【数学Ⅱ】微分10:3次方程式の実数解の個数(定数分離)

3次方程式の実数解の個数(定数分離) 微分
さん
さん

今日の板書はこれ!

3次方程式の実数解の個数(定数分離)

定数 \(a\) が完全に分離できる場合は、\(f(x)=a\) の形に変形する。

すると、実数解の個数は、図的には\(y=f(x)\) のグラフと直線 \(y=a\) の共有点の個数となる。

例題1

方程式 \(x^3+3x^2-a=0\) が異なる3つの実数解をもつように、定数 \(a\) の値の範囲を定めよ。


▼ 解答

\(x^3+3x^2=a\) と変形できるので、\(y=x^3+3x^2\) と直線 \(y=a\) の共有点の個数を調べる。

\(y’=3x(x+2)\) より、極大値は 4(\(x=-2\))、極小値は 0(\(x=0\))となる。

グラフをかくと、直線 \(y=a\) と3点で交わるのは \(0<a<4\) のときである。

生徒
生徒

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定数分離とは?

さん
さん

前回は、方程式の実数解の個数を「グラフと x 軸の共有点」で数えたね。

さん
さん

今回は、方程式の中に定数 \(a\) が入っている問題だよ。

生徒
生徒

\(a\) が入っていると、\(a\) の値によってグラフの形が変わっちゃいませんか?

さん
さん

そう、そのままだとグラフ全体が動いて考えにくい。だから \(a\) だけを右辺に追い出すんだ。これが「定数分離」だよ。

方程式 \(x^3+3x^2-a=0\) は、\(a\) を右辺に移すと \(x^3+3x^2=a\) と変形できます。

この方程式の実数解は、\(y=x^3+3x^2\) のグラフと直線 \(y=a\) の共有点の x 座標です。

つまり、実数解の個数は、共有点の個数です。

分離すると何がうれしい?

さん
さん

左辺の \(y=x^3+3x^2\) には \(a\) が入っていないから、グラフは固定。動くのは右辺の直線 \(y=a\) だけになるんだ。

直線 \(y=a\) は x 軸に平行な直線です。

\(a\) の値が変わっても、この直線は上下に平行移動するだけなので、グラフは1回かくだけで済みます。

あとは直線を上下に動かして、共有点を数えればよいのです。

生徒
生徒

動くのが横線1本だけなら、図で考えやすいですね!

例題:定数分離で実数解の個数を考える

例題1

方程式 \(x^3+3x^2-a=0\) が異なる3つの実数解をもつように、定数 \(a\) の値の範囲を定めよ。

考え方

さん
さん

まず \(a\) を分離して、\(y=x^3+3x^2\) のグラフをかこう。そのあと直線 \(y=a\) を動かして、共有点が3個になるところを探すよ。

\(x^3+3x^2-a=0\) を変形すると \(x^3+3x^2=a\) となるので、この方程式の実数解の個数は、\(y=x^3+3x^2\) と \(y=a\) のグラフの共有点の個数と等しくなります。

増減を調べてグラフをかく

\(y=x^3+3x^2\) を微分すると \(y’=3x^2+6x=3x(x+2)\) となるので、\(y’=0\) とすると \(x=-2,\ 0\) となります。

増減表は次のようになります。

極大値は 4(\(x=-2\) のとき)、極小値は 0(\(x=0\) のとき)です。

この値をもとに、\(y=x^3+3x^2\) のグラフの概形をかくと、次のようになります。

直線 y=a を上下に動かして共有点を数える

さん
さん

ここがメイン!直線 \(y=a\) を上から下へゆっくり動かしながら、グラフとの共有点を数えてみよう。

直線が極大値 4 より上にあるときは、グラフの右側と1点で交わるので、共有点は1個です。

直線が \(y=4\) まで下がると、山の頂上で接するので、共有点は2個となります。

直線が \(y=4\) と \(y=0\) の間にあるときは、山と谷をまたいで交わるので、共有点は3個となります。

直線が \(y=0\) まで下がると、谷の底で接するので、共有点は2個となります。

直線が 0 より下にあるときは、グラフの左側と1点で交わるので、共有点は1個です。

生徒
生徒

3個になるのは、直線が山の頂上と谷の底の間にあるときだけですね!

よって、異なる3つの実数解をもつような \(a\) の値の範囲は \(0<a<4\) です。

さん
さん

\(a=4\) や \(a=0\) のときは直線がグラフに接して、共有点は2個になるよ。だから端の値は入らないんだ。これも図で見ればすぐ分かるね。

練習問題

さん
さん

同じ手順でやってみよう。\(a\) を分離して、グラフをかいて、直線 \(y=a\) を動かすのがポイントだよ。

練習1

方程式 \(2x^3-3x^2-a=0\) がただ1個の実数解をもつように、定数 \(a\) の値の範囲を定めよ。

答えを見る

\(2x^3-3x^2=a\) と変形できるので、\(y=2x^3-3x^2\) と直線 \(y=a\) の共有点の個数を調べる。

\(y’=6x^2-6x=6x(x-1)\) より、\(y’=0\) とすると \(x=0,\ 1\) となる。増減表は次のようになる。

x⋯0⋯1⋯
y’+0−0+
y↗0↘−1↗

極大値は 0(\(x=0\) のとき)、極小値は -1(\(x=1\) のとき)である。この値をもとにグラフをかき、直線 \(y=a\) を上下に動かす。

共有点がただ1個となるのは、直線が山の頂上より上にあるとき、または谷の底より下にあるときである。

よって、求める \(a\) の値の範囲は \(a<-1,\ 0<a\) である。

まとめ:3次方程式の実数解の個数(定数分離)

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

3次方程式の実数解の個数(定数分離)

① 定数 \(a\) を右辺に分離して \(f(x)=a\) の形にする。

② 増減表を作り、\(y=f(x)\) のグラフの概形をかく。

③ 直線 \(y=a\) を上下に動かし、共有点の個数=実数解の個数 を数える。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

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