
今日の板書はこれ!
常に \(g(x)>h(x)\) が成り立つことは、差をとった関数 \(f(x)=g(x)-h(x)\) が常に正であることと同じである。
そして、常に \(f(x)>0\) となるのは、\(f(x)\) の最小値が正のときである。
\(f(x)\) が3次以上の関数のときは、増減表を作って最小値を求める。
\(x\geq 0\) のとき、不等式 \(x^3+4\geq 3x^2\) が成り立つことを証明せよ。
▼ 解答
\(f(x)=x^3-3x^2+4\) とおく。
\(f'(x)=3x(x-2)\) より、\(x\geq 0\) において \(f(x)\) は \(x=2\) で 最小値 0 をとる。
よって \(f(x)\geq 0\) より、\(x^3+4\geq 3x^2\) が成り立つ。

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
不等式が常に成り立つとは?

今回は「不等式の証明」に微分を使うよ。3次式どうしの大小は、式を見ているだけではなかなか分からないよね。

\(x^3+4\) と \(3x^2\) って、どっちが大きいかパッと分からないです……。

そこで、2つを比べる代わりに「差」を1つの関数にしてしまうんだ。
\(g(x)>h(x)\) は、右辺を左辺に移すと \(g(x)-h(x)>0\) と書きかえられます。
そこで \(f(x)=g(x)-h(x)\) とおくと、「常に \(g(x)>h(x)\)」は 「常に \(f(x)>0\)」 と同じ意味になります。
グラフで見ると「x 軸より上にある」ということ

「常に \(f(x)>0\)」を図で考えてみよう。これは、\(y=f(x)\) のグラフが、いつでも x 軸より上にあるということだよ。
グラフ全体が x 軸より上にあるかどうかは、グラフのいちばん低いところを見れば分かります。
いちばん低いところ、つまり 最小値が 0 より大きければ、ほかのすべての点も 0 より大きいからです。
こうして、不等式の証明は「\(f(x)\) の最小値を求める問題」に変わります。

いちばん低い点さえ x 軸より上なら、グラフ全体が上にあるってことですね!

その通り!最小値の求め方は、前に「関数の最大・最小」で練習したね。3次関数なら、増減表を作ればいいんだ。
例題:微分を使って不等式を証明する
\(x\geq 0\) のとき、不等式 \(x^3+4\geq 3x^2\) が成り立つことを証明せよ。
差をとって f(x) とおく

まずは、右辺を左辺に移して、差を関数にしよう。
\(x^3+4\geq 3x^2\) の右辺を左辺に移すと、\(x^3-3x^2+4\geq 0\) となります。
そこで \(f(x)=x^3-3x^2+4\) とおき、\(x\geq 0\) で \(f(x)\geq 0\) となることを示します。
増減表を作って最小値を求める
\(f'(x)=3x^2-6x=3x(x-2)\) となるので、\(f'(x)=0\) とすると \(x=0,\ 2\) となります。
\(x\geq 0\) の範囲で増減表を作ると、次のようになります。

\(f(0)=4\)、\(f(2)=8-12+4=0\) となるので、\(f(x)\) は \(x=2\) のとき 最小値 0 をとります。

グラフで見ると、\(x=2\) のところで x 軸にちょうど接していて、それ以外はずっと x 軸より上にあるね。
結論を書く
\(x\geq 0\) における最小値が 0 なので、\(f(x)\geq 0\) となります。
よって、\(x\geq 0\) のとき \(x^3+4\geq 3x^2\) が成り立ちます。
等号が成り立つのは、最小値をとる \(x=2\) のときです。

最小値が 0 だから「≧」なんですね。最小値が正だったら「>」になるのかな?

そういうこと!最小値が 0 ちょうどなら等号つきの \(\geq\)、0 より大きければ等号なしの \(>\) が言えるよ。
「x≧0 のとき」という条件の意味

ちなみに、この不等式は \(x\geq 0\) の条件がないと成り立たないんだ。たとえば \(x=-2\) を入れてみて。
\(f(-2)=-8-12+4=-16\) となるので、\(x=-2\) では \(f(x)\) が負になります。
3次関数のグラフは左側で下に下がっていくので、考える範囲を \(x\geq 0\) にしぼることが大切です。
増減表も、問題で指定された範囲だけで作ります。

範囲の中でのいちばん低いところを見ればいいんですね!
練習問題

同じ手順でやってみよう。差をとって \(f(x)\) とおいて、増減表で最小値を求めるのがポイントだよ。
\(x\geq 0\) のとき、次の不等式が成り立つことを証明せよ。
\(x^3+3x^2+5\geq 9x\)
答えを見る
\(f(x)=x^3+3x^2-9x+5\) とおき、\(x\geq 0\) で \(f(x)\geq 0\) となることを示す。
\(f'(x)=3x^2+6x-9=3(x+3)(x-1)\) より、\(x\geq 0\) の範囲で \(f'(x)=0\) とすると \(x=1\) となる。増減表は次のようになる。
| x | 0 | ⋯ | 1 | ⋯ |
| f'(x) | − | 0 | + | |
| f(x) | 5 | ↘ | 0 | ↗ |
\(f(1)=1+3-9+5=0\) より、\(x\geq 0\) において \(f(x)\) は \(x=1\) で 最小値 0 をとる。
よって \(f(x)\geq 0\) より、\(x\geq 0\) のとき \(x^3+3x^2+5\geq 9x\) が成り立つ。等号が成り立つのは \(x=1\) のときである。
まとめ:不等式が常に成り立つ条件(微分の利用)

さて、今回のまとめだよ!
① 差をとって \(f(x)=\)(左辺)−(右辺) とおく。
② 増減表を作り、考える範囲での \(f(x)\) の最小値を求める。
③ 最小値が 0 以上なら、\(f(x)\geq 0\) が常に成り立つ(最小値が正なら \(f(x)>0\) である)。

また一つ賢くなった!






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