(x\) は偶数」は \(x=2\) のとき真、\(x=3\) のとき偽であるから、\(x\) に関する条件である。

■ 仮定と結論
2つの条件 \(p\),\(q\) についての命題「\(p\Longrightarrow q\)」(\(p\) ならば \(q\))において、\(p\) を仮定、\(q\) を結論という。

■ 真偽と反例
「\(p\) であるとき常に \(q\)」であってはじめて「\(p\Longrightarrow q\) は真」といえる。
\(p\) であるのに \(q\) でないもの(反例)が1つでもあれば偽である。
真偽を判断するときは、最初に反例がないかを考えてみるとよい。

■ 命題の真偽と集合
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合をそれぞれ \(P\),\(Q\) とすると
「\(p\Longrightarrow q\) が真」\(\Leftrightarrow P\subset Q\)

例題1

命題「自然数 \(n\) が4の倍数かつ6の倍数ならば、\(n\) は24の倍数である」の真偽を調べよ。


▼ 解答

\(n=12\) は4の倍数かつ6の倍数であるが、24の倍数ではない。

よって、この命題は偽である。(反例:\(n=12\))

例題2

次の命題はすべて偽である。反例をあげよ。
(1) 実数 \(a\) について、\(a^2>1\) ならば \(a>1\) である。
(2) 実数 \(a\) について、\(\sqrt{a^2}=a\) である。
(3) 実数 \(a\),\(b\) について、\(a>b\) ならば \(a^2>b^2\) である。
(4) 実数 \(a\),\(b\) について、\(a^2=b\) ならば \(a=b\) である。
(5) 整数 \(m\),\(n\) について、\(m+n\) が偶数ならば \(m\) と \(n\) は偶数である。
(6) 整数 \(m\),\(n\) について、\(m+n\) が偶数ならば \(mn\) も偶数である。
(7) \(x+y\),\(xy\) がともに有理数ならば、\(x\),\(y\) がともに有理数である。
(8) \(x+y\),\(xy\) がともに整数ならば、\(x\),\(y\) がともに整数である。
(9) 四角形において、対角線の長さが等しいならば長方形である。
(10) 実数 \(x\) に対して、\(|x|\leq 1\) ならば \(|x-2|>1\) である。


▼ 解答

(1) \(a=-2\)

(2) \(a=-1\)

(3) \(a=1\),\(b=-2\)

(4) \(a=2\),\(b=4\)

(5) \(m=1\),\(n=1\)

(6) \(m=1\),\(n=1\)

(7) \(x=\sqrt{2}\),\(y=-\sqrt{2}\)

(8) \(x=\sqrt{2}\),\(y=-\sqrt{2}\)

(9) 等脚台形

(10) \(x=1\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

さん
さん

勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!

「4の倍数かつ6の倍数ならば24の倍数」は正しい?

例題1

命題「自然数 \(n\) が4の倍数かつ6の倍数ならば、\(n\) は24の倍数である」の真偽を調べよ。

生徒
生徒

\(4\times 6=24\) だから、4の倍数で6の倍数なら24の倍数になりそうですけど…?

命題と条件とは?

さん
さん

まずは「正しいか正しくないか」を考えられる文の言葉から確認しよう!

正しい(真)か正しくない(偽)かが明確に定まる文章や式を命題といいます。

「10000は100より大きい」は正しいので真の命題、「10000は1億より大きい」は正しくないので偽の命題です。

一方、「10000は大きい数である」は、大きいかどうかが人や状況によって変わるので、命題ではありません。

また、「\(x\) は偶数」のように、\(x=2\) なら真、\(x=3\) なら偽と、変数によって真偽が変わる文章や式を条件といいます。

これは「\(x\) に関する条件」です。

仮定と結論

2つの条件 \(p\),\(q\) を使った「\(p\) ならば \(q\)」という命題を、記号で \(p\Longrightarrow q\) と書きます。

このとき、\(p\) をこの命題の仮定、\(q\) をこの命題の結論といいます。

例題1では、仮定 \(p\) が「自然数 \(n\) が4の倍数かつ6の倍数」、結論 \(q\) が「\(n\) は24の倍数」です。

命題の真偽と反例

命題 \(p\Longrightarrow q\) が真といえるのは、「\(p\) であるとき常に \(q\)」であるときだけです。

逆にいえば、\(p\) であるのに \(q\) でないものが1つでもあれば、その命題は偽です。

このような例を反例といいます。

さん
さん

だから真偽を判断するときは、最初に反例がないかを考えてみるのが有効なんだ!

例題1で、4の倍数かつ6の倍数である自然数を小さい順に調べると、12, 24, 36, … となります。

12は4の倍数でも6の倍数でもありますが、24の倍数ではありません。

つまり \(n=12\) が反例です。

よって、例題1の命題は 偽 です。

生徒
生徒

\(4\times 6=24\) だと思ったけど、4と6の最小公倍数は12なんですね!

命題「\(p\Longrightarrow q\)」は、「\(p\) を満たすものはどれでも必ず \(q\) を満たす」と主張しています。

「必ず」と言っている以上、例外が1つでもあれば、その主張は正しくありません。

たとえば「このクラスの生徒は全員メガネをかけている」という主張は、メガネをかけていない生徒が1人でもいれば間違いです。

何人がメガネをかけていても、1人の例外で崩れてしまいます。

逆に「真」であることを示すには、すべての場合で成り立つことを説明する必要があります。

いくつかの例で成り立っても、それだけでは真とはいえません。

命題の真偽と集合

命題の真偽は、集合を使って考えることもできます。

条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合を、それぞれ \(P\),\(Q\) とします。

「\(p\) ならば常に \(q\)」とは、\(P\) のすべての要素が \(Q\) の要素になっていることです。

つまり、\(P\) が \(Q\) に完全に含まれている(一致してもよい)ということです。

「\(p\Longrightarrow q\) が真」\(\Leftrightarrow P\subset Q\)

反対に、\(P\) が \(Q\) からはみ出していれば、そのはみ出した部分の要素が反例になり、命題は偽になります。

左はPがQにすっぽり入る図でp⇒qは真、右はPがQからはみ出し、はみ出した部分が反例になる図でp⇒qは偽

たとえば、実数 \(x\) について命題「\(x>3\) ならば \(x>1\)」を考えます。

\(P=\{x\mid x>3\}\),\(Q=\{x\mid x>1\}\) とすると、数直線で \(P\) は \(Q\) にすっぽり含まれるので \(P\subset Q\) です。

よって、この命題は 真 です。

反例を見つけよう

例題2

次の命題はすべて偽である。反例をあげよ。
(1) 実数 \(a\) について、\(a^2>1\) ならば \(a>1\) である。
(2) 実数 \(a\) について、\(\sqrt{a^2}=a\) である。
(3) 実数 \(a\),\(b\) について、\(a>b\) ならば \(a^2>b^2\) である。
(4) 実数 \(a\),\(b\) について、\(a^2=b\) ならば \(a=b\) である。
(5) 整数 \(m\),\(n\) について、\(m+n\) が偶数ならば \(m\) と \(n\) は偶数である。
(6) 整数 \(m\),\(n\) について、\(m+n\) が偶数ならば \(mn\) も偶数である。
(7) \(x+y\),\(xy\) がともに有理数ならば、\(x\),\(y\) がともに有理数である。
(8) \(x+y\),\(xy\) がともに整数ならば、\(x\),\(y\) がともに整数である。
(9) 四角形において、対角線の長さが等しいならば長方形である。
(10) 実数 \(x\) に対して、\(|x|\leq 1\) ならば \(|x-2|>1\) である。

さん
さん

どれも「仮定は満たすのに、結論は満たさない」ものを1つ探せばいいんだ。負の数や0、無理数など、つい見落としがちな数を試してみよう!

(1) 反例は \(a=-2\) です。\(a^2=4>1\) ですが、\(a>1\) ではありません。

(2) 反例は \(a=-1\) です。\(\sqrt{(-1)^2}=1\) であり、\(-1\) と等しくありません。

(3) 反例は \(a=1\),\(b=-2\) です。\(a>b\) ですが、\(a^2=1\),\(b^2=4\) より \(a^2>b^2\) ではありません。

(4) 反例は \(a=2\),\(b=4\) です。\(a^2=4=b\) ですが、\(a\neq b\) です。

(5) 反例は \(m=1\),\(n=1\) です。\(m+n=2\) は偶数ですが、\(m\),\(n\) は奇数です。

(6) 反例は \(m=1\),\(n=1\) です。\(m+n=2\) は偶数ですが、\(mn=1\) は奇数です。

(7) 反例は \(x=\sqrt{2}\),\(y=-\sqrt{2}\) です。\(x+y=0\),\(xy=-2\) は有理数ですが、\(x\),\(y\) は無理数です。

(8) 反例は \(x=\sqrt{2}\),\(y=-\sqrt{2}\) です。\(x+y=0\),\(xy=-2\) は整数ですが、\(x\),\(y\) は整数ではありません。

(9) 反例は 等脚台形 です。等脚台形は対角線の長さが等しいが、長方形ではありません。

(10) 反例は \(x=1\) です。\(|1|\leq 1\) ですが、\(|1-2|=1\) より \(|x-2|>1\) ではありません。

(1)(2)(3) は負の数、(7)(8) は無理数で反例が見つかります。

「正の数」や「有理数」だけを思い浮かべていると、反例を見落としやすいので注意しましょう。

練習問題

練習1

次の命題の真偽を述べよ。

(1) \(\sqrt{2}+\sqrt{3}=\sqrt{5}\) である。

(2) 実数 \(-1\) について \((-1)^2\geq 0\) である。

答えを見る

(1) \((\sqrt{2}+\sqrt{3})^2=5+2\sqrt{6}\),\((\sqrt{5})^2=5\) で等しくないから 偽

(2) \((-1)^2=1\geq 0\) であるから 真

練習2

次の条件 \(p\),\(q\) について、命題 \(p\Longrightarrow q\) の真偽を集合を用いて調べよ。

(1) 実数 \(x\) に関する2つの条件 \(p:x\leq 2\),\(q:x\leq 4\)

(2) 自然数 \(m\) に関する2つの条件 \(p:m\) は12の正の約数,\(q:m\) は24の正の約数

答えを見る

(1) \(P=\{x\mid x\leq 2\}\),\(Q=\{x\mid x\leq 4\}\) とすると、\(P\subset Q\) であるから 真

(2) \(P=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 12\}\),\(Q=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 6,\ 8,\ 12,\ 24\}\) とすると、\(P\subset Q\) であるから 真

練習3

\(n\) は自然数とする。次の命題が偽であることを示せ。

(1) \(n\) が奇数ならば、\(n\) は素数である。

(2) \(n\) が素数ならば、\(n\) は奇数である。

答えを見る

(1) \(n=9\) は奇数であるが、\(9=3\times 3\) より素数ではない。よって偽である。(反例:\(n=9\))

(2) \(n=2\) は素数であるが、奇数ではない。よって偽である。(反例:\(n=2\))

まとめ:命題の真偽と反例

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

命題の真偽と反例

■ 命題
正しい(真)か正しくない(偽)かが明確に定まる文章や式を命題という。
例:「10000は100より大きい」は真の命題、「10000は1億より大きい」は偽の命題、「10000は大きい数である」は命題ではない。

■ 条件
変数によって真偽が変わる文章や式を条件という。
例:「\(x\) は偶数」は \(x=2\) のとき真、\(x=3\) のとき偽であるから、\(x\) に関する条件である。

■ 仮定と結論
2つの条件 \(p\),\(q\) についての命題「\(p\Longrightarrow q\)」(\(p\) ならば \(q\))において、\(p\) を仮定、\(q\) を結論という。

■ 真偽と反例
「\(p\) であるとき常に \(q\)」であってはじめて「\(p\Longrightarrow q\) は真」といえる。
\(p\) であるのに \(q\) でないもの(反例)が1つでもあれば偽である。
真偽を判断するときは、最初に反例がないかを考えてみるとよい。

■ 命題の真偽と集合
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合をそれぞれ \(P\),\(Q\) とすると
「\(p\Longrightarrow q\) が真」\(\Leftrightarrow P\subset Q\)

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

さん
さん

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!

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