【数学Ⅱ】三角関数10:半角の公式

三角関数
さん
さん

今日の板書はこれ!

半角の公式

① \(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}\)

② \(\cos^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1+\cos\alpha}{2}\)

③ \(\tan^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{1+\cos\alpha}\)

例題1

半角の公式を用いて、\(\cos\frac{\pi}{8}\) の値を求めよ。


▼ 解答

\(\cos^2\frac{\pi}{8}=\frac{1+\cos\frac{\pi}{4}}{2}\)

\(\phantom{\cos^2\frac{\pi}{8}}=\frac{2+\sqrt2}{4}\)

\(0<\frac{\pi}{8}<\frac{\pi}{2}\) より \(\cos\frac{\pi}{8}>0\)

\(\color{#ff0000}{\cos\frac{\pi}{8}=\frac{\sqrt{2+\sqrt2}}{2}}\)

例題2

\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\)、\(\cos\alpha=-\frac{4}{5}\) のとき \(\sin\frac{\alpha}{2}\) を求めよ。


▼ 解答

\(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}\)

\(\phantom{\sin^2\frac{\alpha}{2}}=\frac{1-(-\frac{4}{5})}{2}\)

\(\phantom{\sin^2\frac{\alpha}{2}}=\frac{9}{10}\)

\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\) より \(\frac{\pi}{4}<\frac{\alpha}{2}<\frac{\pi}{2}\)

第1象限だから \(\sin\frac{\alpha}{2}>0\)

\(\color{#ff0000}{\sin\frac{\alpha}{2}=\frac{3\sqrt{10}}{10}}\)

生徒
生徒

もっと詳しくお願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。

半角の公式で「半分の角」の値を求めよう

さん
さん

例えば \(\cos\frac{\pi}{8}\) の値って、いくつになると思う?三角比の表にも出てこない、ちょっと中途半端な角だよね。

例題1

半角の公式を用いて、\(\cos\frac{\pi}{8}\) の値を求めよ。

生徒
生徒

\(\frac{\pi}{8}\) なんて見たことない角です…どうやって求めるんですか?

さん
さん

カギは、\(\frac{\pi}{8}\) を2倍すると \(\frac{\pi}{4}\) という有名な角になること。こういうときに活躍するのが半角の公式だよ。順番に見ていこう。

解くために必要な2つの知識

① 半角の公式は「2倍角の公式」を変形しただけ

さん
さん

半角の公式は丸暗記しなくても、前回の2倍角の公式から自分で作れるんだ。実際に変形してみよう。

出発点は、2倍角の公式 \(\cos 2\theta=1-2\sin^2\theta\) です。

この式を \(\sin^2\theta\) について解いていきます。

移項して

\(2\sin^2\theta=1-\cos 2\theta\)

両辺を2で割ると、

\(\color{#1565c0}{\sin^2\theta=\frac{1-\cos 2\theta}{2}}\) が得られます。

さん
さん

これが半角の公式の正体!求めたい \(\sin^2\theta\) が、その2倍の角 \(2\theta\) の \(\cos\) で表せているのがポイントだよ。

同じように \(\cos 2\theta=2\cos^2\theta-1\) からは \(\color{#1565c0}{\cos^2\theta=\frac{1+\cos 2\theta}{2}}\) が、

この2つを割ると \(\color{#1565c0}{\tan^2\theta=\frac{1-\cos 2\theta}{1+\cos 2\theta}}\) も作れます。

半角の公式(2倍角からの形)

\(\sin^2\theta=\frac{1-\cos{\color{#d32f2f}{2\theta}}}{2}\)

\(\cos^2\theta=\frac{1+\cos{\color{#d32f2f}{2\theta}}}{2}\)

\(\tan^2\theta=\frac{1-\cos 2\theta}{1+\cos 2\theta}\)

教科書では \(\theta\) を \(\frac{\alpha}{2}\) におきかえ、\(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}\) の形で書かれています。

さん
さん

どっちで覚えてもいいけど、角度が2倍になるってことが本質!!

② 2乗をはずすときは「符号」を必ず確認する

半角の公式は、どれも左辺が \(\sin^2\theta\) のように2乗の形になっています。

だから値を求めるときは、最後に2乗をはずす(ルートをとる)操作が必要です。

さん
さん

ここが最大の注意点!ルートをとった答えは、プラスにもマイナスにもなりうるんだ。

そこで、求めたい角がどの範囲にあるかを調べ、\(\sin\) や \(\cos\) が正か負かを先に決めてからルートを外します。

たとえば角が第1象限なら \(\sin,\ \cos\) はどちらも正、第2象限なら \(\sin\) は正で \(\cos\) は負、というように決まります。

生徒
生徒

「2乗してから、範囲を見て符号を決めて、ルートを外す」っていう流れですね。

実際に解いてみよう

さん
さん

さっそく \(\cos\frac{\pi}{8}\) を求めよう。\(\frac{\pi}{8}\) を2倍した \(\frac{\pi}{4}\) が値のわかる角だから、ここで半角の公式の出番だよ。

例題1

半角の公式を用いて、\(\cos\frac{\pi}{8}\) の値を求めよ。

\(\frac{\pi}{8}\) は三角比の表に無い角ですが、2倍すると \(\frac{\pi}{4}\) という値のわかる角になります。

このように「2倍すると値のわかる角になる」ときこそ、半角の公式の使いどころです。

\(\cos^2\frac{\pi}{8}=\frac{1+\cos\frac{\pi}{4}}{2}\)

\(\cos\frac{\pi}{4}=\frac{\sqrt2}{2}\) ですから、 \(\cos^2\frac{\pi}{8}=\frac{1+\frac{\sqrt2}{2}}{2}\)

よって、 \(\cos^2\frac{\pi}{8}=\frac{2+\sqrt2}{4}\)

最後に2乗をはずしていきます。

\(\frac{\pi}{8}\) は \(0<\frac{\pi}{8}<\frac{\pi}{2}\)(第1象限)なので \(\color{#1565c0}{\cos\frac{\pi}{8}>0}\) です。

したがって \(\color{#ff0000}{\cos\frac{\pi}{8}=\frac{\sqrt{2+\sqrt2}}{2}}\) となります。

生徒
生徒

2倍して有名な角にする、っていう発想がポイントなんですね!

もう1問:角の範囲から符号を決める

さん
さん

次は \(\cos\alpha\) の値から \(\sin\frac{\alpha}{2}\) を求める問題。

例題2

\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\) で \(\cos\alpha=-\frac{4}{5}\) のとき、\(\sin\frac{\alpha}{2}\) の値を求めよ。

求めたいのは \(\sin\frac{\alpha}{2}\)。

\(\frac{\alpha}{2}\) は2倍すると \(\alpha\) になり、その \(\cos\alpha\) が与えられているので半角の公式を使います。

\(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}\)

\(\cos\alpha=-\frac{4}{5}\) を代入すると \(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-(-\frac{4}{5})}{2}\)

よって \(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{9}{10}\) となります。

最後に2乗をはずしていきます。

\(\frac{\pi}{2}<\alpha<\pi\) の各辺を2で割ると \(\color{#1565c0}{\frac{\pi}{4}<\frac{\alpha}{2}<\frac{\pi}{2}}\) です。

この範囲は第1象限なので \(\sin\frac{\alpha}{2}>0\)

だから2乗をはずすと正の値になります。

したがって \(\sin\frac{\alpha}{2}=\sqrt{\frac{9}{10}}=\frac{3}{\sqrt{10}}\) ですから、

分母を有理化して \(\color{#ff0000}{\sin\frac{\alpha}{2}=\frac{3\sqrt{10}}{10}}\) となります。

生徒
生徒

範囲を2で割って象限を調べる、というのが符号判断のコツですね!

練習問題で確認しよう

さん
さん

自分で解いてみよう。答えは「途中式つき」で用意したよ。

練習1 半角の公式を用いて、次の値を求めよ。

(1) \(\sin\frac{\pi}{8}\)
(2) \(\cos\frac{3}{8}\pi\)

ヒントを見る

(1) \(\frac{\pi}{8}\) は2倍すると \(\frac{\pi}{4}\)。公式①を使おう。
(2) \(\frac{3}{8}\pi\) は2倍すると \(\frac{3}{4}\pi\)。公式②を使おう。

答えを見る

(1) \(\sin^2\frac{\pi}{8}=\frac{1-\cos\frac{\pi}{4}}{2}=\frac{2-\sqrt2}{4}\)
\(0<\frac{\pi}{8}<\frac{\pi}{2}\) より \(\sin\frac{\pi}{8}>0\)
よって \(\color{#ff0000}{\sin\frac{\pi}{8}=\frac{\sqrt{2-\sqrt2}}{2}}\)
(2) \(\cos\frac{3}{4}\pi=-\frac{\sqrt2}{2}\) だから
\(\cos^2\frac{3}{8}\pi=\frac{1+\cos\frac{3}{4}\pi}{2}=\frac{2-\sqrt2}{4}\)
\(0<\frac{3}{8}\pi<\frac{\pi}{2}\) より \(\cos\frac{3}{8}\pi>0\)
よって \(\color{#ff0000}{\cos\frac{3}{8}\pi=\frac{\sqrt{2-\sqrt2}}{2}}\)

練習2 \(\pi<\alpha<\frac{3}{2}\pi\) で \(\cos\alpha=-\frac{1}{4}\) のとき、次の値を求めよ。

(1) \(\sin\frac{\alpha}{2}\)
(2) \(\cos\frac{\alpha}{2}\)
(3) \(\tan\frac{\alpha}{2}\)

ヒントを見る

まず \(\frac{\alpha}{2}\) の範囲を調べよう。各辺を2で割ると \(\frac{\pi}{2}<\frac{\alpha}{2}<\frac{3}{4}\pi\)。
この範囲(第2象限)では \(\sin\frac{\alpha}{2}>0,\ \cos\frac{\alpha}{2}<0,\ \tan\frac{\alpha}{2}<0\) だよ。

答えを見る

\(\pi<\alpha<\frac{3}{2}\pi\) より \(\frac{\pi}{2}<\frac{\alpha}{2}<\frac{3}{4}\pi\)(第2象限)
この範囲で \(\sin\frac{\alpha}{2}>0,\ \cos\frac{\alpha}{2}<0\)
(1) \(\sin^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1-\cos\alpha}{2}=\frac{5}{8}\)
よって \(\color{#ff0000}{\sin\frac{\alpha}{2}=\frac{\sqrt{10}}{4}}\)
(2) \(\cos^2\frac{\alpha}{2}=\frac{1+\cos\alpha}{2}=\frac{3}{8}\)
よって \(\color{#ff0000}{\cos\frac{\alpha}{2}=-\frac{\sqrt{6}}{4}}\)
(3) \(\tan\frac{\alpha}{2}=\frac{\sin\frac{\alpha}{2}}{\cos\frac{\alpha}{2}}=\color{#ff0000}{-\frac{\sqrt{15}}{3}}\)

まとめ:半角の公式

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

半角の公式 まとめ

2倍角の公式から作れる

① \(\sin^2\theta=\frac{1-\cos{\color{#d32f2f}{2\theta}}}{2}\)

② \(\cos^2\theta=\frac{1+\cos{\color{#d32f2f}{2\theta}}}{2}\)

③ \(\tan^2\theta=\frac{1-\cos 2\theta}{1+\cos 2\theta}\)

左辺は2乗であるので、2乗をはずす際には 角の範囲で符号を決める

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

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