【数学Ⅱ】積分02:不定積分の計算(公式・性質)

不定積分の計算 積分
さん
さん

今日の板書はこれ!

不定積分の計算

不定積分の公式 \(n\) を 0 以上の整数、\(C\) を積分定数とすると、

\(\int x^n\,dx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\)

特に \(n=0\) のとき、\(\int dx=\int 1\,dx=x+C\) である。

これは、\(\left(\frac{1}{n+1}x^{n+1}\right)’=x^n\) となることから成り立つ。

不定積分の性質 \(k\)、\(l\) を定数とすると、

\(\int\{kf(x)\pm lg(x)\}\,dx\)
\(=k\int f(x)\,dx\pm l\int g(x)\,dx\)

すなわち、和・差は項ごとに積分でき、定数倍は \(\int\) の前に出せる。

例題1

次の不定積分を求めよ。
(1) \(\int 1\,dx\)
(2) \(\int x\,dx\)
(3) \(\int x^2\,dx\)


▼ 解答

\(C\) は積分定数とする。

(1) \(\int 1\,dx=x+C\)

(2) \(\int x\,dx=\frac{1}{2}x^2+C\)

(3) \(\int x^2\,dx=\frac{1}{3}x^3+C\)

例題2

次の不定積分を求めよ。ただし、\(C\) は積分定数とする。
(1) \(\int 4x^2\,dx\)
(2) \(\int(3x^2-5x+2)\,dx\)
(3) \(\int(x+1)(x-2)\,dx\)


▼ 解答

(1) \(\int 4x^2\,dx=4\cdot\frac{1}{3}x^3+C=\frac{4}{3}x^3+C\)

(2) \(\int(3x^2-5x+2)\,dx\)
\(=3\cdot\frac{1}{3}x^3-5\cdot\frac{1}{2}x^2+2x+C\)
\(=x^3-\frac{5}{2}x^2+2x+C\)

(3) 展開してから積分する。
\(\int(x+1)(x-2)\,dx\)
\(=\int(x^2-x-2)\,dx\)
\(=\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2-2x+C\)

例題3

次の2つの条件をともに満たす関数 \(F(x)\) を求めよ。
[1] \(F'(x)=6x^2-2x\)
[2] \(F(1)=2\)


▼ 解答

\(F(x)=\int F'(x)\,dx\)
\(=\int(6x^2-2x)\,dx=2x^3-x^2+C\)(\(C\) は積分定数)

\(F(1)=2\cdot 1^3-1^2+C=2\) より、\(C=1\) となる。

よって、\(F(x)=2x^3-x^2+1\) である。

生徒
生徒

もっと詳しくお願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

x^n の不定積分の公式

さん
さん

前回は、不定積分が「微分すると \(f(x)\) になる関数を探すこと」だと学んだね。今回は、それを毎回探さなくても計算できるようにしていくよ。

生徒
生徒

毎回「微分したら何になるかな?」って探すのは大変でした……。

さん
さん

原始関数の意味があいまいな人は、先に前回の記事で確認しておこう。

x^3 の不定積分

さん
さん

まずは具体的に \(\int x^3\,dx\) を考えてみよう。

\(\int x^3\,dx\) を求めるには、微分すると \(x^3\) になる関数を探せばよいです。

微分すると指数が1つ下がるので、指数が1つ大きい \(x^4\) を微分してみます。

すると \((x^4)’=4x^3\) となり、\(x^3\) は出てきましたが、前に係数 \(4\) が余分についてしまいます。

生徒
生徒

\(4\) が邪魔ですね……。

さん
さん

だったら、はじめから \(4\) で割っておけばいいんだよ。

\(\frac{1}{4}x^4\) を微分すると、\(\left(\frac{1}{4}x^4\right)’=\frac{1}{4}\cdot 4x^3=x^3\) となり、ちょうど \(x^3\) になります。

よって、\(\int x^3\,dx=\frac{1}{4}x^4+C\) となります。

x^n に一般化する

同じことを、指数が \(n\) の場合で考えます。

指数を1つ上げた \(x^{n+1}\) を微分すると、\((x^{n+1})’=(n+1)x^n\) となり、今度は係数 \(n+1\) が余分につきます。

そこで、はじめから \(n+1\) で割った \(\frac{1}{n+1}x^{n+1}\) を微分すると、\(\left(\frac{1}{n+1}x^{n+1}\right)’=\frac{1}{n+1}\cdot(n+1)x^n=x^n\) となります。

微分すると \(x^n\) になるので、\(\frac{1}{n+1}x^{n+1}\) は \(x^n\) の原始関数です。

これに積分定数 \(C\) をつけたものが、\(\int x^n\,dx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\) という公式です。

さきほどの \(x^3\) の例は、この公式で \(n=3\) とした場合にあたります。

生徒
生徒

「指数を1つ上げて、その数で割る」のは、微分で出てくる係数を先に打ち消しておくためなんですね!

さん
さん

そういうこと!だから公式を忘れても、「微分して \(x^n\) に戻るものは?」と考えればいつでも作り直せるんだ。

n=0 のとき

\(n=0\) のとき、\(x^0=1\) なので、\(\int 1\,dx\) を考えることになります。

公式に \(n=0\) を代入すると \(\frac{1}{1}x^1+C=x+C\) となり、実際に \((x)’=1\) なので正しいことが分かります。

この \(\int 1\,dx\) は、\(1\) を省略して \(\int dx=x+C\) と書くこともあります。

例題1:公式を使って計算しよう

例題1

次の不定積分を求めよ。
(1) \(\int 1\,dx\)
(2) \(\int x\,dx\)
(3) \(\int x^2\,dx\)

考え方

さん
さん

指数 \(n\) がいくつかを読み取って、公式にあてはめよう。答えが合っているかは、微分して戻るかで確かめられるよ。

解いてみよう

(1) は \(n=0\) の場合なので、\(\int 1\,dx=x+C\) となります。

実際に \((x)’=1\) となるので、正しいことが確認できます。

(2) は \(x=x^1\) なので \(n=1\) です。

公式より、\(\int x\,dx=\frac{1}{2}x^2+C\) となります。

確かめると \(\left(\frac{1}{2}x^2\right)’=\frac{1}{2}\cdot 2x=x\) となり、元に戻ります。

(3) は \(n=2\) なので、\(\int x^2\,dx=\frac{1}{3}x^3+C\) となります。

確かめると \(\left(\frac{1}{3}x^3\right)’=\frac{1}{3}\cdot 3x^2=x^2\) です。

よって、答えは (1) \(x+C\)
(2) \(\frac{1}{2}x^2+C\)
(3) \(\frac{1}{3}x^3+C\)
(\(C\) は積分定数)となります。

生徒
生徒

微分して元に戻れば正解って、自分で答え合わせができるのがいいですね!

不定積分の性質

さん
さん

次は \(3x^2-5x+2\) のように、項がいくつもある式の積分を考えよう。

生徒
生徒

項ごとにバラバラに積分していいんですか?

さん
さん

いいんだよ。その理由も、やっぱり微分から説明できるんだ。

定数倍:∫6x^2 dx で考える

まずは \(\int 6x^2\,dx\) を考えます。

\(x^2\) の原始関数は \(\frac{1}{3}x^3\) でした。

これを \(6\) 倍した \(6\cdot\frac{1}{3}x^3=2x^3\) を微分すると、\((2x^3)’=6x^2\) となり、ちょうど \(6x^2\) になります。

微分しても定数倍はそのまま残るので、原始関数を \(6\) 倍しておけば、微分した結果も \(6\) 倍になるからです。

よって、\(\int 6x^2\,dx=6\int x^2\,dx\) のように、定数倍は \(\int\) の前に出してよいことが分かります。

生徒
生徒

\(6\) は外に出しておいて、\(x^2\) だけ積分すればいいんですね。

和:∫(x^2+x) dx で考える

次に \(\int(x^2+x)\,dx\) を考えます。

\(x^2\) の原始関数 \(\frac{1}{3}x^3\) と、\(x\) の原始関数 \(\frac{1}{2}x^2\) を足したものを微分してみます。

すると、\(\left(\frac{1}{3}x^3+\frac{1}{2}x^2\right)’=x^2+x\) となり、ちょうど \(x^2+x\) になります。

微分は項ごとに計算できるので、原始関数どうしを足しておけば、微分した結果も足したものになるからです。

よって、\(\int(x^2+x)\,dx=\int x^2\,dx+\int x\,dx\) のように、和は項ごとに積分してよいことが分かります。

差の場合も、同じように項ごとに積分できます。

文字で一般化する

さん
さん

この2つをまとめて、文字で書いてみよう。やっていることは具体例と同じだよ。

\(F(x)\) を \(f(x)\) の原始関数、\(G(x)\) を \(g(x)\) の原始関数とし、\(k\)、\(l\) を定数とします。

具体例と同じように、原始関数を定数倍して足したり引いたりした \(kF(x)\pm lG(x)\) を微分すると、\(\{kF(x)\pm lG(x)\}’\)
\(=kf(x)\pm lg(x)\) となります。

つまり、\(kF(x)\pm lG(x)\) は \(kf(x)\pm lg(x)\) の原始関数です。

このことから、\(\int\{kf(x)\pm lg(x)\}\,dx\)
\(=k\int f(x)\,dx\pm l\int g(x)\,dx\)
が成り立ちます。

まとめると、和・差は項ごとに積分してよく、定数倍は \(\int\) の前に出してよいということです。

積分定数は最後に1つにまとめる

項ごとに積分すると、それぞれに積分定数がつきそうに見えます。

しかし、定数どうしを足したり引いたりしても定数のままなので、最後に1つの \(C\) にまとめて書けば十分です。

例題2:性質を使って計算しよう

例題2

次の不定積分を求めよ。ただし、\(C\) は積分定数とする。
(1) \(\int 4x^2\,dx\)
(2) \(\int(3x^2-5x+2)\,dx\)
(3) \(\int(x+1)(x-2)\,dx\)

考え方

さん
さん

係数を前に出して、項ごとに公式を使おう。(3) は積の形のままだと公式が使えないから、まず展開するよ。

解いてみよう

(1) は、係数 \(4\) を前に出して \(\int 4x^2\,dx=4\int x^2\,dx\) と考えます。

\(\int x^2\,dx=\frac{1}{3}x^3+C\) なので、\(4\cdot\frac{1}{3}x^3+C=\frac{4}{3}x^3+C\) となります。

(2) は、項ごとに積分します。

\(3\cdot\frac{1}{3}x^3-5\cdot\frac{1}{2}x^2+2\cdot x+C\) となるので、整理すると \(x^3-\frac{5}{2}x^2+2x+C\) です。

(3) は、先に展開して \((x+1)(x-2)=x^2-x-2\) とします。

これを項ごとに積分すると、\(\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2-2x+C\) となります。

よって、答えは (1) \(\frac{4}{3}x^3+C\)
(2) \(x^3-\frac{5}{2}x^2+2x+C\)
(3) \(\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2-2x+C\)
となります。

生徒
生徒

(3) で \((x+1)\) と \((x-2)\) を別々に積分してかけたらダメなんですか?

さん
さん

それはダメ!積の微分は「それぞれの微分の積」にならなかったよね。積分も同じで、かけ算のまま分けることはできないんだ。だから展開して、和・差の形にしてから積分するんだよ。

例題3:条件から関数を決める

例題3

次の2つの条件をともに満たす関数 \(F(x)\) を求めよ。
[1] \(F'(x)=6x^2-2x\)
[2] \(F(1)=2\)

考え方

さん
さん

[1] から、\(F(x)\) は \(6x^2-2x\) の原始関数だと分かるね。でも原始関数には \(+C\) の分だけ候補がたくさんある。その中から1つを選ぶのが [2] の条件なんだ。

解いてみよう

[1] より、\(F(x)\) は \(6x^2-2x\) を積分したものなので、\(F(x)=\int(6x^2-2x)\,dx\)
\(=2x^3-x^2+C\) となります。

次に [2] を使います。

\(F(1)=2\cdot 1^3-1^2+C=1+C\) で、これが \(2\) に等しいので、\(C=1\) となります。

よって、\(F(x)=2x^3-x^2+1\) です。

生徒
生徒

\(C\) が決まらないと関数が1つに決まらないから、[2] の条件が必要なんですね。

練習問題

さん
さん

どれも答えを出したら、微分して元に戻るか確かめてみよう。

練習1

\(\int x^n\,dx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\) が成り立つことを、右辺の関数を \(x\) で微分して確かめよ。
また、この公式を用いて、不定積分 \(\int x^3\,dx\) を求めよ。

答えを見る

\(\left(\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\right)’=\frac{1}{n+1}\cdot(n+1)x^n+0\)
\(=x^n\)

よって、右辺を微分すると \(x^n\) になるので、公式は成り立つ。

公式で \(n=3\) とすると、\(\int x^3\,dx=\frac{1}{4}x^4+C\)(\(C\) は積分定数)となる。

練習2

次の不定積分を求めよ。
(1) \(\int 5x^2\,dx\)
(2) \(\int(-2x^2-x+7)\,dx\)
(3) \(\int(x^3-6x^2-2x+5)\,dx\)
(4) \(\int 3(x-1)^2\,dx\)

答えを見る

\(C\) は積分定数とする。

(1) \(\int 5x^2\,dx=5\cdot\frac{1}{3}x^3+C=\frac{5}{3}x^3+C\)

(2) \(\int(-2x^2-x+7)\,dx\)
\(=-2\cdot\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2+7x+C\)
\(=-\frac{2}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2+7x+C\)

(3) \(\int(x^3-6x^2-2x+5)\,dx\)
\(=\frac{1}{4}x^4-6\cdot\frac{1}{3}x^3-2\cdot\frac{1}{2}x^2+5x+C\)
\(=\frac{1}{4}x^4-2x^3-x^2+5x+C\)

(4) 展開すると \(3(x-1)^2=3(x^2-2x+1)\)
\(=3x^2-6x+3\) となる。
よって、\(\int 3(x-1)^2\,dx\)
\(=\int(3x^2-6x+3)\,dx\)
\(=x^3-3x^2+3x+C\)

答えは (1) \(\frac{5}{3}x^3+C\)
(2) \(-\frac{2}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2+7x+C\)
(3) \(\frac{1}{4}x^4-2x^3-x^2+5x+C\)
(4) \(x^3-3x^2+3x+C\)
である。

さん
さん

次の問題は、\(dx\) ではなく \(dy\)、\(dt\) になっているよ。\(dy\) なら \(y\) が積分変数、つまり「\(y\) について積分する」という意味なんだ。文字が変わっても計算の仕方は同じだよ。

練習3

次の不定積分を求めよ。
(1) \(\int(-y^2+4y+5)\,dy\)
(2) \(\int(t+2)(3t-1)\,dt\)

答えを見る

\(C\) は積分定数とする。

(1) \(y\) について積分する。
\(\int(-y^2+4y+5)\,dy\)
\(=-\frac{1}{3}y^3+4\cdot\frac{1}{2}y^2+5y+C\)
\(=-\frac{1}{3}y^3+2y^2+5y+C\)

(2) \(t\) について積分する。展開すると \((t+2)(3t-1)=3t^2+5t-2\) となる。
よって、\(\int(3t^2+5t-2)\,dt\)
\(=t^3+\frac{5}{2}t^2-2t+C\)

答えは (1) \(-\frac{1}{3}y^3+2y^2+5y+C\)
(2) \(t^3+\frac{5}{2}t^2-2t+C\)
である。

練習4

次の2つの条件をともに満たす関数 \(F(x)\) を求めよ。
[1] \(F'(x)=3x^2-4\)
[2] \(F(-1)=5\)

答えを見る

[1] より、\(F(x)=\int(3x^2-4)\,dx\)
\(=x^3-4x+C\)(\(C\) は積分定数)

[2] より、\(F(-1)=(-1)^3-4\cdot(-1)+C\)
\(=3+C=5\) となるので、\(C=2\) である。

よって、\(F(x)=x^3-4x+2\) である。

まとめ:不定積分の計算

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

不定積分の計算

① \(\int x^n\,dx=\frac{1}{n+1}x^{n+1}+C\)(\(n\) は 0 以上の整数)。特に \(\int dx=x+C\) である。

② 公式は、右辺を微分すると \(x^n\) に戻ることから成り立つ。

③ \(\int\{kf(x)\pm lg(x)\}\,dx\)
\(=k\int f(x)\,dx\pm l\int g(x)\,dx\)
。和・差は項ごとに積分し、定数倍は前に出せる。

④ 積の形は展開してから項ごとに積分する。積分定数は最後に1つの \(C\) にまとめる。

⑤ \(dy\)、\(dt\) のときは、\(y\)、\(t\) が積分変数である。

⑥ \(F'(x)\) と \(F(a)\) の値が分かれば、不定積分してから条件で \(C\) を決めることで \(F(x)\) が求まる。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

↑前の記事↑

↑次の記事↑

コメント