
今日の板書はこれ!
■ 必要条件と十分条件
命題 \(\color{#E9548E}{p}\Longrightarrow \color{#45A3DA}{q}\) が真であるとき
\(q\) は \(p\) であるための必要条件
\(p\) は \(q\) であるための十分条件
であるという。
■ 必要十分条件と同値
\(p\Longrightarrow q\) と \(q\Longrightarrow p\) がともに真であるとき、これを \(p\Longleftrightarrow q\) と表し、
\(p\) は \(q\) であるための必要十分条件、\(q\) は \(p\) であるための必要十分条件であるという。
また、\(p\) と \(q\) は同値であるという。
■ 命題と集合
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合を \(\color{#E9548E}{P}\),\(\color{#45A3DA}{Q}\) とすると
\(P\subset Q\Leftrightarrow\)「\(p\Longrightarrow q\) が真」
■ 必要条件・十分条件の判断手順
[1] 条件 \(p\),\(q\) を最も本質的な形になるまで同値変形する
[2] \(\Longrightarrow\) と \(\Longleftarrow\) の真偽をそれぞれ判断する(可能ならば集合の包含関係を考えると速い)
[3] 主語が矢印(ヤリ)の尾なら十分条件、先なら必要条件である
\(a\),\(b\),\(c\) を実数とする。\(ac=bc\) は、\(a=b\) であるための □ 条件である。□ に「必要」「十分」のうち適する言葉を入れよ。
▼ 解答
\(ac=bc\Longleftrightarrow ac-bc=0\Longleftrightarrow c(a-b)=0\)
\(\Longleftrightarrow a=b\) または \(c=0\)
\(ac=bc\Longrightarrow a=b\) は偽(反例:\(a=1\),\(b=2\),\(c=0\))
\(a=b\Longrightarrow ac=bc\) は真
よって、必要条件である。

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現役教員として数学を教えている「さん」と申します。
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勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!
「ac=bc」と「a=b」はどんな関係?
\(a\),\(b\),\(c\) を実数とする。\(ac=bc\) は、\(a=b\) であるための □ 条件である。□ に「必要」「十分」のうち適する言葉を入れよ。

「必要」とか「十分」とか、どっちがどっちか分からなくなるんですよね…

矢印の向きに注目すると、迷わず判断できるようになるよ!
必要条件と十分条件とは?
2つの条件 \(p\),\(q\) について、命題 \(\color{#E9548E}{p}\Longrightarrow \color{#45A3DA}{q}\) が真であるとき、次のようにいいます。
\(q\) は \(p\) であるための必要条件
\(p\) は \(q\) であるための十分条件
たとえば、実数 \(x\) について命題「\(x=3\) ならば \(x^2=9\)」は真です。
よって、\(x^2=9\) は \(x=3\) であるための必要条件、\(x=3\) は \(x^2=9\) であるための十分条件です。
集合で見ると
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合を \(\color{#E9548E}{P}\),\(\color{#45A3DA}{Q}\) とすると、\(p\Longrightarrow q\) が真であることは \(P\subset Q\) と同じでした。
\(P\subset Q\Leftrightarrow\)「\(p\Longrightarrow q\) が真」

つまり、小さい集合の条件が十分条件、大きい集合の条件が必要条件です。
身近な例で考えてみましょう。
命題「東京都民ならば日本国民である」は真です。
東京都民の集合は、日本国民の集合にすっぽり含まれています。
日本国民であることを示すには、東京都民であることが分かればそれだけで十分です。
だから「東京都民である」は「日本国民である」ための十分条件です。
反対に、東京都民であるためには、日本国民であることがどうしても必要です。
日本国民でなければ、東京都民にはなれないからです。
だから「日本国民である」は「東京都民である」ための必要条件です。
このように、小さい集合(矢印の尾)の側が十分条件、大きい集合(矢印の先)の側が必要条件になります。
必要十分条件と同値
\(p\Longrightarrow q\) と \(q\Longrightarrow p\) がともに真であるとき、これを \(p\Longleftrightarrow q\) と表します。
このとき、\(p\) は \(q\) であるための必要十分条件であり、\(q\) も \(p\) であるための必要十分条件です。
また、\(p\) と \(q\) は同値であるといいます。
集合で見ると \(P\subset Q\) かつ \(Q\subset P\) なので、\(P=Q\) です。
たとえば、実数 \(x\) について \(2x=6\) と \(x=3\) は同値です。
式を変形しても条件が変わらないので、このような変形を同値変形といいます。
必要条件・十分条件の判断手順

必要条件か十分条件かを判断するときは、次の3ステップで考えよう!
[1] 条件 \(p\),\(q\) を、最も本質的な形になるまで同値変形する
[2] \(\Longrightarrow\) と \(\Longleftarrow\) の真偽を、それぞれ判断する
[3] 主語が矢印の尾なら十分条件、先なら必要条件
[2] では、集合の包含関係を考えると速く判断できることがあります。
偽であることは、反例を1つあげれば示せます。

[3] は「ヤリは先が必要」と覚えよう!矢印をヤリに見立てて、ヤリの先に来た条件が必要条件だよ。
矢印の真偽を調べるときは、次のように書くと迷いません。
■ 書き方
[1] 主語(「〇〇は」の方)を左、相手を右に書き、主語に下線を引く
[2] 上に右向きの矢印(主語 \(\Longrightarrow \) 相手)、下に左向きの矢印(相手 \(\Longrightarrow \) 主語)を書く
[3] 矢印が真なら ○、偽なら × を付ける(× には反例を書く)
[4] ○の矢印のヤリの先に主語があれば必要条件、根元にあれば十分条件

■ ○と×の組み合わせ
上が ○、下が × → 十分条件
上が ×、下が ○ → 必要条件
上も下も ○ → 必要十分条件
上も下も × → 必要条件でも十分条件でもない
「〇〇は△△であるための□条件」という問題では、どちらの条件について答えるのかを取り違えやすいです。
主語をいつも左に書くと決めておけば、上の矢印はいつも「主語 ⇒ 相手」、下の矢印はいつも「相手 ⇒ 主語」になります。
矢印の向きを毎回考え直さなくてよいので、○の矢印の先に主語があるか根元にあるかを見るだけで答えが決まります。
最初の問題を解こう
\(a\),\(b\),\(c\) を実数とする。\(ac=bc\) は、\(a=b\) であるための □ 条件である。□ に「必要」「十分」のうち適する言葉を入れよ。
[1] まず、主語の \(ac=bc\) を本質的な形に変形します。
右辺を移項してくくると、次のようになります。
\(ac=bc\Longleftrightarrow c(a-b)=0\Longleftrightarrow a=b\) または \(c=0\)
[2] 次に、主語の \(ac=bc\) を左、\(a=b\) を右に書いて、上下の矢印の真偽を調べます。
上の矢印 \(ac=bc\Longrightarrow a=b\) は偽です。(反例:\(a=1\),\(b=2\),\(c=0\))なので × を付けます。
下の矢印 \(a=b\Longrightarrow ac=bc\) は真なので ○ を付けます。

集合で見ると、「\(a=b\)」の集合は「\(a=b\) または \(c=0\)」の集合にすっぽり含まれています。

[3] ○が付いたのは下の矢印です。主語の \(ac=bc\) は、そのヤリの先にあります。
よって、\(ac=bc\) は \(a=b\) であるための 必要 条件です。

\(c=0\) のときを忘れると、間違えて必要十分条件にしちゃいそうですね!
練習問題
\(x\),\(y\) は実数とする。次の □ に、「必要」「十分」のうち適する言葉を入れよ。
(1) \(x=-2\) は \(x^2=4\) であるための □ 条件である。
(2) \(x>0\) は \(x>1\) であるための □ 条件である。
(3) \(x=y\) は \((x-y)x=0\) であるための □ 条件である。
答えを見る
(1) \(x=-2\Longrightarrow x^2=4\) は真、\(x^2=4\Longrightarrow x=-2\) は偽(反例:\(x=2\))

よって 十分
(2) \(x>0\Longrightarrow x>1\) は偽(反例:\(x=\frac{1}{2}\))、\(x>1\Longrightarrow x>0\) は真

よって 必要
(3) \((x-y)x=0\Longleftrightarrow x=y\) または \(x=0\)
\(x=y\Longrightarrow (x-y)x=0\) は真、\((x-y)x=0\Longrightarrow x=y\) は偽(反例:\(x=0\),\(y=1\))

よって 十分
\(n\) は自然数とする。\(n\) が4の倍数であるための十分条件と必要条件を1つずつあげよ。
答えを見る
(解答例)
十分条件:\(n\) が8の倍数 (\(n\) が8の倍数 \(\Longrightarrow \) \(n\) が4の倍数 は真)
必要条件:\(n\) が偶数 (\(n\) が4の倍数 \(\Longrightarrow \) \(n\) が偶数 は真)

十分条件は4の倍数の集合に含まれる集合、必要条件は4の倍数の集合を含む集合の条件であればよい。
\(x\),\(y\),\(z\) は実数とする。次の中で、\(x=y\) と同値な条件をすべて選べ。
① \(x+z=y+z\) ② \(xz=yz\) ③ \(x^2=y^2\) ④ \((x-y)^2=0\)
答えを見る
① \(x+z=y+z\Longleftrightarrow x=y\) より同値
② \(xz=yz\Longleftrightarrow x=y\) または \(z=0\) より同値でない
③ \(x^2=y^2\Longleftrightarrow x=\pm y\) より同値でない
④ \((x-y)^2=0\Longleftrightarrow x-y=0\Longleftrightarrow x=y\) より同値

よって ①,④
\(x\),\(y\) は実数とする。次の □ に、「必要条件であるが十分条件ではない」「十分条件であるが必要条件ではない」「必要十分条件である」のうち、適する言葉を入れよ。
(1) △ABC が正三角形であることは、△ABC が二等辺三角形であるための □。
(2) \(x<3\) は \(-1<x<1\) であるための □。
(3) \(|x|=|y|\) は \(x^2=y^2\) であるための □。
答えを見る
(1) 正三角形 \(\Longrightarrow \) 二等辺三角形 は真、二等辺三角形 \(\Longrightarrow \) 正三角形 は偽(反例:3辺が 2, 2, 3 の三角形)

よって 十分条件であるが必要条件ではない
(2) \(x<3\Longrightarrow -1<x<1\) は偽(反例:\(x=2\))、\(-1<x<1\Longrightarrow x<3\) は真

よって 必要条件であるが十分条件ではない
(3) \(|x|=|y|\Longleftrightarrow |x|^2=|y|^2\Longleftrightarrow x^2=y^2\)

よって 必要十分条件である
まとめ:必要条件と十分条件

さて、今回のまとめだよ!
■ 必要条件と十分条件
命題 \(\color{#E9548E}{p}\Longrightarrow \color{#45A3DA}{q}\) が真であるとき
\(q\) は \(p\) であるための必要条件
\(p\) は \(q\) であるための十分条件
であるという。
■ 必要十分条件と同値
\(p\Longrightarrow q\) と \(q\Longrightarrow p\) がともに真であるとき、これを \(p\Longleftrightarrow q\) と表し、
\(p\) は \(q\) であるための必要十分条件、\(q\) は \(p\) であるための必要十分条件であるという。
また、\(p\) と \(q\) は同値であるという。
■ 命題と集合
条件 \(p\),\(q\) を満たすもの全体の集合を \(\color{#E9548E}{P}\),\(\color{#45A3DA}{Q}\) とすると
\(P\subset Q\Leftrightarrow\)「\(p\Longrightarrow q\) が真」
■ 必要条件・十分条件の判断手順
[1] 条件 \(p\),\(q\) を最も本質的な形になるまで同値変形する
[2] \(\Longrightarrow\) と \(\Longleftarrow\) の真偽をそれぞれ判断する(可能ならば集合の包含関係を考えると速い)
[3] 主語が矢印(ヤリ)の尾なら十分条件、先なら必要条件である

また一つ賢くなった!

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!





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