【数学Ⅰ】集合と命題04:全体集合と補集合

全体集合と補集合 集合と命題
さん
さん

今日の板書はこれ!

全体集合と補集合

■ 全体集合
ある集合の部分集合だけを考えるとき、もとになる集合を全体集合といい、\(U\) で表す。

■ 補集合
全体集合 \(U\) の要素のうち、\(A\) に属さない要素全体の集合を \(A\) の補集合といい、\(\overline{A}\) で表す。

■ 補集合の性質
① \(\overline{\overline{A}}=A\)
② \(A\cap \overline{A}=\emptyset\),\(A\cup \overline{A}=U\)
③ \(A\subset B\Leftrightarrow \overline{A}\supset \overline{B}\)

■ ド・モルガンの法則

\(\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap \overline{B}\) \(\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}\)

例題1

\(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\}\) を全体集合とし、\(A=\{1,\ 2,\ 3\}\),\(B=\{3,\ 6\}\) とする。次の集合を求めよ。
(1) \(\overline{A}\) (2) \(A\cup B\) (3) \(\overline{A\cup B}\) (4) \(\overline{A}\cup \overline{B}\)


▼ 解答

(1) \(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\)

(2) \(A\cup B=\{1,\ 2,\ 3,\ 6\}\)

(3) (2)より \(\overline{A\cup B}=\{4,\ 5\}\)

(4) ド・モルガンの法則より \(\overline{A}\cup \overline{B}=\overline{A\cap B}\) であり、\(A\cap B=\{3\}\) であるから

\(\overline{A}\cup \overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

さん
さん

勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!

全体集合の中で「Aでないもの」を表すと?

例題1

\(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\}\) を全体集合とし、\(A=\{1,\ 2,\ 3\}\),\(B=\{3,\ 6\}\) とする。次の集合を求めよ。
(1) \(\overline{A}\) (2) \(A\cup B\) (3) \(\overline{A\cup B}\) (4) \(\overline{A}\cup \overline{B}\)

生徒
生徒

\(A\) の上に線がついているのは何ですか?初めて見ました…。

全体集合と補集合とは?

さん
さん

これは「\(A\) 以外」を表す記号だよ!ただし「何の中での以外なのか」を決めておく必要があるんだ。

ある集合の部分集合だけを考えるとき、もとになる集合を全体集合といい、\(U\) で表します。

例題1では \(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\}\) が全体集合です。

全体集合 \(U\) の要素のうち、\(A\) に属さない要素全体の集合を \(A\) の補集合といい、\(\overline{A}\) で表します。

「\(A\) バー」と読みます。

例題1では、\(U\) の要素から \(A=\{1,\ 2,\ 3\}\) の要素を除いて、 \(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\) となります。

長方形の全体集合Uの中に円A。Aの外側の補集合を塗り、Aに1,2,3、外に4,5,6

ベン図では、全体集合 \(U\) を長方形で表し、その中で \(A\) の円の外側が補集合 \(\overline{A}\) になります。

補集合の性質

補集合には、次の3つの性質があります。

例題1の \(A\) で確かめてみましょう。

① 補集合の補集合はもとの集合

\(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\) の補集合は、\(U\) から4, 5, 6を除いた \(\{1,\ 2,\ 3\}\) で、\(A\) にもどります。

\(\overline{\overline{A}}=A\)

② Aとその補集合

\(A\) と \(\overline{A}\) には共通な要素がなく、合わせると全体集合になります。

\(A\cap\overline{A}=\emptyset\) \(A\cup\overline{A}=U\)

③ 包含関係と補集合

\(A\) が \(B\) に含まれるとき、補集合では包含関係の向きが逆になります。

\(A\subset B\Leftrightarrow \overline{A}\supset \overline{B}\)

\(A\subset B\) のとき、ベン図では \(A\) の円が \(B\) の円の中にすっぽり入っています。

\(\overline{B}\) は \(B\) の外側の部分です。

\(A\) は \(B\) の内側にあるので、\(B\) の外側は必ず \(A\) の外側にもなっています。

つまり、\(\overline{B}\) の要素はすべて \(\overline{A}\) の要素なので、\(\overline{B}\subset \overline{A}\)、すなわち \(\overline{A}\supset \overline{B}\) です。

逆に \(\overline{A}\supset\overline{B}\) のときも、同じように考えると \(A\subset B\) となります。

補集合をとると、包含関係の向きが逆になるのです。

ド・モルガンの法則

生徒
生徒

(3) と (4) は、バーが長かったり2本あったりして、どう考えればいいか分かりません…。

さん
さん

そこで使うのが「ド・モルガンの法則」だよ!まずは例題1の数で確かめてみよう。

(3) の \(\overline{A\cup B}\) は、\(A\cup B=\{1,\ 2,\ 3,\ 6\}\) の補集合なので \(\{4,\ 5\}\) です。

一方、\(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\),\(\overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5\}\) の共通部分を求めると、\(\overline{A}\cap\overline{B}=\{4,\ 5\}\) となり、同じ集合になります。

このように、次の2つの式がいつでも成り立ちます。

これをド・モルガンの法則といいます。

\(\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap \overline{B}\)

\(\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}\)

ド・モルガンの法則のベン図2つ。左はA∪Bの補集合、右はA∩Bの補集合を塗った図

覚え方は、全体にかかったバーを1本ずつに分けると、\(\cup\) と \(\cap\) が入れかわる、です。

逆向きに使うと、バー(「以外」)を2本から1本に減らせます。

バーが少ない形の方が計算が楽になることが多いので、うまく使い分けましょう。

補集合を求めよう

例題1

\(U=\{1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6\}\) を全体集合とし、\(A=\{1,\ 2,\ 3\}\),\(B=\{3,\ 6\}\) とする。次の集合を求めよ。
(1) \(\overline{A}\) (2) \(A\cup B\) (3) \(\overline{A\cup B}\) (4) \(\overline{A}\cup \overline{B}\)

例題1のベン図。長方形Uの中に円Aと円B。Aだけに1,2、重なりに3、Bだけに6、外に4,5

(1) \(U\) から \(A\) の要素を除いて、 \(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\) です。

(2) \(A\) と \(B\) の要素を合わせて、 \(A\cup B=\{1,\ 2,\ 3,\ 6\}\) です。

(3) (2) の補集合なので、 \(\overline{A\cup B}=\{4,\ 5\}\) です。

(4) \(\overline{A}\) と \(\overline{B}\) をそれぞれ求めてから和集合をとってもよいですが、ド・モルガンの法則を使うとバーが1本になって楽です。

\(\overline{A}\cup\overline{B}=\overline{A\cap B}\) で、\(A\cap B=\{3\}\) なので、

\(\overline{A}\cup\overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5,\ 6\}\) です。

生徒
生徒

バーを1本にまとめると、求める集合が1回の補集合で済むんですね!

さん
さん

そのとおり!「以外」が多いと考えにくいから、ド・モルガンの法則で減らすのがコツだよ!

練習問題

練習1

例題1の全体集合 \(U\) と集合 \(A\),\(B\) について、次の集合を求めよ。

(1) \(\overline{B}\) (2) \(\overline{A\cap B}\) (3) \(\overline{A}\cap\overline{B}\)

(4) \(\overline{A}\cup\overline{B}\) (5) \(\overline{A}\cap B\) (6) \(A\cap\overline{B}\)

答えを見る

\(\overline{A}=\{4,\ 5,\ 6\}\),\(\overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5\}\) である。

(1) \(\overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5\}\)

(2) \(A\cap B=\{3\}\) であるから \(\overline{A\cap B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)

(3) \(\overline{A}\cap\overline{B}=\{4,\ 5\}\)

(4) \(\overline{A}\cup\overline{B}=\{1,\ 2,\ 4,\ 5,\ 6\}\)

(5) \(\overline{A}\cap B=\{6\}\)

(6) \(A\cap\overline{B}=\{1,\ 2\}\)

まとめ:全体集合と補集合

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

全体集合と補集合

■ 全体集合
ある集合の部分集合だけを考えるとき、もとになる集合を全体集合といい、\(U\) で表す。

■ 補集合
全体集合 \(U\) の要素のうち、\(A\) に属さない要素全体の集合を \(A\) の補集合といい、\(\overline{A}\) で表す。

■ 補集合の性質
① \(\overline{\overline{A}}=A\)
② \(A\cap \overline{A}=\emptyset\),\(A\cup \overline{A}=U\)
③ \(A\subset B\Leftrightarrow \overline{A}\supset \overline{B}\)

■ ド・モルガンの法則

\(\overline{A\cup B}=\overline{A}\cap \overline{B}\) \(\overline{A\cap B}=\overline{A}\cup \overline{B}\)

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

さん
さん

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!

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