
今日の板書はこれ!
積分方程式 定積分を含む等式を満たす関数 \(f(x)\) を求める
積分区間に変数 \(x\) を含むとき、次の2つを行う。
[1] 両辺を \(x\) で微分する
\(\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)(\(a\) は定数)
[2] 定積分が 0 となる値を両辺の \(x\) に代入する
\(\int_a^a f(t)\,dt=0\)
次の等式を満たす関数 \(f(x)\) と定数 \(a\) の値を求めよ。
\(\int_a^x f(t)\,dt=x^2-3x+2\)
▼ 解答
両辺を \(x\) で微分すると、
\(f(x)=2x-3\)
両辺に \(x=a\) を代入すると、
\(0=a^2-3a+2\)
より
\((a-1)(a-2)=0\)
よって
\(a=1,\ 2\)

もっと詳しく願いします!!
現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。
「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。
でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。
意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!
積分方程式②(変数型)とは?

前回は、積分区間に \(x\) を含まない「定数型」の積分方程式を解いたね。今回は、積分区間に変数 \(x\) を含む「変数型」を考えるよ。
例えば、
\(\int_a^x f(t)\,dt=x^2-3x+2\)
のように、積分区間の上端が変数 \(x\) になっている積分方程式を考えます。
この定積分は上端が \(x\) なので、計算した答えは\(x\) の式になります。
そのため、前回のように定積分を定数 \(k\) とおくことはできません。

定数じゃないなら、どうやって解けばいいんですか?

ここで使うのが微分なんだ!\(x\) を含む定積分を \(x\) で微分すると、中身の関数がそのまま出てくるんだよ。
定積分を微分するとどうなる?
積分してから微分してみる(具体例)
まず、具体的な定積分を計算してみます。
\(\int_1^x 3t^2\,dt=\left[t^3\right]_1^x=x^3-1\)
となり、答えは \(x\) の式になります。
これを \(x\) で微分すると、
\(\frac{d}{dx}(x^3-1)=3x^2\)
となります。
積分する前の関数 \(3t^2\) の \(t\) を \(x\) にかえた\(3x^2\)が、そのまま出てきました。

積分してから微分したら、元にもどった!

そう!積分したものを微分すると元にもどるんだ。下端の 1 から出てきた \(-1\) は定数だから、微分すると消えるよ。
一般化する
\(f(t)\) の不定積分の1つを \(F(t)\) とすると、
\(\int_a^x f(t)\,dt=F(x)-F(a)\) となります。
下端の \(a\) は定数なので、\(F(a)\) も定数です。
これを \(x\) で微分すると、
\(\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt\)
\(=\frac{d}{dx}\{F(x)-F(a)\}\)
\(=F'(x)-0\)
\(=f(x)\)
となります。
よって \(\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)(\(a\) は定数)が成り立ちます。
定数の \(F(a)\) は微分すると 0 になるので、下端の \(a\) がいくつであっても、微分した結果は \(f(x)\) になります。
もう1つの道具:積分区間の両端が等しい定積分
積分区間の両端が等しい定積分は、
\(\int_a^a f(t)\,dt=0\)
となるのでした。

等式の両辺に \(x=a\) を代入すると、左辺が \(\int_a^a\) になって 0 になるんだ。これで\(a\) についての方程式が作れるよ!
例題1:両辺を微分して f(x) と a を求めよう
次の等式を満たす関数 \(f(x)\) と定数 \(a\) の値を求めよ。
\(\int_a^x f(t)\,dt=x^2-3x+2\)
考え方

積分区間に \(x\) を含むから変数型だね。両辺を \(x\) で微分して \(f(x)\) を、\(x=a\) を代入して \(a\) を求めよう!
左辺を \(x\) で微分すると \(f(x)\) になるので、右辺を微分すれば \(f(x)\) が求まります。
また、\(x=a\) を代入すると左辺が 0 になるので、\(a\) についての方程式ができます。
解いてみよう
まず、両辺を \(x\) で微分します。
左辺は \(\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)
右辺は \(\frac{d}{dx}(x^2-3x+2)=2x-3\)
なので、 \(f(x)=2x-3\) となります。
次に、等式の両辺に\(x=a\)を代入します。
左辺は積分区間の両端が等しくなるので、 \(\int_a^a f(t)\,dt=0\)
右辺は \(a^2-3a+2\) となるので、
\(\color{#45A3DA}{0}=a^2-3a+2\)
という \(a\) についての2次方程式ができます。
これを因数分解すると、 \((a-1)(a-2)=0\)
よって、 \(a=1,\ 2\) です。

\(a\) が2つ出てくることもあるんですね!

そうだね。どちらの \(a\) でも、もとの等式が成り立つよ。確かめてみよう!
答えを確かめよう
\(a=1\) のとき、
\(\int_1^x (2t-3)\,dt=\left[t^2-3t\right]_1^x\)
\(=(x^2-3x)-(1-3)\)
\(=x^2-3x+2\)
\(a=2\) のとき、
\(\int_2^x (2t-3)\,dt=\left[t^2-3t\right]_2^x\)
\(=(x^2-3x)-(4-6)\)
\(=x^2-3x+2\)
となり、どちらも右辺の \(x^2-3x+2\) と一致します。

ちゃんともとの等式を満たしてる!
練習問題

積分区間に \(x\) を含むから、両辺を \(x\) で微分と\(x=a\) を代入の2つを行おう!
次の等式を満たす関数 \(f(x)\) と定数 \(a\) の値を求めよ。
\(\int_a^x f(t)\,dt=x^2-x-2\)
答えを見る
両辺を \(x\) で微分すると、 \(f(x)=2x-1\)
両辺に \(x=a\) を代入すると、
\(0=a^2-a-2\) より \((a+1)(a-2)=0\)
よって \(a=-1,\ 2\)
まとめ:積分方程式②(変数型)

さて、今回のまとめだよ!
積分方程式 定積分を含む等式を満たす関数 \(f(x)\) を求める
積分区間に変数 \(x\) を含むとき、次の2つを行う。
[1] 両辺を \(x\) で微分する
\(\frac{d}{dx}\int_a^x f(t)\,dt=f(x)\)(\(a\) は定数)
[2] 定積分が 0 となる値を両辺の \(x\) に代入する
\(\int_a^a f(t)\,dt=0\)

また一つ賢くなった!







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