
今日の板書はこれ!
\(a\sin\theta+b\cos\theta\) の最大・最小は、合成して変数 \(\theta\) を1か所に集めるとすぐ分かります。
関数 \(y=\sin x+\cos x\) の最大値・最小値を求めよ。
▼ 解答
\(y=\sin x+\cos x\)
\(\phantom{y}=\sqrt{2}\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\) …合成
\(-1\leq\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\leq 1\) より
\(-\sqrt{2}\leq\sqrt{2}\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\leq\sqrt{2}\)
よって 最大値 \(\sqrt{2}\)、最小値 \(-\sqrt{2}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
sin と cos が混ざった式の最大・最小を求めよう

例えば、こんな関数の最大値と最小値を考えてみよう。
関数 \(y=\sin x+\cos x\) の最大値・最小値を求めよ。

\(\sin x\) と \(\cos x\) が混ざってると、最大がいくつになるのか全然イメージできないです…。

そうだよね。でも前回やった「合成」を使うと、これが一気にスッキリ解けるんだ。
最大・最小を求める「やり方」(3ステップ)

まずは解けるようになりたい人向け。次の3ステップだけで答えが出るよ。原理が気になる人は、その下の「なぜ?」も読んでね。
まず、合成して \(\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+\alpha)\) の形にします。
\(\sin\) だけの式にまとめるのがポイントです。
次に、\(\sin\) の部分は角がどんな値でも必ず \(-1\) から \(1\) まで の範囲におさまります。
最後に、その全体を \(\sqrt{a^2+b^2}\) 倍するので、\(y\) は \(-\sqrt{a^2+b^2}\) から \(\sqrt{a^2+b^2}\) まで の範囲になります。
これが最小値と最大値です。

今回の \(y=\sin x+\cos x\) なら \(\sqrt{1^2+1^2}=\sqrt{2}\)。だから最大値 \(\sqrt{2}\)、最小値 \(-\sqrt{2}\) だよ。


「\(x\) はいくつ?」って聞かれてないんですね。

そう。最大・最小の「値」だけを問われているなら、そのときの \(x\) は求めなくてOK。
なぜそうなるの?(原理)

ここは「なぜ最大が \(\sqrt{a^2+b^2}\) になるの?」を知りたい人向け。解ければOKな人は、ここはとばして練習に進んで大丈夫だよ。
① なぜ合成すると最大・最小が分かるのか
\(\sin x\) と \(\cos x\) が混ざったままだと、2つがそれぞれ別々に動くので、最大・最小がなかなかつかめませんでした。
でも合成して sin ひとつの式 にまとめれば、動くところが1か所になって考えられるようになります。
その合成した式 \(\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+\alpha)\) のグラフを考えてみましょう。
これは 振幅 \(\sqrt{a^2+b^2}\) のきれいなサインカーブ になります。
グラフの山のてっぺんが最大値、谷の底が最小値で、その高さがちょうど \(\pm\sqrt{a^2+b^2}\) になるわけです。
② sin の値域が −1〜1 だから
式で確かめてみます。
どんな角 \(x+\alpha\) でも、\(\sin\) の値は \(-1\) と \(1\) の間にしかなりません。
これが出発点です。
\(-1\leq\sin(x+\alpha)\leq 1\)
各辺を \(\sqrt{a^2+b^2}\,(>0)\) 倍して
\(-\sqrt{a^2+b^2}\leq\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+\alpha)\leq\sqrt{a^2+b^2}\)
つまり \(y\) は 最大値 \(\sqrt{a^2+b^2}\)、最小値 \(-\sqrt{a^2+b^2}\) をとります。
③ x に範囲の制限があるときの注意
「\(0\leq x<2\pi\)」のように \(x\) の範囲が決められている問題では、合成後の角 \(x+\alpha\) が動ける範囲も限られます。
そのとき \(\sin(x+\alpha)\) が \(1\) や \(-1\) に届かないことがあり、最大・最小が \(\pm\sqrt{a^2+b^2}\) にならない場合があります。
範囲付きの問題では、まず \(x+\alpha\) の動く範囲 を調べるのが鉄則です。

今回の例題は \(x\) に制限がないから、素直に \(\pm\sqrt{2}\) でOK。
実際に解いてみよう

じゃあ、やり方どおりに例題1を解いていくよ。
関数 \(y=\sin x+\cos x\) の最大値・最小値を求めよ。
まず合成します。
係数は \(\sin\) が \(1\)、\(\cos\) が \(1\) なので \(\sqrt{1^2+1^2}=\sqrt{2}\)。
\(y=\sin x+\cos x=\sqrt{2}\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\)
次に、\(\sin\) の部分の範囲を考えます。
\(-1\leq\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\leq 1\)
最後に各辺を \(\sqrt{2}\) 倍します。
\(-\sqrt{2}\leq\sqrt{2}\sin\left(x+\frac{\pi}{4}\right)\leq\sqrt{2}\)
したがって、最大値 \(\sqrt{2}\)、最小値 \(-\sqrt{2}\) となります。

合成1回でこんなにスッキリ出るんですね!
練習問題
次の関数の最大値・最小値を求めよ。
\(y=\sqrt{3}\sin x+\cos x\)
ヒントを見る
まず合成します。\(\sqrt{(\sqrt{3})^2+1^2}=\sqrt{4}=2\) なので、\(y=2\sin(x+\alpha)\) の形になります。あとは \(\sin\) が \(-1\)〜\(1\) であることを使うだけ。
答えを見る
\(y=\sqrt{3}\sin x+\cos x=2\sin\left(x+\frac{\pi}{6}\right)\)
\(-1\leq\sin\left(x+\frac{\pi}{6}\right)\leq 1\) より
\(-2\leq 2\sin\left(x+\frac{\pi}{6}\right)\leq 2\)
よって 最大値 \(2\)、最小値 \(-2\)
まとめ:三角関数の最大・最小(合成)

さて、今回のまとめだよ!
① \(a\sin x+b\cos x\) は合成して \(\sqrt{a^2+b^2}\sin(x+\alpha)\) の形にする。
② \(\sin\) の値域は \(-1\leq\sin(x+\alpha)\leq 1\) なので、最大値 \(\sqrt{a^2+b^2}\)、最小値 \(-\sqrt{a^2+b^2}\)。
③ 値だけ問われたら \(x\) は不要。\(x\) に範囲の制限があるときは、合成後の角 \(x+\alpha\) が動く範囲に注意する。

また一つ賢くなった!





コメント