
今日の板書はこれ!
⚡ 底が1より小さいとき、logをはずすと不等号の向きが逆になることに注意!
① 真数条件(真数 \(>0\))と底の条件(底 \(>0\)、底 \(\neq 1\))を確認する
② 異なる底の対数が混ざるときは、底の変換公式で底をそろえる
その後、次の〔1〕か〔2〕で解く。
〔1〕両辺を1つの対数にまとめて外す:
・\(a>1\) のとき \(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)(向きそのまま)
・\(0<a<1\) のとき \(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X < Y\)(向きが逆)
〔2〕\(\log_a x = X\) と置換して、簡単な不等式に帰着する
\(\log_2 x \leq 3\)
▼ 解答
真数条件より \(x>0\) …①
\(3=\log_2 8\) だから \(\log_2 x \leq \log_2 8\)。底 \(2>1\) より \(x \leq 8\)
①と合わせて \(0<x \leq 8\)
\(2\log_3(2-x) < \log_3(x+4)\)
▼ 解答
真数条件より \(2-x>0\)、\(x+4>0\)。よって \(-4<x<2\) …①
\(\log_3(2-x)^2 < \log_3(x+4)\)。底 \(3>1\) より \((2-x)^2 < x+4\)
\(x(x-5)<0\) より \(0<x<5\)。①と合わせて \(0<x<2\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
対数不等式の考え方

前回は「対数方程式」、つまり \(\log_a X = \log_a Y\) なら \(X=Y\) というルールで解いたね。今回はその等号が不等号になった「対数不等式」だよ。

\(=\) が \(>\) や \(<\) になるだけなら、同じように解けそう!

基本の流れはほとんど同じ。でも1つだけ、絶対に外せない超重要ポイントがあるんだ。まずは共通の土台から確認しよう。
その1:真数条件を「最初に」確認する
対数 \(\log_a x\) が意味を持つのは、真数が正、つまり \(x>0\) のときだけです。
これは真数条件と呼ばれ、対数不等式でも最初に書き出すのが鉄則です。
この根拠は対数の定義そのものにあります。
くわしくは対数の定義の記事を見てね。

大事なのは、不等式を解いて出た答えと、この真数条件の共通範囲を最後にとること。ここを忘れると、答えに「あり得ない \(x\)」が混ざってしまうよ。
その2:底が1より大きいか小さいかで向きが変わる

さあ、ここが今回いちばん大事なところ!
対数関数 \(y=\log_a x\) は、底によってグラフの形が変わります。
\(a>1\) のときは増加関数(右上がり)、\(0<a<1\) のときは減少関数(右下がり)でしたね(対数関数のグラフ)。
だから両辺を \(\log_a X\) と \(\log_a Y\) の形にそろえて log を外すとき、次のように分かれます。
・\(a>1\)(増加)なら大小はそのまま:\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)
・\(0<a<1\)(減少)なら大小が逆転:\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X \color{red}{<} Y\)

減少関数は「入力が大きいほど値が小さくなる」から、値の大小をくらべると入力の大小は逆になるんだね!

その通り!底が1より小さいと、logを外すとき不等号の向きが逆になる。グラフが右上がりか右下がりか、で判断できるよ。
その3:数を「対数の形」に直すコツ
右辺が \(3\) のような「ただの数」のときは、その数を同じ底の対数に直すと両辺を比べられます。
たとえば \(\log_2 2 = 1\) なので、\(3 = 3\log_2 2 = \log_2 2^3 = \log_2 8\) と変形できます。

「底の何乗になるか」を考えて、数を \(\log_2 8\) のように対数へ直すのがコツ。係数を対数の中に入れる変形は対数の性質の記事が根拠だよ。
例題1:log₂x ≦ 3
\(\log_2 x \leq 3\)
真数条件を確認
まず真数条件です。
真数は \(x\) なので \(x>0\) …①
底をそろえて解く
右辺の \(3\) を底 \(2\) の対数に直すと \(3=\log_2 8\)(\(2^3=8\) だから)。
よって \(\log_2 x \leq \log_2 8\) となります。
底 \(2\) は \(1\) より大きいので、不等号の向きはそのまま:\(x \leq 8\)。
①の \(x>0\) と合わせて、共通範囲は \(0<x \leq 8\) です。

真数条件の \(x>0\) があるから、\(0\) 以下は入らないんだね!
例題2:2log₃(2−x) < log₃(x+4)
\(2\log_3(2-x) < \log_3(x+4)\)
真数条件を確認
真数はどちらも正でなければなりません。
\(2-x>0\) かつ \(x+4>0\)、つまり \(x<2\) かつ \(x>-4\)。
まとめて \(-4<x<2\) …①
係数2を対数の中に入れる
左辺の係数 \(2\) は、\(p\log_a M = \log_a M^p\) を使って中に入れます:\(2\log_3(2-x) = \log_3(2-x)^2\)。
すると \(\log_3(2-x)^2 < \log_3(x+4)\) となります。
底をそろえて解く
底 \(3\) は \(1\) より大きいので、向きはそのまま:\((2-x)^2 < x+4\)。
展開して整理すると \(4-4x+x^2 < x+4\)、すなわち \(x^2-5x<0\)、\(x(x-5)<0\)。
よって \(0<x<5\)。
①の \(-4<x<2\) と合わせて、共通範囲は \(0<x<2\) です。

係数の \(2\) を先に中に入れてから比べるのがポイントだね!
練習問題

最後に練習だよ。真数条件を最初に、そして底の大小で向きに注意してね。答えは「答えを見る」で確認できるよ。
次の不等式を解け。
(1) \(\log_3 x < 2\)
(2) \(\log_{1/2} x \leq 2\)
答えを見る
(1) 真数条件 \(x>0\)。\(\log_3 x < \log_3 9\)、底 \(3>1\) より \(x<9\)。よって \(0<x<9\)
(2) 真数条件 \(x>0\)。\(\log_{1/2} x \leq \log_{1/2}\frac{1}{4}\)、底 \(\frac{1}{2}<1\) より向きが逆で \(x \geq \frac{1}{4}\)。よって \(x \geq \frac{1}{4}\)
次の不等式を解け。
(1) \(\log_2(2-x) \geq \log_2 x\)
(2) \(\log_{1/3}(3-2x) \geq \log_{1/3} x\)
答えを見る
(1) 真数条件 \(2-x>0\)、\(x>0\) より \(0<x<2\)。底 \(2>1\) より \(2-x \geq x\)、\(x \leq 1\)。よって \(0<x \leq 1\)
(2) 真数条件 \(3-2x>0\)、\(x>0\) より \(0<x<\frac{3}{2}\)。底 \(\frac{1}{3}<1\) より向きが逆で \(3-2x \leq x\)、\(x \geq 1\)。よって \(1 \leq x < \frac{3}{2}\)
次の不等式を解け。
\(\log_5(3x+10) \geq 2\log_5 x\)
答えを見る
真数条件 \(x>0\)(このとき \(3x+10>0\) も成立)。\(2\log_5 x = \log_5 x^2\) だから \(\log_5(3x+10) \geq \log_5 x^2\)
底 \(5>1\) より \(3x+10 \geq x^2\)、\(x^2-3x-10 \leq 0\)、\((x-5)(x+2) \leq 0\) で \(-2 \leq x \leq 5\)。真数条件と合わせて \(0<x \leq 5\)
まとめ:対数不等式

さて、今回のまとめだよ!
⚡ 底が1より小さいとき、logをはずすと不等号の向きが逆になる(最重要)
① 真数条件(真数 \(>0\))と底の条件を最初に確認する
② 底の変換公式で底をそろえる
・\(a>1\):\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X > Y\)
・\(0<a<1\):\(\log_a X > \log_a Y \Leftrightarrow X < Y\)
最後に、真数条件と解いた不等式の共通範囲をとる

また一つ賢くなった!
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