
今日の板書はこれ!
[1] \(\sqrt[n]{a^n}=(\sqrt[n]{a})^n=a\) (例)\(\sqrt[3]{5^3}=5\)
[2] \(\sqrt[n]{a}\,\sqrt[n]{b}=\sqrt[n]{ab}\)、\(\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}=\sqrt[n]{\frac{a}{b}}\)
[3] \((\sqrt[n]{a})^m=\sqrt[n]{a^m}\) (例)\((\sqrt{3})^5=\sqrt{3^5}\)
[4] \(\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}}=\sqrt[mn]{a}\) (例)\(\sqrt{\sqrt{3}}=\sqrt[4]{3}\)
[5] \(\sqrt[n]{a^m}=\sqrt[np]{a^{mp}}\) (例)\(\sqrt{3}=\sqrt[6]{27}\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?教科書や参考書を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
このサイトでは、私が受けた質問やつまずきポイントをもとに、意味から理解できるように解説していきます。
累乗根の計算をやってみよう

例えば、\(\sqrt[3]{2}\times\sqrt[3]{4}\) っていくつになると思う?
次の値を計算せよ。
\(\sqrt[3]{2}\times\sqrt[3]{4}\)

\(\sqrt[3]{2}\) も \(\sqrt[3]{4}\) もキリのいい数じゃないのに、計算できるんですか?

それが、なんと ちょうど 2 になるんだ。カギは「累乗根の性質」。順番に見ていこう。
累乗根の計算に使う5つの性質
累乗根の計算では、次の5つの性質を使います。
ここで a, b は正の数、m, n, p は正の整数 とします。
累乗根そのものの意味(n乗すると a になる数)については、(前回の「累乗根の定義」の記事)で解説しています。
① n乗根とn乗は打ち消し合う
性質[1]は \(\sqrt[n]{a^n}=(\sqrt[n]{a})^n=a\) です。
n乗根とn乗は逆の操作なので、続けて行うと打ち消し合って元の a にもどります。
例えば \(\sqrt[3]{5^3}=5\) のようになります。
② かけ算・わり算は根号の中でまとめられる
性質[2]は \(\sqrt[n]{a}\,\sqrt[n]{b}=\sqrt[n]{ab}\)、そして \(\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}=\sqrt[n]{\frac{a}{b}}\) です。
根号の指数(n)が同じなら、中身どうしをかけたり割ったりして1つの根号にまとめられます。
例えば \(\sqrt{2}\,\sqrt{3}=\sqrt{6}\)、\(\sqrt[3]{2}\,\sqrt[3]{5}=\sqrt[3]{10}\) です。
③ 累乗は根号の中に入れられる
性質[3]は \((\sqrt[n]{a})^m=\sqrt[n]{a^m}\) です。
根号の外にある累乗は、そのまま中身の指数にできます。
例えば \((\sqrt{3})^5=\sqrt{3^5}\)、\((\sqrt[3]{2})^4=\sqrt[3]{2^4}\) です。
④ 「根号の中の根号」は指数のかけ算
性質[4]は \(\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}}=\sqrt[mn]{a}\) です。
根号が二重になっているときは、外と中の指数をかけ算して1つの根号にまとめられます。
例えば \(\sqrt{\sqrt{3}}=\sqrt[4]{3}\)、\(\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}=\sqrt[12]{2}\) です。
⑤ 根号の指数と中身の指数は約分できる
性質[5]は \(\sqrt[n]{a^m}=\sqrt[np]{a^{mp}}\) です。
根号の指数 n と中身の指数 m に同じ数 p をかけても値は変わりません。
逆にいえば、共通の数で約分できます。
例えば \(\sqrt{3}=\sqrt[6]{27}\)(指数を3倍)、\(\sqrt[3]{2}=\sqrt[6]{4}\) です。

性質がたくさんあって混乱しそう…

大丈夫。実際の計算で使うのは 「中身をまとめる」「指数を約分する」 がほとんどだよ。例題で慣れよう。
実際に計算してみよう

さっきの \(\sqrt[3]{2}\times\sqrt[3]{4}\) から片づけよう。
\(\sqrt[3]{2}\times\sqrt[3]{4}\)
性質[2]で根号の中をまとめると、\(\sqrt[3]{2}\times\sqrt[3]{4}=\sqrt[3]{2\times4}=\sqrt[3]{8}\) です。
8は \(2^3\) なので、性質[1]より \(\sqrt[3]{8}=\sqrt[3]{2^3}=2\) となります。
\(\frac{\sqrt[3]{12}}{\sqrt[3]{3}}\)
性質[2]の割り算で中身をまとめると、\(\frac{\sqrt[3]{12}}{\sqrt[3]{3}}=\sqrt[3]{\frac{12}{3}}=\sqrt[3]{4}\) となり、答えは \(\sqrt[3]{4}\) です。
\((\sqrt[4]{5})^3\)
性質[3]で外の累乗を中に入れると、\((\sqrt[4]{5})^3=\sqrt[4]{5^3}=\sqrt[4]{125}\) となり、答えは \(\sqrt[4]{125}\) です。
\(\sqrt[3]{\sqrt{27}}\)
まず性質[4]で二重根号を1つにまとめます。
外の指数3と中の指数2をかけて、\(\sqrt[3]{\sqrt{27}}=\sqrt[6]{27}\) です。
27は \(3^3\) なので \(\sqrt[6]{27}=\sqrt[6]{3^3}\) となり、性質[5]で指数を3で約分すると \(\sqrt[6]{3^3}=\sqrt{3}\) です。

性質を当てはめるだけで、こんなにスッキリするんですね!

そう。中身をまとめる → 指数を約分する の流れが基本だよ。
練習問題

それぞれ計算してみよう。答えとヒントは折りたたみの中にあるよ。
次の式を計算せよ。
\(\sqrt[3]{3}\times\sqrt[3]{9}\)
ヒントを見る
性質[2]で根号の中をまとめよう。\(3\times9=27\) だよ。
答えを見る
\(\sqrt[3]{3}\times\sqrt[3]{9}=\sqrt[3]{27}\)
\(\phantom{\sqrt[3]{3}\times\sqrt[3]{9}}=\sqrt[3]{3^3}=3\)
\(\frac{\sqrt[4]{32}}{\sqrt[4]{2}}\)
ヒントを見る
性質[2]の割り算。\(32\div2=16\) を使おう。
答えを見る
\(\frac{\sqrt[4]{32}}{\sqrt[4]{2}}=\sqrt[4]{16}\)
\(\phantom{\frac{\sqrt[4]{32}}{\sqrt[4]{2}}}=\sqrt[4]{2^4}=2\)
\((\sqrt[3]{5})^2\)
ヒントを見る
性質[3]で、外の2乗を中に入れよう。
答えを見る
\((\sqrt[3]{5})^2=\sqrt[3]{5^2}=\sqrt[3]{25}\)
\(\sqrt[4]{\sqrt[3]{12}}\)
ヒントを見る
性質[4]で、外の指数4と中の指数3をかけよう。
答えを見る
\(\sqrt[4]{\sqrt[3]{12}}=\sqrt[4\times3]{12}=\sqrt[12]{12}\)
\(\sqrt[8]{16}\)
ヒントを見る
\(16=2^4\)。性質[5]で指数を約分しよう。
答えを見る
\(\sqrt[8]{16}=\sqrt[8]{2^4}\)
\(\phantom{\sqrt[8]{16}}=\sqrt[2]{2}=\sqrt{2}\)
まとめ:累乗根の性質

さて、今回のまとめだよ!
累乗根の計算は、次の5つの性質が土台です(a, b は正、m, n, p は正の整数)。
[1] \(\sqrt[n]{a^n}=a\)
[2] \(\sqrt[n]{a}\,\sqrt[n]{b}=\sqrt[n]{ab}\)、\(\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}}=\sqrt[n]{\frac{a}{b}}\)
[3] \((\sqrt[n]{a})^m=\sqrt[n]{a^m}\)
[4] \(\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}}=\sqrt[mn]{a}\)
[5] \(\sqrt[n]{a^m}=\sqrt[np]{a^{mp}}\)
計算のコツは 「根号の中をまとめる」→「指数を約分する」 の流れです。

また一つ賢くなった!





コメント