【数学A】図形の性質07:メネラウスの定理

図形の性質
さん
さん

今日の板書はこれ!

メネラウスの定理

■ メネラウスの定理
△ABCと1本の直線ℓがある。直線ℓが辺BC,CA,ABまたはその延長と交わる点をそれぞれP,Q,Rとすると、次の式が成り立つ。
\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\)

■ 式の覚え方
チェバの定理と同じく、頂点→分点→頂点→分点→頂点→分点→頂点 の順に三角形を1周する。

例題1

△ABCにおいて、直線ℓが辺AB,CAとそれぞれ点R,Qで交わり、辺BCの延長と点Pで交わる。CQ:QA=3:5,BC:CP=3:2 であるとき、AR:RB を求めよ。


▼ 解答

BC:CP=3:2 より BP:PC=5:2

△ABCと直線ℓについて、メネラウスの定理より

\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{5}{2}\cdot \frac{3}{5}=1\)

よって \(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}=\frac{2}{3}\)

したがって AR:RB=2:3

例題2

△ABCの辺ABを 1:2 に内分する点をR,辺ACを 3:2 に内分する点をQとする。線分BQとCRの交点をO,直線AOと辺BCの交点をPとする。

(1) BP:PC を求めよ。

(2) PO:OA を求めよ。


▼ 解答

(1) △ABCと点Oについて、チェバの定理より

\(\frac{1}{2}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{2}{3}=1\) よって \(\frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}=3\)

したがって BP:PC=3:1

(2) (1)より PB:BC=3:4

△APCと直線BQについて、メネラウスの定理より

\(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}\cdot \frac{\mathrm{PB}}{\mathrm{BC}}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\)

\(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}\cdot \frac{3}{4}\cdot \frac{2}{3}=1\) よって \(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}=2\)

したがって PO:OA=1:2

生徒
生徒

もっと詳しく願いします!!

現役教員として数学を教えている「さん」と申します。

「人より勉強に時間がかかる」と感じていませんか?私の学校にも、同じ悩みを抱えて苦しんでる生徒がたくさんいます。

「教科書や参考書の内容がわからなくて、読むのに時間がかかる」「解答の意味が理解できず、勉強が進まない」教科書や参考書の内容を理解するには、「自分なりに噛み砕いて考える力」が必要です。

でも大丈夫!このサイトでは、私が受けた質問や、つまずきポイントをもとに、わかりやすく解説していきます。

意味から理解し、噛み砕き方をマスターしましょう!!

さん
さん

勉強してるのに点が取れない人は、こっちも読んでみて!

直線が三角形を横切るとき、AR:RBは?

例題1

△ABCにおいて、直線ℓが辺AB,CAとそれぞれ点R,Qで交わり、辺BCの延長と点Pで交わる。CQ:QA=3:5,BC:CP=3:2 であるとき、AR:RB を求めよ。

例題1の図:CQ:QA=3:5、BC:CP=3:2
生徒
生徒

チェバの定理と似ているけど、今度は点じゃなくて、1本の直線が三角形を横切っているんですね…

さん
さん

そう!「三角形と1直線」の図が出てきたら、メネラウスの定理を使うよ。式の形はチェバの定理とそっくりなんだ。

メネラウスの定理とは?

メネラウスの定理は、「三角形と1直線」からできる図についての定理です。

チェバの定理が「三角形と1点」だったのに対して、こちらは点のかわりに1本の直線を考えます。

△ABCと、1本の直線ℓを考えます。

直線ℓが、辺BC,CA,ABまたはその延長と交わる点を、それぞれP,Q,Rとします。

点P,Q,Rは、それぞれの辺を2つの部分に分けているので、チェバの定理と同じく分点とよびます。

三角形ABCと1本の直線ℓ。ℓが辺またはその延長と交わる点P、Q、Rが分点

分点Pのように辺の延長上にある分点は、辺を外分しています。

メネラウスの定理は、この3つの分点が辺を分ける比の関係を表した定理です。

まずは具体例です。

下の図では、直線ℓが辺AB,CAとそれぞれ点R,Qで交わり、辺BCの延長と点Pで交わっています。

AR:RB=1:1,CQ:QA=1:2 で、Pは CP=BC となる位置にあります。

メネラウスの定理の具体例:AR:RB=1:1、BP:PC=2:1、CQ:QA=1:2

BP:PC=2:1 なので、チェバの定理と同じ順に比をかけ合わせてみます。

\(\frac{1}{1}\cdot \frac{2}{1}\cdot \frac{1}{2}=1\)

やはり1になりました。

三角形の3辺(またはその延長)を1本の直線が横切るとき、いつでもこの積が1になります。

これをメネラウスの定理といいます。

\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\)

式の覚え方

式の作り方はチェバの定理と同じで、Aから出発して 頂点→分点→頂点→分点→頂点→分点→頂点 の順に1周します。

ちがいは、分点Pが辺BCの延長上にあるので、BからPまで行ってからCへ「もどる」ところです。

メネラウスの定理の式の順番:①AR、②RB、③BP、④PC、⑤CQ、⑥QA

直線ℓが三角形の外側を通り、3つの交点がすべて延長上にある場合でも、同じ式が成り立ちます。

メネラウスの定理:直線が三角形の外側を通る場合

点Cを通って直線ℓに平行な直線を引き、辺ABとの交点をDとします。

証明の図:Cを通り直線ℓに平行な直線とABの交点D

RPとDCが平行なので、平行線と線分の比の性質から、BP:PC=BR:RD です。

同じように、RQとDCが平行なので、CQ:QA=DR:RA です。

これを代入すると、\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{\mathrm{BR}}{\mathrm{RD}}\cdot \frac{\mathrm{DR}}{\mathrm{RA}}\) となり、すべて約分されて1になります。

最初の問題を解こう

例題1

△ABCにおいて、直線ℓが辺AB,CAとそれぞれ点R,Qで交わり、辺BCの延長と点Pで交わる。CQ:QA=3:5,BC:CP=3:2 であるとき、AR:RB を求めよ。

例題1の図:CQ:QA=3:5、BC:CP=3:2

まず、BC:CP=3:2 から BP:PC を求めます。

BPは BC+CP なので、BP:PC=(3+2):2=5:2 です。

△ABCと直線ℓについて、メネラウスの定理を使います。

Aから順に1周して比を入れます。

\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{5}{2}\cdot \frac{3}{5}=1\)

\(\frac{5}{2}\cdot \frac{3}{5}=\frac{3}{2}\) なので、\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}=\frac{2}{3}\) です。

よって AR:RB=2:3

チェバとメネラウスを組み合わせる

チェバの定理とメネラウスの定理は、1つの図の中で組み合わせて使うことがよくあります。

例題2

△ABCの辺ABを 1:2 に内分する点をR,辺ACを 3:2 に内分する点をQとする。線分BQとCRの交点をO,直線AOと辺BCの交点をPとする。

(1) BP:PC を求めよ。

(2) PO:OA を求めよ。

(1) チェバの定理を使う

3直線AP,BQ,CRは1点Oで交わっているので、△ABCと点Oについてチェバの定理を使います。

例題2(1)の図:三角形ABCと点Oにチェバの定理

\(\frac{1}{2}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{2}{3}=1\)

\(\frac{1}{2}\cdot \frac{2}{3}=\frac{1}{3}\) なので、\(\frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}=3\) となり、BP:PC=3:1 です。

(2) メネラウスの定理を使う

PO:OA は、直線AP上の比です。

そこで、AとPを頂点にもつ△APCを考え、これを直線BQが横切っているとみます。

例題2(2)の図:三角形APCと直線BQにメネラウスの定理

△APCの頂点Aから出発し、A→O→P→B→C→Q→A の順に1周します。

(1)より PB:BC=3:4 です。

\(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}\cdot \frac{\mathrm{PB}}{\mathrm{BC}}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\)

\(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}\cdot \frac{3}{4}\cdot \frac{2}{3}=1\)

よって \(\frac{\mathrm{AO}}{\mathrm{OP}}=2\) となり、PO:OA=1:2 です。

さん
さん

メネラウスの定理では、どの三角形とどの直線を使うかを決めるのが一番のポイントだよ!求めたい比を辺にもつ三角形を選ぼう。

練習問題

練習1

右の図の△ABCにおいて、AR:RB=2:3,BC:CP=2:1 である。CQ:QA を求めよ。

練習1の図:AR:RB=2:3、BC:CP=2:1
答えを見る

BC:CP=2:1 より BP:PC=3:1

△ABCと直線RPについて、メネラウスの定理より

\(\frac{2}{3}\cdot \frac{3}{1}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\) よって \(\frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=\frac{1}{2}\)

したがって CQ:QA=1:2

練習2

右の図の△ABCにおいて、AR:RB=1:4,BP:PC=2:3 である。

(1) CA:AQ を求めよ。

(2) PR:RQ を求めよ。

練習2の図:AR:RB=1:4、BP:PC=2:3、QはCAの延長上
答えを見る

(1) △ABCと直線PQについて、メネラウスの定理より

\(\frac{1}{4}\cdot \frac{2}{3}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\) よって \(\frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=6\)

CQ:QA=6:1 であるから CA:AQ=5:1

(2) △PQCと直線ABについて、メネラウスの定理より

\(\frac{\mathrm{PR}}{\mathrm{RQ}}\cdot \frac{\mathrm{QA}}{\mathrm{AC}}\cdot \frac{\mathrm{CB}}{\mathrm{BP}}=1\)

(1)より QA:AC=1:5,また CB:BP=5:2 であるから

\(\frac{\mathrm{PR}}{\mathrm{RQ}}\cdot \frac{1}{5}\cdot \frac{5}{2}=1\) よって \(\frac{\mathrm{PR}}{\mathrm{RQ}}=2\)

したがって PR:RQ=2:1

練習3

△ABCの辺AB,ACを 1:3 に内分する点を、それぞれR,Qとする。線分BQとCRの交点をOとし、直線AOと辺BCの交点をPとする。

(1) BP:PC を求めよ。

(2) △OBP:△ABC を求めよ。

練習3の図:AR:RB=1:3、AQ:QC=1:3
答えを見る

(1) △ABCと点Oについて、チェバの定理より

\(\frac{1}{3}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{3}{1}=1\) よって \(\frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}=1\)

したがって BP:PC=1:1

(2) (1)より BC:CP=2:1

△ABPと直線RCについて、メネラウスの定理より

\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{\mathrm{BC}}{\mathrm{CP}}\cdot \frac{\mathrm{PO}}{\mathrm{OA}}=1\)

\(\frac{1}{3}\cdot \frac{2}{1}\cdot \frac{\mathrm{PO}}{\mathrm{OA}}=1\) よって \(\frac{\mathrm{PO}}{\mathrm{OA}}=\frac{3}{2}\)

よって OP:AP=3:5

△OBPと△ABPは底辺BPが共通で、高さの比は OP:AP であるから \(\triangle \mathrm{OBP}=\frac{3}{5}\triangle \mathrm{ABP}\)

また、BP:BC=1:2 であるから \(\triangle \mathrm{ABP}=\frac{1}{2}\triangle \mathrm{ABC}\)

よって \(\triangle \mathrm{OBP}=\frac{3}{5}\times \frac{1}{2}\triangle \mathrm{ABC}=\frac{3}{10}\triangle \mathrm{ABC}\)

したがって △OBP:△ABC=3:10

まとめ:メネラウスの定理

さん
さん

さて、今回のまとめだよ!

メネラウスの定理

■ メネラウスの定理
△ABCと1本の直線ℓがある。直線ℓが辺BC,CA,ABまたはその延長と交わる点をそれぞれP,Q,Rとすると、次の式が成り立つ。
\(\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{RB}}\cdot \frac{\mathrm{BP}}{\mathrm{PC}}\cdot \frac{\mathrm{CQ}}{\mathrm{QA}}=1\)

■ 式の覚え方
チェバの定理と同じく、頂点→分点→頂点→分点→頂点→分点→頂点 の順に三角形を1周する。

生徒
生徒

また一つ賢くなった!

さん
さん

一人だと続かない人は、こんな方法もあるよ!

↑前の記事↑

↑次の記事↑