
今日の板書はこれ!
計算のコツ① 分母が同じ分数どうしをまとめて計算すると楽である。
計算のコツ② 積の形は展開して和の形にしてから積分する。
次の定積分を求めよ。
(1) \(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
(2) \(\int_0^1 (t-2)(t+4)\,dt\)
▼ 解答
(1) \(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
\(=\left[\frac{1}{3}x^3-\frac{5}{2}x^2+4x\right]_{-1}^2\)
\(=\left(\frac{8}{3}-\frac{20}{2}+8\right)-\left(-\frac{1}{3}-\frac{5}{2}-4\right)\)
\(=\left(\frac{8}{3}+\frac{1}{3}\right)+\left(-\frac{20}{2}+\frac{5}{2}\right)+(8+4)\)
\(=3-\frac{15}{2}+12=\)\(\frac{15}{2}\)
別解 項ごとに係数を外に出すと、
\(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
\(=\frac{1}{3}\left[x^3\right]_{-1}^2-\frac{5}{2}\left[x^2\right]_{-1}^2\)
\(\quad +4\left[x\right]_{-1}^2\)
\(=\frac{1}{3}\{2^3-(-1)^3\}-\frac{5}{2}\{2^2-(-1)^2\}\)
\(\quad +4\{2-(-1)\}\)
\(=\frac{1}{3}\cdot 9-\frac{5}{2}\cdot 3+4\cdot 3\)
\(=3-\frac{15}{2}+12=\)\(\frac{15}{2}\)
(2) \(\int_0^1 (t-2)(t+4)\,dt\)
\(=\int_0^1 (t^2+2t-8)\,dt\)
\(=\left[\frac{1}{3}t^3+t^2-8t\right]_0^1\)
\(=\left(\frac{1}{3}+1-8\right)-0=\)\(-\frac{20}{3}\)

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現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
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定積分の計算とは?

前回は定積分の定義を学んだね。今回は、いろいろな多項式の定積分をミスなく速く計算するコツを身につけよう!
定積分の定義に不安がある人は、先にこちらで確認しておきましょう。
定積分は「原始関数を求める」→「上端を代入した値から下端を代入した値を引く」という手順で計算します。
手順そのものは単純ですが、多項式になると分数やマイナスがたくさん出てくるので、計算ミスが起こりやすくなります。

たしかに、代入したあとの分数の計算でよく間違えます……。

そこで今回は、計算を楽にする2つのコツを紹介するよ。
コツ①:分母が同じ分数どうしでまとめる(具体例)
まずは \(\int_1^2 (x^2+x)\,dx\) で考えてみます。
原始関数は \(\frac{1}{3}x^3+\frac{1}{2}x^2\) なので、上端 2 と下端 1 を代入すると次のようになります。
\(\left(\frac{8}{3}+\frac{4}{2}\right)-\left(\frac{1}{3}+\frac{1}{2}\right)\)
このまま左のかっこから順に通分すると、分母が 3 と 2 の分数が混ざって計算が大変です。
そこで、分母が 3 のものどうし、分母が 2 のものどうしを先に組み合わせます。
\(\left(\frac{8}{3}-\frac{1}{3}\right)+\left(\frac{4}{2}-\frac{1}{2}\right)\)
\(=\frac{7}{3}+\frac{3}{2}=\frac{23}{6}\)

同じ分母どうしなら、分子を引くだけでいいんですね!

そう!通分は最後に1回だけで済むから、ミスがぐっと減るよ。
コツ①を一般化する
いまの計算は、「\(x^3\) の項は \(x^3\) の項どうし」「\(x^2\) の項は \(x^2\) の項どうし」で引き算をしたことになります。
つまり、各項の係数を外に出して、項ごとに「上端を代入した値 − 下端を代入した値」を計算してもよいということです。
\(\int_a^b (px^2+qx+r)\,dx\)
\(=\frac{p}{3}(b^3-a^3)+\frac{q}{2}(b^2-a^2)\)
\(\quad +r(b-a)\)
この形で計算すると、係数の分数が最初から外に出ているので、同じ分母の分数が自然にまとまります。

この「係数を外に出して項ごとに計算する」やり方が成り立つ理由は、次回の「定積分の性質」でくわしく扱うよ。
コツ②:積の形は展開してから(具体例)
次に、\(\int_0^1 x\cdot x\,dx\) を考えてみます。
\(x\cdot x=x^2\) なので、正しい値は \(\left[\frac{1}{3}x^3\right]_0^1=\frac{1}{3}\) です。
ところが、かけ算のそれぞれを別々に積分して \(\int_0^1 x\,dx\times\int_0^1 x\,dx\) とすると、\(\frac{1}{2}\times\frac{1}{2}=\frac{1}{4}\) となり、値が合いません。

えっ、別々に積分してかけてはダメなんですか!?

そうなんだ。積分には「かけ算のまま使える公式」がないんだよ。
コツ②を一般化する
一般に、\(\int_a^b f(x)g(x)\,dx\) は \(\int_a^b f(x)\,dx\times\int_a^b g(x)\,dx\) とは等しくなりません。
私たちが使える公式は、\(x^n\) の積分と、和・差・定数倍の計算だけです。
そのため、積の形の関数は、まず展開して和の形にしてから積分すると覚えておきましょう。
例題1(1):分数をまとめて計算しよう
次の定積分を求めよ。
(1) \(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
考え方

原始関数に 2 と −1 を代入すると、分母が 3 と 2 の分数がたくさん出てくるよ。コツ①を使おう!
原始関数は \(\frac{1}{3}x^3-\frac{5}{2}x^2+4x\) です。
上端 2 を代入した値から、下端 −1 を代入した値を引きます。
解いてみよう
\(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
\(=\left[\frac{1}{3}x^3-\frac{5}{2}x^2+4x\right]_{-1}^2\)
\(=\left(\frac{8}{3}-\frac{20}{2}+8\right)-\left(-\frac{1}{3}-\frac{5}{2}-4\right)\)
ここで、\(\frac{20}{2}\) をあえて 10 にしていないのがポイントです。
分母を 2 のままにしておくと、\(-\frac{5}{2}\) とまとめやすくなります。
分母が同じものどうしを組み合わせると、次のようになります。
\(=\left(\frac{8}{3}+\frac{1}{3}\right)+\left(-\frac{20}{2}+\frac{5}{2}\right)+(8+4)\)
\(=3-\frac{15}{2}+12=15-\frac{15}{2}\)
よって、答えは \(\frac{15}{2}\) です。

かっこを外すときのマイナスに気をつければ、あとは同じ分母どうしでまとめるだけですね!
別解:項ごとに係数を外に出す

コツ①の一般化で見た形を使うと、最初から分母ごとにまとまった式になるよ。
\(\int_{-1}^2 (x^2-5x+4)\,dx\)
\(=\frac{1}{3}\left[x^3\right]_{-1}^2-\frac{5}{2}\left[x^2\right]_{-1}^2\)
\(\quad +4\left[x\right]_{-1}^2\)
\(=\frac{1}{3}\{2^3-(-1)^3\}-\frac{5}{2}\{2^2-(-1)^2\}\)
\(\quad +4\{2-(-1)\}\)
\(=\frac{1}{3}\cdot 9-\frac{5}{2}\cdot 3+4\cdot 3\)
\(=3-\frac{15}{2}+12=\)\(\frac{15}{2}\)
\(2^3-(-1)^3=9\)、\(2^2-(-1)^2=3\)、\(2-(-1)=3\) のように、かっこの中は整数の計算だけで済みます。
分数が出てくるのは係数の部分だけなので、代入ミスや通分ミスが起こりにくいのが、この解き方のよいところです。
例題1(2):積の形の定積分
次の定積分を求めよ。
(2) \(\int_0^1 (t-2)(t+4)\,dt\)
考え方

\((t-2)(t+4)\) は積の形だから、コツ②の出番だね。まず展開しよう!
変数が \(t\) になっていますが、\(x\) のときと同じように計算します。
\((t-2)(t+4)=t^2+2t-8\) と展開してから積分します。
解いてみよう
\(\int_0^1 (t-2)(t+4)\,dt\)
\(=\int_0^1 (t^2+2t-8)\,dt\)
\(=\left[\frac{1}{3}t^3+t^2-8t\right]_0^1\)
\(=\left(\frac{1}{3}+1-8\right)-0=\)\(-\frac{20}{3}\)
下端が 0 なので、下端を代入した値は 0 となり、上端を代入した値だけを計算すればよいことになります。
\(\frac{1}{3}+1-8=\frac{1}{3}-7=-\frac{20}{3}\) なので、答えは \(-\frac{20}{3}\) です。

下端が 0 だと、引き算がなくなって楽ですね!

そうだね。定積分の値は負の数になることもあるから、マイナスがついても驚かなくて大丈夫だよ。
練習問題

(2) と (4) は積の形だから、展開してから積分しよう。(4) は上端と下端が 2 と −2 なので、引き算で 0 になる項があるよ!
次の定積分を求めよ。
(1) \(\int_0^2 (x^2+4x-5)\,dx\)
(2) \(\int_2^3 (x-2)(x-3)\,dx\)
(3) \(\int_{-1}^2 (-t^3+2t)\,dt\)
(4) \(\int_{-2}^2 t(t+2)^2\,dt\)
答えを見る
(1) \(\int_0^2 (x^2+4x-5)\,dx\)
\(=\left[\frac{1}{3}x^3+2x^2-5x\right]_0^2\)
\(=\frac{8}{3}+8-10=\)\(\frac{2}{3}\)
(2) \((x-2)(x-3)=x^2-5x+6\) より、
\(\int_2^3 (x^2-5x+6)\,dx\)
\(=\frac{1}{3}\left[x^3\right]_2^3-\frac{5}{2}\left[x^2\right]_2^3\)
\(\quad +6\left[x\right]_2^3\)
\(=\frac{1}{3}(27-8)-\frac{5}{2}(9-4)+6(3-2)\)
\(=\frac{19}{3}-\frac{25}{2}+6=\)\(-\frac{1}{6}\)
(3) \(\int_{-1}^2 (-t^3+2t)\,dt\)
\(=-\frac{1}{4}\left[t^4\right]_{-1}^2+\left[t^2\right]_{-1}^2\)
\(=-\frac{1}{4}(16-1)+(4-1)\)
\(=-\frac{15}{4}+3=\)\(-\frac{3}{4}\)
(4) \(t(t+2)^2=t^3+4t^2+4t\) より、
\(\int_{-2}^2 (t^3+4t^2+4t)\,dt\)
\(=\frac{1}{4}\left[t^4\right]_{-2}^2+\frac{4}{3}\left[t^3\right]_{-2}^2\)
\(\quad +2\left[t^2\right]_{-2}^2\)
\(=\frac{1}{4}(16-16)+\frac{4}{3}\{8-(-8)\}\)
\(\quad +2(4-4)\)
\(=0+\frac{64}{3}+0=\)\(\frac{64}{3}\)
まとめ:定積分の計算

さて、今回のまとめだよ!
基本の手順 原始関数 \(F(x)\) を求め、上端を代入した値から下端を代入した値を引く。
計算のコツ① 分母が同じ分数どうしをまとめて計算すると楽である。
係数を外に出して項ごとに計算してもよい。
\(\int_a^b (px^2+qx+r)\,dx\)
\(=\frac{p}{3}(b^3-a^3)+\frac{q}{2}(b^2-a^2)\)
\(\quad +r(b-a)\)
計算のコツ② 積の形は展開して和の形にしてから積分する。
定積分の値は負の数になることもある。

また一つ賢くなった!






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